JP7252179B2 - イオン検出器、測定装置および質量分析装置 - Google Patents

イオン検出器、測定装置および質量分析装置 Download PDF

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Description

本発明は、イオン検出器、測定装置および質量分析装置に関するものである。
荷電粒子の入射に応答して電子を放出する電子増倍部を有するイオン検出器は、種々の技術分野へ応用されている。例えば、電子増倍部を有するイオン検出器は、質量分析装置(mass spectrometry)等の測定装置に適用可能であり、高真空状態(0.1Pa未満)に維持された筐体内で動作する。このようなイオン検出器としては、例えば特許文献1~特許文献3に開示された検出器が知られている。
特開2011-181336号公報 特開2009-289600号公報 特開平5-80157号公報
発明者らは、上述の従来技術について検討した結果、以下のような課題を発見した。すなわち、上述のような質量分析では両極性のイオン(荷電粒子)が検出対象となり得るが、従来のイオン検出器は高真空状態に維持された筐体内でなければ十分な検出精度が得られない。すなわち、近年、装置の小型化や低コスト化を実現するために低真空状態(0.1Pa以上)でのイオン検出が要望されているが、低真空状態での検出精度の維持が難しいのが現状である。
検出精度の維持を難しくしている主な原因は、低真空状態の筐体内に残留する不要なガスの存在である。筐体内で動作するイオン検出器では、電子増倍部の入力部側に配置された入力側電極に絶対値の大きな電圧(正または負のいずれでもよい)が印加される。入力側電極に正または負の電圧が印加されると、該入力側電極からグランド電位に設定される筐体の内壁に向かって急激な電位勾配が広がってしまう。一方、相対的に負の電位となる箇所からは周辺に電子が放出されており、放出された電子が不要な残留ガス分子に衝突することでイオンが発生してしまう。一般的に、電子の平均自由行程は、真空度1Paで25mm、真空度5Paで5mm、真空度10Paで2.5mmである。このようなメカニズムで発生した不要なイオンが上述の電位勾配により加速されて電子増倍部の入力部に入射すると、新たな電子が放出されるとともにノイズ成分となるダーク電流が発生する。
なお、上記特許文献1のイオン検出器は、電子増倍部の入力部側にメッシュ電極が配置されているが、入力側電極により形成される電位勾配をブロックする構造がない。また、各電極を任意電位に設定するための配線の被覆もない。そのため、上記特許文献1のイオン検出器では、筐体と高電圧部間の放電で発生する不要なイオンを抑制すること、電子増倍部やアノードへの不要なイオンの到達を遮断すること、更に、配線の放電を防ぐことができない。また、上記特許文献2および3のイオン検出器においても、絶対値の大きな電圧が印加される電極部分および配線部分が露出しており、不要なイオンの発生と電子増倍部、アノード等への不要なイオンの到達を阻止することができない。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、ノイズ成分となるダーク電流の発生を効果的に抑制するための構造を備えたイオン検出器、該イオン検出器を含む測定装置、および該イオン検出器を含む質量分析装置を提供することを目的としている。
本実施形態に係るイオン検出器は、減圧状態の筐体内で動作する検出器であって、電子増倍部と、入力側電極と、出力側電極と、シールド構造体と、メッシュ窓と、高電圧ケーブルと、高電圧ケーブルの外周面を覆う絶縁被覆と、を備える。電子増倍部は、荷電粒子の入射に応答して電子を放出する。また、電子増倍部は、荷電粒子が到達する入力部と、電子を放出する出力部と、を有する。入力側電極は、少なくとも一部が電子増倍部の入力部に設けられている。出力側電極は、少なくとも一部が電子増倍部の出力部に設けられている。シールド構造体は、入力電極を含む制限された空間内への該入力側電極を起点とした全方位に広がる電位勾配の閉じ込め、および、放電のトリガーとなり得る要素(不要なイオンや電子)の到達防止、の少なくともいずれかを実現するため、少なくとも入力側電極を取り囲む構造を有する。また、シールド構造体は、1またはそれ以上の部材により構成される。1またはそれ以上の部材それぞれは、金属材料または絶縁性材料(ガラス、セラミック、樹脂等が含まれる)からなる。メッシュ窓は、金属材料からなる部材としてシールド構造体の一部を構成する。メッシュ窓は、所定距離だけ離間した状態で、電位勾配を変形させる構造的要素(例えば、金属部材の一部や絶縁部材の一部)により妨害されることなく電子増倍部の入力部に直接対面するように配置されている。絶縁被覆で外周面が覆われた高電圧ケーブルには、少なくとも、一端が入力側電極に電気的に接続された入力側ケーブルが含まれる。入力部および/または出力部に高電圧を印加するため、各電極に接続されるケーブルは、筐体の外部から内部へ導入されるよう配置されている(筐体を貫通した状態で該筐体によって保持される)。また、絶縁被覆は、シールド構造体の内外で発生するであろう不要なイオンの移動を制限するため、入力側ケーブルの外周面上に設けられるとともに該入力側ケーブルの長手方向に沿って延びた被覆構造を有し、筐体の内壁から入力側電極に向かって延びた部分を含む。
なお、本発明に係る各実施形態は、以下の詳細な説明及び添付図面によりさらに十分に理解可能となる。これら実施例は単に例示のために示されるものであって、本発明を限定するものと考えるべきではない。
また、本発明のさらなる応用範囲は、以下の詳細な説明から明らかになる。しかしながら、詳細な説明及び特定の事例はこの発明の好適な実施形態を示すものではあるが、例示のためにのみ示されているものであって、本発明の範囲における様々な変形および改良はこの詳細な説明から当業者には自明であることは明らかである。
本実施形態に係るイオン検出器は、減圧状態の筐体内において、入力電極を含む制限された空間内への該入力側電極を起点とした全方位に広がる電位勾配の閉じ込め、および、放電のトリガーとなり得る要素(不要なイオンや電子)の到達防止、の少なくともいずれかを実現するシールド構造体と、不要なイオンの移動を制限するブロック構造と、を備える。この構成により、筐体とイオン検出器の高電圧部(例えば、入力側電極、出力側電極、高電圧ケーブル等)との間の放電に起因した不要なイオンの発生を抑制することが可能になる。また、筐体内で不要なイオンが発生した場合でも該不要なイオンが電子増倍部に向けて加速されることがなくなる。すなわち、不要なイオンの発生や該不要なイオンの電子増倍部への入射が生じる環境(入力側電極により形成される電位勾配)をシールド構造体等がキャンセルすることにより、ノイズ成分となるダーク電流の発生が効果的に抑制される。
本実施形態に係るイオン検出器が適用可能な測定装置の一例として、質量分析装置の代表的な構造を示す図である。 本実施形態に係るイオン検出器の第1構成例を示す図である。 本実施形態に係るイオン検出器の第2および第3構成例を示す図である。 図2および図3(a)に示されたイオン検出器200A、200Bの内部構造を動作に着目して簡略化した概念図である。 真空チャンバ内圧力(真空度)と放電電圧の関係を示すグラフである。 電極間距離、真空チャンバ内圧力(真空度)、放電電圧の関係(パッシェンの法則)を示すグラフである。 高真空状態における印加電圧とゲインの関係を示すグラフである。 真空チャンバ内圧力(真空度)とダーク電流の関係、および、真空チャンバ内圧力(真空度)とゲインの関係を示すグラフである。 本実施形態に係るイオン検出器に適用可能な種々のシールド構造を示す図である(その1)。 本実施形態に係るイオン検出器に適用可能な種々のシールド構造を示す図である(その2)。 本実施形態に係るイオン検出器に適用可能な種々のシールド構造を示す図である(その3)。 本実施形態に係るイオン検出器に適用可能な種々のシールド構造を示す図である(その4)。 本実施形態に係るイオン検出器に適用可能な種々のシールド構造を示す図である(その5)。
[本願発明の実施形態の説明]
最初に本願発明の実施形態の内容をそれぞれ個別に列挙して説明する。
(1) 本実施形態に係るイオン検出器は、減圧状態の筐体内で動作する検出器であって、その一態様として、電子増倍部と、入力側電極と、出力側電極と、シールド構造体と、メッシュ窓と、高電圧ケーブルと、該高電圧ケーブルの外周面を覆う第1絶縁被覆と、を少なくとも備える。電子増倍部は、荷電粒子の入射に応答して電子を放出する。また、電子増倍部は、荷電粒子が到達する入力部と、電子を放出する出力部と、を有する。入力側電極は、少なくとも一部が電子増倍部の入力部に設けられている。出力側電極は、少なくとも一部が電子増倍部の出力部に設けられている。シールド構造体は、入力電極を含む制限された空間内への該入力側電極を起点とした全方位に広がる電位勾配の閉じ込め、および、放電のトリガーとなり得る要素(不要なイオンや電子)の到達防止、の少なくともいずれかを実現するため、少なくとも入力側電極を取り囲む構造を有する。また、シールド構造体は、1またはそれ以上の部材により構成される。1またはそれ以上の部材それぞれは、金属材料または絶縁性材料(ガラス、セラミック、樹脂等が含まれる)からなる。メッシュ窓は、金属材料からなる部材としてシールド構造体の一部を構成する。メッシュ窓は、所定距離だけ離間した状態で、電位勾配を変形させる構造的要素(例えば、金属部材の一部や絶縁部材の一部)により妨害されることなく電子増倍部の入力部に直接対面するように配置されている。したがって、電子増倍部の入力部とメッシュ窓との間の空間には、入力側電極の一部を除き、金属部材、絶縁物等の障害物は存在しない。なお、メッシュ窓を有するシールド構造体は、筐体内での不要なイオンの発生を抑制するとともに該不要なイオンの移動を制限する機能を実現している。
また、当該イオン検出器において、第1絶縁被覆で外周面が覆われた高電圧ケーブルには、少なくとも、一端が入力側電極に電気的に接続された入力側ケーブルが含まれる。入力部および/または出力部に高電圧を印加するため、各電極に接続されるケーブルは、筐体の外部から内部へ導入されるよう配置されている(筐体を貫通した状態で該筐体によって保持される)。また、第1絶縁被覆は、シールド構造体の内外で発生するであろう不要なイオン(このような不要なイオンや電子は放電のトリガーとなり得る)の移動を制限するため、入力側ケーブルの外周面上に設けられるとともに該入力側ケーブルの長手方向に沿って延びた被覆構造を有する。また、第1絶縁被覆は、筐体の内壁を起点として、該内壁から入力側電極に向かって延びた部分を含む。例えば、上述のシールド構造体の一部が、当該イオン検出器を収納する筐体の一部によって構成されている場合、筐体の内壁から入力側電極に向かって延びた部分の長さ(入力側ケーブルの長手方向に沿った長さ)は、筐体の内壁と入力側電極の最短距離の1/2以上であるのが好ましい。
(2)本実施形態の一態様として、シールド構造体は、筐体から物理的に分離した状態で該筐体内に配置されてもよい。この場合、第1絶縁被覆の部分(筐体の内壁から入力側電極に向かって延びた部分)は、入力側ケーブルの外周面のうち、少なくとも、筐体の内壁からシールド構造体までの露出領域全体を覆うのが好ましい。更に、本実施形態の一態様として、第1絶縁被覆は、例えば、テフロン(登録商標)、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等の樹脂材料からなるのが好ましい。
(3) 本実施形態の一態様として、シールド構造体は、入力側電極を取り囲む入力側シールド部と、入力側シールド部とは物理的に分離されるとともに出力側電極を取り囲む出力側シールド部と、を含んでもよい。一方、本実施形態の一態様として、シールド構造体は、入力側電極および出力側電極の双方を取り囲む構造を有してもよい。更に、本実施形態の一態様として、シールド構造体は、入力側電極と出力側電極の間に配置された、絶縁性材料からなるセパレータを含んでもよい。いずれの構造においても、ダーク電流の発生を効果的に抑制することができる。
(4) 本実施形態の一態様として、入力側電極は電子増倍部の入力部として機能してもよい。また、出力側電極は電子増倍部の出力部として機能してもよい。この場合、複数段のダイノードとアノードで構成されたダイノードユニットにより構成された電子増倍部が、本実施形態に係るイオン検出器に適用可能になる。なお、本態様では、初段のダイノード(電極)が入力部として機能し、最終段に位置するアノードへ電子を供給するダイノード(電極)が出力部として機能する。
(5) 本実施形態の一態様として、当該イオン検出器は、出力側電極の電位を設定するための出力側ケーブルであって、筐体を貫通した状態で一端が出力側電極に電気的に接続された出力側ケーブルと、出力側ケーブルの外周面上に設けられるとともに該出力側ケーブルの長手方向に沿って延びた第2絶縁被覆と、を更に備えてもよい。出力側ケーブルの外周面上に設けられる第2絶縁被覆も、上述の第1絶縁被覆と同様に、筐体の内壁を起点として、該内壁から出力側電極に向かって延びた部分を含む。第2絶縁被覆の部分(筐体の内壁から出力側電極に向かって延びた部分)の長さ(出力側ケーブルの長手方向に沿った長さ)も、筐体の内壁と出力側電極の最短距離の1/2以上であるのが好ましい。シールド構造体が筐体から物理的に分離した状態で該筐体内に配置された構成では、第2絶縁被覆の部分(筐体の内壁から出力側電極に向かって延びた部分)は、出力側ケーブルの外周面のうち、少なくとも、筐体の内壁からシールド構造体までの露出領域全体を覆うのが好ましい。更に、本実施形態の一態様として、第2絶縁被覆も、上述の第1絶縁被覆と同様に、テフロン、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等の樹脂材料からなるのが好ましい。
(6) 本実施形態の一態様として、メッシュ窓は、グランド電位に設定されるのが好ましい。なお、本明細書において、「グランド電位」は、-500V~+500Vの範囲に収まる電位を意味する。また、本明細書において、「電圧」および「電位差」は、特に符号を示さない場合には絶対値を意味するものとする。更に、本実施形態の一態様として、シールド構造体を構成する金属材料からなる部材のうち特定の部材は、入力側電極から当該特定の部材までの最短距離が1cm以下になるように、配置されるのが好ましい。
(7) 上述のような構造を有するイオン検出器は、種々の装置への適用が可能である。例えば、本実施形態に係る測定装置は、その一態様として、上述のような構造を有するイオン検出器(本実施形態に係るイオン検出器)と、少なくとも該イオン検出器を収納する筐体と、を備える。なお、筐体は、1またはそれ以上の部材により構成され、該1またはそれ以上の部材それぞれは、金属材料または絶縁性材料からなる。また、上述のシールド構造体の少なくとも一部は、筐体により構成されてもよい。更に、上述のシールド構造体は、イオン検出機能を実現する部分(イオン検出部)とは完全にまたは一部が独立した状態で筐体内に設けられてもよい(メッシュ窓はシールド構造体の一部を構成)。
(8) 具体的には、本実施形態に係るイオン検出器は、その一態様として、質量分析装置に適用可能である。具体的に、質量分析装置は、イオン化部と、分離部と、本実施形態に係るイオン検出器と、筐体と、を備える。イオン化部は、試料をイオン化し、生成されたイオンを加速した状態で放出する。分離部は、イオン化部から放出されるイオンのうち特定のイオンを分離する。イオン検出器は、分離部により分離された特定のイオンを検出する検出器であり、分離部と入力側電極との間にメッシュ窓が位置するよう配置される。また、筐体は、上述のシールド構造体の少なくとも一部を構成してもよく、少なくともイオン化部、分離部、およびイオン検出器を収納するとともに、グランド電位(-500V~+500V)に設定される。なお、上述のシールド構造体は、イオン検出機能を実現する部分(イオン検出部)とは完全にまたは一部が独立した状態で筐体内に設けられてもよい(メッシュ窓はシールド構造体の一部を構成)。
以上、この[本願発明の実施形態の説明]の欄に列挙された各態様は、残りの全ての態様のそれぞれに対して、または、これら残りの態様の全ての組み合わせに対して適用可能である。
[本願発明の実施形態の詳細]
本願発明に係るイオン検出器等の具体例を、以下に添付の図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、これら例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、また、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図されている。また、図面の説明において同一の要素には同一符号を付して重複する説明を省略する。
図1は、本実施形態に係るイオン検出器が適用可能な測定装置の一例として、質量分析装置の代表的な構造を示す図である。図1に示された質量分析装置1は、筐体100(真空チャンバ)と、該筐体100の内部を一定の真空状態に維持するための真空ポンプ110と、イオン化部120と、分離部130と、イオン検出器200と、を備える。また、筐体100には、イオン検出器200への電圧印加および信号出力のための複数の端子140が配置されている。複数の端子140には、イオン検出器200の入力側電極に接続された入力側ケーブル610aが含まれ、該入力側ケーブル610aの外周面は、イオン検出器200の内外において樹脂被覆(絶縁被覆)620により覆われている。なお、図1の例では、複数の端子140に含まれる他のケーブルの外周面も樹脂被覆(絶縁被覆)により覆われている。なお、イオン検出器200の電極、入力側ケーブル610aを含む高電圧ケーブル等の高電圧部が、筐体100の内壁に直接露出された構成では、該高電圧部と筐体100の内壁との間での放電により不要なイオンが発生する可能性が高い。また、このように発生した不要なイオンや電子は放電のトリガーとなり得る。そのため、樹脂被覆620は、このような不要なイオンや電子が高電圧部側、特に高電圧ケーブルに到達することを防止するよう機能する。
筐体100は、グランド電位に設定されている。また、筐体100の内部空間は、高真空状態および低真空状態のいずれも調整可能である。イオン化部120は、試料をイオン化し、生成されたイオンを加速した状態で放出する。分離部130は、イオン化部120から放出されるイオンのうち特定のイオンを分離する(図1にはイオントラップが示されている)。イオン検出器200は、分離部130により分離された特定のイオンを検出する検出器である。
図2には、本実施形態に係るイオン検出器の第1構成例が示されている。すなわち、図2に示された第1構成例は、陽イオンを検出するためのイオン検出器200Aであり、電子増倍部としてチャネル型電子増倍管(CEM:Channel Electron Multiplier)210Aを備える。具体的に、イオン検出器200Aは、CEM210Aと、CEM210Aの入力部に設けられた入力側電極220Aと、CEM210Aの出力側に設けられた出力側電極220Bと、アノード230と、入力側電極220Aにより形成される電位勾配の広がりをブロックするためのシールド構造体と、各電極への電圧印加構造(高電圧ケーブル等)と、を備える。入力側電極220Aは、少なくとも一部がCEM210Aの入力部に接触しおり、入力側ケーブル610aを介して入力部を所定電位に設定する。なお、図2の例では、入力側ケーブル610aの外周面は、放電のトリガーとなり得る要素(不要なイオンや電子)の到達を防止するための樹脂被覆620で覆われている。出力側電極220Bは、少なくとも一部がCEM210Aの出力部に接触しており、出力部を所定電位(例えばグランド電位)に設定する。アノード230は、CEM210Aの出力部からの電子を捕獲する電極であって、ケーブル610b(図4(a)および図4(b)参照)を介して所定電位に設定される。シールド構造体は、入力側シールド部300と、該入力側シールド部300から物理的に分離された出力側シールド部400と、により構成されている。
入力側シールド部300は、入力側電極220Aを覆う金属カバーにより構成されている。ただし、入力側シールド部300は、金属カバーの他、絶縁性材料からなる絶縁カバーであってもよい。また、入力側シールド部300は、金属部材と絶縁部材を組み合わせることにより構成されてもよい。入力側シールド部300は、金属部材、絶縁部材、筐体100の一部を組み合わせることにより構成されてもよい。更に、入力側シールド部300は、メッシュ窓300Aを有する。CEM210Aの入力部とメッシュ窓300Aとの間には金属部材や絶縁部材などの障害物は配置されていない。
また、出力側シールド部400は、金属カバーにより構成されている。ただし、出力側シールド部400も、金属カバーの他、絶縁性材料からなる絶縁カバーであってもよい。また、出力側シールド部400は、金属部材と絶縁部材を組み合わせることにより構成されてもよい。出力側シールド部400は、金属部材、絶縁部材、筐体100の一部を組み合わせることにより構成されてもよい。なお、入力側シールド部300および出力側シールド部400の何れにおいても、一部または全体がガラス、セラミック等の絶縁材料からなる部材で構成される場合、これら絶縁材料からなる部材は、放電のトリガーとなり得る要素(筐体100内で発生する不要なイオンや電子)の移動を制限するよう機能する。
図3(a)は、本実施形態に係るイオン検出器の第2構成例を示す図であり、図3(b)は、本実施形態に係るイオン検出器の第3構成例を示す図である。図3(a)に示された第2構成例のイオン検出器200Bは、シールド構造を除く、主要部の構成は図2のイオン検出器200Aと同じである。また、図3(b)に示された第3構成例のイオン検出器200Cは、シールド構造を実現する材料、主要部を構成する電子増倍部の構成が図2および図3(a)のイオン検出器200A、200Bと異なる。
図3(a)のイオン検出器200Bは、CEM210Aと、CEM210Aの入力部に設けられた入力側電極220Aと、CEM210Aの出力側に設けられた出力側電極220Bと、絶縁材料からなるセパレータ240と、アノード230と、入力側電極220Aにより形成される電位勾配の広がりをブロックするためのシールド構造体500Aと、を備える。入力側電極220Aは、少なくとも一部がCEM210Aの入力部に接触しおり、入力側ケーブル610aを介して入力部を所定電位に設定する。なお、シールド構造体500Aの内外で発生する不要なイオンの到達を防止するため、入力側ケーブル610aの外周面は、樹脂被覆620で覆われ、該樹脂被覆620は、シールド構造体500Aの内部から筐体100の内壁まで延びている。出力側電極220Bは、少なくとも一部がCEM210Aの出力部に接触しており、出力部を所定電位(例えばグランド電位)に設定する。アノード230は、CEM210Aの出力部からの電子を捕獲する電極であって、ケーブル610b(図4(a)および図4(b)参照)を介して所定電位に設定される。セパレータ240は、ガラス、セラミック、樹脂等の絶縁性材料からなり、入力側電極220Aと出力側電極220Bとの間に配置されている。シールド構造体500Aは、図2のイオン検出器とは異なり、入力側電極220Aおよび出力側電極220Bの双方を収納する金属カバー510と、ステムとして機能する金属板520により構成されている。金属カバー510は、メッシュ窓300Aを有する。なお、シールド構造体500Aは、絶縁性材料で構成されてもよく、また、それぞれが金属材料または絶縁性材料からなる複数の部材で構成されてもよい。
一方、図3(b)に示されたイオン検出器200Cは、絶縁性材料からなるシールド構造体500Bを有する。なお、シールド構造体500Bも、金属材料で構成されてもよく、また、それぞれが絶縁性材料または金属材料からなる複数の部材で構成されてもよい。電子増倍部としては、複数のダイノード(電極)を有するダイノードユニット210Bがシールド構造体500Bに収納されている。ダイノードユニット210Bは、初段のダイノード221Aが電子増倍部の入力部として機能する。ダイノードユニット210Bの最終段にはアノード221Bが配置されており、該アノード221Bに電子を供給する前段のダイノードが電子増倍部の出力部として機能している。初段のダイノード221A(入力部)を含む複数段のダイノードとアノード221Bのぞれぞれの電位は、デバイダ回路700により設定される。また、筐体100内で発生した不要なイオンの到達を防止するため、入力側ケーブル610aの外周面は、樹脂被覆620で覆われている。デバイダ回路700は、ポッティング樹脂によりシールド構造体500Bに固定されてもよい。
図4(a)~図4(c)は、以下の説明において参照される図面に示される検出器構造のサンプルとして、図2および図3(a)に示されたイオン検出器200A、200Bの内部構造を動作に着目して簡略化した概念図である。
図4(a)は、図2および図3(a)の主要部を簡略化した、陽イオンを検出するイオン検出器の概念図である。電子増倍部(CEM)の入力部には入力側電極220Aが設けられ、電子増倍部の出力側には出力側電極220Bが設けられている。入力側電極220Aと出力側電極220Bとの間には、絶縁性材料からなるセパレータ240が設けられてもよい。更に、入力側電極220Aには入力側ケーブル610aが接続されており、出力側電極220Bには出力側ケーブル610cが接続されている。アノード230にはケーブル610bが接続されている。なお、図4(a)では、不要なイオンの到達を防止するため、入力側ケーブル610aのみが樹脂被覆620で覆われているが、他のケーブル610b、610cも樹脂被覆で覆われてもよい。また、入力側ケーブル610aを介して入力側電極220Aに電圧を供給する電源800も、シールド構造体に収納されるよう配置されてもよい。
図4(b)は、両極性のイオンを検出が可能なバイポーラタイプのイオン検出器の主要部を簡略化した概念図である。このバイポーラタイプのイオン検出器は、アノード230から伸びる信号ライン上にコンデンサC1が配置されている。また、抵抗Rを介して信号ラインに接続されたリターンパス(ノイズ除去用ライン)上にはコンデンサC2が配置されている。他の構成については、図4(a)に示されたイオン検出器と同様である。
図4(c)は、上述のイオン検出器(図4(a)および図4(b))の構成を更に簡略化した図であり、この簡略構造は、後述する図9~図11、図12(a)、図12(b)および図13にそれぞれ示された種々のシールド構造を表現するために適用される。
次に、真空度と放電の関係を説明する。図5(a)は、真空チャンバ内圧力(真空度)と放電電圧の関係を説明するための用意された実験装置の構造を示す図である。図5(b)は、図5(a)に示された装置により得られたグラフである。なお、図5(b)において、縦軸の放電電圧は、GND(0V)を基準とした電位差(絶対値)である。
実験装置は、図5(a)に示されたように、直径150mm、長さ300mmの円筒状の真空チャンバ500Cと、該真空チャンバ500C内に収納された2つの電極222A、222Bと、を備える。一方の電極222Aの電位はGND(0V)に設定されており、他方の電極222Bは負電位(-HV)に設定される。また、2つの電極222A、222Bの間隔は2mmである。通常、陽イオン検出のために設定される入力側電極の電位は-2kV(絶対値2kV)であるが、図5(b)からも分かるように、1Pa以上の低真空状態で10程度のゲインを得ることは困難であると考えられる。すなわち、従来のイオン検出器では、低真空状態での十分な検出精度は得られないことが分かる。
図6は、電極間距離、真空チャンバ内圧力(真空度)、放電電圧の関係(パッシェンの法則)を示すグラフである。図6の横軸は、圧力と距離の積で示されている。したがって、圧力が一定の状態であれば、放電距離を決定することが可能になる。なお、図6において、グラフG610は真空チャンバ内にHガスを残留させた場合の計算結果、グラフG620は真空チャンバ内にHeガスを残留させた場合の計算結果、グラフG630は真空チャンバ内にNガスを残留させた場合の計算結果、グラフG640は真空チャンバ内にNeガスを残留させた場合の計算結果、グラフG650は真空チャンバ内にArガスを残留させた場合の測定結果をそれぞれ示す。なお、グラフG610~グラフG650それぞれにより鋭角に挟まれた領域が放電領域である。なお、想定した真空チャンバの構成は、図5(a)に示された構成と同じである。
(第1条件)
第1条件は、真空チャンバ内圧力が大気圧に設定され、入力側電位(IN電極電位)が-2kV(絶対値2kV)に設定されるものする。大気圧は、7.5×10Torr(1×10Pa)である。図6において、ラインP1が大気圧を示すラインに設定された場合、該ラインP1とIN電極電位を示すラインとの交点W1は、約1cmとなる。すなわち、種々のガスが残留する状態においても1cm程度の電極間間隔であれば放電は起こらない。一方、交点W2は電極間距離1mmを示しており、電極間距離が1mm未満の場合、残留ガスの種類によっては放電が起こることを示している。
(第2条件)
第2条件では、真空チャンバ内圧力が従来のイオン検出器を動作させる一般的な真空度(高真空度)に設定される。なお、設定された真空度は、7.5×10-7Torr(1×10-4Pa)であり、図6中のラインP2を、高真空度を示すラインとする。この第2条件下では、交点W3は、非現実的ではあるが、放電が発生する限界の電極間距離が10kmであることを示している。
(第3条件)
第3条件では、真空チャンバ内圧力が低真空度に設定される。なお、設定された真空度は、7.5×10-3Torr(1Pa)であり、図6中のラインP2を、低真空度を示すラインとする。この第3条件下では、交点W3は、放電が発生する限界の電極間距離が30cmであることを示している。
なお、高真空状態(0.0023Pa)における印加電圧とゲインの関係を図7に示す。図7からも分かるように、10程度のゲインを得るためには、入力側電極の電位は2100V(絶対値)に設定される必要がある。このように、高真空状態で十分なゲインが得られる電位(入力側電極に設定される電位の絶対値)において、図2に示された本実施形態に係るイオン検出器200Aの動作結果が図8(a)および図8(b)に示されている。
図8(a)は、真空チャンバ内圧力(真空度)とダーク電流の関係を示すグラフであり、図8(b)は、真空チャンバ内圧力(真空度)とゲインの関係を示すグラフである。図8(a)から分かるように、真空チャンバ内圧力が16Paを超えたあたりから急激にダーク電流が増加し、真空チャンバ内圧力が17Paで放電が発生した。また、図8(b)から分かるように、真空チャンバ内圧力が10Pa程度まで10程度のゲインが得られることが確認された(10.7Paで放電が発生)。これらのことから、本実施形態によれば真空チャンバ圧力が1Pa以上であっても10Pa程度までの低真空状態であれば、十分に高精度のイオン検出が可能であることが実証された。
次に、本実施形態に係るイオン検出器に適用可能な種々のシールド構造を、図9~図11、図12(a)、図12(b)および図13を用いて説明する。なお、図9~図11、図12(a)、図12(b)および図13に示されたイオン検出器の主要部分(以下、単に「主要部」と記す)は、全て図4(c)に示された構造に統一されている。
具体的に、図9および図10は、入力側電極220Aと出力側電極220Bの双方を収納する種々のシールド構造(パターン1~パターン11)が開示されている。なお、図9および図10に示された各シールド構造では、シールド構造体内で発生する不要なイオンの移動を制限するためのセパレータ(図3(a)等を参照)が入力側電極と出力側電極の間に設けられてもよい。
図9において、パターン1のシールド構造は、入力側電極および出力側電極を含む主要部全体を収納するシールド構造体500Dにより実現される。シールド構造体500Dは、1つの金属カバーにより構成されており、該金属カバーは、CEMの入力部に対面する位置にメッシュ窓300Aを有する。パターン2のシールド構造は、入力側電極および出力側電極を含む主要部全体を収納するシールド構造体500Eにより実現される。シールド構造体500Eは、1つの金属メッシュにより構成されており、該金属メッシュの一部がメッシュ窓300Aとして機能する。パターン3のシールド構造は、シールド構造体500Fにより実現される。シールド構造体500Fは、実質的には、上述のシールド構造体500Dと同じであるが、曲率を有する角部を有する点で該シールド構造体500Dとは異なる。パターン4のシールド構造は、入力側電極および出力側電極を含む主要部全体を収納するシールド構造体500Gにより実現される。シールド構造体500Gは、実質的には上述のシールド構造体500B(図3(b))と同様の構造を有する。すなわち、絶縁性材料からなる絶縁カバーと、メッシュ窓300Aを有する金属フィルム310(または金属板)により構成されている。
また、図9において、パターン5のシールド構造は、入力側電極および出力側電極を含む主要部全体を収納するシールド構造体により実現される。パターン5のシールド構造体Dは、主要部全体を収納するとともにメッシュ窓300Aを有する金属カバー311と、金属カバー311の開口部を塞ぐ金属カバー411と、により構成されている。パターン6のシールド構造は、実質的に、図3(a)に示されたシールド構造体500Aと同様の構造を有する。すなわち、パターン6のシールド構造体は、主要部全体を収納するとともにメッシュ窓300Aを有する金属カバー312と、金属カバー312の開口部を塞ぐ金属カバー411と、により構成される。なお、パターン6のシールド構造は、金属カバー312がフランジを有する点で、パターン5のシールド構造体と異なっている。パターン7のシールド構造は、入力側電極および出力側電極を含む主要部全体を収納するシールド構造体により実現される。パターン7のシールド構造体は、メッシュ窓300Aを有するとともに入力側電極の方から主要部の一部を収納する金属カバー313と、出力側電極の方から主要部の一部を収納する金属カバー412と、により構成されている。このパターン7のシールド構造体では、金属カバー412の開口部が金属カバー313により塞がれている。パターン8のシールド構造は、入力側電極および出力側電極を含む主要部全体を収納するシールド構造体により実現される。パターン8のシールド構造体は、メッシュ窓300Aを有するとともに入力側電極の方から主要部の一部を収納する金属カバー314と、出力側電極の方から主要部の一部を収納する金属カバー413と、により構成されている。このパターン8のシールド構造体では、金属カバー314の開口部が金属カバー413により塞がれている。
図10において、パターン9のシールド構造は、入力側電極および出力側電極を含む主要部全体を収納するシールド構造体により実現される。パターン9のシールド構造体は、メッシュ窓300Aを有するとともに入力側電極の方から主要部の一部を収納する金属カバー313と、出力側電極の方から主要部の一部を収納する絶縁カバー451と、により構成されている。このパターン9のシールド構造体では、絶縁カバー451の開口部が金属カバー313により塞がれている。なお、金属カバー313に換えて、メッシュ窓300Aが配置される開口を有する絶縁カバーが適用されてもよい。パターン10のシールド構造は、入力側電極および出力側電極を含む主要部全体を収納するシールド構造体により実現される。パターン10のシールド構造体は、出力側電極の方から主要部全体を収納する絶縁カバー452と、メッシュ窓300Aを有する金属板315と、により構成されている。このパターン10のシールド構造体では、絶縁カバー452の開口部が金属板315により塞がれている。パターン11のシールド構造は、入力側電極および出力側電極を含む主要部全体を収納するシールド構造体により実現される。パターン11のシールド構造体は、入力側電極の方から主要部全体を収納する絶縁カバー351と、メッシュ窓300Aを有する金属フィルム310と、絶縁カバー453と、により構成されている。このパターン11のシールド構造体では、絶縁カバー351の2つの開口部のうち、入力側電極に近い一方の開口部をメッシュ窓300A覆うように金属フィルム310が配置されている。また、絶縁カバー351の他方の開口部は絶縁カバー453により塞がれている。
図11および図12(a)は、入力側電極220Aを収納する種々のシールド構造(パターン1~パターン10)が開示されている。
図11において、パターン1のシールド構造は、入力側電極を含む主要部の一部を収納するシールド構造体により実現される。パターン1のシールド構造体は、入力側電極を支持するように配置された絶縁板352と、入力側電極と絶縁板352の双方を収納する金属カバー316と、により構成されている。この場合、絶縁板352は金属カバー316を保持するために設けられている。メッシュ窓300Aは、金属カバー316に設けられている。パターン2のシールド構造は、入力側電極を含む主要部の一部を収納するシールド構造体により実現される。パターン2のシールド構造体は、それぞれがメッシュ構造を有する複数の金属カバー316a~316cにより構成されている。金属カバー316a~316cの電位は、カバー間での放電が発生しない程度(例えば400V)の電位差を有する電位グラデーションを形成するのが好ましい。これら金属カバー316a~316cのメッシュ構造によりメッシュ窓300Aが構成される。また、パターン2のシールド構造では、金属カバー316aが金属カバー316bに収納され、金属カバー316a、316bの双方が金属カバー316cに収納されている。パターン3のシールド構造は、入力側電極を含む主要部の一部を収納するシールド構造体により実現される。パターン3のシールド構造体は、入力側電極を支持するように配置された、絶縁板352と、入力側電極を収納した状態で絶縁板352に固定される金属カバー317と、により構成されている。このパターン3でも、絶縁板352は金属カバー317を保持するために設けられている。メッシュ窓300Aは、金属カバー317に設けられている。また、金属カバー317には、絶縁板352への固定を容易にするためフランジが設けられている。パターン4のシールド構造は、入力側電極を含む主要部の一部を収納するシールド構造体により実現される。パターン4のシールド構造体は、入力側電極を含む主要部の一部を収納する絶縁カバー353と、該絶縁カバー353を挟むように配置された金属板315a、315bと、により構成されている。メッシュ窓300Aは、一方の金属板315aに設けられている。
また、図11において、パターン5のシールド構造は、入力側電極を含む主要部の一部を収納するシールド構造体により実現される。パターン5のシールド構造体は、入力側電極を支持するように配置された絶縁板352と、入力側電極を収納した状態で絶縁板352に固定された金属カバー318と、により構成されている。メッシュ窓300Aは、金属カバー318に設けられている。このパターン5のシールド構造では、絶縁板352は金属カバー318を保持するよう機能しているが、金属カバー318に収納されていない点で、パターン5とパターン1のシールド構造と異なる。パターン6のシールド構造は、入力側電極を含む主要部の一部を収納するシールド構造体により実現される。パターン6のシールド構造体は、入力側電極を収納する絶縁カバー353と、入力側電極と絶縁カバー353の双方を収納する金属カバー316(パターン1と同じ)と、により構成されている。金属カバー316はメッシュ窓300Aを有し、該メッシュ窓300Aは、絶縁カバー353の開口を覆うように配置される。なお、絶縁カバー353は、金属カバー316の内壁面にコーティングされた絶縁膜であってもよい。パターン7のシールド構造は、入力側電極を含む主要部の一部を収納するシールド構造体により実現され、その一部が出力側電極により一部が構成されている。パターン7のシールド構造体は、入力側電極を収納する金属カバー319と、出力側電極と、により構成されている。金属カバー319はメッシュ窓300Aを有するとともに、開口部が出力側電極に固定されている。パターン8のシールド構造は、入力側電極を含む主要部の一部を収納するシールド構造体により実現され、出力側電極自体に固定されるよう構成されている。パターン8のシールド構造体は、出力側電極に固定された、入力側電極を収納する金属カバー320により構成されている。金属カバー320はメッシュ窓300Aを有するとともに、開口部が出力側電極に固定されている。
図12(a)において、パターン9のシールド構造は、入力側電極を含む主要部の一部を収納するシールド構造体により実現される。パターン9のシールド構造体は、入力側電極を収納する絶縁カバー353(パターン6と同じ)と、メッシュ窓300Aを有する金属フィルム310と、により構成されている。絶縁カバー353の開口部がメッシュ窓300Aで覆われるように、金属フィルム310は絶縁カバー353に固定されている。なお、絶縁カバー353の外周面は、入力側電極により形成される電位勾配の染み出しを防止するため、導電膜でコーティングされてもよい。パターン10のシールド構造は、入力側電極を含む主要部の一部を収納するシールド構造体により実現される。パターン10のシールド構造体は、入力側電極を収納する絶縁カバー354と、メッシュ窓300Aを有する金属板315(図10のパターン10と同じ)と、により構成されている。金属板315は絶縁カバー354の開口を覆うように配置される。なお、絶縁カバー354の外周面は、入力側電極により形成される電位勾配の染み出しを防止するため、導電膜でコーティングされてもよい。
図12(b)は、入力側電極220Aを収納する入力側シールド部(図2の入力側シールド部300に相当)と出力側電極220Bを収納する出力側シールド部(図2の出力側シールド部400に相当)とが物理的に分離された状態で構成された種々のシールド構造(パターン1~パターン3)が示されている。
図12(b)において、パターン1のシールド構造は、入力側電極とともに主要部の一部を有能する入力側シールド部と、出力側電極とともに主要部の一部を収納する出力側シールド部と、により実現される。パターン1のシールド構造体において、入力側シールド部は、入力側電極を収納する金属カバー316(図11のパターン6と同じ)により構成され、該金属カバー316にメッシュ窓300Aが設けられている。出力側シールド部は、出力側電極を収納する金属カバー414により構成され、該金属カバー414と金属カバー316は物理的かつ電気的に分離されている。パターン2のシールド構造は、入力側電極とともに主要部の一部を有能する入力側シールド部と、出力側電極とともに主要部の一部を収納する出力側シールド部と、により実現される。パターン2のシールド構造体において、入力側シールド部は、入力側電極を収納する絶縁カバー353(図12(a)のパターン10と同じ)と、メッシュ窓300Aを有する金属フィルム310と、により構成されている。金属フィルム310は、メッシュ窓300Aが絶縁カバー353の開口部を塞ぐように、該絶縁カバー353に固定されている。出力側シールド部は、出力側電極を収納する絶縁カバー454により構成されている。パターン3のシールド構造は、入力側電極とともに主要部の一部を有能する入力側シールド部と、出力側電極とともに主要部の一部を収納する出力側シールド部と、により実現される。パターン3のシールド構造体において、入力側シールド部は、入力側電極を収納する金属カバー316(図11のパターン6と同じ)により構成され、該金属カバー316にメッシュ窓300Aが設けられている。出力側シールド部は、出力側電極を収納する絶縁カバー454(パターン2と同じ)により構成されている。なお、金属カバー316は、破線で示されたように、入力側電極とともに出力側シールド部も収納する構造を有してもよい。
図13は、当該イオン検出器を収納する装置の筐体の一部が利用された種々のシールド構造(パターン1~パターン8)が示されている。なお、図13に示された各シールド構造では、放電対策用にセパレータ(図3(a)等を参照)が入力側電極と出力側電極の間に設けられてもよい。
図13において、パターン1のシールド構造は、入力側電極および出力側電極を含む主要部全体を収納するシールド構造体により実現され、該シールド構造体の一部は、本実施形態に係るイオン検出器を収納する装置における筐体の一部(例えば図1に示された筐体100の一部)により構成されている。パターン1のシールド構造体は、筐体100に設けられた凹部(depressed portion)(主要部全体が収納される)により構成される。メッシュ窓300Aを有する金属フィルム310は、筐体100に設けられた凹部の開口部を塞ぐように配置されている。なお、筐体100は、グランド電位(-500V~+500V)に設定されている。パターン2のシールド構造は、入力側電極および出力側電極を含む主要部全体を収納するシールド構造体により実現され、該シールド構造体の一部は、本実施形態に係るイオン検出器を収納する装置における筐体の一部により構成されている。パターン2のシールド構造体は、筐体100の一部と、筐体の一部に固定される絶縁カバー455と、メッシュ窓300Aを有する金属板315(図10のパターン10と同じ)と、により構成される。絶縁カバー455の一方の開口部には、メッシュ窓300Aを有する金属板315が固定され、該絶縁カバー455の他方の開口部は、筐体100の一部より塞がれている。パターン3のシールド構造は、入力側電極および出力側電極を含む主要部全体を収納するシールド構造体により実現され、該シールド構造体の一部は、本実施形態に係るイオン検出器を収納する装置における分離部130により構成されている。パターン3のシールド構造体は、分離部130に固定される絶縁カバー455(パターン2と同じ)と、アノードが配置されたプリント配線基板456と、メッシュ窓300Aと、により構成されている。絶縁カバー455の一方の開口部は、分離部130に固定されており、分離部130と入力側電極との間にメッシュ窓300Aが配置されている。また、絶縁カバー455の他方の開口部は、プリント配線基板456により塞がれている。パターン4のシールド構造は、入力側電極および出力側電極を含む主要部全体を収納するシールド構造体により実現され、該シールド構造体の一部は、本実施形態に係るイオン検出器を収納する装置における分離部130により構成されている。パターン4のシールド構造体は、実質的に、上述のパターン3と同じであるが、グランド電位に設定された筐体100の近傍に配置されている点で、パターン3と異なる。
また、図13において、パターン5のシールド構造は、入力側電極および出力側電極を含む主要部全体を収納するシールド構造体により実現され、該シールド構造体の一部は、本実施形態に係るイオン検出器を収納する装置における筐体の一部により構成されている。パターン5のシールド構造体は、筐体100の一部と、筐体の一部に固定される金属カバー321aと、メッシュ窓300Aを有する金属板321bと、により構成される。金属カバー321aの一方の開口部近傍において、該金属カバー321aは、金属板321bを収納した状態で保持している。金属カバー321aの他方の開口部は、筐体100の一部より塞がれている。パターン6のシールド構造は、入力側電極および出力側電極を含む主要部全体を収納するシールド構造体により実現され、該シールド構造体の一部は、本実施形態に係るイオン検出器を収納する装置における筐体の一部により構成されている。パターン6のシールド構造体は、筐体100の一部と、筐体の一部に固定される金属カバー322aと、メッシュ窓300Aを有する金属板322bと、により構成される。金属板322bは、金属カバー322aの一方の開口部に嵌め込まれている。また、金属カバー322aの他方の開口部は、筐体100の一部より塞がれている。パターン7のシールド構造は、入力側電極および出力側電極を含む主要部全体を収納するシールド構造体により実現され、当該イオン検出器の一部が絶縁材料からなるフランジを有する。なお、シールド構造体の一部は、本実施形態に係るイオン検出器を収納する装置における筐体の一部(絶縁性材料かならなる)により構成されてもよい。パターン7のシールド構造体は、フランジ付きの絶縁板150の一部と、絶縁板150の一部に固定される絶縁カバー455(パターン2と同じ)と、メッシュ窓300Aを有する金属フィルム310と、により構成される。絶縁カバー455の一方の開口部は、メッシュ窓300Aを有する金属フィルム310により覆われている。絶縁カバー455の他方の開口部は、Oリング151が配置された絶縁板150の一部より塞がれている。パターン8のシールド構造は、入力側電極および出力側電極を含む主要部全体を収納するシールド構造体により実現され、該シールド構造体の一部は、本実施形態に係るイオン検出器を収納する装置における筐体の一部により構成されている。なお、このパターン8において、筐体は絶縁性材料かならなる。パターン8のシールド構造体は、絶縁筐体の一部151(実質的には絶縁板150と同じ)と、絶縁筐体の一部151に固定される絶縁カバー455(パターン2と同じ)と、メッシュ窓300Aを有する金属フィルム310と、に絶縁カバー455の外周面に設けられた導電層323と、より構成される。絶縁カバー455の一方の開口部は、メッシュ窓300Aを有する金属フィルム310により覆われている。絶縁カバー455の他方の開口部は、絶縁筐体の一部151より塞がれている。絶縁カバー455の外周面は、電磁ノイズをブロックするため、導電層323によりコーティングされている。
以上の本発明の説明から、本発明を様々に変形しうることは明らかである。そのような変形は、本発明の思想および範囲から逸脱するものとは認めることはできず、すべての当業者にとって自明である改良は、以下の請求の範囲に含まれるものである。
1…質量分析装置(測定装置)、200A、200B、200C…イオン検出器、210A…CEM(電子増倍部)、210B…ダイノードユニット(電子増倍部)、220A…入力側電極、220B…出力側電極、300A…メッシュ窓、300…入力側シールド部、400…出力側シールド部、500A、500B、500D~500G…シールド構造体、610a…入力側ケーブル、610c…出力側ケーブル、620…樹脂被覆。

Claims (16)

  1. 減圧状態の筐体内で動作するイオン検出器において、
    荷電粒子の入射に応答して電子を放出する電子増倍部であって、前記荷電粒子が到達する入力部と、前記電子を放出する出力部と、を有する電子増倍部と、
    少なくとも一部が前記電子増倍部の前記入力部に設けられた入力側電極と、
    少なくとも一部が前記電子増倍部の前記出力部に設けられた出力側電極と、
    少なくとも前記入力側電極を取り囲む構造を有するシールド構造体と、
    前記入力側電極の電位を設定するための入力側ケーブルであって、前記筐体を貫通した状態で一端が前記入力側電極に電気的に接続された入力側ケーブルと、
    前記入力側ケーブルの外周面上に設けられるとともに前記入力側ケーブルの長手方向に沿って延びた第1絶縁被覆であって、前記筐体の内壁から前記入力側電極に向かって延びた部分を含む第1絶縁被覆と、
    を備えたイオン検出器であって、
    前記シールド構造体は、1またはそれ以上の部材により構成されるとともに、前記1またはそれ以上の部材それぞれが金属材料または絶縁性材料からなり、
    前記シールド構造体は、前記金属材料からなる部材として前記シールド構造体の一部を構成するとともに前記電子増倍部の前記入力部に対面するように配置されたメッシュ窓を有し、
    前記メッシュ窓の電位は、-500V~+500Vの範囲内に設定され、
    前記第1絶縁被覆は、前記入力側ケーブルのうち少なくとも前記シールド構造体から前記筐体の内壁までの区間の外周面を覆っている、
    イオン検出器。
  2. 前記シールド構造体は、前記筐体から物理的に分離した状態で前記筐体内に配置されている、請求項1に記載のイオン検出器。
  3. 前記第1絶縁被覆は、樹脂材料からなる、請求項1または2に記載のイオン検出器。
  4. 前記シールド構造体は、前記入力側電極を取り囲む入力側シールド部と、前記入力側シールド部とは物理的に分離されるとともに前記出力側電極を取り囲む出力側シールド部と、を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のイオン検出器。
  5. 前記シールド構造体は、前記入力側電極および前記出力側電極の双方を取り囲む構造を有する、請求項1~3の何れか一項に記載のイオン検出器。
  6. 前記シールド構造体は、前記入力側電極と前記出力側電極の間に配置された、絶縁性材料からなるセパレータを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のイオン検出器。
  7. 前記入力側電極が前記入力部として機能するとともに、前記出力側電極が前記出力部として機能する、請求項5に記載のイオン検出器。
  8. 前記出力側電極の電位を設定するための出力側ケーブルであって、前記筐体を貫通した状態で一端が前記出力側電極に電気的に接続された出力側ケーブルと、
    前記出力側ケーブルの外周面上に設けられるとともに前記出力側ケーブルの長手方向に沿って延びた第2絶縁被覆であって、前記筐体の内壁から前記出力側電極に向かって延びた部分を含む第2絶縁被覆と、
    を更に備えた、請求項1~7のいずれか一項に記載のイオン検出器。
  9. 前記第2絶縁被覆は、樹脂材料からなる、請求項8に記載のイオン検出器。
  10. 前記シールド構造体を構成する前記金属材料からなる部材のうち特定の部材は、前記入力側電極から当該特定の部材までの最短距離が1cm以下になるように、配置されている、請求項1~9のいずれか一項に記載のイオン検出器。
  11. 請求項1~10のいずれか一項に記載のイオン検出器と、
    少なくとも前記イオン検出器を収納する筐体であって、1またはそれ以上の部材により構成されるとともに、前記1またはそれ以上の部材それぞれが金属材料または絶縁性材料からなる筐体と、
    を備えた測定装置。
  12. 1またはそれ以上の部材により構成されるとともに、前記1またはそれ以上の部材それぞれが金属材料または絶縁性材料からなる筐体と、
    荷電粒子の入射に応答して電子を放出する、前記筐体内に収納されたイオン検出部であって、前記荷電粒子が到達する入力部と前記電子を放出する出力部とを有する電子増倍部と、少なくとも一部が前記電子増倍部の前記入力部に設けられた入力側電極と、少なくとも一部が前記電子増倍部の前記出力部に設けられた出力側電極と、を含むイオン検出部と、
    前記筐体内に設けられたシールド構造体であって、少なくとも前記入力側電極を取り囲む構造を有するシールド構造体と、
    前記入力側電極の電位を設定するための入力側ケーブルであって、前記筐体を貫通した状態で一端が前記入力側電極に電気的に接続された入力側ケーブルと、
    前記入力側ケーブルの外周面上に設けられるとともに前記入力側ケーブルの長手方向に沿って延びた絶縁被覆であって、前記筐体の内壁から前記入力側電極に向かって延びた部分を含む絶縁被覆と、
    を備えた測定装置であって、
    前記シールド構造体は、1またはそれ以上の部材により構成されるとともに、前記1またはそれ以上の部材それぞれが金属材料または絶縁性材料からなり、
    前記シールド構造体は、前記金属材料からなる部材として前記シールド構造体の一部を構成するとともに前記電子増倍部の前記入力部に対面するように配置されたメッシュ窓を有し、
    前記シールド構造体の少なくとも一部は、前記筐体により構成され、
    前記メッシュ窓の電位は、-500V~+500Vの範囲内に設定され、
    前記絶縁被覆は、前記入力側ケーブルのうち少なくとも前記シールド構造体から前記筐体の内壁までの区間の外周面を覆っている、
    測定装置。
  13. 前記筐体の電位は、-500V~+500Vの範囲内に設定されている、
    請求項12に記載の測定装置。
  14. 試料をイオン化し、生成されたイオンを加速した状態で放出するイオン化部と、
    前記イオン化部から放出されるイオンのうち特定のイオンを分離する分離部と、
    前記分離部により分離された前記特定のイオンを検出する、請求項1~10のいずれか一項に記載されたイオン検出器であって、前記分離部と前記入力側電極との間に前記メッシュ窓が位置するよう配置されたイオン検出器と、
    少なくとも前記イオン化部、前記分離部、および前記イオン検出器を収納する筐体と、
    を備えた質量分析装置。
  15. 試料をイオン化し、生成されたイオンを加速した状態で放出するイオン化部と、
    前記イオン化部から放出されるイオンのうち特定のイオンを分離する分離部と、
    前記分離部により分離された前記特定のイオンの入射に応答して電子を放出するイオン検出部であって、前記特定のイオンが到達する入力部と前記電子を放出する出力部とを有する電子増倍部と、少なくとも一部が前記電子増倍部の前記入力部に設けられた入力側電極と、少なくとも一部が前記電子増倍部の前記出力部に設けられた出力側電極と、を含むイオン検出部と、
    少なくとも前記入力側電極を取り囲む構造を有するシールド構造体と、
    少なくとも前記イオン化部、前記分離部、前記イオン検出部、および前記シールド構造体を収納する筐体と、
    前記入力側電極の電位を設定するための入力側ケーブルであって、前記筐体を貫通した状態で一端が前記入力側電極に電気的に接続された入力側ケーブルと、
    前記入力側ケーブルの外周面上に設けられるとともに前記入力側ケーブルの長手方向に沿って延びた絶縁被覆であって、前記筐体の内壁から前記入力側電極に向かって延びた部分を含む絶縁被覆と、
    を備えた質量分析装置であって、
    前記シールド構造体は、1またはそれ以上の部材により構成されるとともに、前記1またはそれ以上の部材それぞれが金属材料または絶縁性材料からなり、
    前記シールド構造体は、前記金属材料からなる部材として前記シールド構造体の一部を構成するとともに前記電子増倍部の前記入力部に対面するように配置されたメッシュ窓を有し、
    前記シールド構造体の少なくとも一部は、前記筐体により構成され、
    前記メッシュ窓の電位は、-500V~+500Vの範囲内に設定され、
    前記絶縁被覆は、前記入力側ケーブルのうち少なくとも前記シールド構造体から前記筐体の内壁までの区間の外周面を覆っている、
    質量分析装置。
  16. 前記筐体の電位は、-500V~+500Vの範囲内に設定されている、
    請求項15に記載の質量分析装置。
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