JPH0540722U

JPH0540722U - 空気調和機におけるドレンパン

Info

Publication number: JPH0540722U
Application number: JP089259U
Authority: JP
Inventors: 武司吉田; 秀明田頭; 正美今西; 健三倉橋; 康文畑村
Original assignee: Mitsubishi Electric Corp
Current assignee: Mitsubishi Electric Corp
Priority date: 1991-10-30
Filing date: 1991-10-30
Publication date: 1993-06-01

Abstract

(57)【要約】【目的】フィルタ目詰まり時の逆流ドレンの飛散を防
ぐことができるとともに、サービス性において優れた構
造の空気調和機におけるドレンパンを提供することを目
的とする。【構成】利用側熱交換器により凝縮された滴下ドレン
を収納し機外に排出させるドレン排出口を有するドレン
パンを設けてなる空気調和機において、前記ドレンパン
に、ドレン水滴下および逆流空気通過用の孔を穿設した
ドレン受板を設けると共に、このドレン受板の孔の位置
が、前記利用側熱交換器のフィンの下方に位置するよう
に配した構成である。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は空気調和機におけるドレンパンに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

図６は例えば三菱電機ハンドブック（パッケージエアコン編）１９９１年版に示されたこの考案に係わる種類の空気調和機の構成機器を説明する全体斜視図であり、図において、１ａは上面パネル、１ｂは前面パネル、１ｃは側面パネル、１ｄは台枠、であり、これらのパネルにより直方体の外枠が形成される。２は室内空気を機内に取り入れる空気が吸入口であり、２ａの空気清浄フィルタ（以下フィルタと称する）を吸入口全面に収納する。３は空気と冷媒とを熱交換させる利用熱交換器（以下熱交換器と称する）、４は熱交換された空気を排出する吹出口、５ａは空気を前記吹出口４へ導く送風機ケーシング（以下、ケーシングと称する）、５ｂはファン、５ｃはファンを駆動するモータで、これらケーシング５ａ、ファン５ｂ、モータ５ｃによって送風機部５が構成される。６ａは前記熱交換器３により凝縮され、滴下したドレンを収納するドレンパン、７はドレンパン６ａに溜ったドレンを機外に排出させるドレン排出口を示す。ドレン排出口７にはドレンパイプ（図示せず）が接続される。

【０００３】次に動作について説明する。図６に示した空気調和機は空気吸込口２、吹出口４、およびドレン排出口７以外は機外と絶縁されており、通常の運転においてはケーシング５ａによって吸入、排出される空気は、吸込口２から取り入れられ、熱交換器３によって熱交換された空気のみであり、吸込面積の関係からドレン排出口より空気が逆流することはない。しかし、吸込空気の汚れや長期間運転によりフィルタ２ａが目詰まりを起こし、吸入口２を通過する空気が過度の圧損を受けた場合、機内は極度の負圧状態となり、空気はドレン排出口から逆流して機内へ流入する。また、ドレンパン６ａがドレン水で満たされている時は空気は逆流しないが、特に運転開始時など、ドレン水がドレンパン６ａに溜まっていく過程においては、ドレン排出口７からの逆流空気がドレンパン６ａ下部のドレン水を巻き上げて、排出口の機内側から直接機内にドレン水が飛散し、その結果送風機５に吸入されて空気吹出口から機外へ排出される。なお、このような現象は、上記のような吸入式送風機配置の空気調和機に於いては避けることができない。

【０００４】このため、従来は図７に示すように、ドレントラップ８やドレンアップメカ（図示せず）の配置などの対策を施す必要があった。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、従来の空気調和機のドレンパンは上記のように構造であったため、フィルタの目詰まり時などに、熱交換器からの滴下ドレン水がドレン排水口からの逆流空気により飛散し、吹出口から機外へ排出されて、露飛びのクレームを起こすことがしばしばあり、対策損失の増大を余儀なくされるとともに、その対策として、外観や据付性を損ねるドレントラップの設置等、結果的にコストアップ等の問題が生じていた。

【０００６】この考案は上記のような問題点を解消するために為されたもので、フィルタ目詰まり時の逆流ドレンの飛散を防ぐことができるとともに、サービス性において優れた構造の空気調和機におけるドレンパンを提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

この考案は、上記のような目的を有効に達成するために、次のような構成にしてある。すなわち、パネルの組み合わせによって所定内部空間を有する外枠を形成すると共に、この外枠の一面に空気清浄フィルタを具備した空気吸込口を設け更にこの面と異なる面に空気吹出口を設け、且つ前記外枠内に、上記空気吸込口から吸引された室内空気と冷媒とを熱交換させる利用側熱交換器を設けると共に、上記利用側熱交換器により熱交換された空気を前記空気吹出口から排出する送風機を設け、更に前記利用側熱交換器により凝縮された滴下ドレンを収納し前記外枠外に排出させるドレン排出口を有するドレンパンを設け、且つ前記送風機を駆動させるモータ用電源および室内外制御電気機器を収納する電気品箱を備えてなる空気調和機において、前記ドレンパンに、ドレン水滴下および逆流空気通過用の孔を穿設したドレン受板を設けると共に、このドレン受板の孔の位置が、前記利用側熱交換器のフィンの下方に位置するように配した構成である。

【０００８】また、上記構成において、ドレン受板に多数の孔を穿設すると共に、これらの孔の開孔面積をドレン排出口の開口面積よりも大きくした構成でもある。更には、上記の構成を有すると共に、ドレン受板をドレンパンに着脱自在に嵌着できるように形成した構成でもある。

【０００９】

【作用】

上記のような構成によって、ドレン排出口からの逆流空気により巻き上げられたドレンパン内のドレン水は、ドレンパンに設けた孔を有するドレン受板の作用により熱交換器のフィンの下部にのみ衝突・吸収させることになり、機内へのドレン水の飛散を防ぐことができる。

【００１０】また、ドレン滴下口であるドレン受板の孔の開孔全面積をドレン排出口の開口断面積よりも大きくしているため、逆流時のドレン滴下口を通過する空気流速は低減され、露飛びへの影響を大幅に小さくすることができる。

【００１１】更に、この考案にて示すドレン受板は、ドレンパンへの簡単なはめ込みが可能な構造としているため、サービス時にドレンパン内の清掃が容易となる。

【００１２】

【実施例】

実施例１．以下、この考案の一実施例を図について説明する。なお、図中、従来例と同一の部分については同一の番号を付して説明を省略する。図１はこの考案に係わるドレンパン構造の部分斜視図であり、９ａはドレン受板、９ｂはドレン滴下口である孔（逆流空気通過口）で、前記ドレン滴下口９ｂはドレン受板９ａのほぼ中央に、ドレンパン６ａの長手方向に沿って数箇所穿孔されている。図２はこの考案の実施例によるドレンパン構造の部分断面図で、熱交換器３のフィン３ａとの位置関係を示す。３ｂは熱交換器の伝熱管、１０はドレン受板９ａとフィン３ａとの接触部を示す。図３はこの考案に係わるドレンパン構造の縦断面図、図４は横断面図を示す。

【００１３】次にこの考案に係わる一実施例の動作を、図１〜図４について説明する。熱交換器３のフィン部３ａから滴下したドレンは、ドレン受板９ａによって、長手中央部分に集められ、ドレン受板の中央部に穿孔されたドレン滴下口９ｂからドレンパン６ａ内部に溜まり、ドレン排水口７から機外へ排出される。ドレン受板９ａはドレンパン６ａに密着するように嵌着されているため、ドレン排水口７はドレン滴下口９ｂを経てのみ機内とつながっている。従来の例で示したように、フィルタ目詰まり等によって機内が過度の負圧状態になった場合、ドレンパン６ａ内のドレン水は機内外の差圧分だけ、その水位が上昇し、差圧水位よりも高水位にある時はドレン排出口７からの空気の逆流は無いが、運転開始時などのようにドレン水の溜まる過度期においては、ドレン排出口７を経てドレン滴下口９ｂに至る逆流空気によって、ドレン受板９ａ上の収受ドレンは巻き上げられ、熱交換器３のフィン部３ａに衝突する。これにより飛散のエネルギーは緩和され、ドレン水はドレンパンから送風機側に排出されずに再度ドレン受板上に滴下して、ドレン滴下口を経てドレンパン内に徐々に溜まる。このような動作がドレン高水位に至るまで繰り返され前期差圧水位を越えた時点から、ドレンは排出口を経て機外に排されるようになる。図２におけるフィン部３ａとドレン受板９ａとの接触部は、吸込側（図示）からの空気のバイパスがないように密着させるか、すきまに断熱材（図示せず）等を用いて、前述の飛散ドレンがフィン３ａの下部以外に噴出ないようにシールされている。

【００１４】実施例２．また、ドレン受板９ａに設けたドレン滴下口９ｂの全体開孔面積をドレン排出口７の開口面積よりも大きくしているために、ドレン滴下口９ｂの一つの孔を通過する逆流空気速度は低減され、ドレンの飛散を大幅に抑制することができる。

【００１５】実施例３．構造面では、ドレン受板９ａをドレンパン６ａへの着脱可能なはめ込め式とすることによって、サービス時にドレンパン内の清掃が可能となる。材料は鋼材のほか、樹脂等の柔軟材料を用いても良い。

【００１６】実施例４．なお、上記実施例では、ドレン受板９ａをＭ形状に加工して、長手方向中央にドレンを集受させる構造としたが、図５に示すように、ドレンパン６ａに熱交換器３が空気バイパスの無いように固着され、かつ、ドレン滴下口が中央部にあれば、ドレン受板形状は上記の限りではなく、平面状でも良い。また、ドレン滴下口の形状も、上記実施例では円形の孔を数個配列したが、図５のように方形の長穴であってもよく、上記実施例と同様の効果を奏する。

【００１７】

【考案の効果】

以上のように、この考案によれば、熱交換器のフィンの下方に、ドレン水滴下および逆流空気通過用の孔を穿設したドレン受板を設けたドレンパンを配設したので、空気調和機のフィルタの目詰まり等により、熱交換器からの滴下ドレン水がドレン排水口からの逆流空気により飛散したり、露飛びを起こすといったことを防止することができる。

【００１８】また、ドレン受板の開口全面積をドレン排水口の開口面積よりも大きくする工夫により、露飛びへの影響をより少なくすることができる。

【００１９】更に、上記ドレン受板をドレンパンに着脱可能な構造としたので、サービス時にドレンパン内の清掃が可能となり、サービス性に優れた空気調和機が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例によるドレンパン構造の一
部切欠部分斜視図である。

【図２】この考案の一実施例によるドレンパン構造の部
分断面図である。

【図３】この考案の一実施例によるドレンパン構造の縦
断面図である。

【図４】この考案の一実施例によるドレンパン構造の横
断面図である。

【図５】この考案の他の実施例によるドレン受板の一部
切欠部分斜視図である。

【図６】従来の空気調和機の構成機器を説明する全体斜
視図である。

【図７】従来のドレントラップ取付けを示す部分斜視図
である。

【符号の説明】

１ａ上面パネル１ｂ前面パネル１ｃ側面パネル１ｄ台枠２空気吸込口２ａ空気清浄フィルタ３利用側熱交換器３ａフィン部４吹出口５送風機部５ａ送風機ケーシング５ｂファン５ｃモータ６ａドレンパン７ドレン排出口８ドレントラップ９ａドレン受板９ｂドレン水滴下口１０フィンおよびドレン受板接触部１１長穴ドレン滴下口

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者倉橋健三和歌山市手平６丁目５番66号三菱電機株式会社和歌山製作所内 (72)考案者畑村康文和歌山市手平６丁目５番66号三菱電機株式会社和歌山製作所内

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】パネルの組み合わせによって所定内部空
間を有する外枠を形成すると共に、この外枠の一面に空
気清浄フィルタを具備した空気吸込口を設け更にこの面
と異なる面に空気吹出口を設け、且つ前記外枠内に、上
記空気吸込口から吸引された室内空気と冷媒とを熱交換
させる利用側熱交換器を設けると共に、上記利用側熱交
換器により熱交換された空気を前記空気吹出口から排出
する送風機を設け、更に前記利用側熱交換器により凝縮
された滴下ドレンを収納し前記外枠外に排出させるドレ
ン排出口を有するドレンパンを設け、且つ前記送風機を
駆動させるモータ用電源および室内外制御電気機器を収
納する電気品箱を備えてなる空気調和機において、前記
ドレンパンに、ドレン水滴下および逆流空気通過用の孔
を穿設したドレン受板を設けると共に、このドレン受板
の孔の位置が、前記利用側熱交換器のフィンの下方に位
置するように配したことを特徴とする空気調和機におけ
るドレンパン。
【請求項２】ドレン受板に多数の孔を穿設すると共
に、これらの孔の開孔全面積をドレン排出口の開口面積
よりも大きくした請求項１に記載の空気調和機における
ドレンパン。
【請求項３】ドレン受板をドレンパンに着脱自在に嵌
着できるように形成した請求項１または請求項２に記載
の空気調和機におけるドレンパン。