JPH0541658Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、刈取つた穀稈を脱穀部で脱穀し、脱
穀後の排藁を長藁のまま、または細断して機外に
排出するコンバインにおける排藁処理装置に係る
ものである。

従来の技術 従来、刈取つた穀稈を脱穀部で脱穀し、脱穀後
の排藁を長藁のまま、または細断して機外に排出
するコンバインにおいては、脱穀部の排藁送出側
に、排藁細断装置を備えており、運転席において
排藁細断装置の取入口を開閉して排藁細断状態ま
たは長藁排出状態に切換えるものが知られてい
る。

考案が解決しようとする問題点 ところで、上記この種のコンバインにおいて
は、脱穀部または排藁細断装置等の点検整備等の
ために、脱穀部に対して排藁細断装置を展開させ
る必要があるが、排藁細断装置の取入口を開いた
ままでそれを展開させようとした場合には、取入
口の開閉蓋が脱穀部のカバー等に当たつて展開さ
せることができなかつたり、また、開閉蓋を破損
する虞れがある等の問題があつた。

本考案は、このような従来のものの問題点に鑑
み、排藁細断装置を回動展開させる際には、取入
口の開閉蓋が開いたままであつても、それに連動
して先に開閉蓋が必ず閉じて、排藁細断装置の回
動展開が支障なくでき、また、開閉蓋の破損等を
未然に防止することができるコンバインにおける
排藁処理装置を提供することを目的とするもので
ある。

問題点を解決するための手段 本考案は、その目的を達成するための技術的手
段を次のように構成した。

すなわち、本考案にかかるコンバインにおける
排藁処理装置は、刈取つた穀稈を脱穀部で脱穀
し、脱穀後の排藁を長藁のまま、または細断して
機外に排出するコンバインにおいて、脱穀部の排
藁送出側に、取入口を開閉蓋で開閉自在とした排
藁細断装置を設け、この排藁細断装置を脱穀部に
対して回動展開自在に枢支するとともに、上記排
藁細断装置の開閉蓋をその回動展開動作に連動し
かつそれに先立つて閉じるように構成したことを
特徴とするものである。

作 用 脱穀部で脱穀後の排藁は、長藁のまま排出する
か、またはそれを細断して排出するが、排藁を細
断して排出する場合は、排藁細断装置の開閉蓋を
開き、排藁細断装置の取入口に排藁が取入れられ
るようにし、また、排藁を長藁のまま排出する場
合は、排藁細断装置の開閉蓋を閉じて、排藁細断
装置に排藁が取入れられないようにする。脱穀部
または排藁細断装置等を点検整備するにあたつて
は、排藁細断装置を回動展開させるが、この際に
開閉蓋が開いたままであつても、回動展開に連動
しかつそれに先立つてそれが閉じられるので、開
閉蓋が脱穀部のカバー等に当たらず、排藁細断装
置の回動展開に支障がなく、また、開閉蓋の破損
等が生じない。

実施例 本考案の一実施例を図面について説明する。

図面において、１はコンバインの脱穀部であつ
て、脱穀部１の後方には排藁細断装置２が設けら
れており、脱穀部１で脱穀後の排藁は、排藁搬送
体３によつて後方へ搬送され、長藁のまま、また
は排藁細断装置２で細断されたうえ機外へ排出さ
れるようになつている。

上記排藁細断装置２は、内部に回転カツタ４が
設けられており、その取入口５には開閉蓋６を備
えている。この開閉蓋６は支軸７を軸心として上
下方向に開閉し、かつ自重で閉じるものであり、
８は支軸７の軸受部である。なお、開閉蓋６に
は、それを開いても排藁搬送体３に当たらないよ
うに切欠部９が形成されている。また、排藁搬送
体３は、搬送チエーン１０とそれに対応する挟扼
レール１１を有しており、挟扼レール１１は、排
藁の搬送位置を排藁細断装置２の取入口５まで、
または排藁細断装置２を越えてさらに後方までそ
れぞれ搬送するため、伸縮自在となつている。１
２はその伸縮杆、１３はその支持管部である。上
記開閉蓋６はアーム１４、緩衝スプリング１５、
ロツド１６、リンク１７を介し、かつ連動ワイヤ
１８によつて切換えボツクス１９の操作レバー２
０に連動されている。そして、操作レバー２０を
連動ワイヤ１８が引かれる方向Ａに切換えると、
開閉蓋６が上方に開き、操作レバー２０を連動ワ
イヤ１８が緩む方向Ｂに切換えると、開閉蓋６は
自重で閉じるようになつている。なお、切換えボ
ツクス１９は機体前部の運転席に設けられてい
る。一方、上記挟扼レール１１の伸縮杆１２は、
リンク２１およびリンク２２を介して開閉蓋６側
のリンク１７に連動されており、切換えボツクス
１９の操作レバー２０を開閉蓋６を開く方向Ａに
切換えると挟扼レール１１短縮され、操作レバー
２０を連動ワイヤ１８が緩む方向Ｂに切換える
と、開閉蓋６が自重で閉じるのに連動して挟扼レ
ール１１が伸長するように関連づけられている。
２３は支柱、２４は脱穀部１の天板、２５はその
後部カバーである。

上記排藁細断装置２は、その脱穀部１側の一側
部が支柱軸２６を中心にして回動展開自在となつ
ており、前記リンク１７に対するロツド１６の軸
心ｃから開閉蓋６の支軸７とアーム１４の連結点
ｄとの距離R₁に対して、支柱軸２６から軸心ｃ
との距離R₂が短くなるように、支柱軸２６の位
置が定められている。したがつて、排藁細断装置
２をｌ分回動展開すると、距離R₁とR₂にＳ分の
差が生じて、排藁細断装置２を回動展開した際に
ロツド１６の部分に緩みが生じる構成となつてい
る（第４図参照）。

叙上のように構成されたものにおいて、脱穀後
の排藁を長藁のまま排出するには、前記のよう
に、操作レバー２０をＢ側に切換えるが、この状
態にすると排藁細断装置２の開閉蓋６が自重で閉
じるとともに、挟扼レール１１が伸長するので、
排藁搬送体３で搬送される排藁は、排藁細断装置
２を越えて機外に排出される。また、排藁を細断
して排出する場合には、操作レバー２０をＡ側に
切換えるが、この状態にすると排藁細断装置２の
開閉蓋６が開くとともに、挟扼レール１１が短縮
するので、排藁搬送体３で搬送される排藁は排藁
細断装置２の取入口５に取込まれ、細断のうえ機
外に排出される。

一方、脱穀部１または排藁細断装置２等の整備
や点検等にあたつては、排藁細断装置２を後方へ
回動展開するが、それに連動して前記のように、
開閉蓋６を操作レバー２０に連結しているリンク
１７の部分に緩みが生じるので、開閉蓋６が開か
れたままであつても、先に開閉蓋６が閉じる。こ
のため、排藁細断装置２を回動展開しても、その
開閉蓋６が脱穀部１の天板２４や後部カバー２５
に当たることがなく、排藁細断装置２の回動展開
に支障をきたすことがないうえ、開閉蓋６や脱穀
部１の後部カバー２５等を破損する虞れが全くな
く、脱穀部１や排藁細断装置２等の整備点検等の
作業を円滑に行うことができる。

考案の効果 これを要するに、本考案は、刈取つた穀稈を脱
穀部で脱穀し、脱穀後の排藁を長藁のまま、また
は細断して機外に排出するコンバインにおいて、
脱穀部の排藁送出側に、取入口を開閉蓋で開閉自
在とした排藁細断装置を設け、この排藁細断装置
を脱穀部に対して回動展開自在に枢支するととも
に、上記排藁細断装置の開閉蓋をその回動展開動
作に連動しかつそれに先立つて閉じるように構成
したから、排藁細断装置または脱穀部等の点検整
備等にあたつて排藁細断装置を回動展開する際に
は、それに連動して先ず開閉蓋が必ず閉じ、開閉
蓋が脱穀部のカバー等に当たつて回動展開不能に
陥ることがなく、また、その際に開閉蓋を破損す
る虞れが全くない等の効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係るコンバインにおける排藁処
理装置の一実施例を示すものであつて、第１図は
コンバインの一部の側面図、第２図は同上平面
図、第３図は排藁細断装置の部分の斜視図、第４
図および第５図はそれぞれ排藁細断装置回動展開
作用を説明するための一部平面図である。 １……脱穀部、２……排藁細断装置、３……排
藁搬送体、４……回転カツタ、１０……搬送チエ
ーン、１１……挟扼レール、１４……アーム、１
５……緩衝スプリング、１６……ロツド、１７…
…リンク、１８……連動ワイヤ、１９……切換え
ボツクス、２０……操作レバー、２４……脱穀部
の天板、２５……その後部カバー、２６……支柱
軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 刈取つた穀稈を脱穀部で脱穀し、脱穀後の排藁
   を長藁のまま、または細断して機外に排出するコ
   ンバインにおいて、脱穀部の排藁送出側に、取入
   口を開閉蓋で開閉自在とした排藁細断装置を設
   け、この排藁細断装置を脱穀部に対して回動展開
   自在に枢支するとともに、上記排藁細断装置の開
   閉蓋をその回動展開動作に連動しかつそれに先立
   つて閉じるように構成したことを特徴とするコン
   バインにおける排藁処理装置。