JPH0541196A - 荷電粒子ビームモニタ - Google Patents

荷電粒子ビームモニタ

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JPH0541196A
JPH0541196A JP19404691A JP19404691A JPH0541196A JP H0541196 A JPH0541196 A JP H0541196A JP 19404691 A JP19404691 A JP 19404691A JP 19404691 A JP19404691 A JP 19404691A JP H0541196 A JPH0541196 A JP H0541196A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 この発明は、例えば荷電粒子加速装置で用い
られる荷電粒子ビーム形状・位置を安定して高精度に検
出できる荷電粒子ビームモニタを得ることを目的とす
る。 【構成】 モニタ本体27は、XおよびY方向陽極板2
3、24を3枚の陰極板20で挟み込んだ積層構造で構
成されている。このモニタ本体27を構成する陰極板2
0、XおよびY方向陽極板23、24のそれぞれには、
モニタ本体27の外周端面と開口部とを連通するスリッ
ト22が形成されている。このモニタ本体27をガス気
密箱26内に気密保持して荷電粒子ビームモニタ19を
構成している。ガス気密箱26には、Oリング9を介し
てビーム入射窓2が気密保持されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば荷電粒子加速
装置で用いられる荷電粒子ビームのビーム形状、位置お
よび全電流を測定する荷電粒子ビームモニタに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】図6および図7は例えば「ベバラックに
おける重イオン用マルチワイヤチェンバーシステム」
(IEEE Transactions on Nuclear Science,Vol.NS-22,N
o.3,p.1561-1564,June 1975)に記載された従来の荷電粒
子ビームモニタを示す分解斜視図および断面図、図8の
(a)、(b)はそれぞれ図7に示す従来の荷電粒子ビ
ームモニタの使用例を模式的に示す一部破断側面および
平面図である。図において、1は荷電粒子ビームモニ
タ、2は荷電粒子ビームモニタ1のビーム入射窓であ
り、このビーム入射窓2は荷電粒子ビームの通過時の散
乱を小さく抑え、かつ大気圧に耐える機械的強度を持た
せるために、例えばBe、Al等の軽い金属を薄く作製
したものを用いている。
【0003】3は陰極板であり、この陰極板3はガラス
エポキシ基板からなる支持板3aと、この支持板3aの
一方の面に形成された複数の配線電極3bと、支持板3
aの中央部に形成された開口部3cと、この開口部3c
の周囲で配線電極3bにはんだ付けされ、開口部3cを
覆うように形成された複数のワイヤ3dとから構成され
ている。4はX方向陽極板であり、このX方向陽極板4
は、陰極板3と同様に、支持板4a、配線電極(図示せ
ず)、開口部4cおよび複数のワイヤ4dから構成され
ている。5はY方向陽極板であり、このY方向陽極板5
は、同様に、支持板5a、配線電極5b、開口部5cお
よび複数のワイヤ5dから構成されている。
【0004】6は開口部6aが形成され、ガラスエポキ
シ基板からなるスペーサ、7aは陰極板3に設けられた
ガス供給口、7bは陰極板3に設けられたガス排出口、
8は締め付け用のボルト、9はOリングである。10は
荷電粒子ビームモニタ1を格納する真空容器、11は真
空容器10内に格納された荷電粒子ビームモニタ1を駆
動する駆動装置、12は真空容器10に接続された真空
ダクトである。
【0005】ここで、図6に基づいて従来の荷電粒子ビ
ームモニタ1の組み立て方法について説明する。まず、
一対の陰極板3同士を、陰極板3のワイヤ3dが形成さ
れた面(以下、陰極ワイヤ面という)が相対し、かつそ
れぞれのワイヤ3dの配線方向が一致するように配置す
る。その内側に、一対のスペーサ6を介して、Xおよび
Y方向陽極板4、5を、XおよびY方向陽極板4、5の
ワイヤ4d、5dが形成された面(以下、XおよびY方
向陽極ワイヤ面という)が相対し、ワイヤ4d、5dの
配線方向が直交し、かつワイヤ4d、5dのそれぞれの
配線方向とワイヤ3dの配線方向とが45°の角度で交
差するように配置する。
【0006】さらにその内側に、スペーサ6を介して、
陰極板3を、陰極ワイヤ面がX方向陽極ワイヤ面と相対
し、かつワイヤ3dの配線方向が外側に配置した陰極板
3のワイヤ3dの配線方向と一致するように配置する。
その後、両端の陰極板3の外側からOリング9を介して
一対のビーム入射窓2を積層して、ボルト8で締め付け
るとともに、陰極板3、XおよびY方向陽極板4、5お
よびスペーサ6の間隙に接着剤等の充填物を充填して、
気密性を保持させるとともに固着する。
【0007】このようにして、図7に示すように、陰極
板3、XおよびY方向陽極板4、5およびスペーサ6
は、それぞれの開口部が同心配置となるように積層さ
れ、3枚の陰極板3は、それぞれのワイヤ配線方向が同
一方向となるように積層され、XおよびY方向陽極板
4、5は、それぞれのワイヤ配線方向が直交するように
積層され、陰極板3とXおよびY方向陽極板4、5と
は、それぞれのワイヤ配線方向が45°の角度で交差す
るように積層され、スペーサ6により各ワイヤ面が一定
の間隙を保ち、かつOリング9と接着剤とにより気密性
を保持された荷電粒子ビームモニタ1を作製している。
【0008】つぎに、図8の(a)、(b)に基づい
て、従来の荷電粒子ビームモニタ1の動作について説明
する。荷電粒子ビームは、空気等の物質との衝突による
散乱消失を防ぐために、真空ダクト12中で加速または
輸送される。まず、真空ダクト12中を加速または輸送
される荷電粒子がビーム入射窓2を通過して各ワイヤ面
に垂直に入射するように荷電粒子ビームモニタ1を真空
容器10内に格納し、真空容器10内を高真空に維持す
る。そこで、ガス供給口7aからガスを供給し、ガス排
出口7bから排気することにより、荷電粒子ビームモニ
タ1内の空気等の不純ガスを供給ガスで置換し、荷電粒
子ビームモニタ1内に供給ガスを充満させる。ついで、
陰極板3のワイヤ3dに配線電極3bを介して負の高電
圧を印加し、XおよびY方向陽極ワイヤ面あるいはXお
よびY方向陽極板4、5の各ワイヤ4d、5dと、陰極
ワイヤ面との間に大きな電場勾配を形成する。
【0009】つぎに、真空ダクト12中を飛来し、真空
を破ることなくビーム入射窓2から高速荷電粒子が入射
すると、荷電粒子は荷電粒子ビームモニタ1内の入射軌
道近傍のガス原子または分子と電磁相互作用し、それら
のガスをイオンと電子とに電離する。電離されたガスイ
オンと電子は、電気力線に沿って移動加速され、Xおよ
びY方向陽極ワイヤ面内または陰極ワイヤ面内のワイヤ
に集められ、そのワイヤからケーブル(図示せず)を介
して信号として取り出される。特に、電子は、Xおよび
Y方向陽極板4、5のワイヤ4d、5dの近傍で強い電
場勾配のために加速され、さらにワイヤ4d、5dの近
傍のガスを電離し、生成されるガスイオン数・電子数が
増加するいわゆる電子雪崩を起こし、ワイヤに集められ
るガスイオンと電子数が増加する信号増幅作用を持つ。
この結果得られる信号をワイヤ毎に読みだし、荷電粒子
の通過した位置を検出することができ、ビーム形状、位
置が測定される。
【0010】また、荷電粒子ビームの形状、位置等を測
定しない場合には、荷電粒子ビームモニタ1は駆動装置
11によりビーム軌道上から外れるように移動され、荷
電粒子ビームの荷電粒子ビームモニタ1との衝突が避け
られる。
【0011】ここで、荷電粒子ビームモニタ1内に充満
されたガスにより信号増幅(以下、ガス増幅という)さ
れるが、ガス増幅率は、使用するガスの種類、特性に依
存するとともに、ガス密度や不純物濃度の均一性によ
り、その一様性、安定性が影響される。また、Xおよび
Y方向陽極ワイヤ面と陰極ワイヤ面との間に強い電場勾
配が形成され、XおよびY方向陽極ワイヤ面と陰極ワイ
ヤ面との間で放電が起こし易く、局所的な不純ガスの残
留により局所的に耐電圧特性が変化し、放電が起こるこ
とがある。したがって、ガス供給口7aからのガス供給
およびガス排出口7bからの排気を長時間行って荷電粒
子ビームモニタ1内の空気等の不純ガスを除去し、荷電
粒子ビームモニタ1内のガス密度や不純物濃度を均一と
している。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従来の荷電粒子ビーム
モニタは以上のように、陰極板3、XおよびY方向陽極
板4、5およびスペーサ6を積層して構成し、ガス供給
口7aからガスを供給し、ガス排出口7bから排気して
荷電粒子ビームモニタ1内の空気等の不純ガスを置換し
ているので、荷電粒子ビームモニタ1内の不純ガスは供
給ガスの拡散によってのみ置換されることになり、陰極
板3、XおよびY方向陽極板4、5のそれぞれの開口部
周辺に生じる狭い間隙の不純ガスが充分に置換されにく
く、荷電粒子ビームモニタ1内のガス密度や不純物濃度
が不均一となりやすく、また、陰極板3、XおよびY方
向陽極板4、5およびスペーサ6がガラスエポキシ基板
で構成され、接着剤等の充填材を用いて気密性を保持し
ているので、基板材料および充填物からのアウトガス量
が多く、充填物の放射線損傷により荷電粒子ビームモニ
タ1内のガス漏洩が生じ、真空容器10内の真空度の悪
化をもたらし、検出精度を低下するという課題があっ
た。
【0013】この発明の第1の発明は、上記のような課
題を解決するためになされたもので、モニタ本体内のガ
ス密度や不純物濃度を均一とし、ワイヤ端部でも開口部
と同等のガス増幅率が得られ、安定して高精度に荷電粒
子のビーム形状、位置を検出できる荷電粒子ビームモニ
タを得ることを目的とする。
【0014】また、この発明の第2の発明は、モニタ本
体からのアウトガスによる真空容器内の真空度の低下を
抑え、安定して高精度に荷電粒子のビーム形状、位置を
検出できる荷電粒子ビームモニタを得ることを目的とす
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】この発明の第1の発明に
係る荷電粒子ビームモニタは、モニタ本体を構成する陰
極板、XおよびY方向陽極板のそれぞれに、開口部と外
周端面とを連通するスリットを設け、さらにモニタ本体
をガス気密箱内に気密保持するものである。
【0016】また、この発明の第2の発明に係る荷電粒
子ビームモニタは、ビーム入射窓が一体形成されたガス
気密箱内にモニタ本体を気密保持するものである。
【0017】
【作用】この発明の第1の発明においては、陰極板とX
およびY方向陽極板とのそれぞれに設けられた開口部と
外周端面とを連通するスリットが、ガス気密箱内に供給
されるガスをモニタ本体外周からモニタ本体内に導入
し、陰極板とXおよびY方向陽極板とのそれぞれのワイ
ヤ端部の狭い間隙の空気等の不純ガスを速やかに置換
し、モニタ本体内のガス密度や不純物濃度を均一とする
ように働く。
【0018】また、この発明の第2の発明においては、
ビーム入射窓が一体形成されたガス気密箱が、モニタ本
体からのアウトガスの真空容器内への漏洩を抑え、真空
容器の真空度の悪化を防止するように働く。
【0019】
【実施例】以下、この発明の実施例を図について説明す
る。 実施例1.図1および図2はそれぞれこの発明の第1の
発明に係る荷電粒子ビームモニタの一実施例を示す断面
図および分解斜視図であり、図において図6および図7
に示した従来の荷電粒子ビームモニタと同一または相当
部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0020】図において、19は荷電粒子ビームモニ
タ、20は陰極板であり、この陰極板20はガラスエポ
キシ基板からなる支持板20aと、この支持板20aの
一方の面に形成された複数の配線電極(図示せず)と、
支持板20aの中央部に形成された開口部20bと、こ
の開口部20bを覆うように開口部20bの周囲で配線
電極にはんだ付けされた複数のワイヤ20cとから構成
され、さらに支持板20aの陰極ワイヤ面(ワイヤ20
cが形成されている面)と反対側の面には、ワイヤ端部
のはんだ盛り上がり部逃がし用の間隙21が開口部20
bを包囲して形成されるとともに、間隙21と支持板2
0aの外周端面とを連通するスリット22が形成されて
いる。
【0021】23はX方向陽極板であり、このX方向陽
極板23は、陰極板20と同様に、支持板23a、配線
電極(図示せず)、開口部23b、複数のワイヤ23
c、間隙21およびスリット22から構成されている。
24はY方向陽極板であり、このY方向陽極板24は、
同様に、支持板24a、配線電極(図示せず)、開口部
24b、複数のワイヤ24c、間隙21およびスリット
22から構成されている。
【0022】25はスペーサであり、このスペーサ25
は、同様に、支持板25a、開口部25b、間隙21お
よびスリット22から構成されている。26はビーム入
射窓2がOリング9を介して取り付けられたガス気密箱
であり、このガス気密箱26には、ガス供給口7aおよ
びガス排出口7bが取り付けられている。
【0023】ここで、上記実施例1による荷電粒子ビー
ムモニタ19の組み立て方法について説明する。まず、
陰極板20の陰極ワイヤ面上に、X方向陽極ワイヤ面が
陰極ワイヤ面と同方向で、ワイヤ23cの配線方向がワ
イヤ20cの配線方向に対して45°の角度で交差し、
かつ開口部23bが開口部20bと同心配置となるよう
にX方向陽極板23を積層する。この時、陰極板20の
ワイヤ20cの端部のはんだ盛り上がり部は、X方向陽
極板23の開口部23b周囲に設けられた間隙21内に
収納される。同様して、さらに陰極板20、Y方向陽極
板24、陰極板20およびスペーサ25を順次積層した
後、接着剤で接着固定する。
【0024】このようにして作製された積層体構造のモ
ニタ本体27は、それぞれのワイヤ面が等間隔で同方向
を向き、隣接するワイヤの配線方向が互いに45°の角
度で交差するように、XおよびY方向陽極板23、24
のそれぞれを、3枚の陰極板20で挟み込んで構成して
いる。
【0025】このモニタ本体27をガス気密箱26内に
収納し、Oリング9を介してビーム入射窓2を取り付
け、荷電粒子ビームモニタ19を作製する。
【0026】つぎに、上記実施例1の荷電粒子ビームモ
ニタ19の動作について説明する。荷電粒子ビームモニ
タ19を真空容器10内に収納し、真空容器10内を高
真空に維持する。ついで、ガス供給口7aからガスを供
給し、ガス排出口7bから排気して、ガス気密箱26内
を供給ガスで充満させる。この時、供給ガスは、ガス気
密箱26内に導入され、スペーサ25の開口部25bか
らモニタ本体27内の開口部を通り、開口部内の空気等
不純ガスが置換される。また、スリット22からモニタ
本体27の開口部内にもガスが流れ込み、スリット21
および間隙20内の空気等不純ガスが置換される。この
ようにして、モニタ本体27の開口部およびワイヤ端部
の狭い間隙の不純ガスが置換され、モニタ本体27内の
ガス密度や不純物濃度が均一となり、不純ガスの局所的
な残留もない。
【0027】その他の動作は、図6および図7に示した
従来の荷電粒子ビームモニタ1と同様に動作する。
【0028】したがって、上記実施例1によれば、モニ
タ本体27の開口部および各ワイヤ端部におけるガス密
度・不純物濃度が均一となり、各陰極板20のワイヤ2
0cの端部でも開口部20bと同等の耐電圧特性が得ら
れ、XおよびY方向陽極板23、24のワイヤ24c、
25cの端部でも開口部23b、24bと同等のガス増
幅率が得られ、安定して高精度に荷電粒子のビーム形
状、位置等を測定することができる。
【0029】実施例2.図3および図4はそれぞれこの
発明の第2の発明に係る荷電粒子ビームモニタの一実施
例を示す一部破断斜視図および分解斜視図、図5は第2
の発明に係る荷電粒子ビームモニタの使用例を示す模式
図である。図において、30は荷電粒子ビームモニタ、
31はモニタ本体、32はモニタ本体31を取り付ける
取付枠、33はガス気密箱であり、このガス気密箱33
はアウトガス放出量の少ない材料、例えばAlで作製さ
れ、対向する両側面の肉厚を機械的強度の許せる範囲内
で充分薄く削ってビーム入射窓33aを一体形成すると
ともに、例えばOリングを用いて底面部で真空シールし
ている。
【0030】34は陰極板であり、この陰極板34はガ
ラスエポキシ基板からなる支持板34aに開口部34b
が形成され、一方の面に配線電極(図示せず)が形成さ
れ、複数のワイヤ34cが開口部34bを覆うように開
口部34bの周囲で配線電極にはんだ付けされて構成し
ている。35はX方向陽極板であり、このX方向陽極板
35は、陰極板34と同様に、支持板35a、開口部3
5b、配線電極(図示せず)および開口部35bを覆う
ように配線された複数のワイヤ35cとから構成してい
る。36はY方向陽極板であり、このY方向陽極板36
は、陰極板34と同様に、支持板36a、開口部36
b、配線電極(図示せず)および開口部36bを覆うよ
うに配線された複数のワイヤ36cとから構成してい
る。
【0031】37はガス気密箱33に取り付けられ、ガ
ス気密箱33内にガスを給排するとともに信号読みだし
用等のケーブルを収容するパイプ、38はベローズ、3
9はフランジである。
【0032】ここで、上記実施例2における荷電粒子ビ
ームモニタ30の組み立て方法について説明する。ま
ず、XおよびY方向陽極板35、36を3枚の陰極板3
4で挟み込むように配置し、ボルト8で締め付けて積層
体構造のモニタ本体31を組み立てる。このモニタ本体
31は、XおよびY方向陽極板35、36のワイヤ35
c、36cの配線方向が互いに直交し、XおよびY方向
陽極板35、36のワイヤ35c、36cの配線方向と
陰極板34のワイヤ34cの配線方向とが互いに45°
の角度で交差し、かつ3枚の陰極板34とXおよびY方
向陽極板35、36との開口部34b、35b、36b
がそれぞれ同心配置するように積層構成されている。
【0033】このモニタ本体31を取付枠32に取り付
け、ガス気密箱33内に収納した後、底面で例えばOリ
ングを用いて真空シールして、気密に保持された荷電粒
子ビームモニタ30を作製する。
【0034】つぎに、図5に基づいて上記荷電粒子ビー
ムモニタ30の動作について説明する。パイプ37の一
端が、ベローズ38に取り付けられたフランジ39に固
定され、外部の駆動装置11により、荷電粒子ビームモ
ニタ30が荷電粒子ビームの軌道中に挿入され、また引
き出されるように、荷電粒子ビームモニタ30を真空容
器10内に格納する。真空容器10内は高真空に維持さ
れ、外部よりパイプ37を通してガスを供給、排気し、
ガス気密箱33内をガスで充満させる。真空中を飛来す
る荷電粒子ビームは、ガス気密箱33に一体形成された
ビーム入射窓33aから入射し、モニタ本体31で、荷
電粒子のビーム形状、位置を検出できる。
【0035】上記実施例2によれば、ビーム入射窓33
aがガス気密箱33に一体形成されているので、ビーム
入射窓を構成する金属薄膜をOリング等で真空シールす
る複雑なシール構造を必要とせず、ガス気密箱33の厚
肉の底面で真空シールでき、またガス気密箱33がAl
等のアウトガス放出量の少ない材料で作製しているの
で、極めてよい真空性能が得られる。そこで、モニタ本
体31を気密に保持されたガス気密箱33内に収納して
いるので、モニタ本体31を構成する陰極板34、Xお
よびY方向陽極板35、36の支持板34a、35a、
36aからのアウトガスが真空容器10内に入り込ま
ず、また、信号読み出し用のためのケーブルもパイプ3
7を通して外部に引き出すことができるので、ケーブル
材料からのアウトガスも防ぐことがき、真空容器10内
の真空度の悪化が抑えられ、安定して高精度に荷電粒子
のビーム形状、位置等を測定することができる。
【0036】なお、上記実施例2では、ビーム入射窓3
3aを一体形成したガス気密箱33内にモニタ本体31
を収納して荷電粒子ビームモニタ30を構成している
が、ガス気密箱33内に実施例1におけるモニタ本体2
7を収納しても同様の効果を奏する。
【0037】また、上記実施例2では、ガス気密箱33
をAlを用いて作製しているが、アウトガス放出量の少
ない材料であればよく、さらにビーム入射窓33aを一
体形成することから、荷電粒子ビームの通過時の散乱を
小さく抑えるため、Al、Be等の軽い金属が望まし
い。
【0038】
【発明の効果】この発明は、以上説明したように構成さ
れているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0039】この発明の第1の発明によれば、モニタ本
体を構成する陰極板とXおよびY方向陽極板とのそれぞ
れに、外周端面と開口部とを連通するスリットを設けて
いるので、モニタ本体内のガス密度や不純物濃度が均一
となり、ワイヤ端部でも開口部と同等のガス増幅率が得
られ、安定して高精度に荷電粒子のビーム形状、位置を
検出できる。
【0040】また、この発明の第2の発明によれば、ビ
ーム入射窓が一体形成されているガス気密箱内にモニタ
本体を気密保持しているので、モニタ本体からのアウト
ガスによる真空容器内の真空度の低下を抑え、安定して
高精度に荷電粒子のビーム形状、位置を検出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の発明に係る荷電粒子ビームモ
ニタの一実施例を示す断面図である。
【図2】この発明の第1の発明の係る荷電粒子ビームモ
ニタの一実施例を示す分解斜視図である。
【図3】この発明の第2の発明に係る荷電粒子ビームモ
ニタの一実施例を示す一部破断斜視図である。
【図4】この発明の第2の発明の係る荷電粒子ビームモ
ニタの一実施例を示す分解斜視図である。
【図5】この発明の第2の発明の係る荷電粒子ビームモ
ニタの使用例を示す模式図である。
【図6】従来の荷電粒子ビームモニタの一例を示す分解
斜視図である。
【図7】従来の荷電粒子ビームモニタの一例を示す断面
図である。
【図8】従来の荷電粒子ビームモニタの使用例を示す模
式図である。
【符号の説明】
19 荷電粒子ビームモニタ 20 陰極板 20b 開口部 20c ワイヤ 22 スリット 23 X方向陽極板 23b 開口部 23c ワイヤ 24 Y方向陽極板 24b 開口部 24c ワイヤ 26 ガス気密箱 27 モニタ本体 30 荷電粒子ビームモニタ 31 モニタ本体 33 ガス気密箱 33a ビーム入射窓 34 陰極板 34b 開口部 34c ワイヤ 35 X方向陽極板 35b 開口部 35c ワイヤ 36 Y方向陽極板 36b 開口部 36c ワイヤ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年7月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】ここで、荷電粒子ビームモニタ1内に充満
されたガスにより信号増幅(以下、ガス増幅という)さ
れるが、ガス増幅率は、使用するガスの種類、特性に依
存するとともに、ガス密度や不純物濃度の均一性によ
り、その一様性、安定性が影響される。また、Xおよび
Y方向陽極ワイヤ面と陰極ワイヤ面との間に強い電場勾
配が形成され、XおよびY方向陽極ワイヤ面と陰極ワイ
ヤ面との間で放電が起易く、局所的な不純ガスの残留
により局所的に耐電圧特性が変化し、放電が起こること
がある。したがって、ガス供給口7aからのガス供給お
よびガス排出口7bからの排気を長時間行って荷電粒子
ビームモニタ1内の空気等の不純ガスを除去し、荷電粒
子ビームモニタ1内のガス密度や不純物濃度を均一とし
ている。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正内容】
【0037】また、上記実施例2では、ガス気密箱33
をAlを用いて作製しているが、アウトガス放出量の少
ない材料であればよく、さらにビーム入射窓33aを一
体形成することから、荷電粒子ビームの通過時の散乱を
小さく抑えるため、Al等の軽い金属が望ましい。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開口部、前記開口部を覆うように一方の
    面に配線された複数のワイヤおよび前記開口部と外周端
    面とを連通するように他方の面に設けられたスリットを
    有するXおよびY方向陽極板のそれぞれを、開口部、前
    記開口部を覆うように一方の面に配線された複数のワイ
    ヤおよび前記開口部と外周端面とを連通するように他方
    の面に設けられたスリットを有する3枚の陰極板で挟み
    込んで構成するモニタ本体と、ガス気密箱とを備え、前
    記モニタ本体を前記ガス気密箱内に気密保持したことを
    特徴とする荷電粒子ビームモニタ。
  2. 【請求項2】 開口部および前記開口部を覆うように配
    線された複数のワイヤを有するXおよびY方向陽極板の
    それぞれを、開口部および前記開口部を覆うように配線
    された複数のワイヤを有する3枚の陰極板で挟み込んで
    構成するモニタ本体と、ビーム入射窓を一体形成したガ
    ス気密箱とを備え、前記モニタ本体を前記ガス気密箱内
    に気密保持したことを特徴とする荷電粒子ビームモニ
    タ。
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