JPH0540282Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は気化器の調整螺子部材、即ち絞り弁の
アイドリング開度の調整、低速燃料系から供給さ
れる混合気の流量又は混合比の調整のための、い
わゆるスロツトル・ストツプ・スクリユー、パイ
ロツト・スクリユー、エア・スクリユーなどの装
着構造、更に具体的にのべれば、気化器筺体に前
記調整螺子部材を螺合するめねじの切削加工を施
こすことなく前記調整螺子を装着することによつ
て、コスト低減を計つた調整螺子部材装着構造に
関する。

従来技術 第４図は摺動絞り弁の、第５図は蝶形絞り弁の
アイドリング開度を調整する螺子部材の従来の装
着構造を示し、符号１は気化器の筺体、２は主吸
気通路、３は摺動絞り弁、４は調整螺子部材、５
はスプリング、６はＯ−リング、７は座金であ
る。前記調整螺子部材４の先端部は前記摺動絞り
弁３に形成された斜面８に当接しているから、前
記調整螺子部材４をまわすことによつて、該調整
螺子部材４が第４図で云えば左右方向に進退動し
て、前記摺動絞り弁３を上下方向に進退動させ、
アイドリング開度の調整が行なわれる。前記スプ
リング５は前記調整螺子部材４を軸方向に付勢し
て、該調整螺子部材４がエンジンの振動によつて
移動するのを防止すると共に前記座金７を介し
て、前記Ｏ−リング６を第４図で云えば左方向に
押圧し、該Ｏ−リング６の位置を安定させる。該
Ｏ−リングは前記調整螺子部材４が筺体１を貫通
する部分から、前記主吸気通路２内部に空気が侵
入するのを防止する。第５図において符号１，
２，４，５は第４図の場合と同様の部分を示すほ
か、３ａは蝶形絞り弁、９は絞り弁回動軸、１０
は絞り弁レバーで、前記蝶形絞り弁３ａが閉じる
方向、即ち矢印１２方向に、図に示してないスプ
リングによつて付勢されていて、該絞り弁レバー
１０の一端部１１が前記調整螺子部材４の端部
（図で云えば下端部）に当接している。前記調整
螺子部材４を回動させることによつて蝶形絞り弁
３ａのアイドリング開度の調整が行なわれる。蝶
形絞り弁３ａのアイドリング開度調整は完全に主
吸気通路２の外部で行なわれるから、第４図の場
合の様にＯ−リング６及び座金７を必要としな
い。

従来技術の問題点 前記調整螺子部材４を螺合させるめねじが気化
器筺体１に形成されているが気化器筺体からねじ
加工を除くことは、気化器のコストを低減させる
ため極めて重要である。

而して、合成樹脂材料からなる燃料計量ジエツ
ト、燃料通路部材を気化器筺体にねじ加工を施こ
すことなく装着する構成が、実開昭58−24451号
（第６図）、実開昭58−24454号（第７図、第８図）
によつて提案されている。第６図において１が筺
体、１３が燃料ノズル、１４が燃料計量ジエツト
で中央部には計量部１５、外端部には逃げ部１６
が形成され、逃げ部１６の外周には環状リブ１７
が形成されていて、該環状リブ１７が筺体１の開
口部に圧入されている。又第７図、第８図におい
ては燃料通路部材１８が筺体１の開口部に挿入さ
れ、嵌合部１９において加熱溶接されている。該
２つの開示では筺体１の開口部に装着される部材
は何れも固定部材であつて、而も第７図、第８図
では通路部材１８は溶接するための加熱工数を必
要とする。

問題解決のための構成 気化器筺体に調整螺子部材を装着するため成形
によつて形成された開口部に軟質の合成樹脂材料
からなる中空円筒形の部材を挿入し、該中空円筒
形の部材の内部に前記調整螺子部材を挿入した気
化器の調整螺子部材装着構造とする。

実施例 第１図は本考案の気化器の調整螺子部材装着構
造を摺動絞り弁のアイドリング開度調整に適用し
た第１の実施例で、符号１０１は気化器筺体、１
０２は主吸気通路、１０３は摺動絞り弁、１０４
は前記摺動絞り弁１０３を閉方向に付勢するスプ
リング、１０５は前記摺動絞り弁１０３に装着さ
れた燃料計量ニードルで前記主吸気通路１０２に
開口する燃料ノズル１０６内に嵌入して環状の燃
料通路を形成する。１０７は前記摺動絞り弁１０
３のアイドリング開度を調整するための調整螺子
部材、１０８は軟質の合成樹脂、例えばウレタン
ゴムからなる中空円筒形の部材で、内周面にはめ
ねじ１０９が形成されている。該めねじ１０９は
おねじを型として成形したのち、軟質合成樹脂の
弾性を利用して、型として使用したおねじを無理
抜きすることができる。１１０は前記中空円筒形
の部材１０８の外周面に形成した突起、１１１は
前記突起１１０と係合する透孔であつて、該透孔
１１１と前記突起１１０との係合によつて、前記
中空円筒形の部材１０８の前記筺体１０１の開口
部からの脱落を防止することができる。１１２は
前記摺動絞り弁１０３に形成された斜面で、前記
調整螺子部材１０７の端部と当接し、該調整螺子
部材１０７の進退動によつて、前記摺動絞り弁１
０３のアイドリング開度が調整される。前記調整
螺子部材１０７とめねじ１０９とは弾力的に螺合
するから、第４図で示した従来構造の様に調整螺
子部材がエンジンの振動でまわるのを防止するス
プリング５を使用する必要がなく、又めねじ１０
９は調整螺子部材１０７のおねじを弾力的に締め
つけて気密を保つからＯ−リング６を必要とせ
ず、従つて又座金７も不要となるから、めねじの
切削加工の廃止と相俟つてコスト低減に大なる効
果がある。

第２図及び第３図は本考案の気化器の調整螺子
部材装着構造を蝶形絞り弁のアイドリング開度調
整に適用した第２の実施例を示し、符号２０１は
気化器筺体、２０２は主吸気通路、２０３は蝶形
絞り弁、２０４は前記蝶形絞り弁２０３の回動
軸、２０５は絞り弁レバーで図に示してないスプ
リングによつて前記蝶形絞り弁２０３が閉じる方
向に付勢されている。２０６は後述する調整螺子
部材と当接する前記絞り弁レバー２０５の一端部
である。２０７は調整螺子部材で、おねじが形成
されている大径部２０８と小径部２０９とによつ
て段部２１０が形成さている。小径部２０９の下
端が前記絞り弁レバー２０５の一端部２０６に当
接する。２１１は例えばウレタンゴムなどの軟質
の合成樹脂からなる中空円筒形の部材で、外周
面、内周面共に大径部と小径部とからなり、外周
面の大径部２１２，小径部２１３とによつて段部
２１４を形成し、内周面の大径部２１５と小径部
２１６とによつて段部２１７が形成されている。
前記調整螺子部材２０７のおねじはめねじを形成
してない内周面大径部２１５に螺合する。めねじ
が形成されていないから調整螺子部材２０７に形
成されているおねじはタツピングスクリユーとす
ることが好ましい。内周面小径部２１６の下端部
には環状リブ２１８が形成されている。第３図に
示されている様に分解されている中空円筒形の部
材２１１を気化器筺体２０１の開口部に挿入後、
該中空円筒形の部材２１１に調整螺子部材２０７
を挿入すると第２図の様に組立てられ、前記環状
リブ２１８が調整螺子部材２０７の小径部２０９
によつて外方に押出されるから第２図に２１９で
示す様にストツパが形成され、中空円筒形の部材
２１１の脱落を防止できる。第１図の場合と同様
に調整螺子部材２０７のおねじと螺合するための
気化器筺体２０１側のめねじの加工を廃止するこ
とができ、又調整螺子部材２０７は中空円筒形の
部材２１１によつて弾力的に締め付けられている
からエンジンの振動によつてまわることがなく、
スプリングを使用する必要がない。

効 果 本考案の調整螺子部材装着構造の採用によつて (1) 気化器の筺体に切削加工によつてめねじを形
成する必要がなく、鋳抜の孔に調整螺子部材を
装着できるから加工工数を低減できる。

(2) 軟質の合成樹脂からなる中空円筒形の部材の
内周面によつて弾力的に調整螺子部材を締めつ
けるからスプリングを使用する必要がなく、中
空円筒形の部材を使用しても部品点数の増加と
はならない。

(3) 気密を必要とする調節個所に本考案の調節螺
子装着構造を適用したときは、Ｏリングなどの
気密を保つための部品、及び付随的に必要とな
る座金が不要となり部品点数を削減することが
できる。

尚本考案の調整螺子装着構造は絞り弁のアイド
リング開度を調整する螺子部材に限定されず、低
速燃料系の混合気流量を調整する螺子部材、混合
比を調整する螺子部材にも適用することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１の実施例を、第２図及び
第３図は第２の実施例を示す図、第４図及び第５
図は従来の調整螺子装着構造を示す図、第６図は
実開昭58−24451号開示の構成を示す図、第７図
及び第８図は実開昭58−24454号開示の構成を示
す図である。 符号の説明、１０１，２０１……気化器筺体、
１０２，２０２……主吸気通路、１０３……摺動
絞り弁、２０３……蝶形絞り弁、１０４……スプ
リング、１０５……燃料計量ニードル、１０６…
…燃料ノズル、１０７……調整螺子部材、１０８
……中空円筒形の部材、１０９……めねじ、１１
０……突起、１１１……透孔、２０４……回動
軸、２０５……絞り弁レバー、２０６……絞り弁
レバーの一端部、２０７……調整螺子部材、２０
８……大径部、２０９……小径部、２１１……中
空円筒形の部材、２１８……環状リブ、２９……
組付後形成されるストツパ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 気化器筺体１０１，２０１に調整螺子部材１
   ０７，２０７を装着するため、該気化器筺体に
   成形によつて形成した開口部に、該開口部から
   の脱落防止手段が形成されている軟質の合成樹
   脂材料からなる中空円筒形の部材１０８，２１
   １を挿入し、該中空円筒形の部材１０８，２１
   １の内部に前記調整螺子部材１０７，２０７を
   弾力的に挿入してなり、前記軟質の合成樹脂材
   料からなる中空円筒形の部材１０８，２１１の
   内周面が前記調節螺子部材１０７，２０７の外
   周面を弾力的に締め付けることによつて生ずる
   摩擦力によつてエンジンの振動による前記調節
   螺子部材の回動を阻止することを特徴とする調
   節螺子部材装着構造。 (2) 前記中空円筒形の部材２１１の内面にはめね
   じが形成されていないで、前記調整螺子部材２
   ０７のねじ部がタツピングスクリユーである前
   記実用新案登録請求の範囲第(1)項記載の気化器
   の調整螺子部材装着構造。 (3) 前記中空円筒形の部材１０８の内面に、めね
   じ１０９が成形によつて形成されている前記実
   用新案登録請求の範囲第(1)項記載の気化器の調
   整螺子部材装着構造。