JPH0543624B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は帯状物貯留装置に関するものである。

［従来の技術］ 例えば、ストリツプのような帯状物の生産設備
にあつては、連続する生産工程の各工程設備の接
続部に帯状物貯留装置を設け、前後工程における
帯状物の位相速度の相違を吸収して一連の生産の
流れが円滑に行われるようにしている。

このような帯状物貯留装置としては、特開昭45
−9051号公報や特開昭47−33941号公報に開示さ
れたものがある。

ところが、上記公報に開示ている回転式の帯状
物貯留装置は、コイルの巻中心軸を上下方向にし
て帯状物を巻いて貯留するようにしているため、
帯状物貯留装置の前後設備が帯状物を幅方向に水
平にして処理する場合には、帯状物を帯状物貯留
装置へ導入し、または該帯状物貯留装置から排出
するときに、帯状物の幅方向を水平から垂直に、
また垂直から水平に変える装置が必要となり不便
であつた。

また、従来の帯状物貯留装置の他の例として
は、第１図から第３図に示す如きものがある。

すなわち、基礎上に設置された大型の支持機枠
１の帯状物ｓの幅方向両側には、片側４組ずつ回
転自在な支持ローラー２が水平に配置され、該支
持機枠１内には円筒状の外側機枠３が配置され、
該側機枠３の外周両側にはレール４が固着されて
いて回転軌道が形成され、外側機枠３はレール４
を介して前記支持ローラー２に支持されている。

外側機枠３の内周所要位置には、リングギヤ５
が固着され、該リングギヤ５には駆動装置により
回転駆動し得るようにしたピニオン（図示せず）
が噛合され、駆動装置、ピニオンを介してリング
ギヤ５を回転駆動することにより、外側機枠３を
回転させ得るようになつている。

更に、外側機枠３の軸線方向中央部外周には複
数の回転自在な外側ローラー６が外側機枠３と平
行に装着されて外側ローラー円筒体７が形成され
ている。

また、外側機枠３には、該外側機枠３の外周側
から内周側へ帯状物ｓを挿通可能な外側窓２１が
設けられている。

外側機枠３内には、該外側機枠３と同心状に円
筒状の内側機枠８が配設され、該内側機枠８は基
礎に設立した支柱９に回転しないように固着され
ている。

内側機枠８の外周所要位置には、前記外側ロー
ラー６と平行に複数の内側ローラー１０が回転自
在に装着されて内側ローラー円筒体１１が形成さ
れている。

また、内側機枠８には、該内側機枠８の外周側
から内周側へ帯状物ｓを挿通可能な内側窓２０が
設けられている。

更に、内側機枠８内には、帯状物方向変換装置
１２が取付けられている。

帯状物方向変換装置１２は、軸線が内側機枠８
の軸線に対して平面的に見て所要角度傾き略半分
が内側機枠８内に位置するように固定された円筒
フレーム１３と、該円筒フレーム１３の外周に回
転自在に取付けられた小ローラー１４とから構成
され、前記の円筒フレーム１３に螺旋状に巻き掛
けた帯状物ｓを横送りして次工程設備へ送給し得
るようになつている。

第３図中、１５は外側ローラー円筒体７に巻付
けられた帯状物ｓを前記外側窓２１を介して内側
ローラー円筒体１１へ送給するための帯状物ｓを
方向変換する回転自在なローラー、１６は内側ロ
ーラー円筒体１１に巻付けられた帯状物ｓを前記
内側窓２０を介して帯状物変換装置１２へ送給す
るための方向変換する回転自在なローラーであ
る。

上述した構成を有する帯状物貯留装置におい
て、帯状物ｓが外側ローラー円筒体７及び内側ロ
ーラー円筒体１１に巻付けられることなくストレ
ートパスする場合には、帯状物ｓは装置入力側か
ら矢印ａ，ｂ，ｃ，ｄ，ｅ，ｆに示す如く外側ロ
ーラー円筒体７の円筒外周を通り、外側窓２１を
経てローラー１５から内側ローラー円筒体１１に
導かれ、該内側ローラー円筒体１１の円筒外周を
通り、内側窓２０を経てローラー１６から帯状物
方向変換装置１２で螺旋状に１巻して横送りさ
れ、装置出側へ排出される。

帯状物ｓを貯留する場合には、ストレートパス
の状態から外側機枠３を回転させることにより外
側ローラー円筒帯７を第３図で矢印ｇ方向へ回転
させる。

外側ローラー円筒体７を矢印ｇ方向へ回転させ
て、入側速度が出側速度より大きくなるように帯
状物ｓを送給すると、該帯状物ｓは、外側ローラ
ー円筒体７の外周に巻付けられて第１のコイル１
７が形成されると共に内側ローラー円筒体１１の
外周に巻付けられて第２のコイル１８が形成され
る。

このように、第１のコイル１７並びに第２のコ
イル１８を形成させることによつて帯状物ｓが帯
状物貯留装置に貯留される。

帯状物ｓを排出する場合には、外側ローラー円
筒体７を第３図で矢印ｈ方向へ逆回転させる。

外側ローラー円筒体７を矢印ｈ方向へ逆回転さ
せて、出側速度が入側速度より大きくなるように
帯状物ｓを送給すると、該帯状物ｓは、外側ロー
ラー円筒体７並びに内側ローラー円筒体１１より
巻戻される。

よつて、帯状物ｓは装置出側へ排出されて後工
程設備へ送給される。

［発明が解決しようとする問題点］ しかしながら、第１図から第３図に示す帯状物
送給装置においては、 (1) 外側ローラー円筒体７に取付けた外側機枠３
は外周から支持される構造であるため、全体を
包むような大きな支持機枠１が必要となつて装
置全体が大型化する、 (2) 装置全体の大型化に起因してメンテナンス性
が悪くなり、装置重量が増加し、据付面積が大
きくなり、基礎も大掛かりとなるため、価格が
高騰し、不経済である、 (3) 既設の帯状物の生産設備に追加設置する場合
には、据付面積が小さいことが必要条件とな
り、その結果設置が不可能になるごとがある、 等の種々の欠点があつた。

［発明の目的］ 本発明は、装置全体を小型化して価格を安くす
ると共に既設の設備にも容易に設置でき、しかも
メンテナンス性も良好な帯状物貯留装置を提供す
ることを目的としてなるものである。

［発明の構成］ 本発明は、円筒状の内側機枠の外周に該内側機
枠と平行な複数の内側ローラーを略等間隔に回転
自在に支持した内側ローラー円筒体と、該内側ロ
ーラー円筒体の外周側から内周側へ貫通し且つ帯
状物が通過可能な内側窓と、前記内側ローラー円
筒体を固定する脚柱と、前記内側ローラー円筒体
を周方向に取り囲むように同心に配置された円筒
状の外側機枠の外周に該外側機枠と平行な複数の
外側ローラーを略等間隔に回転自在に支持した外
側ローラー円筒体と、該外側ローラー円筒体の外
周側から内周側へ貫通し且つ帯状物が通過可能な
外側窓と、前記内側機枠に取り付けられ外側ロー
ラー円筒体を内側ローラー円筒体に対して回転自
在に支持する支持ローラーと、前記外側ローラー
円筒体を正逆に回転駆動させる駆動装置と、軸心
が前記内側ローラー円筒体に対して傾いた円筒フ
レームを該円筒フレームの略半分が内側ローラー
円筒体内に位置するように固定し且つ前記円筒フ
レームの外周に複数の小ローラーを回転可能に支
持した方向変換装置とを備え、帯状物の先端部を
外側窓を経て外部より外側ローラー円筒体内へ挿
通し、更に内側窓を経て内側ローラー円筒内へ挿
通したうえ、円筒フレームに巻掛けて内側ローラ
ー円筒体の外部へ引出す際に、外側ローラー円筒
体を回転させることにより前記帯状物の中間部を
外側ローラー円筒体と内側ローラー円筒体の各外
周に巻付け、貯留し得るように構成している。

［実施例］ 以下、図面を参照しつつ本発明の実施例を説明
する。

第４図及び第５図は本発明の一実施例であり、
図中第１図及び第２図に示すものと同一の符号を
付した部分は同一物を表わしている。

本実施例の基本的な原理構造は第１図及び第２
図に示すものと略同じであるが、本実施例におい
ては、支持ローラー２を、脚柱１９に固定された
内側機枠８に装着し、外側ローラー６を外周に設
けた外側枠３の内周所要位置に、回転軌道を形成
するレール４を固着し、外側機枠３をレール４及
び支持ローラー２を介して内側機枠８に支持させ
るようにし、外側機枠３を回転駆動するためのリ
ングギヤ５を外側機枠３の外周に固着している。

上記構成を有する本実施例においては、外側機
枠３を支持するために従来のような大型の支持機
枠を独自に必要とせず、内側ローラー円筒体１１
を配設した内側機枠８を支持機枠として併用して
いるため、装置本体を小型化にすることが可能に
なる。

本実施例の作動は従来例の場合と同様であるの
で、説明は省略する。

なお、本発明は上述した実施例のみに限定され
るものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲
内において種々の変更を加え得ることは勿論であ
る。

［発明の効果］ 以上述べたように、本発明によれば、 (1) 大きな支持機枠が不必要になるため、装置全
体を小型にすることができる。

(2) 小型化によりメンテナンス性が良好になり、
装置重量が減少し、据付面積も小さくなり、基
礎も簡単になるため、価格が安価となり、経済
的である、 (3) 既設の帯状物の生産設備に追加設置する場合
でも、据付面積が小さいため容易に設置でき
る、 等の種々の優れた効果を発揮する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の帯状物貯留装置の説明図、第２
図は第１図の−方向矢視図、第３図は従来の
帯状物貯留装置において帯状物を貯留する場合の
作動説明図、第４図は本発明の帯状物貯留装置の
一実施例の説明図、第５図は第４図の−方向
矢視図である。 図中、２は支持ローラー、３は外側機枠、４は
レール、６は外側ローラー、７は外側ローラー円
筒体、８は内側機枠、１０は内側ローラー、１１
は内側ローラー円筒体、１２は帯状物方向変換
機、１３は円筒フレーム、１４は小ローラー、１
７は第１のコイル、１８は第２のコイル、１９は
脚柱、２０は内側窓、２１は外側窓を示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 円筒状の内側機枠の外周に該内側機枠と平行
   な複数の内側ローラーを略等間隔に回転自在に支
   持した内側ローラー円筒体と、該内側ローラー円
   筒体の外周側から内周側へ貫通し且つ帯状物が通
   過可能な内側窓と、前記内側ローラー円筒体を固
   定する脚柱と、前記内側ローラー円筒体を周方向
   に取り囲むように同心に配置された円筒状の外側
   機枠の外周に該外側機枠と平行な複数の外側ロー
   ラーを略等間隔に回転自在に支持した外側ローラ
   ー円筒体と、該外側ローラー円筒体の外周側から
   内周側へ貫通し且つ帯状物が通過可能な外側窓
   と、前記内側機枠に取り付けられ外側ローラー円
   筒体を内側ローラー円筒体に対して回転自在に支
   持する支持ローラーと、前記外側ローラー円筒体
   を正逆に回転駆動させる駆動装置と、軸心が前記
   内側ローラー円筒体に対して傾いた円筒フレーム
   を該円筒フレームの略半分が内側ローラー円筒体
   内に位置するように固定し且つ前記円筒フレーム
   の外周に複数の小ローラーを回転可能に支持した
   方向変換装置とを備え、帯状物の先端部を外側窓
   を経て外部より外側ローラー円筒体内へ挿通し、
   更に内側窓を経て内側ローラー円筒内へ挿通した
   うえ、円筒フレームに巻掛けて内側ローラー円筒
   体の外部へ引出す際に、外側ローラー円筒体を回
   転させることにより前記帯状物の中間部を外側ロ
   ーラー円筒体と内側ローラー円筒体の各外周に巻
   付け、貯留し得るように構成したことを特徴とす
   る帯状物貯留装置。