JP2001023563A - ナノクラスター解析用高質量分析装置 - Google Patents
ナノクラスター解析用高質量分析装置Info
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Abstract
ターでも、容易に質量(サイズ)の分析を可能とする。 【解決手段】 ナノクラスター解析用高質量分析装置
は、所定の方向から飛来するイオンクラスターの軌道を
その飛来方向に対して直交する方向に加速度を与える第
一の偏向電極30、31と、この第一の偏向電極30、
31で偏向されたイオンクラスターに前記飛来方向と逆
方向に加速度を与える第二の偏向電極32、33と、こ
の第二の偏向電極32、33で軌道が変えられたイオン
クラスターを検出するコレクター36とを備える。コレ
クター36としてはマイクロチャンネルプレートが使用
される。
Description
電場により加速度を与え、その軌道を偏向させた上で検
出し、その偏向電圧等によりイオンの質量を分析するナ
ノクラスター解析用高質量分析装置に関する。特に粒径
十数nm程度の大きな粒径を有するイオンクラスターを
質量分析するのに好適なナノクラスター解析用高質量分
析装置に関する。
て、真空蒸着法やスパッタリング法が使用されている。
例えば、スパッタリング法は、真空チャンバーの中に対
向して配置した陰極と陽極との間に高電圧を印加すると
共に、真空チャンバー内を10-2〜10-3Torr程度
のグロー放電領域に維持し、陰極上に保持したターゲッ
トをスパッタリングすることにより発生した金属蒸気を
基板上に堆積させ、成膜するものである。
の元素や化合物を成膜できる利点がある。しかし、従来
におけるグロー放電領域で行うスパッタリング法では、
nmサイズのクラスターは基板上でしか形成されず、こ
の場合クラスターサイズや分散状態を制御できない。ク
ラスターのサイズを揃えるには、気相中でのクラスター
形成が不可欠である。
物を速い成膜速度をもって堆積できる手法として、数T
orr程度の比較的高いガス圧のアーク放電領域でスパ
ッタリングすることにより、ターゲットから発生した分
子を比較的高いガス圧の中で凝集させることにより、比
較的粒径が大きなクラスターを発生させ、これを基板上
に堆積させる手法が提案されている。
板上にクラスターを堆積して薄膜を成膜する場合、その
薄膜を形成する物質を同定するためには、クラスターの
質量分析が必要となる。しかし、クラスターは分子レベ
ルの粒子に比べて質量が大きいため、従来の四重極型あ
るいは、飛行時間型の質量分析装置では分析することが
できない。そこで本発明は、粒径が十数nm程度のサイ
ズが大きいクラスターでも、容易に質量の分析を可能と
することを目的とする。
め、本発明では、飛来してくるイオンクラスターに加速
度を与え、その軌道を偏向する偏向電極30、31及び
32、33を2段に設け、まず第一の偏向電極30、3
1で飛来してくるイオンクラスターに、その飛来方向に
対して直交する方向に加速度を与え、さらに第二の偏向
電極32、33でそのイオンクラスターに、当初の飛来
方向と逆方向の加速度を与える。このようにして、この
イオンクラスターが検出可能となり、質量(サイズ)分
析ができる。
析用高質量分析装置は、所定の方向から飛来するイオン
クラスターの軌道をその飛来方向に対して直交する方向
に加速度を与える第一の偏向電極30、31と、この第
一の偏向電極30、31で偏向されたイオンクラスター
に前記飛来方向と逆方向に加速度を与える第二の偏向電
極32、33と、この第二の偏向電極32、33で軌道
が変えられたイオンクラスターを検出する検出器とを備
えることを特徴とするものである。
スターの軌道を挟んで対向した一対の電極30、31か
らなる。また、第二の偏向電極32、33は、前記第一
の偏向電極30、31が対向した方向と直交する方向に
対向する一対の電極32、33からなる。そして、第一
の偏向電極30、31と第二の偏向電極32、33に
は、1〜10kVの加速電圧が印加される。
では、第一の偏向電極30、31に1〜10kVという
高い加速電圧を加えてイオンクラスターの飛来方向に対
して直交する方向に加速度を与え、さらに第二の偏向電
極32、33に1〜10kVという高い加速電圧を加え
てイオンクラスターに当初の飛来方向と逆方向に加速度
を与えることにより、粒径十数nmの比較的大きなイオ
ン粒子を分析することができる。
を含めて検出可能なコレクター36が使用される。すな
わち、イオンクラスターのコレクター36としてプレー
ト間に高電圧を印加したマイクロチャンネルプレートが
使用される。前記第二の偏向電極32、33によりイオ
ンクラスターに加速電圧を加えたうえで、このマイクロ
チャンネルプレートからなるコレクター36でイオンク
ラスターを検出し、前記加速電圧とそれを与えた方向の
検出位置とにより、イオンクラスターの質量(サイズ)
を分析する。
明の実施の形態について、具体的且つ詳細に説明する。
図1に本発明によるナノクラスター解析用高質量分析装
置と、イオンクラスターを発生するクラスター発生装置
との全体の概要を示し、図2にナノクラスター解析用高
質量分析装置の要部を拡大して示している。
について説明する。イオンクラスターの発生装置が収納
された第一の真空チャンバー1の中央に円筒形のクーリ
ングケース3が収納され、固定されている。このクーリ
ングケース3の内部はスパッタ室22となっている。ク
ーリングケース3の外周に巻き付けて設けた冷却配管4
中を液体窒素等の冷媒が循環し、前記スパッタ室22の
内部が冷却されるようになっている。
配管14が接続され、マスフローコントローラ15で流
量制御されながら、配管14を介してHeガス等の希ガ
スがスパッタ室22に導入される。これらにより、スパ
ッタ室22は1〜10Torr程度のガス圧に維持され
る。このスパッタ室22の分圧は、真空計16により測
定され、メカニカルブースターポンプで排気しながら前
記のマスフローコントローラ15で制御される。他方、
このスパッタ室22には、真空チャンバー1の一端側に
設けた排気ポートにターボ分子ポンプ等の真空ポンプ5
が接続されており、予め10-8Torr程度の高真空度
が達成できるようになっている。
上、右端面にノズル26が開口しており、このノズル2
6を介してスパッタ室22が真空チャンバー1内の別の
部屋23に通じている。このスパッタ室22の中央部に
は、クラスターを発生させるターゲット20を保持する
陰極18が配置されている。この陰極18は、円筒形の
トランスファーロッド21の一端側に設けられ、前記ノ
ズル26に向けて設置されている。
バー1及びクーリングケース3の中心軸上に配置されて
いると共に、その他端は、図1の真空チャンバー1にお
いて左端面に設けたシーリングガイド10に気密にシー
ルされた状態でスライド自在に支持されている。このト
ランスファーロッド21は、前記シーリングガイド10
にガイドされた状態で、図1に矢印で示すように、その
長手方向にスライドできるため、前記の陰極18の位置
を同方向に調整することができるようになっている。
石34が配置され、これにより陰極18上に磁界が形成
される。また、この陰極18の内部には、前記トランス
ファーロッド21の内部を通した冷却配管13を介して
冷却水が循環され、冷却される。陰極18の前面には、
表面上に希ガス原子イオンを衝突させてスパッタリング
するターゲット20が保持される。
囲は円筒形のシールドカバー2で覆われており、このシ
ールドカバー2の前面はターゲット20の中心に向けて
迫り出し、その内周縁部が陰極18とターゲット20の
外周側をカバーしている。これにより、陰極18とター
ゲット電極20は、ターゲット電極20から蒸発した金
属原子が後述する基板32に向けて発射する経路を除い
てシールドカバー2で覆われている。
ット20との間に間隔が形成され、この間隙は0.3m
m程度に設定されている。これらシールドカバー2とそ
の周囲の部材は、フッ素系樹脂等の耐高圧の絶縁被膜、
例えば商標名「テフロン」等でコーティングしておくと
よい。
ッド21の内部に希ガス導入用の配管11が配置され、
この配管11が前記シールドカバー2の内周部分に接続
されている。さらにこのシールドカバー2の内周部分
は、同シールドカバー2の前面部分とターゲット20と
の間隔に通じている。マスフローコントローラ12によ
り流量制御しながら、前記配管11から希ガスとしてA
rガスを導入すると、このArガスは、前記シールドカ
バー2の内側を通ってシールドカバー2の前面部分とタ
ーゲット20との間隔からスパッタ室22内に流れる。
ァーロッド21のシーリングガイド10が設けられたの
と反対側の端部に質量分析装置が収納された第二の真空
チャンバー35が接続されている。前記ターゲット20
側のスパッタ室22と第二の真空チャンバー35との間
は、隔壁によって複数の部屋23、24、25に区画さ
れている。ターゲット20と質量分析装置の真空チャン
バー35とを結ぶ直線の経路上にノズル26、27、2
8、29が配置され、前記スパッタ室22と第二の真空
チャンバー35を含む隣接する複数の部屋23、24、
25は、これらノズル26、27、28、29を介して
のみ通じている。
1、14を通してAr、He等の希ガスが導入されると
共に、メカニカルブースターポンプ6で排気され、1〜
10Torr程度の真空度に維持される。また、前記の
第二の真空チャンバー35は、ターボ分子ポンプ等の真
空ポンプ9が接続され、10-8Torr程度の真空度に
維持される。そして、これらスパッタ室22から第二の
真空チャンバー35に至る部屋23はメカニカルブース
ターポンプ、部屋24、25には、ターボ分子ポンプ
7、8が接続され、それぞれ10-2Torr、10-4T
orr、10-6Torr程度の真空度に維持される。す
なわち、スパッタ室22から第二の真空チャンバー35
に近くなるに従って、部屋23、24、25の真空度が
段階的に高く(ガス圧が低く)なるように維持される。
部屋23には真空計17が取り付けられ、その部分の真
空度が計測される。
ャンバー1に接続されたポートには、オリフィス板38
が設けられ、このオリフィス板38にクラスターが通過
する窓が開口している。第一の真空チャンバー1のスパ
ッタ室22側で発生したイオンクラスターは、このオリ
フィス板38の窓で制限された経路でのみ第二の真空チ
ャンバー35側に飛来する。
38の窓の中心とを結ぶイオンクラスターの飛行経路を
挟んでその上下に対向して第一の偏向電極30、31が
配置されている。この偏向電極30、31は一対のグリ
ッド状の電極からなり、少なくとも上側の偏向電極31
は、イオンクラスターが通過できるようになっている。
はVaの電圧が、上側の偏向電極31にはVbの電圧が
印加される。ターゲット20を保持した陰極18に対
し、これらの偏向電極30、31は陽極となるため、何
れも正の高電位に保持されるが、図示の例では、正に帯
電したイオンクラスターに図2において上方向の加速度
を与えるため、上側の偏向電極31の電位Vbが下側の
偏向電極30の電位Vaより低く設定されている。図2
においてVa−Vbがイオンクラスターの上方向の加速
電圧となる。例えばVaが8kV程度の場合、Vbは6
kVの電位に設定される。
地されたシールド電極40で覆われている。これらのシ
ールド電極40のうち、少なくとも上側は格子状であっ
て、イオンクラスターが通過できる。これら第一の偏向
電極30、31とシールド電極40の上には、偏向電極
30、31が対向した方向と直交する方向、すなわち図
2において左右方向に対向して第二偏向電極32、33
が配置されている。この第二の偏向電極32、33は、
一対の電極からなり、ターゲット20側から前記オリフ
ィス板38の窓を通して第二の真空チャンバー35内に
飛来したイオンクラスターにその飛来方向と逆方向への
加速度を与えるものである。従って、ターゲット20か
ら遠い方の偏向電極32の電位が他方の偏向電極33よ
り高い電位に維持される。例えば偏向電極32が正の電
位であるVcに維持され、他方の偏向電極33が接地さ
れ、0V電位とされる。
となるイオンクラスターの質量、第二の偏向電極32、
33の対向距離及び第二の偏向電極32、33の長さ
(図2において上下方向の寸法)に応じて選択される。
例えば、偏向電極32、33の対向距離を100mm、
上下方向の長さ寸法を200mmとし、分析対象となる
イオンクラスターの質量が10-22〜10-18kg程度と
した場合、偏向電極33の電位0V、偏向電極32の電
位Vc=1〜10kV程度の電位差が選択され、電界
(電場)にして10kV/m〜100kV/m程度が選
択される。
空間を挟んで、前記第一の偏向電極30、31と対向す
るようイオンクラスターのコレクター36が配置されて
いる。このコレクター36は、マルチチャンネルプレー
トからなり、第二の偏向電極32、33が対向した方向
に或る程度の長さを有する。具体的には、第二の偏向電
極32、33の対向距離と同等の長さを有し、例えば、
第二の偏向電極32、33の対向距離を100〜200
mmとして場合、マイクロチャンネルプレートからなる
コレクター36の長さも100〜200mm程度とす
る。このマルチャンネルプレートからなるコレクター3
6の前面側のプレートと背面側のプレートとにそれぞれ
Vd、Veの負の高電位が設定される。例えば、Vd=
−7kV、Ve=−5kV程度に設定される。
7に覆われている。また、このコレクター36は、第二
の真空チャンバー35(図1参照)の外部に設けた検出
器39に接続され、この検出器39により、コレクター
36にイオンクラスターが衝突した位置を含めてイオン
クラスターが検出される。
置と質量分析装置とを使用し、第一の真空チャンバー1
側で、金属からなるターゲット20をスパッタリング
し、発生したターゲット分子を凝集化してクラスターと
し、これを第二真空チャンバー35側に設けた質量分析
装置で質量分析する。次に、その手順について説明す
る。
真空チャンバー1の排気ポートに接続した真空ポンプ5
により排除する。これにより、スパッタ室22を10-8
Torr程度の真空度とすることができ、清浄雰囲気で
のクラスター形成を保証している。
トローラ15により流量制御しながら、配管14を通し
て、Heガスがスパッタ室22に導入される。また、マ
スフローコントローラ12により流量制御しながら、配
管11からArガスを導入し、このArガスをシールド
カバー2の前面部分とターゲット20との間隙からスパ
ッタ室22内に流す。このときノズル26を通して、メ
カニカルブースターポンプ6で排気する。
はターボ分子ポンプ9により排気し、10-8Torr程
度の高い真空度に維持する。そして、これらスパッタ室
22から第二の真空チャンバー35に至る中間の部屋2
3は、メカニカルブースターポンプ、部屋24,25は
ターボ分子ポンプ7、8で排気し、それぞれ10-2To
rr、10-4Torr、10-6Torrと、段階的に高
い真空度(低いガス圧)に維持する。
対して陰極18に負の高電圧を印加する。また、シール
ドカバー2も接地し、0電位とする。通常、シールドカ
バー2の前面部分とターゲット20との間がアーク放電
領域におかれ、アーク放電が発生するので、シールドカ
バー2の前面部分とターゲット20との間の間隔を0.
3mm程度の間隔に設定することにより、異常放電が起
こりにくく、安定したグロー放電が維持される。
4の磁場とにより、ターゲット20の表面近くのAr原
子が励起、イオン化される。このイオンは陰極18に印
加された負の高電圧により加速され、ターゲット20の
表面に衝突してターゲット20をスパッタリングする。
このスパッタリングにより、ターゲット20から金属原
子が蒸発する。
子は、1〜10Torrと比較的ガス圧が高いスパッタ
室22内を通る過程で凝集し、或る程度サイズが大きな
イオンクラスターとして成長する。ここで、図1におい
てトランスファーロッド21をシーリングガイド10に
沿って矢印で示す方向に移動し、ターゲット20を移動
すると、図1に示すターゲット20とノズル26までの
距離を変えることができる。これにより、ターゲット2
0から飛び出した金属原子が隣のより気圧の低い部屋2
3に至るまでに飛来する距離、つまりクラスターの成長
領域の距離を変えることができ、任意で均一な大きさの
イオンクラスターを第二の真空チャンバー35側に取り
出すことができる。
ゲット20との間隙からスパッタ室22内にArガスを
流すことにより、シールドカバー2の前面部分やターゲ
ット20の表面にクラスターが堆積するのが防止され、
シールドカバー2とターゲット20との短絡等による障
害が制御される。
ターは、ノズル26、27、28、29を通って順次真
空度が段階的に高くなった部屋23、24、25を通過
し、さらにオリフィス板38の窓を通過し、10-7To
rr程度の高い真空度に維持された第二の真空チャンバ
ー35に飛来する。
ンクラスターは、まず第一の偏向電極30、31に印加
した電位差によりオリフィス板38の窓を通過した直後
の軌道に対して直交する方向、具体的には図1及び図2
において上方に加速度が与えられる。これにより、図2
に示すようにイオンクラスターの飛行軌道が曲げられ、
第二の偏向電極32、33が対向した領域に飛来する。
向電極32、33に印加した電位差により、イオンクラ
スターがオリフィス板38の窓を通過した直後の軌道と
逆方向、すなわち180゜異なる方向に加速度が与えら
れる。これにより、イオンクラスターの軌道が曲げられ
ながらコレクター36に衝突する。このとき、マイクロ
チャンネルプレートからなるコレクター36は、イオン
クラスターの衝突とその衝突位置を検出する。
とマイクロチャンネルプレート(MCP)からなるコレ
クター36の検出位置との関係の一例を示すものであ
る。ここでは、コレクター36の中央を0とし、それよ
りターゲット20に近い側を−、ターゲット20より遠
い側を+として検出位置を表している。
の電位Va、Vbをそれぞれ、Va=8kV、Vb=6
kV、第二の偏向電極33の電位を0V、コレクター3
6のプレートの電圧Vd、VeをそれぞれVd=−7k
V、Ve=−5kVとし、一方の第二の偏向電極32の
電位を+2kV、+4kV、+5k及び+6kVとし
た。
二の偏向電極32の電位を+6kVとしたとき、最大約
4×10-21 kgの質量のイオンクラスターが検出でき
る。そして、コレクター36においてイオンクラスター
の約−50mm〜約+50mmまでの100mmの間の
検出位置により、3×10-23 kg〜4×10-21 kg
の範囲で、そのイオンクラスターの質量を分析できる。
また、第二の偏向電極32の電位を+2kVとしたと
き、最大約1.5×10-21 kgの質量のイオンクラス
ターが検出できる。そして、コレクター36においてイ
オンクラスターの約−50mm〜約+50mmまでの1
00mmの間の検出位置により、10-25kg〜1.5
×10-21 kgの範囲で、そのイオンクラスターの質量
を分析できる。
ネルプレート(MCP)を使用し、同様にイオンクラス
ターを分析した結果である。ここでは、イオンクラスタ
ーの質量を原子単位(amu)で表している。また、第
二の偏向電極32、33の電位差を電界(電場)で表し
ている。なお、第二の偏向電極32、33の対向距離は
200mmである。コレクター36上のイオンクラスタ
ーの検出位置は、やはりその中央を0とし、それよりタ
ーゲット20に近い側を−、ターゲット20より遠い側
を+として表している。
向電極32の電位勾配を+60kV/m(電位差12k
V)としたとき、最大約8×106 amuの質量のイオ
ンクラスターが検出できることになる。そして、コレク
ター36におけるイオンクラスターの約−100mm〜
約+100mmまでの200mmの間の検出位置によ
り、1〜8×106 amuのイオンクラスターの質量を
分析できる。これは直径に換算して十数nm程度までの
大きさに相当する。
ター解析用高質量分析装置によれば、粒径が十数nm程
度(質量1〜8×106 amu程度)のサイズが大きい
クラスターでも、容易に検出し、その質量を分析するこ
とができる。また、イオンクラスターに与える加速度電
圧とコレクター36におけるイオンクラスターの衝突位
置によりそのイオンクラスターの質量を分析することが
できるので、正確にクラスターの質量を分析することが
できる。
装置をクラスター発生装置と共にその全体の概要を示し
た概略縦断側面図である。
を拡大して示す要部概略拡大縦断側面図である。
装置を使用して検出したイオンクラスターの質量とマイ
クロチャンネルプレート上のクラスター検出位置との関
係を示すグラフである。
量分析装置を使用して検出したイオンクラスターの質量
とマイクロチャンネルプレート上のクラスター検出位置
との関係を示すグラフである。
析用高質量分析装置は、所定の方向から真空雰囲気中に
飛来するイオンクラスターの軌道をその飛来方向に対し
て直交する方向に加速度を与える第一の偏向電極30、
31と、この第一の偏向電極30、31で偏向されたイ
オンクラスターに前記飛来方向と逆方向に加速度を与え
る第二の偏向電極32、33と、この第二の偏向電極3
2、33で軌道が変えられたイオンクラスターを検出す
る検出器とを備えることを特徴とするものである。
Claims (6)
- 【請求項1】 イオンクラスターの質量を分析する装置
において、所定の方向から飛来するイオンクラスターの
軌道をその飛来方向に対して直交する方向に加速度を与
える第一の偏向電極(30)、(31)と、この第一の
偏向電極30、31で偏向されたイオンクラスターに前
記飛来方向と逆方向に加速度を与える第二の偏向電極
(32)、(33)と、この第二の偏向電極(32)、
(33)で軌道が曲げられたイオンクラスターを検出す
るナノクラスター解析用高質量分析装置。 - 【請求項2】 第一の偏向電極(30)、(31)がイ
オンクラスターの軌道を挟んで対向した一対の電極(3
0)、(31)からなることを特徴とする請求項1に記
載のナノクラスター解析用高質量分析装置。 - 【請求項3】 第二の偏向電極(32)、(33)が前
記第一の偏向電極(30)、(31)が対向した方向と
直交する方向に対向する一対の電極(32)、(33)
からなることを特徴とする2に記載のナノクラスター解
析用高質量分析装置。 - 【請求項4】 第一の偏向電極(30)、(31)と第
二の偏向電極(32)、(33)には、1〜10kVの
加速電圧が印加されることを特徴とする請求項3に記載
のナノクラスター解析用高質量分析装置。 - 【請求項5】 検出器は、イオンクラスターの検出位置
を含めてイオンクラスターが検出可能なコレクター(3
6)を備えるることを特徴とする請求項1〜4の何れか
に記載のナノクラスター解析用高質量分析装置。 - 【請求項6】 検出器のコレクター(36)は、プレー
ト間に高電圧を印加したマイクロチャンネルプレートで
あることを特徴とする請求項5に記載のナノクラスター
解析用高質量分析装置。
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1999
- 1999-07-08 JP JP11194087A patent/JP3080950B1/ja not_active Expired - Fee Related
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