JPH0542960B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 イ 産業上の利用分野 本発明は、曲面や凹凸面あるいは条溝等が形成
された被印刷物の表面に一定の模様を確実に転写
できる印刷方法に関するものである。

ロ 従来の技術 従来のこの種の印刷方法として、特公昭57−
50547号公報に開示されているものがある。

この公報に開示された印刷方法は、任意の模様
を例えばポリビニルアルコール等で製した平板状
の水溶性ベース上に印刷して更にその上面に接着
剤を塗布し、水槽に浮遊させ、前記印刷模様を上
記水溶性ベースの水漬による溶解により水面上に
残留させて半流動性の平板状印刷模様を形成し、
その平板状印刷模様の上方から表面非平板状の被
印刷物を押し当てて、被印刷物体の表面への模様
転写を行わせるものである。

すなわち、水面上に半流動状態で残留する平板
状印刷模様に、上方から表面非平板状すなわち曲
面、凹凸面あるいは条溝等が表面に形成された被
印刷物を押し当てて、模様転写を行う印刷方法で
あつた。

ハ 発明が解決しようとする問題点 従来のこの種の印刷方法は、前記のように水面
上に浮いている平板状印刷模様に対して、曲面、
凹凸面あるいは条溝等が表面に形成された被印刷
物体を押し当てて模様転写していたので、同一形
状の被印刷物体に同一模様を正確に印刷すること
がなかなか難かしく、生産性が悪いという欠点を
有するものであつた。

ニ 発明の目的および前記問題点を解決するため
の手段 本発明は、前記のような問題点を解消するもの
で、所定位置に印刷が確実にでき、生産性の向上
が計れる印刷方法を提供するものである。

以上の目的を達成するための具体的手段は、 水溶性ベース１上に印刷模様２が施されその上
に接着剤３が塗布された状態の三重構造から成
り、上記接着剤３の上面が被印刷物４に密着接合
する形状となるよう転写ユニツトＴを成型し、該
転写ユニツトＴに被印刷物４を当接した後に、水
漬してその水圧で接着剤３を被印刷物４に押圧接
着すると共に、水溶性ベース１を水中に溶解消失
させ、被印刷物４に印刷模様２を転写させるよう
にしたことにある。

ホ 作用 この発明における印刷方法は、水溶性ベース１
上に印刷模様２が施されその上から接着剤３が塗
布されたものを、被印刷物４の形状に合せて密着
接合できるよう真空成形した転写ユニツトＴを設
け、この転写ユニツトＴを被印刷物４に当接した
後に水漬することにより、その水圧で接着剤３が
被印刷物４に接着されると共に、水に漬された転
写ユニツトＴの水溶性ベース１は水中に溶解消失
し、被印刷物４の表面に木目模様、花柄模様、幾
何学模様等の印刷模様２が転写される。

ヘ 実施例 以下、図面により本発明実施例の１例を詳細に
説明する。

図中Ｔは転写ユニツトを示す。この転写ユニツ
トＴは、例えばポリビニルアルコールで製した水
溶性ベース１上に公知の印刷機（図示しない）で
木目模様、花柄模様、幾何学模様等の印刷模様２
が印刷され、更にその上面にエポキシ樹脂、アク
リル樹脂等をベースとした接着剤３が塗布された
三重構造から成り、第２図で示すように曲面、凹
凸面あるいは条溝等の非平板状表面が形成された
被印刷物４に上記接着剤３の上面が密着接合する
形状となるように真空あるいはプレス成形等の手
段により立体成形したものである。

前記転写ユニツトＴの水溶性ベース１は、上記
のポリビニルアルコール製でなくても水に漬けた
場合に印刷模様２と剥離するものであれば良く、
例えば、特公昭52−41682号公報で開示されてい
るように、紙の上に澱粉を塗布し、水漬により澱
粉が溶解して紙を沈降させるようにしたものでも
良い。

また、水溶性ベース１上に印刷される印刷模様
２は、前記のような木目模様、花柄模様、幾何学
模様等に限らず、千鳥格子模様、市松模様、エジ
プト模様等その被印刷物４により種々採用するこ
とができる。

また、接着剤３もエポキシ樹脂、アクリル樹脂
に限定されるものではなく、印刷模様２と被印刷
物４がなじむものであれば良い。更に、水溶性ベ
ース１に印刷模様２を印刷し、これを被印刷物４
で適合させて成型したものに、接着剤３をスプレ
ー等で塗布しても良い。

次いで、前記のように成型した転写ユニツトＴ
の内面を第２図で示すように被印刷物４に当接し
た状態で、転写ユニツトＴ側を水槽中の水５に押
当てると、被印刷物４の自重および押当てる力に
水圧が反撥して被印刷物４の表面全体に転写ユニ
ツトＴが一様に押付けられる。

斯くして被印刷物４の曲面、凹凸面あるいは条
溝等から成る非平板状表面の所定部位へ接着剤３
を介して印刷模様２が転写されると同時に、第１
図で示すように水溶性ベース１が速かに溶解消失
する。その結果、被印刷物４の表面に印刷模様２
が露呈する。

ト 発明の効果 以上のように本発明に係る印刷方法は、水溶性
ベース１上に木目模様、花柄模様、幾何学模様等
の印刷模様２が印刷され、更にその上に接着剤３
が塗布されたものを、上記接着剤３が被印刷物４
に密着接合する形状となるように成型した転写ユ
ニツトＴを設け、該転写ユニツトＴを被印刷物４
に当接した後に、水槽内の水５に押当てるように
水漬させることにより印刷模様２を被印刷物４に
転写させるもので、予め転写ユニツトＴが被印刷
物４に適合するように形成されているので、印刷
模様２を被印刷物４の曲面、凹凸面、条溝等の表
面状態に拘りなく、正確美麗に印刷することが可
能である。すなわち、同一形状の複数の被印刷物
４に対し、ずれのない印刷模様の製品を効率良く
製造することができると共に、従来殆んど困難で
あつた複雑な曲面、凹凸面、条溝のある被印刷物
４に対しても印刷ミスすることなく美麗な印刷を
正確に迅速に施すことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明印刷方法の実施の１例を示すも
ので、被印刷物４を転写ユニツトＴに当接し水５
に漬けた状態の断面図、第２図は被印刷物４と転
写ユニツトＴの断面図である。 図中主要符号、Ｔ……転写ユニツト、１……水
溶性ベース、２……印刷模様、３……接着剤、４
……被印刷物、５……水。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 水溶性ベース１上に印刷模様２が施されその
   上に接着剤３が塗布された状態の三重構造から成
   り、上記接着剤３の上面が被印刷物４に密着接合
   する形状となるよう転写ユニツトＴを成型し、該
   転写ユニツトＴの接着剤３側に被印刷物４を当接
   した後に、水漬してその水圧で接着剤３を被印刷
   物４に押圧接着すると共に、水溶性ベース１を水
   中に溶解消失させ、被印刷物４に印刷模様２を転
   写させるようにしたことを特徴とする印刷方法。