JPH0540891Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、ホブ盤、歯車形削盤、ギヤシエーパ
ー等切削加工により歯車を成形する歯切り加工機
に関するものである。詳細には、歯切り時にワー
クである歯車の端面に生じるカエリを取り除くカ
エリ取り装置を備えた歯切り加工機に関するもの
である。

（従来の技術） 従来、上記歯切り加工機において、ワークを支
持するワーク支持回転テーブルとホブ等の歯切り
工具とを関連的に作動して歯切りを行なうと共
に、上記回転テーブルに隣接して揺動自在にアー
ムを設け、該アームの先端にカエリ取り刃と案内
ローラとを同軸に回転自在に設けてなるカエリ取
り装置によりワークの端面に生じるカエリを取り
除くようにしたものが知られている（例、実開昭
62−5001号公報等参照）。

（考案が解決しようとする問題点） ところが、上記カエリ取り装置によつては、カ
エリを確実に取り除き難いという問題点がある。

すなわち、カエリを取り除くためには、ワーク
とカエリ取り刃との相対速度が大きく設定されて
いることが必要とされている。ところが、上記カ
エリ取り装置においては、カエリ取り刃がワーク
の端面に当接して摺り会うことにより回転される
が、ワーク支持回転テーブルが低速で回転され、
しかもカエリ取り刃とワークとが当接位置におい
て同一方向に移動するため、両者の相対速度が極
めて小さい状態である。その結果、カエリがカエ
リ取り刃に接触する際には切削されるよりも押し
曲げられ、ワークの端面から取り除かれない場合
がしばしば生じている。

本考案は、上記従来の問題点を解決すべくなさ
れたもので、歯切り時にワークの端面に生じるカ
エリを確実に取り除き得る歯切り加工機のカエリ
取り装置を提供することを目的とする。

（問題点を解決するための手段） 本考案はワークを支持するワーク支持回転テー
ブル（以下回転テーブルという）を備えた歯切り
加工機のカエリ取り装置であつて、回転テーブル
に隣接してカエリ取り刃を回転自在に設け、回転
テーブルに設けた大径のドライブ環体の回転を増
速する増速機構によりカエリ取り刃を回転駆動す
ることにより、カエリ取り刃と回転テーブルとの
相対速度、いいかえればカエリ取り刃と回転テー
ブルに支持するワークとの相対速度を大きく設定
するようにしたものである。

すなわち、本考案の構成上の特徴は、回転テー
ブルに隣接して回転可能で、かつ回転テーブルに
支持されるワークの端面に当接可能に設けられ、
歯切り時にワークの端面に生じるカエリを取り除
くカエリ取り刃と、回転テーブルに大径のドライ
ブ環体を設け、該ドライブ環体の回転を増速して
カエリ取り刃を回転駆動する増速機構とからなる
ことにある。

なお、増速機構は、カエリ取り刃が回転テーブ
ルと同一方向に回転し得るように構成されている
ことが好ましく、両者が同一方向に回転するた
め、ワークとカエリ取り刃とが当接位置において
逆方向に移動し、両者の相対速度が大きく設定さ
れる。

（作用） 本考案の歯切り加工機のカエリ取り装置は、カ
エリ取り刃が増速機構を介して回転テーブルより
も高速で回転駆動され、回転テーブルに支持され
るワークとカエリ取り刃との相対速度が大きく設
定される。そして、増速機構のドライブ環体が回
転テーブルに設けられていることから、カエリ取
り刃は回転テーブルを駆動源として高速で回転駆
動される。

（実施例） 本考案の実施例を図により説明する。

図において、１は従来公知の歯切り加工機（ギ
ヤシエーパー）のテーブルで、該テーブル１は上
下動しながら所定角度回転する歯切り工具Ａ下方
のベツド（図示せず）上に設けられている。

テーブル１上には、ワーク（ヘリカルギヤ）Ｗ
を支持する回転テーブル２が回転自在に設けられ
ている。該回転テーブル２は、上部にワークＷを
取り付ける支持部２ａが形成され、歯切り時に歯
切り工具（図示せず）と関連して低速で回転する
ように駆動される。

また、テーブル１上には、回転テーブル２に隣
接してカエリ取り装置３が設けられている。該カ
エリ取り装置３は、歯切り時に回転テーブルの支
持部２ａに支持されるワークＷの端面に生じるカ
エリｗを取り除くもので、カエリ取り刃４と増速
機構６とを備えている。カエリ取り刃４は、環状
の刃部４ａを有する皿状に形成されたもので、回
転テーブルの支持部２ａに支持されるワークＷの
端面に当接可能に配置され、かつ機枠５に回転自
在に支持されたカエリ取り刃軸４ｂに設けられて
いる。なお、刃部４ａが第３図に示すように鋸歯
状に形成されたものであつてもよく、カエリｗを
より確実に取り除き得る。

増速機構６は、回転テーブル２に設けられた大
径のドライブ歯車６ａとカエリ取り刃軸４ｂに設
けられた小径の被動歯車６ｃとをアイドルギヤ６
ｂを介して駆動連結し、回転テーブル２の回転を
増速してカエリ取り刃４を回転駆動するようにし
たものである。例えば、ドライブ歯車６ａの歯数
が150枚に設定され、被動歯車６ｃの歯数が15枚
に設定されたものでは、両者６ａ，６ｃの歯数比
が10対１となり、被動歯車６ｃは10倍に増速され
ることになる。

本実施例のカエリ取り装置３は上記のように構
成されており、歯切り時に回転テーブル２が歯切
り工具Ａと関連して低速で回転され、ワークＷに
順次歯切り加工が行なわれる。そして、歯切りさ
れた部分にはカエリｗが生じるが、該カエリｗは
上記部分がカエリ取り刃４との当接位置に移動し
た際に、カエリ取り刃４に切り取られる。その
際、カエリ取り刃４は、回転テーブル２の回転に
従つて増速機構６により高速、例えば回転テーブ
ル２の10倍の速度で回転され、しかも、回転テー
ブル２とは逆方向に回転される。すなわち、カエ
リ取り刃４は回転テーブルの支持部２ａに支持さ
れたワークＷとは当接位置において逆方向に移動
し、両者４，Ｗの相対速度が従来よりも遥かに大
きく設定されることになる。従つて、ワークＷの
端面に生じるカエリｗは、従来のように取り残さ
れることがなく、カエリ取り刃４により確実に取
り除かれる。

（考案の効果） 本考案の歯切り加工機のカエリ取り装置によれ
ば、カエリ取り刃が増速機構を介してワーク支持
回転テーブルにより回転駆動されるものであるこ
とから、カエリ取り刃がワーク支持回転テーブル
よりも!?かに高速で回転され、カエリ取り刃とワ
ークとの相対速度が従来よりも大きく設定され
る。従つて、歯切り時にワークの端面に生じるカ
エリは、従来のように取り残されることなく、確
実に取り除かれる。また、増速機構は、大径のド
ライブ環体をワーク支持回転テーブルに設けるこ
とにより構成されているため、別途駆動機構を設
ける必要がない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のカエリ取り装置の説明図、第
２図は本考案のカエリ取り装置の縦断面図、第３
図はカエリ取り刃の他の例を示す。 ２……回転テーブル、３……カエリ取り装置、
４……カエリ取り刃、６……増速機構、６ａ……
ドライブ歯車、、６ｂ……アイドルギヤ、６ｃ…
…被動歯車、Ｗ……ワーク、ｗ……カエリ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ワークを支持するワーク支持回転テーブルを備
   えた歯切り加工機において、上記ワーク支持回転
   テーブルに隣接して回転可能で、かつ上記ワーク
   支持回転テーブルに支持されるワークの端面に当
   接可能に設けられ、歯切り時に上記ワークの端面
   に生じるカエリを取り除くカエリ取り刃と、上記
   ワーク支持回転テーブルに大径のドライブ環体を
   設け、該ドライブ環体の回転を増速して上記カエ
   リ取り刃を回転駆動する増速機構とからなること
   を特徴とする歯切り加工機のカエリ取り装置。