JPH0543708U - ガス絶縁開閉装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 ３相分離型のガス遮断器の接地タンク１ａ，
１ｂ，１ｃに配設されるブッシング３が相間方向で互い
に離れるように傾けられ、Ｌ字形母線５は相間方向に対
して垂直に配設され、このＬ字形母線５にケーブルヘッ
ド４が接続されているガス絶縁開閉装置。 【効果】 ケーブルヘッド４の相間ピッチＬが小さくな
るためガス絶縁開閉装置の据付面積を縮小することがで
きる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は機器の配置構成を改良したガス絶縁開閉装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

近年、電力需要の増大および電力消費の都市集中の傾向が大きくなり、送電系 統の大容量化が進められている。電力消費の都市集中のため、都市近郊には多数 の変電所が必要とされるが、用地の不足から装置の大幅な小型化が要求されてい る。このため、絶縁媒体としてＳＦ₆ ガス等を用いた小型のガス絶縁開閉装置が 各所で採用されている。

【０００３】 ガス絶縁開閉装置の構成機器の１つであるガス遮断器のうち、３相分離型のも のについてはその据付面積を縮小するために接地タンクを互いに近づけ、ブッシ ングを接地タンクの垂直方向より傾斜させたものが知られている。

【０００４】 すなわち、ガス遮断器の本体たる接地タンクを互いに近づけるとブッシングの 相間気中距離が小さくなってしまう。このため両側のガス遮断器に配設されたブ ッシングを中央のブッシングから離すように相間方向で傾けて配置するのである 。

【０００５】 図５および図６に示すガス遮断器は上記の相間方向への考慮に加え、極間方向 についてもブッシング相互間の距離を大きくするように配置したものである。す なわち、並置した接地タンク１ａ，１ｂ，１ｃ内に遮断部を収納した３相分離型 のガス遮断器の夫々の上部両端から主回路を引出し、この主回路引出し部に取付 管台２を配設して夫々の取付管台２にブッシング３を配置する。取付管台２内に は変流器が配設されている。

【０００６】 ブッシング３は極間気中距離を大きくするため、図５に示すように接地タンク １ａ，１ｂ，１ｃの長手方向で外側に角度α傾けられている。また両側の接地タ ンク１ａ，１ｃに配設されたブッシング３は図６に示すように、角度αの傾きに 加え接地タンク１ａ，１ｂ，１ｃの相間方向で互いに離れるよう角度β外側へ傾 ける。このように角度α傾けることで極間気中距離を大きくとり、角度β傾ける ことで相絶縁距離を大きくとっている。

【０００７】 ところで、都市近郊の用地不足および景観の問題等から送電線の地中ケーブル 化が進行しており、このような送電線端に接続されるガス絶縁開閉装置にはケー ブルヘッドが必要になる。つまり、図５および図６に示したガス遮断器を地中ケ ーブルを用いた送電線の保護に使用する場合は図７乃至図９に示すように架空線 側の主回路にブッシング３を、送電ケーブル側にはケーブルヘッド４を配設する 。このケーブルヘッド４と接地タンク１ａ，１ｂ，１ｃの間にはケーブルヘッド ４の高さをそろえるためにＬ字形母線５が配設されている。

【０００８】 このような従来のガス絶縁開閉装置は上記のようにブッシング３の相間気中距 離を大きくするため、両側の接地タンク１ａ，１ｃの主回路引出し部を相間方向 で角度β外側に傾けている。このため両端のＬ字形母線５が外側へ傾き、Ｌ字形 母線５に接続されるケーブルヘッドの相間ピッチＬが大きくなっていた。

【０００９】 また接地タンク１ａ，１ｂ，１ｃに配設されるＬ字形母線５と接地タンク１ｂ に配設されるＬ字形母線５では形が異なり、加工が困難なＬ字形母線が２種類必 要になる。このように部品を規格化できないため作業性および生産性の向上が難 しいという問題があった。

【００１０】

【考案が解決しようとする課題】

以上のように従来のガス絶縁開閉装置はケーブルヘッドの相間ピッチが大きい ので送電ケーブル側の据付面積の縮小化が難しく、また統一の部品を使用できな いという問題があった。そこで本考案の目的は小型で、しかも規格化された部品 で構成されたガス絶縁開閉装置を提供することにある。

【００１１】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案においては並置した接地タンク内に遮断部 を収納した３相分離型のガス遮断器の夫々両端から主回路を引出し、架空線側の 前記主回路がブッシングを備え、送電ケーブル側の前記主回路がＬ字形母線とケ ーブルヘッドを備えたガス絶縁開閉装置において、３相の前記接地タンクのうち 両端に配置された接地タンクの前記ブッシングを相間方向で互いに離れる向きに 傾けて配設し、３相の前記Ｌ字形母線を、前記接地タンクの相間方向に対して垂 直に夫々の接地タンクに配設したことを特徴とするガス絶縁開閉装置を提供する 。

【００１２】

【作用】

両端の接地タンクに配設されたブッシングは相間方向で互いに離れる向きに傾 けて配設されているので、接地タンクを互いに接近させてもブッシングの相間気 中絶縁距離を保っことができる。一方３相のＬ字形母線は夫々の接地タンクに、 相間方向に対して垂直に配設されているので、すべてのＬ字形母線を同一の形状 にできるうえ、ケーブルヘッドの相間ピッチを従来に比べて大幅に縮小すること ができる。

【００１３】

【実施例】

以下本考案の一実施例を図１乃至図３を参照して説明する。なお従来と同じ部 分については同一の番号を付与して説明を省略する。

【００１４】 ３相分離型のガス遮断器の接地タンク１ａ，１ｂ，１ｃの夫々に配設されたブ ッシング３は極間気中距離を大きくするため角度α、また相間気中距離を大きく するため角度β傾けられている。これに対し、接地タンク１ａ，１ｂ，１ｃの送 電ケーブル側には接地タンク１ａ，１ｂ，１ｃの相間方向に対して垂直かつ夫々 の接地タンク１ａ，１ｂ，１ｃの長手方向については外側に傾けて、Ｌ字形母線 ５を配設する。すなわちＬ字形母線５は極間方向では角度α傾けられており、相 間方向での傾きはなくβ＝０に相当する。 次に本実施例の作用および効果について述べる。

【００１５】 Ｌ字形母線５はβ＝０、すなわち相間方向に対して垂直に配設されているため 、図１および図３に示すようにケーブルヘッド４の相間ピッチＬを小さくするこ とができ、ケーブルヘッド側の据付面積の縮小化が達成される。また、Ｌ字形母 線５は３相すべてで共通の形状となるため部品の規格化が可能になる。さらに接 地タンク１ａ，１ｃの送電ケーブル側の主回路引出し部に形成される開口部の傾 斜方向が一方向のみであるため、接地タンク１ａ，１ｃの製造が容易になり生産 性が向上する。 次に本考案の他の一実施例を図４を参照して説明する。

【００１６】 架空線側の主回路は前記実施例と同様に構成配置されている。一方送電ケーブ ル側の主回路にはＬ字形母線５とケーブルヘッド４の間に分岐母線が配設され、 この分岐母線には３相一括操作の断路器６および３相一括操作の接地開閉器７が 分岐接続されている。

【００１７】 本実施例においても上述した実施例と同様にＬ字形母線５は相間方向に対して 垂直に配設されており、ケーブルヘッド４の相間ピッチは従来に比べて小さくな っている。このため３相一括操作の断路器６および接地開閉器７についての相間 連結リンクが短縮されるので製作コストが低下するうえ、断路器６および接地開 閉器７の動作が安定化するという効果を奏する。

【００１８】 本考案は上記の実施例に限るものではなく、Ｌ字形母線５を極間方向で傾斜さ せなくてもよい。特にＬ字形母線５を夫々の接地タンク１ａ，１ｂ，１ｃに垂直 に配設した場合は、相間ピッチの縮小化に加え、ケーブルヘッド、ブッシング方 向の距離も短くでき、より一層据付面積を小さくすることができる。

【００１９】

【考案の効果】 以上説明したように本考案によればＬ字形母線を接地タンクの相間方向に対し て垂直に配設することによってケーブルヘッドの相間ピッチが小さくなり、小型 で作業性のよいガス絶縁開閉装置を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案によるガス絶縁開閉装置の一実施例を示
す側面図

【図２】図１に示したガス絶縁開閉装置の正面図

【図３】図１に示したガス絶縁開閉装置の平面図

【図４】本考案によるガス絶縁開閉装置の他の一実施例
を示す正面図

【図５】従来のガス遮断器を示す正面図

【図６】図５に示したガス遮断器の側面図

【図７】従来のガス絶縁開閉装置の正面図

【図８】図７に示したガス絶縁開閉装置の側面図

【図９】図７に示したガス絶縁開閉装置の平面図

【符号の説明】

１ａ，１ｂ，１ｃ…接地タンク、３…ブッシング、４…
ケーブルヘッド、５…Ｌ字形母線。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 並置した接地タンク内に遮断部を収納し
   た３相分離型のガス遮断器の夫々両端から主回路を引出
   し、架空線側の前記主回路がブッシングを備え、送電ケ
   ーブル側の前記主回路がＬ字形母線とケーブルヘッドを
   備えたガス絶縁開閉装置において、３相の前記接地タン
   クのうち両端に配置された接地タンクの前記ブッシング
   を相間方向で互いに離れる向きに傾けて配設し、３相の
   前記Ｌ字形母線を、前記接地タンクの相間方向に対して
   垂直に夫々の接地タンクに配設したことを特徴とするガ
   ス絶縁開閉装置。