JPH0541669B2 - - Google Patents

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JPH0541669B2
JPH0541669B2 JP6202887A JP6202887A JPH0541669B2 JP H0541669 B2 JPH0541669 B2 JP H0541669B2 JP 6202887 A JP6202887 A JP 6202887A JP 6202887 A JP6202887 A JP 6202887A JP H0541669 B2 JPH0541669 B2 JP H0541669B2
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JP
Japan
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polymer
compound
deuterium
polymer compound
hydrogen atoms
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JP6202887A
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JPS63227665A (ja
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Toshikuni Kaino
Shiro Matsumoto
Takashi Kurihara
Tetsuya Goto
Keiichi Egawa
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
Toray Industries Inc
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Toray Industries Inc
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Publication date
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Publication of JPS63227665A publication Critical patent/JPS63227665A/ja
Publication of JPH0541669B2 publication Critical patent/JPH0541669B2/ja
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    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02FOPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
    • G02F1/00Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
    • G02F1/35Non-linear optics
    • G02F1/355Non-linear optics characterised by the materials used
    • G02F1/361Organic materials

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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Nonlinear Science (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Silicon Polymers (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野 本発明は光双安定素子の材料等に利用される光
非線形高分子材料に関する。さらに詳細には本発
明は、非線形光学効果およびレーザ光に対する耐
劣化性において優れた特性を有する高分子材料に
関する。 従来の技術 近年、指向性に優れエネルギー密度の高いレー
ザ光の光源の開発に伴い、物質と強い電磁波の相
互作用として知られる非線形光学現象に関する研
究が盛んに行われている。 非線形光学現象は、一般に、物質に電磁波を入
射した際、物質の誘電率等の変化が電場振幅に比
例しなくなる現象であり、より具体的には高次の
高周波発生、混合波発生、パラメトリツク効果等
を引き起こすことが知られている。このような現
象は、レーザ媒質、光双安定素子、光スイツチ、
光メモリ等の素子に既に用いられており、光通
信、光コンピユータ等の光を使つた先進技術に欠
かせないものとされている。 上記現象を示す素子の材料には無機、有機、半
導体と様々な材料が使用されていが、このうち有
機材料は、LiNbO3やKH2PO4等の強誘電性結晶
である無機材料に比べ非線形光学定数が大きく、
しかもGaAsなどの半導体材料に比べ応答速度が
速いという特性を有している。 このため、ポリジアセチレンのパラトルエンス
ルホネート誘導体(PTS−PDA)をはじめとし
て、ポリアセチレンなどのπ電子共役系高分子材
料やアミノニトロスチルベン系のドナー、アクセ
プタを非対称に置換した有機低分子等の研究が活
発に勧められている。 ところで、このような非線形光学効果を有する
素子材料には以下のような特性が要求されてい
る。 非線形光学定数が大きい 応答速度が速い レーザ光照射による劣化がない 加工性に優れる 広い波長領域で使用できる このうち、実際の素子の示す非線形光学効果の
大きさは、非線形光学定数と入射光の電場振幅に
より決まるため、の特性が優れた非線形光学効
果を発現するために特に重要である。 発明が解決しようとする問題点 上述したように非線形光学効果を有する有機材
料は、優れた非線形光学効果を有するが、照射す
るレーザ光強度が大きいと材料が損傷を受け、素
子が劣化するという問題があつた。 このようなレーザ光による素子の劣化を抑制す
ることによつて高強度のレーザ光を使用してより
大きな非線形光学効果を得る方法として、非線形
光学効果を有するある種の有機結晶を重合させて
レーザ損傷の臨界強度を向上した例が報告されて
いる(高分子学会、高分子討論会予稿集、
Vol.34、No.8、p2349(1985))。 しかしこの方法では、有機結晶の重合に伴つて
確かにレーザ損傷臨界強度は向上しているもの
の、非線形光学効果の発現にとつて重要な有機材
料を構成する分子中のC=C結合が減少してしま
うため三次の非線形光学効果が低減するという欠
点があつた。 さらに、この方法で使用できる有機結晶は重合
可能なものに限られ、ほとんどの有機物からなる
非線形光学材料には適用できないという問題があ
つた。 そこで本発明の目的は、有機材料を用い、非線
形光学効果に優れ且つレーザ光損傷にたいする臨
海強度の高い高分子材料を提供することにある。 問題点を解決するための手段 本発明者らは上記問題を解決するために鋭意検
討・研究を重ねた結果、非線形光学効果を有する
化合物を分散させた高分子材料において該高分子
を構成する水素原子を重水素置換することによつ
て、より大きな非線形光学効果を有し且つレーザ
光に対する優れた耐劣化性を有する高分子材料を
開発することに成功した。 すなわち本発明に従うと、光透過性を有する高
分子化合物であつて且つ該高分子化合物を構成す
る少なくとも一種の単量体の水素原子のうちの少
なくとも1つが重水素で置換されている高分子化
合物に、非線形光学効果を有する化合物が分散さ
れていることを特徴とする光非線形高分子材料が
提供される。 本発明においては上記高分子化合物としては、
ポリメタクリル酸アクリル、ポリアクリル酸アル
キル、ポリシロキサン、ポリスチレン、ポリカー
ボネート等の透明性にすぐれ、かつ、原料を容易
に入手できる材料が好ましい。 上記以下の高分子化合物として、ポリビニルア
ルコール、ポリエチレングリコール、ポリビスア
リルカーボネート、エポキシ樹脂、ポリ4−メチ
ルペンテン−1等のポリオレフイン、一部フツ素
化されたポリメタクリル酸アルキル、ポリアクリ
ル酸アルキル等も使用することができる。 本発明において、これらの高分子化合物はホモ
ポリマーとして使用できるとともに、これらの高
分子化合物の単量体を繰り返し単位として含む共
重合体として用いてもかまわない。すなわち、上
記高分子化合物を構成する二種以上の単量体どう
しのあるいは上記高分子化合物を構成する単量体
と他の種々の有機化合物との共重合体として使用
できる。そのような有機化合物としては、例え
ば、ビニルアルコール前駆体の酢酸ビニルあるい
は、一部フツ素化されたメタクリル酸アルキル、
アクリル酸アルキル等が挙げられる。上記のよう
に本発明に用いる高分子化合物を共重合体として
用いることにより、該高分子化合物単独の場合に
比べ機械的強度、熱安定性および素子化するため
の加工性を向上することができる。 本発明において、非線形光学効果を有する化合
物が分散してなる高分子化合物を構成する少なく
とも一種の単量体の水素は、少なくともその一つ
が重水素に置換されている必要がある。さらに本
発明の効果を高く発現させるには、より高い割合
で重水素で置換されていることが好ましい。この
際、高分子化合物を構成する水素原子のうち、特
定の位置に結合する水素原子が高い割合で重水素
に置換されることが好ましい。 例えば、上記高分子化合物がポリメタクリル酸
アルキルである場合、ビニル位およびα位のメチ
ル基に結合する水素、すなわち5個の水素が実質
的に全て重水素化されていることが望ましい。 上記高分子化合物がポリアクリル酸アルキルで
ある場合、ポリアクリル酸アルキルを構成する水
素のうち少なくともアクリル酸部位におけるビニ
ル位の水素が実質的に全て重水素で置換されてい
ることが好ましい。 上記高分子化合物が、ポリシロキサン主鎖のケ
イ素に側鎖状に結合する基がいずれもアルキル基
および/またはフエニル基であるポリシロキサン
である場合には、該ケイ素に側鎖状に結合する少
なくとも一方の基の水素原子が実質的に全て重水
素で置換されていることが好ましい。 上記高分子化合物がポリスチレンである場合、
スチレンのビニル位の水素およびフエニル基の水
素のうち少なくとも一方の水素が実質的に全て重
水素であることが好ましい。 上記高分子化合物が芳香族ポリカーボネートで
ある場合、芳香族ポリカーボネートを構成する水
素原子のうち少なくともフエニル基の水素が実質
的に全て重水素であることが好ましい。 本発明において実質的に全て重水素化されてい
るとは、通常の合成プロセスによつて得られる重
水素化合物における重水素置換率またはそれ以上
の置換率で重水素化されていることを意味する。 例えば、ポリメタクリル酸アルキルのビニル位
およびα位のメチル基の水素を重水素化した化合
物を合成する場合、アセトンシアノヒドリン法、
すなわち重水素化アセトン(アセトン一分子中の
水素が全て重水素化されたもの)と対応するアル
コール(ポリメタクリル酸メチルではメタノー
ル)より得た重水素化メタクリル酸アルキル(メ
タクリル酸アルキル一分子中のビニル位およびα
位のメチル基の水素が全て重水素化されたもの)
を重合することによつて得られる。 この結果得られたポリメタクリル酸アルキルの
ビニル位およびα位のメチル基の水素は95〜98%
程度のものが重水素化されており、従つて、実質
的に全て重水素化されている割合はこの程度を示
すものである。 また、ポリスチレンのビニル位の全ての水素が
重水素化されたポリスチレンは通常の方法を用い
た場合、一分子中の水素原子は85%程度まで重水
素化され、ポリスチレンの水素が実質的に全て重
水素化される割合はこの程度を示すものである。 本発明において、上記ホモポリマーを構成する
水素の重水素置換率は高いほうが本発明の効果が
顕著に現れ、高分子一分子中の重水素置換率が50
%以上であることが好ましい。 また、上記の高分子化合物を共重合体として使
用する場合は、上記有機化合物を構成する水素の
うち少なくとも1つが重水素置換されていること
が好ましく、特に有機化合物一分子中の50%以上
の水素原子が重水素化されていることが好まし
い。 本発明において重水素化された高分子化合物を
調製するには、重水素化された合成原料を用いて
公知の合成方法により高分子化合物を合成する
か、あるいは、予め用意した高分子化合物を同位
体交換法を採用して重水置置換してもよい。 本発明において、重水素化された高分子化合物
に分散する光非線形性を有する化合物としては、
π電子共役系化合物が好適であり、例えば、以下
の様な構造の化合物が挙げられる。 (XおよびYはCH基またはN原子を示し、R1
R4はアルキル基またはヒドロキシアルキル基を
示し、nは1〜5の整数を示す。また*は不斉炭
素を示す。) 上記構造式において、アルキル基またはヒドロ
キシアルキル基としては、メチル、エチル、プロ
ピル、ブチル、ペンチル、ヘキシルおよびこれら
のヒドロキシ体が挙げられるが、特にこれらに限
定されない。 また上記化合物の構造式においてベンゼン環の
パラ位以外の置換位置にアセトアミノ基、ヒドロ
キシアルキル基などの水素結合形成性置換基等が
導入されてもよく、該置換基が母骨格のπ電子共
役系に大きな影響を与えないものであればいずれ
の置換基でもかまわない。 本発明において、非線形光学効果を有する化合
物が高分子化合物に分散されている必要がある。
ここでいう分散とは、高分子化合物に該化合物が
分子状に分散した状態すなわち溶解した状態、あ
るいは高分子化合物中に該化合物の微結晶が析出
しているような状態すなわち微結晶分散系が好ま
しい。 さらに本発明の好ましい態様では、上記高分子
化合物は、水素原子が実質的に全て重水素で置換
されたいわゆるパージユテロ化合物である。 さらに上記高分子化合物が、重水素化された2
種または2種以上の単量体の繰り返し単位を含む
共重合体、または重水素化された単量体と重水素
化されていない単量体の繰り返し単位を含む共重
合体であつてもよい。 本発明の光非線形高分子材料を製造するには、
例えば、先ず上記高分子化合物を構成する単量体
中に予め非線形光学効果を有する化合物を分散さ
せておき、次いでこのような単量体を所定の条件
の下で重合させることにより得られる。また、上
記高分子化合物および非線形光学効果を有する化
合物を適切な溶媒に溶解させ均一分散させた後、
溶媒を除去することによつても得られる。 作 用 本発明の光非線形高分子材料は、非線形光学効
果を有する化合物が重水素置換された高分子化合
物に分散されてなるものである。 このため高分子化合物を構成していた炭素−水
素結合数が減り、入射光である赤外領域のレーザ
光に対する炭素−水素結合の分子振動に起因する
吸収が低減される。さらに、照射するレーザの発
光波長領域である近赤外光域での高次の倍音吸収
も著しく低減される。 この結果、本発明の光非線形高分子材料に入射
した光は、非線形光学効果を有する化合物を分散
している高分子化合物の分子振動による吸収によ
つて減衰することなく、非線形光学効果を有する
化合物に効率良く照射され、優れた非線形光学効
果を発現させることができる。 一方、有機材料を用いた非線形光学素子のレー
ザ照射による劣化については、誘電破壊に関する
機構と、レーザ光の吸収に伴う発熱に起因する溶
融燃焼などの機構とが提案されているが、現時点
では明確になつていない。 しかしいずれの機構であるにせよ、本発明にお
いては高分子化合物のレーザ光の吸収が低減す
る、あるいは特定できないがその他の原因で、高
分子化合物中に生じる誘電破壊あるいは溶融燃焼
は抑制されるものと考えられる。 従つて、本発明の光非線形高分子材料を非線形
光学素子に用いることにより、非線形光学効果を
示す信号強度およびレーザ光に対する耐劣化性に
優れた素子を得ることができる。 実施例 以下、実施例により本発明を詳細に詳細に説明
するが本発明はこれらに何ら限定されない。 以下の実施例において、高分子化合物を合成す
る原料物質および得られた高分子化合物の後に記
載されているdは重水素化されたものであること
を示し、添字の数は一分子(高分子にあつてはそ
の単量体一分子)中の重水素化された水素数を示
すものとする。 また合成により得られた高分子の単量体一分子
を構成する水素のうち重水素置換される位置は、
重水素化された合成原料に結合する重水素の位置
により一義的に決まるものである。 実施例 1 アセトン(d6)を原料としていわゆるアセトン
シアノヒドリン法により、メタノールとの反応を
経て、メタクリル酸メチル(d5)を合成した。 非線形光学効果を有する化合物としてジメチル
アミノニトロスチルベン(DANS)を用い、こ
れをガラスアンプル内のメタクリル酸メチル
(d5)に溶解、分散させた。 次いで、このモノマー溶液中に重合開始剤とし
てアゾ−tertオクタン、連鎖移動剤としてn−ブ
チルメルカプタンを共に加え、凍結脱気後、封管
し、130℃、12時間反応させて目的とする光非線
形高分子材料を得た。 生成分の高分子化合物中のDANS濃度は0.5%
であつたが、一部不溶分が析出していた。 得られた物質のうち、主成分であるポリメタク
リル酸メチル(d5)の構造式(1)を以下に示す。式
(1)中、Dで示した重水素は約96%が重水素化され
ていることが単量体のNMR測定により判つた。 このようにして得られた物質について、非線形
光学効果およびレーザ光に対する耐劣化性を評価
するため、試料として上記物質を液体窒素温度に
冷却後粉砕したものを用意した。 このような試料について、粉末法(S.K.Kurz
ら、J.Appl.Phys.、39p3798(1968))に準じて第
3次高調波発生強度(THG)を測定しさらにレ
ーザ照射による試料の劣化を観測した。 この際、光源として基本波長長1.064μmの
Nd:YAGレーザを用い、レーザの光入力密度は
90MW/cm2とし、10パルス/秒の条件でのTHG
強度および10分間レーザ光照射した後のTHG強
度の低下率を測定した。 得られた結果を、第1表に示す。 比較例 1 メタクリル酸メチル(d5)の代わりに重水素置
換されていないメタクリル酸メチルを用いた以外
は、実施例1と同様の操作によつて実施例1に対
応する重水素化されていない物質を得、さらに実
施例1と同様の条件の下で非線形光学効果および
レーザ光に対する耐劣化性を測定した。 得られた結果を第1表に示す。 実施例 2 アセトン(d6)とシアン化水素の反応による、
いわゆるアセトンシアノヒドリン法を用い、最終
的にメタノール(d4)との反応を経て、メタクル
リ酸メチル(d8)を合成した。 非線形光学効果を有する化合物として、ジエチ
ルアミノニトロスチルベン(DEANS)を用い、
これをガラスアンプル内のメタクリル酸メチル
(d8)に溶解、分散させた。 このモノマ溶液中に重合開始剤としてアゾ−
tert−ブタン、連鎖移動剤としてn−ブチルメル
カプタンを加え、凍結脱気後、封管し、135℃、
16時間反応させて目的とする光非線形高分子材料
を得た。 生成物の高分子化合物中のDEANS濃度は1.5
%であり、析出物は観測されず、完全に溶解して
いた。 得られた物質のうち、主成分であるポリメタク
リル酸メチル(d8)の構造式(2)を以下に示す。式
(2)中、Dで示した重水素は約98%重水素化されて
いることが単量体のNMR測定により判つた。 得られた物質について実施例1と同様の条件の
下で非線形光学効果およびレーザ光に対する耐劣
化性を測定した。得られた結果を第1表に示す。 比較例 2 メタクリル酸メチル(d8)の代わりに重水素化
されてないメタクリル酸メチルを用いた以外は、
実施例2と同様の操作によつて、実施例2に対応
する重水素化されていない物質を得た。 得られた物質について実施例1と同様の条件の
下で非線形光学効果およびレーザ光に対する耐劣
化性を測定した。得られた結果を第1表に示す。 実施例 3 エチレン(d4)オキサイドとシアン化水素との
反応によつてエチレンシアンヒドリン(d4)を合
成しこれを脱水し、メタノールと反応させること
によつて、アクリル酸メチル(d3)を得た。アク
リル酸メチル(d3)を0.3モル、メタクリル酸メ
チル(d5)0.7モルの混合溶液中に非線形光学効
果を有する化合物としてジメチルアミノスチルバ
ゾリウムのメトスルフエート塩(DMSM)を溶
解、分散させた。このモノマー溶液中に重合開始
剤としてアゾイソブチロニトリル、連鎖移動剤と
してtert−ブチルメルカプタンを加え、凍結脱気
後、封管し、70℃、16時間反応させることによつ
て目的とする光非線形高分子材料を得た。 生成物の高分子化合物中のDMSM濃度は5%
であつたが、一部不溶部分が析出していた。 得られた物質のうち、主成分である(アクリル
酸メチル(d3)/メタクリル酸メチル(d5))共
重合体の構造式(3)を以下に示す。式(3)中、Dで示
した重水素は、アクリル酸メチルは約93%、メタ
クリル酸メチルは約96%重水素化されていること
が単量体のNMR測定により判つた。 以下、実施例1と同様の条件の下で非線形光学
効果およびレーザ光に対する耐劣化性を測定し
た。 得られた結果を第1表に示す。 比較例 3 アクリル酸メチル(d3)の代わり重水素化され
てないアクリル酸メチルを、またメタクリル酸メ
チル(d5)の代わりに重水素化されてないメタク
リル酸メチルを用いた以外は、実施例3と同様の
操作によつて実施例3に対応する重水素化されて
いない物質を得た。 得られた物質について実施例1と同様の条件の
下で非線形光学効果およびレーザ光に対する耐劣
化性を測定した。得られた結果を第1表に示す。 実施例 4 クロロメタン(d3)と金属ケイ素粉末を反応さ
せ、反応物よりジクロロジメチルシラン(d6)を
精製分離した。さらにジクロロジメチルシラン
(d6)を常法により、ジメチルシロキサンオリゴ
マーとした。 次いでジメチルシロキサンオリゴマー中に非線
形光学効果を有する化合物として2−メチル−4
−ニトロアニリン(MNA)を溶解、分散させ
た。このジメチルシロキサンオリゴマーを脱水、
縮合することによつて目的とする光非線形高分子
材料を得た。 生成物の高分子化合物中のMNA濃度は3重量
%であつたが、一部不溶部分が析出していた。 得られた物質のうち、主成分であるシロキサン
ポリマーの構造式(4)を以下に示す。式(4)中、Dで
示した重水素は約80%が重水素化されていること
が単量体のNMR測定により判つた。 得られた物質について実施例1と同様の条件の
下で非線形光学効果およびレーザ光に対する耐劣
化性を測定した。得られた結果を第1表に示す 比較例 4 重水素化したジメチルシロキサンオリゴマーの
代わりに、重水素化されてない通常のジメチルシ
ロキサンオリゴマーを用い、実施例4と同様に
MNAを3重量%含有する重水素化されていない
光非線形高分子材料を得た。 得られた物質について実施例1と同様の条件の
下で非線形光学効果およびレーザ光に対する耐劣
化性を測定した。得られた結果を第1表に示す 実施例 5 酢酸(d4)と塩化チオニルとの反応によつてア
セチルクロライド(d3)を合成し、これを二硫化
炭素水素中で無水塩化アルミニウムと共にベンゼ
ン(d6)と反応させ、アセトフエノン(d8)を得
た。 次いで、アセトフエノン(d8)をTHF中で
LiAlD4と反応させて1−フエニル(d5)エタノ
ール(d4)とし、これを脱水することによつてス
チレン(d8)を得た。 非線形光学効果を有する化合物としてテレフタ
ルビス((p−ジエチルアミノ)アニリン)(DE
−TBA)をガラスアンプル中でスチレン(d8
に溶解、分散させた。このモノマー溶液中に連鎖
移動剤としてn−ブチルメルカプタンを加え120
℃、12時間反応させて、目的とする光非線形高分
子材料を得た。 生成物の高分子化合物中のDE−TBA濃度は1
重量%であり、一部不溶分が析出していた。 得られた物質のうち、主成分であるポリスチレ
ン(d8)の構造式(5)を以下に示す。式(5)中、Dで
示したた重水素は約92%が重水素化されているこ
とが単量体のNMR測定により判つた。 得られた物質について実施例1と同様の条件の
下で非線形光学効果およびレーザ光に対する耐劣
化性を評価した。得られた結果を第1表に示す。 比較例 5 スチレン(d8)の代わりに重水素化されてない
スチレンを用いたほかは、実施例5と同様の操作
によつて実施例5に対応する重水素化されていな
い物質を得た。 得られた物質について実施例1と同様の条件の
下で非線形光学効果およびレーザ光に対する耐劣
化性を測定した。得られた結果を第1表に示す 実施例 6 フエノール(d6)とアセトン(d6)を酸性条件
下で反応させ、ビスフエノールA(4,4′−ジヒ
ドロキシ−ジフエニル−2,2−プロパン)
(d14)(厳密にはd14、d15、d16の混合物)を得た。 次いでビスフエノールA(d14)をエステル交換
法によつて酸化亜鉛の存在下でジフエニルカーボ
ネートと反応させ重水素化した芳香族ポリカーボ
ネートを得た。 非線形光学効果を有する化合物としてN,N−
ジメチル−2−アセチルアミノ−4−ニトロアニ
リン(DAN)を、重水素化したポリカーボネー
トと共にキシレンに溶解させ、ポリマー中に均一
分散させ、溶媒を除去することによつて目的とす
る光非線形高分子材料を得た。 生成物の高分子化合物中のDAN濃度は4重量
%であつた。 得られた物質のうち、主成分である芳香族ポリ
カーボネートの構造式(6)を以下に示す。式(5)中、
Dで示した重水素は約96%が重水素化されている
ことが単量体の測定より判つた。 得られた物質について実施例1と同様の条件の
下で非線形光学効果およびレーザ光に対する耐劣
化性を評価した。得られた結果を第1表に示す。 比較例 6 重水素化したポリカーボネートの代わりに重水
素化されてない芳香族ポリカーボネートを用いた
ほかは、実施例6と同様のプロセスによつて実施
例6に対応する重水素化されていない光非線形高
分子化合物を得た。 得られた物質について実施例1と同様の条件の
下で非線形光学効果およびレーザ光に対する耐劣
化性を評価した。得られた結果を第1表に示す 実施例 7 アセチルクロライドを二硫化炭素中で、無水塩
化アルミニウムと共にベンゼン(d6)と反応さ
せ、アセトフエノン(d5)を得た。 次いでアセトフエノン(d5)をTHF中で
LiAlH4と反応させ、1−フエニル(d5)エタノ
ールとし、これを脱水することによつてスチレン
(d5)を得た。 さらにスチレン(d5)50モル%と、通常のメタ
クリル酸メチル50モル%とを混合し、これに重合
開始剤としてアゾ−tert−オクタン、連鎖移動剤
としてn−ブチルメルカプタン共にを加え、さら
に非線形光学効果を有する化合物としてN(4−
ニトロピリジノ)−プロリノール(PNP)をモノ
マー溶液中に溶解、分散させた。 このモノマー溶液をガラスアンプル中で凍結脱
気後封管し、130℃、12時間の反応によつて目的
とする光非線形高分子材料を得た。 生成物の高分子化合物中のPNP濃度は2%で
あつたが、一部不溶分が析出していた。 得られた物質のうち、主成分である(スチレン
(d5)/メタクリル酸メチル(d5)共重合体の構
造式(7)を以下に示す。式(7)中、Dで示したた重水
素は、スチレンが約89%、メタクリル酸メチルが
約96%重水素化されていること単量体のNMR測
定により判つた。 このようにして得られた物質について実施例1
と同様の条件の下で非線形光学効果およびレーザ
光に対する耐劣化性を測定した。得られた結果を
第1表に示す。 比較例 7 スチレン(d5)の代わりに重水素化されてない
スチレンを用いた以外は、実施例7と同様のプロ
セスによつて実施例7に対応する重水素化されて
いない物質を得た。 得られた物質について実施例1と同様の条件の
下で非線形光学効果およびレーザ光に対する耐劣
化性を測定した。得られた結果を第1表に示す。
【表】 以上の第1表の実施例1〜7および比較例1〜
7から明らかなように本発明の物質は、重水素化
が施されてない物質に比べて、遥かに優れた非線
形光学効果およびレーザ光に対する耐劣化性を有
することが明らかである。 発明の効果 以上説明したように、本発明における光非線形
高分子材料は、レーザ光に対する優れた耐劣化性
を有しているため照射するレーザ光強度を増大す
ることが可能となり、非線形光学効果が大きいと
いう利点がある。 また、本発明の物質は非線形光学効果を有する
化合物を高分子材料中に溶解させるという簡便な
工程によつて容易に製造でき、しかも得られた物
質は加工性に優れるため、光信号処理システムや
光論理演算素子として好適である。 従つて、本発明の当業界における価値は極めて
高い。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 光透過性を有する高分子化合物であつて且つ
    該高分子化合物を構成する少なくとも一種の単量
    体の水素原子のうちの少なくとも1つが重水素で
    置換されている高分子化合物に、非線形光学効果
    を有する化合物が分散されていることを特徴とす
    る光非線形高分子材料。 2 上記非線形光学効果を有する化合物が、π電
    子共役系化合物であることを特徴とする特許請求
    の範囲第1項に記載の光非線形高分子材料。 3 上記非線形光学効果を有する化合物が上記高
    分子化合物に溶解された状態および/または微結
    晶状態で分散されていることを特徴とする特許請
    求の範囲第1項または第2項に記載の光非線形高
    分子材料。 4 上記高分子化合物が、ポリメタクリル酸アル
    キル、ポリアクリル酸アルキル、ポリシロキサ
    ン、ポリスチレン、芳香族ポリカーボネート、ポ
    リビニルアルコール、ジエチレングリコールビス
    アリルカーボネート、エポキシ樹脂、ポリ4−メ
    チルペンテン−1、一部フツ素化されたポリメタ
    クリル酸アルキルおよびポリアクリル酸アルキ
    ル、およびこれらの高分子化合物の単量体を繰り
    返し単位として含む共重合体からなる群より選択
    された少なくとも一種であることを特徴とする特
    許請求の範囲第1項乃至第3項のいずれか1項に
    記載の光非線形高分子材料。 5 上記高分子化合物がポリメタクリル酸アルキ
    ルであり、ポリメタクリル酸アルキルを構成する
    水素のうち少なくともメタクリル酸部位における
    ビニル位の水素およびα位のメチル基の水素原子
    が実質的に全て重水素で置換されていることを特
    徴とする特許請求の範囲第4項に記載の光非線形
    高分子材料。 6 上記高分子化合物がポリアクリル酸アルキル
    であり、ポリアクリル酸アルキルを構成する水素
    のうち少なくともアクリル酸部位におけるビニル
    位の水素原子が実質的に全て重水素で置換されて
    いることを特徴とする第4項に記載の光非線形高
    分子材料。 7 上記高分子化合物がメタクリル酸アルキルと
    アクリル酸アルキルとの共重合体であり、該共重
    合体の水素原子が実質的に全て重水素で置換され
    ていることを特徴とする特許請求の範囲第4項に
    記載の光非線形高分子材料。 8 上記高分子化合物が、ポリシロキサン主鎖の
    ケイ素に側鎖状に結合する基がいずれもアルキル
    基および/またはフエニル基であるポリシロキサ
    ンであつて、該ケイ素に側鎖状に結合する少なく
    とも一方の基の水素原子が実質的に全て重水素で
    置換されていることを特徴とする特許請求の範囲
    第4項に記載の光非線形高分子材料。 9 上記高分子化合物がポリスチレンであり、ス
    チレンのビニル位の水素およびフエニル基の水素
    原子のうち少なくとも一方の水素原子が実質的に
    全て重水素で置換されていることを特徴とする特
    許請求の範囲第4項に記載の光非線形高分子材
    料。 10 上記高分子化合物が芳香族ポリカーボネー
    トであり、芳香族ポリカーボネートを構成する水
    素原子のうち少なくともフエニル基の水素原子が
    実質的に全て重水素で置換されていることを特徴
    とする特許請求の範囲第4項に記載の光非線形高
    分子材料。 11 上記高分子化合物の水素原子が実質的に全
    て重水素で置換されたパージユテロ化合物である
    ことを特徴とする特許請求の範囲第5項乃至第1
    0項のいずれか1項に記載の光非線形高分子材
    料。 12 上記高分子化合物が、ポリメタクリル酸ア
    ルキル、ポリアクリル酸アルキル、ポリシロキサ
    ン、ポリスチレンおよび芳香族ポリカーボネート
    からからなる群より選択された少なくとも1種の
    高分子化合物の単量体の繰り返し単位を含む共重
    合体であつて、該共重合体を構成する水素のうち
    少なくとも該単量体の一種を構成する水素原子が
    重水素で置換されていることを特徴とする特許請
    求の範囲第4項に記載の光非線形高分子材料。 13 上記高分子化合物が、重水素化された2種
    または2種以上の単量体の繰り返し単位を含む共
    重合体であることを特徴とする特許請求の範囲第
    1項乃至第12項のいずれか1項に記載の光非線
    形高分子材料。 14 上記高分子化合物が、重水素化された単量
    体と重水素化されていない単量体の繰り返し単位
    を含む共重合体であることを特徴とする特許請求
    の範囲第1項乃至第12項のいずれか1項に記載
    の光非線形高分子材料。
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