JPH0541086Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は自動車用バンパー構造に関する。

従来の技術 自動車用バンパーの中でも、例えば実開昭57−
25050号公報に示されているように、バンパーフ
エイシヤの中央部の略下半部にライセンスプレー
ト配設用の凹部を形成して、この凹部内にライセ
ンスプレートを配設すると共に、該凹部上方にラ
イセンスプレートを照射するライセンスランプを
ランプブラケツトを介して配設したものが知られ
ている。

考案が解決しようとする問題点 バンパーフエイシヤは直接車体パネル材に連結
されることは殆んどなく、バンパー骨格材である
閉断面構造のバンパーアーマチユアをステイを介
して車体側に連結して、このバンパーアーマチユ
アを包覆してバンパーフエイシヤを装着するのが
一般的である。そして、ライセンスプレートはこ
のバンパーフエイシヤの凹部の後壁から上壁に亘
つて形成した開口部を通して、バンパーアーマチ
ユア前壁にブラケツトを介して装着される。ま
た、このようにバンパーフエイシヤの中央部の略
下半部に凹部を形成してあるため、これらバンパ
ーフエイシヤとバンパーアーマチユアとの間に内
包される衝撃吸収材は、前記凹部を形成した部分
では、その上側に僅かに充填されるだけとなる。
このため、バンパーフエイシヤの略中央部に衝突
荷重が作用すると、前記凹部を形成した部分では
衝撃吸収効果が乏しく、特に該凹部の強度縦壁と
なる凹部側壁の後縁がバンパーアーマチユアの前
壁に衝突して、該バンパーアーマチユアを変形乃
至は折損するおそれがあつた。そこで、本考案は
前記凹部の側壁後縁がバンパーアーマチユア前壁
に衝突した場合でも、バンパーアーマチユアの変
形を抑えて、品質感、信頼性を向上することがで
きる自動車用バンパー構造を提供するものであ
る。

問題点を解決するための手段 バンパーアーマチユアを包覆するバンパーフエ
イシヤの中央部の略下半部にライセンスプレート
配設用の凹部を形成すると共に、該凹部の後壁か
ら上壁に亘つて開口部を形成し、該開口部を通し
てバンパーアーマチユア前壁にブラケツトを取付
けて、このブラケツトを介して前記凹部内にライ
センスプレートを装着、配置する一方、前記開口
部の上方にライセンスプレートを照射するライセ
ンスランプをランプブラケツトを介して配設した
構造において、前記バンパーアーマチユアの前記
凹部の側壁後縁に対応する部位内にブレースを縦
方向に配設する一方、前記開口部側縁の前記後壁
と上壁とに跨るコーナー部に切欠部を形成してあ
る。

作 用 バンパーフエイシヤの略中央部に衝突荷重が作
用し、凹部の側壁後縁がバンパーアーマチユア前
壁に衝突すると、凹部側壁は開口部側縁の後壁と
上壁とに跨るコーナー部に設けた切欠部により張
り剛性が低下されているため幅方向に撓み変形す
る一方、バンパーアーマチユアは前記側壁後縁に
対応する部位内に縦方向に配設したブレースの存
在によつて、該側壁後縁の衝突入力に十分に対抗
する。

実施例 以下、本考案の実施例を図面と共に詳述する。

第１〜４図において、１は車体後部に配設した
バンパー本体を示し、このバンパー本体１は一対
のステイ２により車体側に連結したバンパーアー
マチユア３と、このバンパーアーマチユア３を包
覆した樹脂材からなるバンパーフエイシヤ４とか
らなつていて、これらバンパーアーマチユア３と
バンパーフエイシヤ４との間にソフトパツド等の
衝撃吸収材５を充填してある。バンパーアーマチ
ユア３は、アーマチユアアウタ３ａとアーマチユ
アインナ３ｂとで閉断面構造となつていて、バン
パー本体１の骨格をなしており、バンパーフエイ
シヤ４は本実施例ではその下壁端縁をバンパーア
ーマチユア３の下側に延設したフランジ３ｃにボ
ルト・ナツト６締結してあると共に、上壁端縁を
リヤパネル７に接合したブラケツト８にボルト・
ナツト９締結して、該バンパーフエイシヤ４によ
つてバンパーアーマチユア３を包覆してある。こ
のバンパーフエイシヤ４の中央部の略下半部には
ライセンスプレート配設用の凹部１０を形成して
ある。この凹部１０の後壁１１と上壁１２とに亘
つて一連に連なる開口部１４，１５を形成してあ
り、ライセンスプレート１６はこの開口部１４を
通してバンパーアーマチユア３前壁に接合したブ
ラケツト１７に装着して、前記凹部１０内に配設
してある。また、凹部１０の上壁１２側の開口部
１５上方には、夜間にライセンスプレート１６面
を斜め上方より照射するライセンスランプ１８を
配設してある。このライセンスランプ１８は前記
上壁１２の開口部１５両側縁部に締結固定され
て、略水平に配置されたランプブラケツト１９に
装着されている。前記バンパーアーマチユア３の
ステイ２連結部に対応する部位内には、平断面ハ
ツト形のブレース２０を縦方向に接合、配置して
あると共に、バンパーフエイシヤ４の凹部１０の
側壁１３後縁に対応する部位にもプレート状のブ
レース２１を縦方向に接合、配置してある。ま
た、本実施例ではこれらブレース２１，２１間の
中間位置にもプレート状のブレース２１を接合、
配置してある。これらブレース２１は、何れも上
下縁および前後縁に補強用のフランジ２１ａを曲
折成形してあつて、前縁および上下縁のフランジ
２１ａをアーマチユアアウタ３ａの前壁および上
下壁に接合してある。一方、バンパーフエイシヤ
４に形成した前後開口部１４，１５側縁の、後壁
１１と上壁１２とに跨るコーナー部Ｃには切欠部
２２を形成して、側壁１３の張り剛性を極力弱め
て衝突荷重に対して、該側壁１３が幅方向に撓み
変形し易いようにしてある。本実施例では、後壁
１１の開口部１４の形成幅を上壁１２の開口部１
５の形成幅よりも大きく設定すると共に、上壁１
２側の開口部１５の連接部まで該開口部１４の形
成幅で形成して切欠部２２としてある。本実施例
のように、切欠部２２の形成にあたつて、開口部
１４を拡幅成形して、その拡幅寸法を開口部１５
側にまで延長することにより、コーナー部Ｃから
後壁１１の残余部に亘つて幅寸法ｌを狭められる
ため、側壁１３の張り剛性を低める上で効果的で
ある。この幅寸法ｌとしては板厚の３倍程度が適
当である。

以上の実施例構造によれば、バンパーフエイシ
ヤ４の略中央部に衝突荷重が作用すると、凹部１
０を形成した部分では該凹部１０上方の充填スペ
ースの小さなバンパーフエイシヤ４内側に衝撃吸
収材５が存在しているだけであるため、衝突エネ
ルギを十分に吸収しきれずに凹部１０を形成した
部分のバンパーアーマチユア３側への撓み移動量
が大きくなつてしまう。このため、凹部１０の側
壁１３後縁がバンパーアーマチユア３の前壁に衝
突するが、該側壁１３は前後コーナー部分Ｃの切
欠部２２の存在によつて張り剛性が低められてい
るため幅方向に撓み変形し易く、この側壁１３の
撓み変形によつて衝突エネルギをある程度減衰す
ることができる。一方、この側壁１３後縁に対応
するバンパーアーマチユア３内部には、ブレース
２１を縦方向に接合、配置してあるため、このブ
レース２１によつて側壁１３後縁の衝突部に作用
する集中荷重に十分に対抗することができ、バン
パーアーマチユア３が変形乃至は折損するのを抑
制することができる。また、この凹部１０の側壁
１３後縁がバンパーアーマチユア３前壁に衝突す
るのと殆んど同時に、ランプブラケツト１９後縁
が水平方向移動して、バンパーアーマチユア３前
壁に衝突するが、該ランプブラケツト１９後縁は
バンパーアーマチユア３前壁に車幅方向に比較的
長い範囲に亘つて衝突するので、バンパーアーマ
チユア３の折れ方向の集中荷重はなく、ブレース
２１によつてこのランプブラケツト１９の衝突入
力にも十分に対抗することができる。

第５〜８図に示す実施例は、何れも前述のラン
プブラケツト１９の衝突対策をより徹底したもの
である。第５，６図に示す実施例は、バンパーア
ーマチユア３の前壁上部のランプブラケツト１９
後縁に対応する部位に、斜状のガイド部２３をエ
ンボス成形して、ランプブラケツト１９後縁が移
動してきた場合、該ランプブラケツト１９を斜め
上方へ滑りガイドさせ、バンパーアーマチユア３
への衝突入力を極く僅かに抑えようとするもので
ある。第７図に示す実施例は、バンパーアーマチ
ユア３にガイド部２３を形成するのに替えて、ラ
ンプブラケツト１９の後縁に斜状のガイド部１９
ａを延設して同様の効果を得られるようにしたも
のである。また、第８図に示す実施例は、バンパ
ーアーマチユア３の前壁上部のランプブラケツト
１９後縁に対応する部位にその肩部に亘つてレイ
ンフオース２４を接合して面剛性を高めたもので
ある。

考案の効果 以上のように本考案によれば、バンパーフエイ
シヤに形成した凹部の側壁後縁に対応するバンパ
ーアーマチユア内部には、ブレースを縦方向に配
置してあるため、バンパーフエイシヤの略中央部
に衝突入力が作用して前記側壁後縁がバンパーア
ーマチユア前壁に衝突しても、この衝突荷重に十
分に対抗することができる。また、前記側壁の張
り剛性は開口部側縁の後壁と上壁とに跨るコーナ
ー部に形成した切欠部によつて剛性低下されてい
るため、バンパーアーマチユア前壁に衝突した場
合に、側壁が幅方向に撓み変形し易く、仍つて、
バンパーアーマチユア前壁に作用する衝突入力を
極力低下させることができ、従つて、バンパーア
ーマチユアの変形乃至は折損を回避できて、品質
感、信頼性を一段と向上することができるという
実用上多大な効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す第４図の−
線に沿う断面図、第２図は同第４図の−線
に沿う断面図、第３図は凹部の状態を示す斜視
図、第４図は本考案の対象とするバンパーの取付
状態を示す斜視図、第５図はバンパーアーマチユ
アの異なる例を示す斜視図、第６図は第５図の
−線に沿う断面図、第７図はランプブラケツト
の異なる例を示す断面図、第８図はバンパーアー
マチユアの更に異なる例を示す断面図である。 １……バンパー本体、３……バンパーアーマチ
ユア、４……バンパーフエイシヤ、１０……凹
部、１１……凹部の後壁、１２……凹部の上壁、
１３……凹部の側壁、１４，１５……開口部、１
６……ライセンスプレート、１８……ライセンス
ランプ、１９……ランプブラケツト、２１……ブ
レース、２２……切欠部、Ｃ……コーナー部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. バンパーアーマチユアを包覆するバンパーフエ
   イシヤの中央部の略下半部にライセンスプレート
   配設用の凹部を形成すると共に、該凹部の後壁か
   ら上壁に亘つて開口部を形成し、該開口部を通し
   てバンパーアーマチユア前壁にブラケツトを取付
   けて、このブラケツトを介して前記凹部内にライ
   センスプレートを装着、配置する一方、前記開口
   部の上方にライセンスプレートを照射するライセ
   ンスランプをランプブラケツトを介して配設した
   構造において、前記バンパーアーマチユアの前記
   凹部の側壁後縁に対応する部位内にブレースを縦
   方向に配設する一方、前記開口部側縁の前記後壁
   と上壁とに跨るコーナー部に切欠部を形成したこ
   とを特徴とする自動車用バンパー構造。