JPH0540588Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案はUHFチユーナの共振装置、特に小
型化電子チユーナに好適する共振回路の共振線路
の取付構造に関する。

従来の技術 高周波チユーナ、特にUHF用電子チユーナの
共振回路は、共振線路を可変容量ダイオードと共
にプリント基板に実装して構成される。通常、こ
の種の共振回路は、第２図に示すように、共振線
路１の一端を接地し他端に可変容量ダイオード２
を接続して構成される。可変容量ダイオード２に
は電圧端子３から抵抗４を介して同調電圧が逆方
向印加され、所望の共振周波数を得ているが、共
振周波数帯域を調整するために一端側に低域中心
の調整用タブの特性インピーダンストリマ素子５
を他端側に高域調整用タブのトリマ容量６とを具
備している。尚７は直流阻止もかねた同調用コン
デンサである（例えば、実公昭56−51363号公
報）。

上記構成のλ／４形共振回路は、例えば第３図
に示す電子チユーナ１０において、UHFチユー
ナ部１１の入力及び段間用共振回路としてフレー
ムベース１３と仕切板１４で構成する区画室内の
プリント基板に実装して構成される。このチユー
ナ１０はVHFチユーナ部１２と共に共通フレー
ムベース１３内に収納されシールドカバー１５を
被嵌して完成される。しかし、この種チユーナで
は共振線路１、特性インピーダンス調整用トリマ
素子５及びトリマ容量６を個別部品を用いて構成
して、トリマー容量６を共振線路１と別体の可動
タブと仕切板とのストレ容量で得るものや、共振
線路１に一体に設けたタブに対向して設けた別体
の可動タブとの間の容量で得ることが知られてい
た。

考案が解決しようとする問題点 しかしながら、個別部品の使用は組立上の繁雑
化に問題があり、また、共振線路に一体形成し共
振線路と同一面上にあるタブを調整用可動タブと
するトリマ容量では、対向する位置に接地される
導体を配したのでは、部品点数が少なくならず、
対向する導体として仕切板を用いると、共振線路
に仕切板が平行に近接するので特性上好ましくな
い。またタブを変形して容量を調整するに際して
共振線路１の変形を引き起こすからその安定化が
難しかつた。

従つて、本考案は上記に鑑み提案されたもので
あり新規且つ改良された共振装置の提供を目的と
するものである。

問題点を解決するための手段 本考案によれば、シールド区画内のプリント基
板に板金加工のステータを配置してUHF帯共振
回路構成するものにおいて、ステータはプリント
基板に垂直な平面にある共振線路主要部と、この
主要部の一端側に主要部に平行に対向配置される
特性インピーダンス調整用可動タブと、他端側に
主要部に垂直でかつプリント基板に垂直に配置さ
れる容量調整用可動タブと、複数の取付用脚片と
を一体形成してなり、前記ステータの配置はシー
ルド区画する仕切板に容量調整用可動タブが対向
近接配置されることを特徴とするUHFチユーナ
の共振装置を開示する。

さらに好ましくは、前記可動タブそれぞれに取
付用脚片を有し、それとは別に共振線路主要部を
保持する取付用脚片を少なくとも１個有し、前記
可動タブの少なくとも一方において可動タブと共
振線路主要部の連結部で厚み方向に略直角に１回
以上折曲していることを特徴とする共振装置を開
示する。

作 用 共振線路主要部と調整用可動タブを一体形成す
るので部品点数が少なくなり組立が容易となる。
さらに容量調整用可動タブを共振線路主要部と垂
直に形成したので、共振線路主要部を仕切板に垂
直にかつ、容量調整用可動タブを仕切板に近接し
て配置すれば良いので共振線路主要部に平行に仕
切板が近接して、特性をそこなうことはない。

さらに好ましくは可動タブそれぞれに設けた取
付用脚片で固定すれば共振線路主要部と一体形成
した調整用可動タブを変形して、特性を調整して
も共振線路主要部の変形を少なくできる。さらに
好ましくは、共振線路主要部を保持する取付用脚
片を一個以上有して固定して、可動タブと共振線
路主要部との連結部で厚み方向に直角に折曲して
いるので可動タブを変形して調整するに際して主
要部に動き（変形）が生じない。

実施例 第１図は本考案に係る板金加工のステータ２０
から成るUHFチユーナ用共振装置である。ステ
ータ２０は共振線路主体である同一平面内にある
共振線路主要部２１及びこの主要部２１の両端側
でそれぞれ折曲手段を介して結合する共振線路副
部２４，２５の一体成形から成り、各副部２４，
２５には容量調整用可動タブ２６、特性インピー
ダンス調整用可動タブ２７と取付用脚片２８〜３
０を具備する。従つて、このステータ２０は、第
３図に示す電子チユーナ１０のUHFチユーナ部
１１における共振回路を構成すべく、区画室内の
プリント基板上で仕切板に容量調整用可動タブが
対向近接して実装配置され、等価的に第２図の回
路を構成する。

すなわち、プリント基板に対して、共振線路主
要部２１の一端を取付用脚片２９，３０によりア
ースパターンに接地すると共に他端の取付用脚片
２８を可変容量ダイオードの一方電極に接続す
る。そして、容量調整用可動タブ２６を変形して
区画室の仕切板との距離を調整して所要のトリマ
容量を得るとともに、特性インピーダンス調整用
可動タブ２７を共振線路主要部２１に対向配置し
てその距離を調整することにより特性インピーダ
ンスの可変手段としている。ここで容量調整用可
動タブ２６は共振回路の高域側共振周波帯の調整
に、また特性インピーダンス調整用可動タブ２７
は専ら低域側共振周波帯の調整手段として利用さ
れるこの場合、各帯域毎に調整用タブ２６、２７
は対向する金属体との離間距離を可変して調整さ
れるが、このタブ可動による動きはくびれ状に細
くなつた部分５１，５２，５３を中心に行なわれ
る。そして、折曲部２２により容量調整用可動タ
ブ２６を共振線路主要部２１の面と垂直に形成し
たのでこのステータ２０は容量調整用可動タブ２
６を仕切板に近接対向すれば良いので共振経路主
要部２１に仕切板が近接して特性をそこなうこと
はない。さらに取付用脚片２８，２９をそれぞれ
の調整用可動タブに備えたのでタブを変形して調
整した時共振線路主要部２１が変形することを妨
げている。さらに共振経路主要部を保持する取付
け用脚片３０と厚み方向に略直角に折曲する折曲
部２２，２３とは調整用可動タブの動く方向に垂
直な面で結ばれているのでささえる力が強く調整
時、共振経路主要部が変形することを阻止する。

取付用脚片２８，２９が共振線路主要部２１と
同一平面になく折曲部を経て形成されていること
は、本考案の重要な特徴であり、これがタブ調整
に際して生ずる共振線路主要部２１の安定化に役
立つている。例えば、脚片２８に代えて点線で示
す位置に脚片３１を設ける場合にはタブ調整に際
して共振線路主要部２１に動きが伝わり変形を生
じ不安定であつたが、本考案ではこれらが完全に
解消された。また、副部２４，２５を主要部２１
の両側に設けて両域調整を単一の板金加工ステー
タ２０にしたことは組立の簡素化を含めて実用的
である。

考案の効果 本考案の共振装置は組立部品の集約化から組立
作業を容易且つ能率化すると共に調整時の不安定
さを解消する。また、組立スペースの有効利用か
ら小形化チユーナに好適するものであり、特性改
善を図るなど実用的効果が大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るUHFチユーナ用共振装
置の斜視図、第２図はUHFチユーナの一般的共
振回路図、及び第３図は本考案の前提である電子
チユーナの分解斜視図である。 ２０……ステータ、２１……共振線路主要部、
２２，２３……折曲部、２４，２５……共振線路
副部、２６……容量調整用タブ、２７……特性イ
ンピーダンス調整用可動タブ、２８，２９，３０
……取付用脚片。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 シールド区画内のプリント基板に板金加工のス
   テータを配置してUHFチユーナ用共振回路を構
   成するものにおいて、 前記ステータはプリント基板に垂直な平面にあ
   る共振線路主要部と、この主要部の一端側に主要
   部に平行に対向配置される特性インピーダンス調
   整用可動タブと、他端側に主要部に垂直でかつプ
   リント基板に垂直に配置される容量調整用可動タ
   ブとを一体形成してなり、 前記特性インピーダンス調整用可動タブ及び前
   記調整用可動タブはそれぞれに取付用脚片を有
   し、 それとは別に共振線路主要部を保持する取付用
   脚片を少なくとも１個有し、 前記可動タブの少なくとも一方において可動タ
   ブと共振線路主要部の連結部であつてかつ可動タ
   ブの取付用脚片と共振線路主要部を保持する脚片
   との間で厚み方向に略直角に１回以上折曲してお
   り、 前記ステータの配置はシールド区画する仕切板
   に前記容量調整用可動タブが対向近接配置される
   ことを特徴とするUHFチユーナの共振装置。