JPH0540253Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は車両用エンジンの排気を処理するため
の二次空気供給装置に関する。

（従来の技術） 車両用エンジンの排気を処理するための一つの
手段として、第４図のようにエンジンの吸気管上
に取付けたエアクリーナ１２の内部に同心状の区
画壁１３を設けて通路１４を形成し、その出口に
当たるエアクリーナ１２の周壁上には、フイルタ
部材３を備えたエアクリーナ１２の周壁との間で
排気消音用の拡張室を兼ねた下ケース２と、単一
又は複数のスリツト状の通孔８ａを穿設した基板
８の上にリード弁９および上反りストツパ板１０
を載置してそれらの一側を固定し、かつ基板８の
周壁にパツキン１５を嵌合させてなる弁部材を収
容した上ケース１６とを重ね合せて取付け、上ケ
ース１６の出口パイプ１１を導管により排気管に
接続し、エンジンの運転中に排気管内に生じる脈
動作用によつて上ケース１６内のリード弁９を開
閉し、エアクリーナ１２に取入れた外気の一部を
通路１４、下ケース２および導管を経由し二次空
気として排気管に導き、触媒コンバータにて排気
中のHCやCOの酸化を促進させるようにした二次
空気供給装置が広く知られている。３はフイルタ
部材、８ａは基板８に設けられた通孔である。

（考案が解決しようとする問題点） 上記装置におけるリード弁９は排気管中の正負
圧脈動を受けて作動し、二次空気を排気管に導入
する一方排気がエアクリーナ１２の内部に逆流す
るのを防ぐ役割を果たしている。ところでリード
弁９は常時開閉を繰返すためにリード弁９の振動
が基板８に伝播する。基板８の周壁にはパツキン
１５を配設しリード弁９の振動を上、下ケース１
６，２に伝えないようにしているが、パツキン１
５自体の大きさが小さく十分に振動音が減衰され
ないまま上、下ケース１６，２に伝わり、該上、
下ケース１６，２のビビリ音を発生させて運転者
などに不快な音を与えている。

（問題点を解決するための手段） 本考案はこのような問題点を解決すべくなされ
たもので、リード弁を配設した基板の周縁に上下
に延伸させたパツキンを嵌合し、上、下ケースで
つくるバルブケース内に配設するとともに上ケー
ス内壁に垂設したパツキンガイドに挿嵌させると
ともにパツキン外周面とバルブケース側壁との間
に間隙を形成させたものである。

（作用） 排気管中の正負圧脈動によつて作動した基板３
上のリード弁によつて生ずる上下方向の振動は、
基板周縁に嵌着させたパツキンに伝播されるが、
延伸したパツキンの上下方向の厚みで大方減衰さ
れ、バルブケースを振動させてビビリ音を発生さ
せるまでに至らない。またリード弁によつて生ず
る水平方向の振動は、パツキン外周面とバルブケ
ース側壁との間に形成される間隙により遮断され
伝達されない。さらにまた上ケース内壁に垂設し
たパツキンガイドによつてパツキンが内方へ倒れ
ようとする動きを防ぎシール性を保持する。

（実施例） 第１図の二次空気供給装置１はエアクリーナ１
２の周壁上の所定位置に定着された下ケース２と
該下ケース２に取付けられた上ケース４と、上、
下ケース４，２とで形成されるバルブケース１７
内に収容された弁部材７から成る。下ケース２は
中央に開口が穿設され該開口に不織布等のフイル
タ部材３を備え、内部が排気消音用の拡張室を兼
ねた台形状をしており、エアクリーナ１２の内部
に同心状の区画壁１３を設けて通路１４が形成さ
れ、その出口にあたるエアクリーナ１２の周壁上
に定着されている。下ケース２上には一方端が開
放し他方端が閉塞した上ケース４が取付けられて
おり、該上ケース４の閉塞部には出口パイプ５が
設けられ、上ケース４内部の肩部周壁には下方に
垂設したパツキンガイド６が設けられている。上
記上ケース４内に収容される弁部材７は、第２図
に示すように軽合金又は合成樹脂材からなる角形
の基板８の中央部に横方向に２条のスリツト状の
通孔８ａが穿設されている。それらの通孔８ａ上
には薄い板バネ材からなるリード弁９が載置さ
れ、更にこれらのリード弁９の上に横向きＵ字状
をなし、両側片が基端１０ｂから先端１０ａに向
かつて上向きに湾曲したストツパ板１０が配設さ
れ、リード弁９ともども基端部１０ｂで基板８に
ねじ止めされている。又基板８の周縁には上下方
向に基板８の厚さの３倍程度に延伸されたパツキ
ン１１が嵌着されている。そして弁部材７は二次
空気が上ケース４の出口パイプ５のみに流れる向
きにリード弁９が位置するように配し、パツキン
１１の周縁を上ケース４に設けたパツキンガイド
６と上ケース４の側壁とでつくる隙間に挿嵌させ
た状態で配設される。このときパツキン１１の外
周面と上ケース４の側壁すなわちバルブケース１
７の側壁との間には間隙Ｃが形成される。基板８
によつて上ケース４内を消音室Ａと脈動減衰室Ｂ
とに区画する。

使用に当たり、上ケース４内のリード弁９は排
気管側の脈動作用によつて作動するが、脈動は出
口パイプ５から脈動減衰室Ｂ内で拡散されて減衰
してリード弁９の作動をゆるやかにし、リード弁
９の振動が基板８に伝播される。リード弁９によ
つて生ずる基板８の上下方向の振動は、延伸した
パツキン１１の上下方向の厚みで大方減衰され、
また水平方向の振動は、パツキン１１外周面とバ
ルブケース１７側壁との間に形成される間隙Ｃに
より遮断されて伝達されない。パツキンガイド６
はパツキン１１が内方へ倒れるのを防止する。消
音室Ａでリード弁９の振動音が減衰され、エアク
リーナ１２内に音を伝えにくくさせる。

第３図に示すものは他の実施例であつて、二次
空気供給装置２１はエアクリーナ３２の周壁上に
下ケース２２、該下ケース２２の上に出口パイプ
２５を有する上ケース２４が配設される。下ケー
ス２２と上ケース２４とでバルブケース３７が形
成され、その内部に弁部材２７が上下方向に延伸
されたパツキン３１を介して配設される。Ｃはバ
ルブケース３５の側壁とパツキン３１との間に形
成される間隙、１６はパツキンガイドである。下
ケース２２内とエアクリーナ３２内に配設された
エレメントの内側すなわちエアクリーナ３２のク
リーンサイドとの間はパイプ３３で連結されてい
る。

（考案の効果） 以上のように本考案は、バルブケース内にリー
ド弁を基板上に載置させ、その周縁に該基板の厚
さより十分厚く上下に延伸させたパツキンを嵌着
させた弁部材をパツキン外周面とバルブケース側
壁との間に間隙を形成させて配設するとともに、
パツツキンを上ケース内のパツキンガイドで支持
させるようにしたので、リード弁の振動のうち上
下方向の振動がパツキンの厚みで減衰され、また
水平方向の振動は前記間隙で遮断される。従つて
バルブケースがビビリ音を発生し運転者に不快感
を与えない。しかもパツキンガイドの作用で、パ
ツキンが延伸されたものであるにもかかわらず、
パツキンがずれるおそれがなく、従つてシール性
を損なうことがない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の二次空気供給装置の平断面
図、第２図は本考案の弁部材の斜視図、第３図
イ、ロは他の実施例の平断面図、そして第４図は
従来の二次空気供給装置の平断面図である。 １，２１……二次空気供給装置、２，２２……
下ケース、４，２４……上ケース、６，１６……
パツキンガイド、７，２７……弁部材、８……基
板、９……リード弁、１１，３１……パツキン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 下ケースと上ケースとで形成されるバルブケー
   ス内に、通孔を設けた基板と基板上に配設され通
   孔を開閉するリード弁と基板の周縁に上下方向に
   延伸させたパツキンが嵌着されてなる弁部材を、
   二次空気が排気系のみに流れるようにリード弁を
   位置させて、前記上ケース周壁に垂設されたパツ
   キンガイドにパツキンの一端縁が挿嵌されるとと
   もにパツキンの外周面とバルブケース側壁との間
   に間隙が形成されるように配設させたことを特徴
   とする二次空気供給装置。