JP2548381Y2 - 消音器付エアクリーナ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は内燃機関などに装着され、ダストパンにレ
ゾネータを兼用させたサイクロン式のエアクリーナに関
する。

（従来の技術） 内燃機関の吸気側騒音を外部に放散させないため、エ
アクリーナに消音器を一体に取付けたものが知られてい
る。例えば実開昭58−40556号に開示された消音器付エ
アクリーナがそれである。このものは円筒状をなすエア
クリーナ本体のケーシングの側壁に空洞状の容器を取付
け、該容器に入口ダストを設けるとともにエアクリーナ
本体側の入口管管端を空洞内に開口させて挿入管型の消
音器としたものである。この例のように一般に消音器は
挿入管型、共鳴型等いずれも空洞状の空室を必要とす
る。

（考案が解決しようとする課題） 上記のような消音器はエアクリーナに一体に取付ける
と、空洞状の部分がエアクリーナケーシング本体から突
出して占有容積が大となり、自動車に搭載する場合など
レイアウト上スペースの確保が困難となり取付けに支障
を生ずることがある。

（課題を解決するための手段） 入口管、出口管が設けられた円筒状ケーシングの内部
にフィルタエレメントを収納したサイクロン式のエアク
リーナの下端部に、仕切板を介してダストパンが設けら
れるものにおいて、仕切板のダスト取入口に一端側開口
が接続され、他端側をダストパン内に開口するとともに
ボディ内の空気の旋回方向と同じ向きにダストパンの側
壁内面に沿って形成されたエアダクトをダストパン内に
設けたものである。

（作用） 上記のエアクリーナはケーシングの側壁内面に沿って
流入する空気から分離したダストが仕切板のダスト取入
口に入り、ダストパンの側壁内面に沿って形成されたエ
アダクトを通ってダストパン内へ取込まれ、再びボディ
内に戻ることがなく、確実にダストパン内にとどまる。
このときダストパンはその空洞状の内部がダスト取入口
とエアダクトを介して流入空気の流れに通じているか
ら、共鳴室となり、レゾネータとして消音作用をする。

（実施例） 第１図のサイクロン式のエアクリーナ１は、円筒状の
側壁に空気流に旋回流を与える接線方向の入口管２を設
け、上部閉塞端に出口管３を設けたボディ４の内部にフ
ィルタエレメント５を収容し、ボディ４の下端をダスト
取入口11を有する仕切板６を介してダストパン７で閉塞
してなる。ボディ４とダストパン７とはクリップ８で結
合されてケーシング９を形成する。フィルタエレメント
５の下端板5aが、ボディ４の上端に取付けたＵ字状のブ
リッジ10に蝶ナット10aで螺着される。仕切板６には第
２図に示すように長円形のダスト取入口11が設けられ、
ダストパン７内に断面長円形のエアダクト12が設けられ
てその一方端はダスト取入口11に接続され、他方端12a
はダストパン７内に開口している。エアダクト12は、ダ
ストパン７の側壁内面に沿って、ボディ４内の空気の旋
回方向と同じ向きになるように、ダスト取入口11から進
行し、他方端12aをダストパン７の底壁に対向させて下
向きに開口させる。エアダクト12の長さは予め実験又は
計算で求めた消音効果上の最適値に設定される。

エアダクトは第３図（イ）（ロ）に示すエアダクト22
のように仕切板６の下面とダストパン７の側壁内面とに
沿わせて設けたダクトとし、その底壁22bをスロープを
なして下降する傾斜面とし、他方端の開口22aを横向き
に設けてよい。第２図のエアダクト12ではエアダクトの
長さを十分にとることが容易であるが下端面12aがダス
トパン７の底壁に接近しすぎると、ダスト取込み機能が
低下するおそれがある。第３図のエアダクト22は長さの
割にダストパン底壁への接近量が少ないので上記のおそ
れがない。またダクト底壁のスロープによりダストのダ
ストパン内への進入にも支障を生じない。

第４図に他の実施例を示す。この例の仕切板16は中央
にホールフランジを設けた開口16aを有し、ホールフラ
ンジの上端部に環状のゴム製振れ止め16bが取付けられ
ている。振れ止め16bは、フィルタエレメント５の下端
板5aの中央凹部に当接し、あるいは近接した位置になる
ように設けられ、ブリッジ10に吊持されているフィルタ
エレメント５の振動を防ぐものである。この仕切板26の
ダスト取入口11に接続されるエアダクトは、第２図のエ
アダクト12、または第３図のエアダクト22である。仕切
板16に開口16aがあっても、フィルタエレメント５の下
端板5aと振れ止め16bとの間が閉鎖され、あるいは隙間
が狭くなっているので、この場合にもオイルパン７は共
鳴室として十分な作用をし、有効なレゾネータとなるこ
とが実験上確かめられている。

（考案の効果） この考案はサイクロン式のエアクリーナのケーシング
のボディとダストパンを区切る仕切板のダスト取入口に
ボディ内の空気の旋回方向と同じ向きにダストパンの側
壁内面に沿って形成されたエアダクトを取付けたので、
ダストパンがレゾネータとして作用し消音器となる。従
ってエアクリーナ本体に突出する容器部分を設けること
なく消音器付のエアクリーナを小型化することができ、
車両搭載にあたり占有スペースが少く有利である。また
消音器をほとんど費用の増加なく設けることができる。
また、エアダクトの流路が長くしかもダストの旋回半径
もボディ内での旋回半径に対して変化することがないの
で、ダストの分離効率の向上がはかれ、ダクトの長さも
自由に設定できるので、減衰させたい所望の周波数に設
定することが容易にできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は実施例の断面図、第２図はそのエアダクトの
図、第３図（イ）（ロ）は他のエアダクトの図、第４図
は他の実施例の要部の図である。 ２……入口管、３……出口管 ５……フィルタエレメント ６、16……仕切板、７……ダストパン ９……ケーシング、11……ダスト取入口 12、22……エアダクト

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】円筒状の側壁に入口管、上部閉塞端に出口
   管を設け、下部をダスト取入口を有する仕切板を介して
   ダストパンで閉塞したケーシング内に、円筒状のフィル
   タエレメントを収納したサイクロン式のエアクリーナに
   おいて、一端側の開口が仕切板のダスト取入口に接続さ
   れ、他端側がダストパン内に開口するとともにボディ内
   の空気の旋回方向と同じ向きにダストパンの側壁内面に
   沿って形成されたエアダクトをダストパン内に設けてな
   るサイクロン式の消音器付エアクリーナ。