JPH0542649B2

JPH0542649B2 -

Info

Publication number: JPH0542649B2
Application number: JP59122121A
Authority: JP
Inventors: Shigeru Komazaki
Original assignee: Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Current assignee: DIC Corp
Priority date: 1984-06-15
Filing date: 1984-06-15
Publication date: 1993-06-29
Also published as: JPS613120A

Description

【発明の詳細な説明】本発明は、カラーフイルターをもつカラー液晶
表示装置に関するものである。更に詳細には、本
発明は、カラーフイルターの剥離、透明性電極
膜、液晶の配向膜の形成時におけるカラーフイル
ターの染料の減色、カラーフイルターのクラツク
発生等が防止された、信頼性の高いそして色表示
品質の高いカラー液晶表示装置に関するものであ
る。

液晶を用いた簡便なカラー表示方式に、カラー
フイルターを用いた方式がある。この方式は、光
シヤツター用に液晶セルを用い、セルを透過した
光がカラーフイルターを透過して着色光となるも
のである。この場合に用いられる液晶セルには、
ゲストホスト形（例えば黒色の色素を用いる）液
晶、ツイストネマテイツク（TN）液晶等があ
る。その構造として、例えば、先ず偏光フイルム
があり、次に誘電異方性が正のネマテイツク液晶
（Np液晶）のTN配列液晶セルがあり、次にカラ
ーフイルターがあり、次に偏光フイルムが並んで
いる。この１対の偏光フイルムの偏光軸が平行な
場合、透過光は、電界を印加しない時でしや断さ
れ、印加した時でカラーフイルターの色を示す。
一対の偏光フイルムの偏光軸が垂直な場合、透過
光は、電界を印加しない時でカラーフイルターの
色を示し、印加した時でしや断される。

しかし、この方式だけでは一色の色表示しか出
来ず、この方式を用いてフルカラー表示をするた
めには、１枚のパネル内に３原色（赤、緑、青）
のカラーフイルターを細かく規則的に例えばスト
ライプ状、ドツト状、モザイク状などに配置し、
そのカラーフイルターに対応して液晶セルを用い
て、３原色表示を独立に制御することが必要であ
る。液晶セルは光シヤツターとなる液晶セルなら
なんでも良く、例えばツイストネマテイツク液晶
セル、ゲスト・ホスト液晶セル等が用いられ、そ
の液晶セルをそれぞれ独立に制御する回路として
は、マトリツクス型の薄膜トランジスターや非線
形素子等の薄膜素子例えばMIM（金属−絶縁物−
金属）素子、ダイオード等がある。

カラーフイルターは、ポリビニルアルコールや
ゼラチン等の水溶性有機樹脂層を形成し、その上
に所定のフイルター配列になる様なパターンに
赤、緑、青の３原色の染料で染色して作られる。
また、二酸化チタン及び二酸化ケイ素の薄膜を所
定のフイルター配列になる様なパターンに赤、
緑、青の３原色の染料で染色して作られる。それ
故、本発明の用途であるカラー液晶表示装置にカ
ラーフイルターを用いるためには、この３原色カ
ラーフイルターをガラス基板等の透明基板に接着
させなければならず、その密着性が問題になる。
また、接着後のカラーフイルターの上に透明電極
膜（例えば酸化インジウム、酸化すず等）と液晶
の配向膜（ポリイミド膜、シランカツプリング剤
から成る膜等）を形成するための条件（加熱等）
によつて、カラーフイルターの染料が減色した
り、カラーフイルターにクラツクが生じる等の問
題がある。これらの問題を解決するために、無色
透明性、耐熱性、密着性、電気絶縁性が良い、カ
ラーフイルター全体を覆う保護膜が必要である。

その保護膜としては、アクリル樹脂等の透明有
機樹脂や二酸化ケイ素等の金属酸化物の使用が検
討されてきた。しかし、アクリル樹脂では、耐熱
性が悪いことから、透明電極膜、配向膜を形成す
る時の加熱条件下でアクリル樹脂保護膜自体が劣
化し、またカラーフイルターの染料の減色やカラ
ーフイルターにクラツクが生じた。また、二酸化
ケイ素膜では、その形成時に高温を要し、そのた
めにカラーフイルターの染料の減色やカラーフイ
ルターにクラツクが生じた。

本発明の目的は、上記欠点を除去したカラーフ
イルター用保護膜を提供することにある。その保
護膜は、無色透明であり、カラーフイルターとの
密着性が良く、その保護膜の上に透明電極膜（例
えば酸化インジウム、酸化すず等）と液晶の配向
膜（ポリイミド膜、シランカツプリング剤から成
る膜等）を形成するための条件（加熱等）に対し
て十分な耐久性（耐熱性）があり、かつ、その条
件下でカラーフイルターの染料が減色したり、カ
ラーフイルターにクラツクが生じたり、すること
がない程度の保護性能のあるものである。

本発明者は、前記保護膜を提供することを目的
として鋭意検討を重ねた結果、有機基を有するラ
ダー型ポリシロキサンよりなる塗膜が前記要求を
満足するカラーフイルター用の保護膜になること
を見い出し、本発明を完成するに至つた。

斯くして、本発明は、有機基を有するラダー型
ポリシロキサンによる保護膜が施されたカラーフ
イルターを用いて成るカラー液晶表示用装置、特
に、一般式（但し、R₁〜R₄はアリール基、アルキル基、ア
ルケニル基、アルニキル基、或いはアルキル基又
はハロゲン基で置換された、アリール基、アルキ
ル基、アルケニル掛又はアルキニル基であり、ｎ
は整数である。）で示される有機基を有するラダ
ー型ポリシロキサンを有機溶剤に溶解した溶液を
カラーフイルター上に塗布したのち室温又は加熱
下で乾燥してカラーフイルター用の無色の透明性
の良いそして耐熱性の良い保護膜としたことを特
徴とするカラー液晶表示装置、を提供する。

本発明で用いる有機基を有するラダー型ポリシ
ロキサンの例としては、フエニルラダー型ポリシ
ロキサン、トリルラダー型ポリシロキサン、クロ
フエニルラダー型ポリシロキサン、プロモフエニ
ルラダー型ポリシロキサン、メチル・フエニルラ
ダー型ポリシロキサン、イソブチル、フエニルラ
ダー型ポリシロキサン、イソアミル、フエニルラ
ダー型ポリシロキサン、ノルマルヘキシルフエニ
ルラダー型ポリシロキサン、メチルラダー型ポリ
シロキサン、ノルマブルチルラダー型ポリシロキ
サン、ナフチルラダー型ポリシロキサン、ジフエ
ニルラダー型ポリシロキサン等があるが、そのポ
リシロキサンの末端はカゴ型でも水酸基型でもど
ちらでも良い。これらの中でも特に、フエニルラ
ダー型ポリシロキサンが好ましい。これらのポリ
シロキサンの重量平均分子量は、ポリスチレン換
算で１×10³〜１×10⁶である。平均分子量が１×
10³以下では製膜性がなく、また１×10⁶以上では
溶剤に溶けにくくなる不都合を生じる。

本発明では、保護膜形成時に硬化触媒を用いて
も用いなくても良い。触媒を用いた時は膜形成温
度は低温（150℃以下）で良く、用いない時は高
温（150〜350℃）必要となる。しかし、末端カゴ
型ラダー型ポリシロキサンでその平均分子量が
10⁴×10⁶であるものは、触媒がなくても低温で膜
形成が出来る。硬化触媒としては、１，８−ジア
ザビシクロ〔５，４，０〕−７−ウデセン、１，
４−ジアザビシクロ〔２，２，２〕オクタン、ト
リエチルアミン、エチレンジアミン、トリエタノ
ールアミン、ジブチルアミン、ヘキシルアミン等
のアミン類；鉄、鉛、錫、アンチモン、カドミウ
ム、チタン、カルシウム、ビスマス、ジルコニウ
ム、ナトリウム、カリウム、セシウム、マグネシ
ウム等の金属の有機カルボン酸塩；リチウム、ナ
トリウム、カリウム等の金属の水酸化物；ベンジ
ルトリメチルアンモニウムハイドロオキサイド、
テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドの
如き４級アンモニウム塩；ジブチル錫ジアセテー
ト、ジブチル錫ジオクテート、ジブチル錫ジラウ
レート、ジブチル錫マレートの如き含金属化合
物；ｐ−トルエンスルホン酸、トリクロロ酢酸、
燐酸の如き酸性化合物などが例示される。その使
用量は、有機基を有するラダー型ポリシロキサン
の重量を基準として0.001〜10重量％で良く、こ
れにより少ない時は硬化温度を150〜350℃と高温
にしなければならず、これにより多い時は塗膜が
硬くなりすぎてクラツクが発生してしまう等の不
都合が生じる。また、塩基性硬化触媒を用いる時
は硬化抑制剤として酢酸の添加が有効であり、そ
の量は触媒１重量部に対して１〜100重量部が良
く、特に５〜50重量部が好ましい。

本発明で用いることの出来る塗布液用溶剤は、
有機基を有するラダー型ポリシロキサンを溶解す
る溶剤なら何でも良く、アルコール系、エステル
系、ケトン系、エーテル系、芳香族系、ハロゲン
化炭化水素系、非水系極性溶媒等が良い。例え
ば、エタノール、酢酸エチル、メチルエチルケト
ン、イソプロピルエーテル、テトラハイドロフラ
ン、ベンゼン、アニソール、フエネトール、クロ
ルベンゼン、Ｎ−メチルピロリドンなどが挙げら
れる。溶液濃度は0.01〜50重量％が良く、好まし
くは0.1〜30％である。その塗布液は刷け塗り法、
回転塗布法、スプレー法、印刷法、浸漬法等によ
りカラーフイルターの上に塗られる。

本発明によつて得られるカラーフイルター用の
保護膜の厚さは特に限定されないが、好ましくは
0.5〜10μｍが良い。

本発明で使用出来る液晶セルは、ツイストネマ
テイツク（TN）液晶、ゲスト・ホスト形液晶等
であり、光スイツチになる液晶セルであればどん
な液晶セルでも良い。そして、その液晶セルは、
それぞれ独立に制御出来るマトリツクス型の薄膜
トランジスターや非線形素子等の薄膜素子〔例え
ばMIN（金属−絶縁物−金属）素子、ダイオード
等〕を備えている。

また、その観察は、透過型、反射型いずれもが
可能である。

本発明のカラー液晶表示用装置は、極めて信頼
性が高くかつ色表示品質が高いので、カラー液晶
テレビ、壁掛け用カラー液晶テレビ、携帯用ラジ
オカセツト付カラー液晶テレビ等への応用、或い
は、数字、カナ、アルフアベツト、グラフ等の各
種カラーデイスプレイとしての使用が期待され
る。

次に、実施例及び比較例によつて本発明を具体
的に説明する。各例中の％はすべて重量基準であ
る。

実施例１添付図面に示すように、透明基板２の外側に偏
光フイルム１を形成し、透明基板２の内面に形成
された赤、緑、青の色偏光フイルム（Ｒ、Ｇ、Ｂ
……）１２の上に、１×10⁵の重量平均分子量の
末端カゴ型のフエニルラダー型ポリシロキサンを
ベンゼンに溶かした溶液を塗布し、これを常温下
で乾燥して、カラーフイルター保護膜３とした。
この保護膜３は無色であり、透明性が良い。この
保護膜３の上に透明電極４を、更にその上に配向
膜５を被着した。また、透明基板９の外側に偏光
フイルム１０を配置し、内側に透明基板８を、そ
の上に配向膜７を被着した。配向膜５及び７は、
互いにほぼ90度異なる方向にラピング処理され
て、液晶分子を一定方向へ配向する配向特性が付
与される。正の誘電異方性をもつネマテイツク液
晶６は、配向膜５及び７の間に充たされ、配向膜
５及び７の規制力により、その分子の配列方向が
配向膜面で互いにほぼ90度異なつているツイスト
ネマイツク（TN）配向している。偏光フイルム
１及び１０は、その偏光軸が平行であり、１１は
白色光源であり、このカラー液晶表示装置は透過
型である。図中のON、OFFは電界印加、無印加
を表わしており、印加部の透過光はＲ、Ｇ、Ｂに
対応して赤色光、緑色光、青色光を示し、無員印
加の透過光はしや断される。

本実施例のようにフエニルラダー型ポリシロキ
サンをカラーフイルターの保護膜３に使用した時
は、その耐熱性の良さのために、透明電極４及び
配向膜５を形成する時の加熱（350℃×２時間）
からカラーフイルターが保護され、カラーフイル
ターの染料の減色及びカラーフイルターにクラツ
クが生じることはなかつた。また、その保護膜
は、無色で透明性が良いことから、色の表示品質
が高かつた。

実施例２実施例１と同じくカラー液晶表示装置を組み立
てた。１×10⁵の重量平均分子量のフエニル・イ
ソブチルラダー型ポリシロキサン（C₆H₅：iso−
C₄H₉＝４：１）のシクロヘキサン溶液から製膜
し常温乾燥して得た膜を、カラーフイルターの保
護膜３とした。この保護膜３は、その耐熱性の良
さのために、透明電極４及び配向膜５を形成する
時の加熱からカラーフイルターを保護し、カラー
フイルターの染料の減色及びカラーフイルターに
クラツクが生じることはなかつた。また、この保
護膜は、無色で透明性が良いことから、色の表示
品質が高かつた。

実施例３実施例１と同じくカラー液晶表示装置を組み立
てた。５×10⁴の重量平均分子量の末端OH型の
フエニルラダー型ポリシロキサンと硬化触媒
DBU（１，８−ジアザビシクロ−〔５，４，０〕−
７−ウンテセン）（２％対ポリシロキサン）との
トルエン等の溶液から製膜し硬化させて得た膜
を、カラーフイルターの保護膜３とした。この保
護膜３は、その耐熱性の良さのために、透明電極
４及び配向膜５を形成する時の加熱からカラーフ
イルターを保護し、カラーフイルターの色礎の染
料及びカラーフイルターにクラツクが生じること
はなかつた。また、その保護膜は、無色で透明性
が良いことから、色の表示品質が高かつた。

比較例１実施例１と同じくカラー液晶表示装置を組み立
てた。アクリル樹脂をカラーフイルターの保護膜
３とした。この保護膜３は、無色で透明性が良い
ことから、色の表示品位は高かつたが、耐熱性が
悪いことから、透明電極４及び配向間５を形成す
る時の加熱条件下（350℃×２時間）で保護膜３
自体が劣化し、またカラーフイルターの染料の減
色及びカラーフイルターにクラツクが生じた。

比較例２実施例１と同じくカラー液晶表示装置を組み立
てた。二酸化ケイ素をカラーフイルターの保護膜
３とした。このもの自体は、耐熱性か良いが、カ
ラーフイルターの上にこれを形成する時に高温を
要し、そのために、カラーフイルターの染料の減
色及びカラーフイルターにクラツクが生じた。

【図面の簡単な説明】

添付図面の第１図は本発明のカラー液晶表示装
置の断面図である。図において、２及び９は透明基板、１２は赤
(R)、緑(G)、青(B)のカラーフイルター、３は保護
膜、４及び８は透明電極膜（ITO）、５及び７は
配向膜（ポリイミドなど）、６はTN液晶、１及
び１０は偏光軸が平行な一対のフイルム、１１は
白色光源である。

Claims

【特許請求の範囲】１カラーフイルターをもつカラー液晶表示装置
において、そのカラーフイルター上にコーテイン
グするカラーフイルターの保護膜として有機基を
有するラダー型ポリシロキサンを用いることを特
徴とするカラー液晶表示用装置。２有機基を有するラダー型ポリシロキサンが、
一般式（但し、R₁〜R₄はアリール基、アルキル基、ア
ルケニル基、アルキニル基、或いはアルキル基又
はハロゲン基で置換された、アリール基、アリキ
ル基、アルケニル基又はアルキニル基であり、ｎ
は整数である。）の構造を有するポリアリールア
ルキルシルセスキオキサンであることを特徴とす
る特許請求の範囲第１項記載のカラー液晶表示用
装置。