JPH0540524Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は多色複写機のカラーバランス調整装置
に関するものである。

［従来の技術］ 周知のように、多色複写機は、原稿の色分解像
毎に帯電・露光・現像・転写・定着・クリーニン
グ等の一連の画像形成プロセスを反復実行するこ
とにより各分解色像を同一の複写材上に重畳形成
し、原稿と同じ多色プリントを得るものである
が、潜像を形成する感光体の表面電位が温度変化
や径時変化等によつて変動し、色分解像のカラー
バランスが崩れ、原稿に忠実なカラー複写画像を
得られなくなる場合がある。

そこで、従来においてはカラーバランス調整用
のボリユームを調整しながら試し刷りをし、原稿
の色と一致するまでこの試し刷りを繰返すことに
より、カラーバランスを調整する方法、あるいは
例えば特開昭57−102673号公報で示されているよ
うに、感光体に形成した潜像による表面電位を色
分解色毎に検出し、この検出値に応じて帯電器の
電流あるいは光源による露光量をカラーバランス
の目標値に制御すると共に、目標値に制御された
後の感光体の表面電位を数字表示するものがあ
る。

［考案が解決しようとする問題点］ ところが、前者の試し刷りによる方法では、目
標とするカラーバランス状態を得るまでに多くの
時間を要し、また記憶紙やトナーの無駄な消費を
伴うという問題があつた。一方、後者の表面電位
を測定する方法を用いた場合には、カラーバラン
スは常にその目標値に一致するように制御される
ため、故意にカラーバランスを崩したり、あるい
は元に戻したりすることができず、融通性に欠け
るという問題点があつた。

本考案の目的は上記のような問題点に鑑みなさ
れたもので、その目的は経済的に、しかも融通性
を持たせてカラーバランスを所望の状態に調整す
ることができる多色複写機におけるカラーバラン
ス調整装置を提供することにある。

［問題点を解決するための手段］ 本考案は、原稿画像を複数の色に色分解し、該
色分解した分解色毎に感光体を露光して該感光体
に潜像を形成し、該潜像を前記分解色に対応した
各色毎に現像転写する多色複写機において、前記
分解色にそれぞれ対応して設けられた複数のカラ
ーバランス調整手段と、前記カラーバランス調整
手段の出力に基づき前記感光体への露光量および
潜像形成時の帯電電圧を制御する制御手段と、前
記カラーバランス調整手段の出力に対応して前記
カラーバランス調整手段によるカラーバランス調
整状態に対応したカラー画像を色見本に相当する
標準チヤートとともに表示する表示手段とを備
え、前記表示手段より表示されたカラーバランス
調整状態に対応したカラー画像を前記色見本に相
当する標準チヤートと比較しながら前記カラーバ
ランス調整手段により前記現像転写する画像のカ
ラーバランスを調整することを特徴とする。

［考案の実施例］ 以下、実施例に基づき本考案を説明する。

第１図は本考案を適用した３色分解色多色複写
機の全体構成図である。同図において、１は軸２
を中心に矢印方向に周速度Ｖで回転駆動されるド
ラム型電子写真感光体（以下、感光ドラムとい
う）、３は感光ドラム１に感光性を付与する帯電
器、４は露光部、５Ｙ，５Ｍ，５Ｃは分解光に対
応する色トナー現像器で、この実施例の場合はそ
れぞれイエロー、マゼンタ、シアンの色トナー現
像器である。６は転写紙巻付きドラム、７はその
ドラム６への転写紙給紙部、８は定着器、９はプ
リントレイ、１０は感光ドラムクリーナである。

１１は原稿載置台であり、原稿９はその台１１
上に画像面を下向きにして載置し、原稿押えカバ
ー１２をかぶせることによりセツトされる。１３
は原稿走査光学系であり、原稿載置台１１の下方
において、下面に沿つて台左方から台右方へ感光
ドラム１の周速度Ｖと同速度で原稿照明ランプ１
４と一緒に往復動して台１１上の下向き原稿面を
台１１を通して走査する第１移動ミラー１５と、
該ミラー１５と同方向に速度Ｖ／２で連動往復動
する移動第２ミラー１６と、結像レンズ１７と、
固定の第３および第４ミラー１８および１９とか
ら成り、プリントスタート釦（図示せず）を押す
と、移動光学系１４，１５，１６が往復動して台
１１を通して左方から右方に順次に走査され、そ
の走査光Ｌが移動第１ミラ１５→同第２ミラー１
６→結合レンズ１７→固定第３ミラー−１８→同
第４ミラー１９の経路で回転駆動状態の感光ドラ
ム１面に露光部４により順次に結像されるように
なつている。

２０は色分解フイルタ装置であり、回転軸２０
０に対して青光線透過フイルタ２０Ｂ、緑光線透
過フイルタ２０Ｇ、赤光線透過フイルタ２０Ｒ、
ニユートラルフイルタ２０Ｎの４枚のフイルタを
90度間隔で放射状に取付け保持させてあり、軸２
００を90度づつ回転駆動することにより各フイル
タが選択的に第３および第４ミラー１８，１９間
の光路中に位置する関係になつている。また、こ
のフイルタ装置２０と各色現像器５Ｙ，５Ｍ，５
Ｃとは関連しており、青フイルタ２０Ｂが第３お
よび第４ミラー１８，１９間の光路中に切換え位
置しているときはイエロートナー現像器５Ｙが、
また緑フイルタ２０Ｇのときはマぜンタトナー現
像器５Ｍが、赤フイルタ２０Ｒのときはシアント
ナー現像器５Ｃがそれぞれ作動する関係になつて
いる。

一方、転写紙巻付きドラム６は、軸６１を中心
に矢印方向に感光ドラム１と同じ周速度で回転駆
動され、そのドラム６に対して給紙部７から転写
紙Ｐが送り出されて転写紙先端がドラム６側のグ
リツパに把持されることにより転写紙Ｐはドラム
６の周面に巻付いた状態でドラム６と共に回転す
る。

従つて、原稿Ｇを台１１上にセツトしてプリン
トスタート釦を押すと、原稿の色分解像後に帯
電・露光・現像・転写・定着・クリーニングの一
連の画像形成プロセスが反復実行されてカラープ
リントが作成される。

すなわち、色分解が青・緑・赤の順で行なわれ
るものとすれば、第１回目の画像形成時は青フイ
ルタ２０Ｂが露光光路中に介入し、またイエロー
トナー現像器５Ｙが働くことにより、原稿像の青
色成分像が青色と補色の関係にあるイエロートナ
ー像として感光ドラム面に形成され、そのイエロ
ートナー像が転写紙巻付けドラム６の周面に巻付
いている転写紙面に転写される。

第２回目の画像形成時は、緑フイルタ２０Ｇが
露光光路中に介入し、またマゼンタトナー現像器
５Ｍが働くことにより、原稿像の緑色成分像が緑
色と補色の関係にあるマゼンタトナー像として感
光ドラム面に形成され、そのマゼンタトナー像が
先にイエロートナー像を転写処理され、かつ引き
続きドラム６に巻付き状態にある転写材面に重畳
転写される。

第３回目の画像形成時は、赤フイルタ２０Ｒが
露光光路中に介入し、またシアントナー現像器５
Ｃが働くことにより原稿像の緑色成分像が赤色と
補色関係にあるシアントナー像としてドラム１面
に形成され、そのシアントナー像がさらに上記既
にイエローおよびマゼンタトナー像を転写し転写
紙面に重畳転写される。

このようにして、上記各色トナーの重畳転写に
より転写紙面には原稿像と同じ多色像が合成形成
される。そして、上記反復転写処理が終了した後
そのドラム６に保持されている転写紙Ｐはドラム
６より離れて搬送装置２１により定着器８に送ら
れ定着処理され、多色プリントとしてトレイ９上
に排出される。

ところで、この実施例の複写機には原稿載置台
１１の側方に９インチあるいは６インチ程度の画
面を有するCRTデイスプレイ装置２３が配置さ
れ、このデイスプレイ装置２３の表示画面には、
コンソールボツクス２４内に設けられたカラーバ
ランス調整ボリユームを調整した時の現在の調整
値におけるカラーバランス調整状態に対応したカ
ラー画像が色見本に相当する標準チヤートととも
に表示されるようになつている。

第２図は、コンソールボツクス２４のカラーバ
ランス調整ボリユームの調整値に基づくデイスプ
レイ装置２３の表示と、帯電器３の電流およびラ
ンプ１４の電流を制御する制御系のブロツク図で
あり、複写機全体の制御を担当するメインコント
ローラ２５と、主としてカラーバランスを制御す
るカラーバランスコントローラ２６と、主として
光学系や転写紙の搬送系などにおける複写工程を
制御するプロセスコントローラ２７と、感光ドラ
ム１の表面電位などの検知するセンサ部２８と、
帯電器３の電流およびランプ１４の電流など所望
のカラーバランスを得る上で必要な部位の電圧あ
るいは電流を直接制御するドライバ回路２９とを
有しており、ここでのコンソールボツクス２４内
にはイエロー、マゼンタ、シアンの各カラーバラ
ンスを調整するボリユームVRY，VRM，VRC
が設けられている。そして、ボリユームVRY，
VRM，VRCの出力はカラーバランスコントロー
ラ２６に入力されてこれらボリユームVRY〜
VRCの調整値に応じてイエロー、マゼンタ、シ
アンの各色の潜像を形成する際の帯電器３等の電
流あるいは電圧がプロセスコントローラ２７およ
びドライバ回路２９を介して制御されるようにな
つている。また、ボリユームVRY，VRM，
VRCの出力はデイスプレイ装置２３に入力され、
これらボリユームの調整値によるカラーバランス
調整状態に対応したカラー画像２３０が色見本に
相当する標準チヤート２３１と共に表示されるよ
うになつている。そして、この場合のカラー画像
２３０の色は転写紙に実際に転写される色と一致
するように、デイスプレイ装置２３とカラーバラ
ンスコントローラ２６との関係が予め調節されて
いる。

従つて、デイスプレイ装置２３に表示された標
準チヤート２３１の色とカラー画像２３０の色と
が一致するようにボリユームVRY〜VRCを調整
することにより、複写機としてカラーバランスは
原稿のカラーバランスと正確に一致するようにな
り、試し刷り無しでカラーバランスを最適値に調
整することができる。しかも、ボリユームVRY
〜VRCを調整している途中で現在の調整値で最
終的に得られる色がカラー画像として表示される
ため、熟練者でなくても極めて容易にカラーバラ
ンスを調整することができる。

また、原稿Ｇの色と若干異なる色で複写したい
場合には、カラー画像２３０と色見本に相当する
標準チヤート２３１とが所望の関係になるまでボ
リユームVRY〜VRCを調整することによつて所
望のカラーバランスの複写画像を得ることができ
る。

この結果、カラーバランスの調整を極めて経済
的に行うことができたうえ、カラーバランスの融
通性を広げることができるなどの利点が得られ
る。

なお、実施例においてはイエロー、マゼンタ、
シアンのカラーバランス調整ボリユームのみを設
けたもので説明したが、この他に明度または彩度
などの調整用ボリユームを設ければ、カラーバラ
ンス調整の内容をさらに豊富にすることができ
る。また、色トナーを用いた多色複写機に限ら
ず、インクドナーフイルムを用いた多色複写機に
おいても同様に適用できるものである。さらに、
多色複写機に限らず、白／黒の複写機に適用して
もよい。さらにまた、デイスプレイ装置にはカラ
ー画像２３０だけでなく、カラーバランス調整時
の各種メツセージを第２図の２３２で示す位置に
文字表示させるようにすることにより、カラーバ
ランス調整作業時のトラブルなどを未然に防ぐこ
とができる。

［考案の効果］ 以上説明したように本考案においては、分解色
にそれぞれ対応して設けられた複数のカラーバラ
ンス調整手段と、カラーバランス調整手段の出力
に基づき感光体への露光量および潜像形成時の帯
電電圧を制御する制御手段と、カラーバランス調
整手段の出力に対応してカラーバランス調整手段
によるカラーバランス調整状態に対応したカラー
画像を色見本に相当する標準チヤートとともに表
示する表示手段とを備え、表示手段より表示され
たカラーバランス調整状態に対応したカラー画像
を色見本に相当する標準チヤートと比較しながら
カラーバランス調整手段により現像転写する画像
のカラーバランスを調整するようにしたため、カ
ラーバランスの調整を極めて経済的に、しかも未
熟練者でも極めて容易に実施することができ、更
に、標準カラーバランスからずれた所望のカラー
バランス状態に調整することも容易になり、多色
複写像を得る際の融通性が広がるなどの極めて優
れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を適用した多色複写機の一実施
例を示す全体構成図、第２図はカラーバランスを
調整する制御系の一実施例を示すブロツク図であ
る。 １……感光ドラム、３……帯電器、１４……ラ
ンプ、２０……色分解フイルタ装置、２３……
CRTデイスプレイ装置、２６……カラーバラン
スコントローラ、VRY，VRM，VRC……カラ
ーバランス調整用のボリユーム。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 原稿画像を複数の色に色分解し、該色分解し
   た分解色毎に感光体を露光して該感光体に潜像
   を形成し、該潜像を前記分解色に対応した各色
   毎に現像転写する多色複写機において、 前記分解色にそれぞれ対応して設けられた複
   数のカラーバランス調整手段と、 前記カラーバランス調整手段の出力に基づき
   前記感光体への露光量および潜像形成時の帯電
   電圧を制御する制御手段と、 前記カラーバランス調整手段の出力に対応し
   て前記カラーバランス調整手段によるカラーバ
   ランス調整状態に対応したカラー画像を色見本
   に相当する標準チヤートとともに表示する表示
   手段と を備え、前記表示手段より表示されたカラーバ
   ランス調整状態に対応したカラー画像を前記色
   見本に相当する標準チヤートと比較しながら前
   記カラーバランス調整手段により前記現像転写
   する画像のカラーバランスを調整することを特
   徴とする多色複写機のカラーバランス調整装
   置。 (2) 前記カラーバランス調整手段は、 イエロー、マゼンダ、シアンの各色に対応し
   たカラーバランス調整ボリユーム を備える実用新案登録請求の範囲第(1)項記載の
   多色複写機のカラーバランス調整装置。 (3) 前記カラーバランス調整手段は、 イエロー、マゼンダ、シアンの各色に対応し
   たカラーバランス調整ボリユームと、 明度および彩度の調整ボリユームと を備える実用新案登録請求の範囲第(1)項記載の
   多色複写機のカラーバランス調整装置。