JPH0541289U - スピーカユニツト - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は振動板の前面側からねじ止めするス
ピーカユニットに関し、止めねじを隠蔽して美観を向上
し、ねじより出る、パルス的ノイズの防止を目的とす
る。 【構成】 振動板の前面側からねじ止めによって固定す
るための取付穴を有するスピーカユニットにおいて、取
付穴の周辺を含めた上部を覆い、取付穴の部分にはねじ
が挿入される挿入穴を有し、挿入穴の一方の端面は複数
の扇形部分に分割された薄膜状であるゴム製部材を備え
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、車載用スピーカのように振動板の前面側からねじ止めによって固定 するスピーカユニットに関し、特に取り付け用のねじが隠蔽されるスピーカユニ ットに関する。

【０００２】

【従来の技術】

オーディオシステムで使用されるスピーカユニットは、振動板の前面側からね じ止めされるのが一般的である。特に車載用オーディオシステムでは、設置する 空間が限られ、取り付けできる方向も限られる。例えばリアスピーカは図５に示 すように後部座席の後の平板に穴をあけて上部からねじにより固定される。

【０００３】 そのため図６の（ａ）に示すように、振動板１１の周囲のスピーカユニット１ ０の筐体部に取り付け用の穴を設けている。そして振動板１１の側からねじ１２ で固定する。また図６の（ｂ）に示すように振動板の面を保護するために、金属 製又はプラスチック製の網であるパンチングネットと呼ばれる保護部材を取り付 けることもある。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

図６に示すように振動板の前面側からねじ止めした場合、取り付けねじがその まま見えるため外観上好ましくないという問題がある。またパンチングネットを 取り付けた場合、取り付けねじはある程度見えにくくなるが、パンチングネット 自体は網であり取り付けねじはあいかわらず見えるため美観上の問題が残る。

【０００５】 本考案は上記問題点に鑑みてなされたものであり、振動板の前面側からねじ止 めにより固定するスピーカユニットの取り付けねじを隠蔽し、美観を改良するこ とを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案のスピーカユニットは、上記問題点を解決するため取付穴の周辺を含め て上部を覆うゴム製部材を設け、このゴム製部材は取付穴の部分にねじが挿入さ れる挿入穴を有し、この挿入穴の一方の端面は複数の扇形部分に分割された薄膜 状にする。

【０００７】 すなわち本考案の取り付けねじが隠蔽されるスピーカユニットは、振動板の前 面側からねじ止めによって固定するための取付穴を有するスピーカユニットにお いて、取付穴の周辺を含めた上部を覆い、取付穴の部分にはねじが挿入される挿 入穴を有し、挿入穴の一方の端面は複数の扇形部分に分割された薄膜状であるゴ ム部材を備える。

【０００８】

【作用】

図１はゴム製部材の取付穴付近の構造例を示す図であり、挿入穴にねじを挿入 してねじ止めする時の様子を示している。図示のように挿入穴は取付穴の上部に 位置しており、上側の端面は薄膜状になっており、多数個の扇形になるように分 割されている。従って上部よりねじを差し込むとこの薄膜状の端面はそれぞれ折 れ曲がる。その状態でねじ止めを行いドライバを引き出せば、ゴムの弾性により この扇形の端面は復元されねじは見えなくなる。

【０００９】

【実施例】

本考案の実施例を図２に示す。スピーカユニット１０の振動板１１の周囲は筐 体になっており、取り付け用の穴１が複数箇所設けられている。そして筐体周囲 の円周上にゴム製部材４がある。このゴム製部材の断面を示したのが下の方の図 であり、取付穴１の上部には挿入穴２があり、外側の端面は薄膜状になっている 。そして薄膜状の端面は扇形に四分割されており、通常はゴムの弾性により外側 表面に沿った形状をしているが、止めねじ１２やドライバが差し込まれると折れ 曲がるようになっている。図２では筐体の円周に沿う形でゴム製部材４が設けら れているが、取付穴の周囲だけを覆う形状でも良い。

【００１０】 次に挿入穴の端面の形状について説明する。図３はこのような挿入穴の形状を 示す図であり、（ａ）は円を四等分した扇形形状を示している。これが三等分や ６等分でも良く、ゴムの弾性が充分ならば二等分でも可能である。 使用するゴムは弾性力が充分で通常は外形に沿った平面状であることが必要で ある。しかし挿入穴の端面の厚みを薄くすると図３の（ｂ）に示すように先端が 下方に折れ曲がり美観を損なうという問題がある。これを防ぐためには端面の厚 みを増せば良いが、厚みが増すとねじの挿入時に折り曲がりにくくなるという問 題がある。そこで図３の（ｃ）に示すように分割した扇形の先端のみを厚くする ようにすると図３の（ｂ）のような先端の変形が防げる。

【００１１】 図４は前述のパンチネットを用いる場合に本考案を適用した例である。図６の （ｂ）に示したようにパンチングネット１３を係止するためゴム製の部材が用い られていたが、このパンチングネット係止用部材に止めネジを隠蔽する機能を持 たせる。更に図４に示した実施例では、ゴム製部材４の挿入穴２の下側端面を挿 入穴の径より小さな径の穴にして、この部分を介してスピーカユニット１０を止 めるようにしている。これによりゴム製部材４の固定が強固になり、スピーカユ ニット１０の固定もゴム製部材がスプリングワッシャと類似の働きを行うため振 動に対して更に強固になる。

【００１２】 パンチングネット１３はスピーカの出力時に共振する場合があるが、図４に示 すような取り付けにすればこの共振も吸収できるようになる。また、同時にねじ より出るパルス的ノイズの放射防止が行われる。

【００１３】

【考案の効果】

本考案によりスピーカユニットの取付ねじが隠蔽され美観が向上する。また同 時に、ねじより出る、パルス的ノイズの発生防止が可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案での取付ねじを隠蔽する挿入穴の部分で
の、ねじの挿入の様子を示した図である。

【図２】本考案のスピーカユニットの実施例を示す図で
ある。

【図３】挿入穴の形状の例を示す図である。

【図４】パンチネットを係止する溝を設けた実施例を示
す図である。

【図５】車載用のリアスピーカユニットの取付例を示す
図である。

【図６】振動板の前面側からねじ止めするスピーカの取
り付けとパンチングネットを設けた例を示す図である。

【符号の説明】

１…取付穴 ２…挿入穴 ３…挿入穴の端面 ４…ゴム製部材 １０…スピーカユニット １１…振動板 １２…止めねじ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 振動板の前面側からねじ止めによって固
   定するための取付穴を有するスピーカユニットにおい
   て、 該取付穴の周辺を含めた上部を覆い、該取付穴の部分に
   はねじが挿入される挿入穴を有し、該挿入穴の一方の端
   面は複数の扇形部分に分割された薄膜状であるゴム製部
   材を備えることを特徴とするスピーカユニット。