JPS639041Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は車両等に取付けられる透明または半
透明の合成樹脂成形品の取付装置に関するもので
ある。

自動車の車体に取付けられるグリル、リヤパネ
ル、ウインカーのレンズ、テールランプのレンズ
等に透明または半透明の内部空間を有する合成樹
脂成形品が使用されているが、これらの合成樹脂
成形品はボルト等で取付けられており、その取付
用のボスが外部から見え、外観を害していた。

第１図Ａは自動車の後部を示す斜視図、Ｂはリ
ヤパネルを示す斜視図、Ｃはテールランプのレン
ズを示す斜視図であり、１は車体、２はリヤパネ
ル、３はレンズである。第２図は従来のリヤパネ
ル、レンズ等の合成樹脂成形品の取付装置を示す
一部を切欠いた斜視図であり、成形品４は内部空
間を有するように成形され、内側に取付ボルト５
用のボス４ａが設けられ、取付体６を形成してい
る。このような成形品４は取付ボルト５により車
体１に取付けられる。

しかしながら、成形品４は透明または半透明樹
脂により成形されているので、ボス４ａが外部よ
り見え、外観を害するという問題点があつた。

この考案は、このような従来のものの問題点に
着目してなされたもので、成形品の内側に位置す
るように、成形品の縁部を挟持する挟持部および
板状の車体へ固着されるクリツプ部を有する取付
体を設けることにより、上記問題点を解消するこ
とのできる合成樹脂成形品の取付装置を提供する
ことを目的としている。

この考案は透明または半透明の合成樹脂により
係合孔をもつ縁部および内部空間を有するように
成形された成形品と、この成形品の内側に位置す
るように成形品の縁部を両側から挟持するように
断面ほぼＵ字状に形成された挟持部および板状の
車体へ固着されるクリツプ部を一体的に有する取
付体とからなり、取付体は挟持部とクリツプ部が
互に基板の反対側に設けられ、かつ挟持部の内側
片を基板に支持する支持片、および成形品の縁部
に設けられた係合孔と係合する抜け止め用の突起
を一体的に有することを特徴とする合成樹脂成形
品の取付装置である。

以下、この考案を図面の対照例および実施例に
より説明する。第３図Ａは対照例を示す垂直断面
図、Ｂは矢印ａ方向から見た斜視図である。成形
品４は凹状の内部空間を有するように、透明また
は半透明の合成樹脂により成形され、その下側の
縁部４ｂは底壁を形成するように、ほぼ水平方向
に突出している。この成形品４の縁部４ｂの裏側
に、取付体６がビス７によつて取付けられてい
る。取付体６は、取付状態において成形品４の内
側に位置するように、Ｌ状に折れ曲がつた金属片
からなり、一端にビス７用のねじ穴が形成され、
他端にはボルト５がかしめ、溶接等により固着さ
れている。

以上のように構成された合成樹脂成形品の取付
装置においては、成形品４に取付体６をビス７に
よつて取付けたものを、ボルト５を板状の車体８
に設けられた穴に挿入し、シールドワツシヤ９を
はさんで、ナツト１０により固着し、取付ける。
取付状態においては、取付体６の板状の車体８へ
の取付座部は成形品４の内部に位置して、成形品
４から隔離しているため目視しにくく、また取付
体６の成形品４への取付座部は成形品４の底部に
あるため、自動車に取付けた場合には目視しにく
い。しかしながら、取付体６の製造工数および部
品点数が多いとともに、取付の手間も多いという
欠点がある。

第４図Ａはこの考案の一実施例を示す垂直断面
図、Ｂは矢印ｂ方向から見た分解斜視図である。
成形品４は凹状の内部空間を有するように透明ま
たは半透明合成樹脂により成形されており、周辺
部に縁部４ｂを有し、縁部４ｂに係合孔４ｃが設
けられている。取付体６は合成樹脂により一体的
に成形され、成形品４の縁部４ｂを両側から挟持
するように断面ほぼＵ字状に形成された挟持部６
ａと板状の車体８に固着されるにリツプ部６ｂ
が、互に基板６ｃの反対側に突出するように形成
されている。挟持部６ａの内側片６ｄは支持片６
ｅにより基板６ｃに支持されるとともに、成形品
４の縁部４ｂに設けられた係合孔４ｃに係合する
突起６ｆを有している。クリツプ部６ｂは弾性変
形により出没可能な係止爪６ｇを有している。

以上のように構成された合成樹脂成形品の取付
装置においては、取付体６は、挟持部６ａに成形
品４の縁部４ｂを挿入して挟持するとともに、突
起部６ｆを係合孔４ｃに挿入して係合させ、クリ
ツプ部６ｂを板状の車体８に設けられた穴８ａに
挿入し、係止爪６ｇの弾発力により係止させて取
付ける。取付状態では、挟持部６ａの内側片６ｄ
が支持片６ｅにより基板６ｃに支持されているた
め、挟持力が強く維持されるとともに、突起６ｆ
が係合孔４ｃから外れるのを防止する。取付体６
は合成樹脂の射出成形によつて製造できるから、
製造工数および部品点数が少なくなるとともに、
取付体６の成形品４および板状の車体８への取付
も単に挿入するだけでよく、取付の手間は極めて
少なくなり作業性が良くなる。さらに取付体６は
板状の車体８の穴の位置のバラツキを吸収するこ
とができ、安定した取付状態を維持できるととも
に、成形品４に極端な内部応力を発生させること
がないため、成形品４を安価な材質で形成するこ
とができる。

なお上記説明において、成形品４、取付体６等
の形状、構造は適宜変更可能である。また取付体
６の成形品４および板状の車体８への取付手段も
実施例のものに限定されない。成形品４を成形す
る合成樹脂としては、アクリル樹脂、ポリカーボ
ネート樹脂、その他の樹脂が使用可能である。

以上のとおり、この考案によれば、板状の車体
８への取付座部は成形品４の内部に位置して成形
品４から隔離しているため、色調変化が視認され
ず、外観を損なうことがない。また成形品４なら
びに取付体６の製造および取付作業が簡単とな
り、作業性が極めて良くなり安定した取付状態を
維持して成形品の脱落を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図Ａは自動車の後部を示す斜視図、Ｂはリ
ヤパネルを示す斜視図、Ｃはテールランプのレン
ズを示す斜視図、第２図は従来の合成樹脂成形品
の取付装置を示す一部を切欠いた斜視図、第３図
Ａは対照例を示す垂直断面図、Ｂは矢印ａ方向か
ら見た斜視図、第４図Ａはこの考案の一実施例を
示す垂直断面図、Ｂは矢印ｂ方向から見た分解斜
視図である。 各図中、同一符号は同一または相当部分を示
し、４は成形品、５は取付ボルト、６は取付体、
８は板状の車体である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 透明または半透明の合成樹脂により係合孔をも
   つ縁部および内部空間を有するように成形された
   成形品と、この成形品の内側に位置するように成
   形品の縁部を両側から挟持するように断面ほぼＵ
   字状に形成された挟持部および板状の車体へ固着
   されるクリツプ部を一体的に有する取付体とから
   なり、取付体は挟持部とクリツプ部が互に基板の
   反対側に設けられ、かつ挟持部の内側片を基板に
   支持する支持片、および成形品の縁部に設けられ
   た係合孔と係合する抜け止め用の突起を一体的に
   有することを特徴とする合成樹脂成形品の取付装
   置。