JPH0541913A - 多条移植機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ［目的］ 多条に苗を植付ける多条移植機において、
多条に植付けられた栽培作物の収穫作業での作業性を向
上させる。 ［構成］ 多条の苗植付装置（１５ａ）（１５ｂ）
（１５ｃ）（１５ｄ）を備えた移植機において、前記苗
植付装置（１５ａ）（１５ｂ）（１５ｃ）（１５ｄ）の
苗植付位置を隣接条間で前後に異ならせる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は苗載台の苗トレイから苗
取出爪によって取出した１株分のポット苗を植付爪に受
取って順次圃場に自動植付けする主に野菜などの多条植
付用移植機に関する。

【０００２】

【従来の技術】この種多条植付用の移植機にあっては、
各条同一タイミングで苗植付けを行う同列植付けがほと
んどである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし乍らこのような
同列植付けの場合、作物が生育するにしたがい隣接する
条間は密集する状態となって、作物の収穫時などにおい
ては作業が行い難いという問題があった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】したがって本発明は、多
条の苗植付装置を備えた移植機において、前記苗植付装
置の苗植付位置を隣接条間で前後に異ならせるように設
けて、隣接条間で栽培作物が密集状となるのを解消させ
て、作物収穫時での作業性を向上させるものである。

【０００５】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳述
する。図１は移植部の平面説明図、図２は乗用移植機の
全体側面図、図３は同平面図を示し、図中（１）は作業
者が搭乗する走行車であり、（２）はエンジン（３）を
前部に搭載する車体フレーム、（４）（５）は走行用前
後輪、（６）は前記エンジン（３）などを覆うボンネッ
ト、（７）は前記ボンネット（６）両側に装備する予備
苗載台、（８）は車体カバー（９）上部に設ける運転
席、（１０）は前記運転席（８）の前方でボンネット
（６）後部に設ける操向ハンドル、（１１）は前記運転
席（８）後部の車体カバー（９）上に搭載する移植用水
タンクである。

【０００６】また図中（１２）は苗供給装置（１３）及
び苗取出装置（１４）及び苗植付装置（１５）などを有
する４条植付用の苗自動移植部であり、４条の前記苗供
給装置（１３）及び苗取出装置（１４）を支持する移植
フレーム（１６）をトップリンク（１７）及びロワーリ
ンク（１８）を含む三点リンク機構（１９）を介して走
行車（１）後側に昇降自在に連結させると共に、前記苗
植付装置（１５）の苗植付駆動ケース（２０）を上下平
行リンク（２１）（２２）を介して移植フレーム（１
６）に上下動自在に連結させて、前記ロワーリンク（１
８）に連結させる油圧昇降シリンダ（２３）の伸縮動作
でもって移植部（１２）の昇降制御を行う一方、前記植
付装置（１５）後方に延設するゲージフレーム（２４）
後端の上下高さ調節自在なゲージホイル（２５）を畝
（Ａ）上面に転接させて、畝（Ａ）上面に追従させる如
く植付装置（１５）を上下動させて、畝（Ａ）に対し植
付装置（１５）を倣い制御するように構成している。

【０００７】図４にも示す如く、前記苗供給装置（１
３）は、苗トレイ（２６）を搭載する４条苗載台（２
７）と、苗載台（２７）を左右方向に横送り案内する上
下ガイド軸（２８）（２９）と、苗載台（２７）を横送
り駆動する横送り駆動ケース（３０）と、各苗載台（２
７）左右の駆動スプロケット（３１）と従動輪（３２）
間に張架する左右の縦送りチェン（３３）と、左右の縦
送りチェン（３３）間に等間隔毎に設ける縦送りピン
（３４）と、前記苗載台（２７）の上端側上方に設ける
苗トレイ自動補給装置（３５）とを備え、前記苗載台
（２７）の横送り終端時苗トレイ（２６）の各セル（２
６ａ）底部間に掛合させる縦送りピン（３４）を、前記
スプロケット（３１）の回転でもって移動させて苗トレ
イ（２６）の縦送りを行う一方、苗トレイ（２６）の所
定回数の縦送り毎に補給装置（３５）を動作させて、苗
載台（２７）に苗トレイ（２６）の自動補給を行うよう
に構成している。

【０００８】前記苗取出装置（１４）は、苗取出駆動軸
（３６）にロータリケースなどを介し苗取出爪（３７）
を連結支持させる苗取出アーム（３８）と、前記苗供給
装置（１３）に駆動力を入力する縦送り駆動軸（３９）
の固定押出カム（４０）に揺動アーム（４１）を介しピ
ン支持体（４２）を連結させる苗押出ピン（４３）とを
備え、前記駆動軸（３６）の回転による苗取出爪（３
７）の苗トレイ（２６）への上方よりの突入直前に、苗
押出ピン（４３）を苗トレイ（２６）底面側より突入さ
せて苗を押出動作させて、これら苗取出爪（３７）と苗
押出ピン（４３）による苗取出しを行うように構成して
いる。

【０００９】図５乃至図６に示す如く、前記苗植付装置
（１５）は、前記苗取出爪（３７）によって取出された
苗トレイ（２６）からの１株分のポット苗を受取って畝
（Ａ）上面に植付ける２つの分離爪体（４４ａ）（４４
ｂ）を有するホッパ形植付爪（４４）と、ＰＴＯ入力軸
（４５）を介し植付駆動ケース（２０）に入力される植
付駆動力を出力する植付ケース（４６）と、該ケース
（４６）の植付駆動軸（４７）にロータリケース（４
８）及びクランクアーム（４９）を介し支持する植付爪
（４４）の植付アーム（５０）と、前記植付アーム（５
０）一端側のガイドローラ（５１）を嵌入させてクラン
クアーム（４９）の回転時植付爪（４４）を上下に案内
して植付運動させる昇降ガイド（５２）と、前記クラン
クアーム（４９）の植付アーム（５０）取付軸（５３）
に固設して前記爪体（４４ａ）（４４ｂ）を支持するア
ーム（５４ａ）（５４ｂ）に揺動板（５５ａ）（５５
ｂ）及び進退ロッド（５６）を介し連結させる爪開閉カ
ム（５７）とを備え、前記植付駆動軸（４７）の回転時
昇降ガイド（５２）に沿って植付アーム（５０）を上下
動させると共に、該アーム（５０）の下動時前記カム
（５７）でもって爪体（４４ａ）（４４ｂ）を開放し
て、これら爪体（４４ａ）（４４ｂ）内のポット苗
（Ｂ）を畝（Ａ）に植付けるように構成している。

【００１０】また、畝面にマルチシートを敷設しての作
業時に、マルチカッタ（５８）を上下動させるカッタ駆
動機構（５９）を設けるもので、前記植付ケース（４
６）の固定取付板（６０）にマルチカッタ（５８）を上
下動自在に支持する一対の上下リンク（６１）（６２）
と、前記植付駆動軸（４７）に取付けてこの外周カム面
を上リンク（６１）の回転子（６３）に摺接させるカッ
タ上下動用カム（６４）とを駆動機構（５９）は備え、
前記植付爪（４４）の上下動作に連動してマルチカッタ
（５８）を上下動させてマルチシートに植付穴を穿孔す
るように構成している。

【００１１】さらに、前記取付板（６０）に枢支軸（６
５）及び支持アーム（６６）を介して培土ローラ（６
７）を設けるもので、前記駆動軸（４７）に取付けるカ
ム（６８）に回転子（６９）を摺接させる揺動アーム
（７０）を、揺動板（７１）及びロッド（７２）を介し
て前記支持アーム（６６）に連動連結させて、前記植付
爪（４４）の上下動作に連動して培土ローラ（６７）を
上下動させて植付直後の苗（Ｂ）に培土を施すように構
成している。

【００１２】図７に示す如く、前記苗トレイ自動補給装
置（３５）は、複数の苗トレイ（２６）を多段に収納す
る苗トレイ補給ケース（７３）と、該ケース（７３）内
の苗トレイ（２６）前後端の各セル（２６ａ）底部間に
掛合させる横軸（７４）を先端に有し基端を支軸（７
５）を介し揺動自在にケース（７３）に支持するトレイ
アーム（７６）と、前記支軸（７５）にトレイアーム
（７６）と一体的に支持する従動カム（７７）と、前記
ケース（７３）にカム軸（７８）を介し回転自在に支持
するトレイ下送り用回転カム（７９）と、多段に収納す
る各苗トレイ（２６）の下送り用回転カム軸（７８）に
取付けるスプロケット（８０）を前記従動軸（３２）に
連動連結させる縦送り同調用チェン伝達機構（８１）と
を備え、前記回転カム（７９）の下送り動作タイミング
を上方程順次１縦送り分遅れる状態に設けて、最下段の
各トレイアーム（７６）が下方向に開放されて前記縦送
りチェン（３３）の縦送りピン（３４）に苗トレイ（２
６）が落下保持されると、次にこのトレイアーム（７
６）にはこの上段の苗トレイ（２６）が落下保持される
如く、苗載台（２７）の縦送りに同調して最下段から最
上段の順に苗トレイ（２６）が順次下送りされるように
構成している。

【００１３】図１に示す如く、前記移植部（１２）は株
間検出装置（８２）からの出力信号によって苗（Ｂ）を
千鳥状に植付けるもので、図８に示す如く、前記駆動ケ
ース（２０）の下方に設ける株間検出ローラ（８３）
と、該ローラ（８３）にフレキシブルワイヤ（８４）を
介して連動連結する株間検出円板（８５）と、該円板
（８５）に回転変速調節自在に摺接するスイッチ操作ロ
ーラ（８６）と、該ローラ（８６）の操作軸（８７）と
の接触によってローラ（８６）の１８０°毎に植付信号
を出力するＰＴＯ第１及び第２出力用マイクロスイッチ
（８８）（８９）とを株間検出装置（８２）は備え、１
つの検出ローラ（８３）で２つの植付信号を出力するよ
うに構成している。

【００１４】前記植付ケース（４６）は駆動ケース（２
０）の第１及び第２出力軸（９０ａ）（９０ｂ）にギヤ
伝達機構（９１ａ）（９１ｂ）を介し連動連結する第１
及び第２駆動軸（９２ａ）（９２ｂ）を備え、第１駆動
軸（９２ａ）を前記横送り駆動ケース（３０）に連動連
結させると共に、最右側と最右側より３番目の条の苗植
付装置（１５ａ）（１５ｃ）に各チェン伝達機構（９３
ａ）を介して第１駆動軸（９２ａ）を連動連結させ、ま
た最右側より２番目と４番目の条の苗植付装置（１５
ｂ）（１５ｄ）に各チェン伝達機構（９３ｂ）を介して
第２駆動軸（９２ｂ）を連動連結させると共に、各条苗
載台（２７ａ）（２７ｂ）（２７ｃ）（２７ｄ）の縦送
り駆動軸（３９）にチェン伝達機構（９４）を介して第
２駆動軸（９２ｂ）を連動連結させて、前記スイッチ
（８８）（８９）から出力される第１及び第２植付信号
に基づいて第１駆動軸（９２ａ）及び第２駆動軸（９２
ｂ）を1/2 周期毎に交互に回転させて１条おきの千鳥状
に苗（Ｂ）を植付けるように構成している。

【００１５】本実施例は上記の如く構成するものにし
て、１つの株間検出ローラ（８３）によって１条おきの
植付け作業を1/2 周期毎で交互に行う２つの植付信号を
出力させることができて、正確な苗（Ｂ）の千鳥植えが
可能にでき、また前記操作ローラ（８６）の回転を変速
操作しての株間調節も１つのレバーで可能とさせて、こ
の操作性を向上させることができる。

【００１６】図９は１条おきに苗植付装置（１５ａ）
（１５ｂ）（１５ｃ）（１５ｄ）及び苗載台（２７ａ）
（２７ｂ）（２７ｃ）（２７ｄ）などを所定の株間量
（ｈ）だけオフセットさせ、前記検出ローラ（８３）か
らの１つの植付信号によって前述実施例同様の千鳥状の
苗植付けを行う構成例を示すもので、前記駆動ケース
（２０）の出力軸（９０）にギヤ伝達機構（９１）を介
し連動連結する１つの駆動軸（９２）に、前記横送り駆
動ケース（３０）と、各チェン伝達機構（９３ａ）（９
３ｂ）及び（９４）を介して各条苗植付装置（１５ａ）
〜（１５ｄ）及び縦送り駆動軸（３９）を連動連結させ
て、１つのＰＴＯ出力で各条駆動部を同時に駆動させる
ことができてこの駆動系構造を簡単なものにでき、また
各条苗植付装置（１５ａ）（１５ｃ）、（１５ｂ）（１
５ｄ）間のオフセット量（ｈ）を調節する調節機構（９
５）を設けることによって、千鳥量である株間量（ｈ）
が目でも容易に確認可能にでき、さらに株間調節も１条
仕様と同様に簡単なものとさせることができる。

【００１７】

【発明の効果】以上実施例からも明らかなように本発明
は、多条の苗植付装置（１５ａ）（１５ｂ）（１５ｃ）
（１５ｄ）を備えた移植機において、前記苗植付装置
（１５ａ）（１５ｂ）（１５ｃ）（１５ｄ）の苗植付位
置を隣接条間で前後に異ならせるように設けたものであ
るから、隣接条に栽培される作物が相互に近接してこの
栽培中の管理や収穫が行われ難いという従来欠点の解消
が図れるもので、これら管理や収穫作業での作業性を向
上させることができるなど顕著な効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】移植部の平面説明図である。

【図２】移植機の全体側面図である。

【図３】移植機の全体平面図である。

【図４】移植部の部分側面図である。

【図５】植付装置部の側面説明図である。

【図６】植付装置部の平面説明図である。

【図７】苗トレイ自動補給装置部の説明図である。

【図８】株間検出装置部の説明図である。

【図９】他の変形構造例を示す説明図である。

【符号の説明】

（１５ａ）（１５ｂ）（１５ｃ）（１５ｄ） 苗植付装
置

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中 島 英 夫 大阪市北区茶屋町１番32号 ヤンマー農機 株式会社内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 多条の苗植付装置を備えた移植機におい
   て、前記苗植付装置の苗植付位置を隣接条間で前後に異
   ならせるように設けたことを特徴とする多条移植機。