JPH0539737Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ この考案は、コイン貸出機などに組み込まれる
コイン送出装置に関する。

＜従来の技術＞ 例えばスロツトマシンなどが設置してある遊技
場では、その適所にコイン貸出機が配置してあ
る。コイン貸出機は、ケース内部にコイン送出装
置が設けられ、遊技者が貨幣を投入すると、投入
金額に応じた枚数のコインが送出される。前記コ
イン送出装置は、ケース内の取付基板上に取り付
けられ、ホツパー内のコインを取り込んで順次送
り出すコイン送り機構部と、送り出された各コイ
ンを取付基板に開口したコイン送出口へ順次導く
コイン導出機構部とで構成されている。コイン導
出機構部は、回転板の周面に１枚ずつのコインを
受け容れて支持する複数の開口部を備えた構造の
ものであり、各開口部が前記コイン送出口の上方
位置を通過するよう回転板が位置決めされてい
る。

前記コイン送出口は、ケース前面に設けられた
コイン放出口に連通しており、従つて遊技客はコ
イン放出口へのコインの放出を待つてそのコイン
を取り出し、所定のゲームを開始するものであ
る。

＜考案が解決しようとする問題点＞ 上記構成のコイン貸出機において、遊技客によ
つては、貨幣の投入後にコイン放出口より手を差
し入れ、コイン送出口よりコインが送出されるの
を待ち受けることがある。

このような場合に、手の上に溜まつたコインが
コイン送出口の近傍に停滞することになり、これ
が回転板の開口部よりコインが落下することの障
害となる。このため回転板の開口部にコインが嵌
まつたままコイン送出口を通過して回り込み、取
付基板と回転板との間にコイン詰まりが発生する
などの問題がある。

この考案は、上記問題に着目してなされたもの
で、コイン送出口の近傍に簡単な構成を付加する
ことにより、コイン詰まりの発生を防止したコイ
ン送出装置を提供することを目的とする。

＜問題点を解決するための手段＞ この考案のコイン送出装置は、ケース内の取付
基板上に、ホツパー内のコインを取り込んで順次
送り出すコイン送り機構部と、送り出された各コ
インを取付基板に開口したコイン送出口へ順次導
くコイン導出機構部とが設けられている。前記コ
イン導出機構部は、回転板の周面に複数の爪片を
突設して、隣合う爪片間に１枚のコインを受け容
れて支持する複数の開口部が形成されるととも
に、各開口部が前記コイン送出口の上方位置を通
過するよう回転板が位置決めされている。前記コ
イン送出口の近傍であつてコイン送出口に対する
回転板の回転下流位置には、コインの回り込みを
阻止するストツパーが、その先端が前記爪片の回
転軌跡には達しないが、コインの通過軌跡には達
するよう配備されている。

＜作用＞ 貨幣の投入により、投入金額に応じた枚数のコ
インの送出動作が開始されるもので、コイン送り
機構部がホツパー内のコインを取り込んで順次送
り出し、コイン導出機構部が各コインをコイン送
出口へ順次導いて送り出す。

もし仮に遊技客がコイン送出口まで手を伸ば
し、手の上に溜まつたコインがコイン送出口の近
傍に停滞した場合、それが回転板の開口部よりコ
インが落下することの障害となるが、前記ストツ
パーの存在によつて、コインが回転板の開口部に
嵌まつたままコイン送出口を通過することはな
い。従つてコインの回り込みにより取付基板と回
転板との間にコイン詰まりが発生する虞はない。

＜実施例＞ 第１図は、この考案のコイン送出装置が組み込
まれたコイン貸出機を示すもので、縦長形状をな
す箱状ケース１の前面に、コイン補給口２、硬貨
投入口３、３個の表示ランプ４，５，６、コイン
放出口７、コイン放出枚数表示器８、紙幣投入口
９などが設けられている。

コイン補給口２は、ケース１内のホツパーへコ
インを補給するための部分であり、このコイン補
給口２には錠１０を備えた蓋板１１が開閉自由に
取り付けてある。硬貨投入口３や紙幣投入口９は
コインの貸出を受けるに必要な金額の貨幣を投入
するための部分であり、コイン放出口７は投入貨
幣の金額に応じた枚数のコインを放出するための
部分である。コイン放出枚数表示器８はコイン放
出口７へ放出されたコインの枚数を数字で表示す
る。

３個の表示ランプ４，５，６は、例えば発光ダ
イオードにより構成され、第１の表示ランプ４は
コインの貸出が停止状態にあるときに点灯し、ま
た第２の表示ランプ５はコインの貸出を行つてい
るときに点灯する。さらに第３の表示ランプ６は
コイン不足の状態に至つてコインの補給時期がき
たときに自動点灯する。

このコインの補給はコイン補給口２から行わ
れ、このコイン補給口２は、第２図に示す如く、
ケース内部の補助ホツパー１２を経てコイン送出
装置１３のホツパー１４に連通している。このホ
ツパー１４は多数枚のコインを収容し、コイン送
出装置１３が作動するとき、ホツパー１４内のコ
インが１枚ずつ送り出されてコイン放出口７へ放
出される。

コイン送出装置１３は、第２図および第３図に
示す如く、ケース１内の取付基板１５上に取り付
けられ、ホツパー１４内のコインを取り込んで順
次送り出すコイン送り機構部１６と、送り出され
た各コインを取付基板１５に開口したコイン送出
口１８へ順次導くコイン導出機構部１７と、各機
構部１６，１７を作動させるモータ駆動部１９と
から構成されている。

コイン送り機構部１６は、第１の回転板２０に
複数の円形孔２１，２１を円陣に設けて、各円形
孔２１にホツパー１４内のコイン２２を取り込む
構造のものである。各円形孔２１の通過路には、
円形孔２１に嵌まつたコイン２２をコイン導出機
構部１７の方向へ送り出すためのガイド部材２
３，２４が配備してあり、コイン送り機構部１６
を脱出したコイン２２はコイン導出機構部１７へ
取り込まれる。なお回転板２０はガイド部材２
３，２４の存在によりその回転が阻害されること
がないようその下面の構造が工夫されていること
は勿論である。

コイン導出機構部１７は、第２の回転板２５の
周面に回転方向ａへ曲がる複数の爪片２６を突設
して、隣合う爪片２６，２６間に１枚のコイン２
２を受け容れるための複数の開口部２７を形成し
た構造のものである。この第２の回転板２５と第
１の回転板２０とはモータ駆動部１９により同期
回転せられ、第１の回転板２０よりコイン２２が
送り出されたとき、第２の回転板２５の爪片２６
がそのコイン２２を開口部２７内に引き込んで支
持するようにタイミングの設定がなされている。
開口部２７内のコイン２２は、爪片２６先端の鉤
状部にて係止され、回転方向ａに半周してコイン
送出口１８へ導かれる。

この回転板２５は、各開口部２７がコイン送出
口１８の上方位置を通過するよう位置決めされて
おり、従つて開口部２７内のコイン２２は取付基
板１５上に支持されて半周移動し、コイン送出口
１８に至つて、下方へ転落する。

このコイン送出口１８の直下にはコイン放出口
７が連通させてあり、落下したコインはこのコイ
ン放出口７へ放出されて収容される。

前記第２の回転板２５の近傍には、放出コイン
の枚数を検出するためのマイクロスイツチ２８が
配備してあり、開口部２７内のコイン２２がレバ
ー２９の先端を押して揺動させたとき、そのレバ
ー２９の基端がマイクロスイツチ２８をオンし
て、計数のための信号が生成される。

前記コイン送出口１８の近傍、すなわちコイン
送出口１８に対して回転板２５の回転下流位置に
は、コイン２２の回り込みを阻止するためのスト
ツパー３０が配備してある。同図の場合、回転板
２５に対応する厚みの金属板３１をコイン送出口
１８の一方開口縁に取り付け、金属板３１の一端
に回転板２５の方向へ突出するストツパー３０を
形成している。このストツパー３０は、その先端
が回転板２５の爪片２６の回転軌跡には達しない
が、開口部２７内のコインがコイン送出口１８を
通過したときは、そのコインの通過軌跡には達す
るように突出長さが設定してあり、これにより通
過コインはストツパー３０に突き当たり、取付基
板１５上に乗り上げるのが阻止されることなる。

上記構成のコイン貸出機において、硬貨投入口
３または紙幣投入口９へ貨幣が投入されると、コ
イン送出装置１３のコイン送り機構部１６はホツ
パー１４内のコインを取り込んで順次送り出すと
共に、コイン導出機構部１７は各コインをコイン
送出口１８へ順次導いて送出し、その結果、コイ
ン放出口７には投入金額に応じた枚数のコインが
放出される。

このコイン送出動作時に、仮に遊技客がコイン
放出口７より手を差し入れてコイン送出口１８ま
で手を伸ばした場合、手の上に送出されたコイン
２２が溜まつてコイン送出口１８の近傍に停滞す
ることになる。この停滞コインは、コイン導出機
構１７における回転板２５の開口部２７よりコイ
ン２２が落下することの障害となるが、ストツパ
ー３０が存在しているから、回転板２５の開口部
２７にコイン２２が嵌まつたままコイン送出口１
８を通過して取付基板１５上に乗り上げることは
なく、コイン２２の回り込みにより取付基板１５
と回転板２５との間にコイン詰まりが発生する虞
はない。

＜考案の効果＞ この考案は上記の如く、コイン送出口に対する
回転板の回転下流位置に、コインの回り込みを阻
止するためのストツパーを配備したから、仮にコ
イン送出口の近傍にコインの停滞が生じて回転板
よりコインが落下することの障害となつたとして
も、コインがコイン送出口を通過して回り込むこ
とはなく、取付基板と回転板との間にコイン詰ま
りが生じるのが阻止されるなど、考案目的を達成
した顕著な効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案のコイン送出装置が用いられ
たコイン貸出機の正面図、第２図はコイン貸出機
の内部構造を示す側面図、第３図はコイン送出装
置の構成を示す平面図である。 １……ケース、１５……取付基板、１６……コ
イン送り機構部、１７……コイン導出機構部、１
８……コイン送出口、２５……回転板、２７……
開口部、３０……ストツパー。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ケース内の取付基板上に、ホツパー内のコイン
   を取り込んで順次送り出すコイン送り機構部と、
   送り出された各コインを取付基板に開口したコイ
   ン送出口へ順次導くコイン導出機構部とが設けら
   れ、前記コイン導出機構部は、回転板の周面に複
   数の爪片を突設して、隣合う爪片間に１枚のコイ
   ンを受け容れて支持する複数の開口部が形成され
   るとともに、各開口部が前記コイン送出口の上方
   位置を通過するよう回転板が位置決めされて成る
   コイン送出装置において、 前記コイン送出口の近傍であつてコイン送出口
   に対する回転板の回転下流位置には、コインの回
   り込みを阻止するストツパーが、その先端が前記
   爪片の回転軌跡には達しないが、コインの通過軌
   跡には達するよう配備されて成るコイン送出装
   置。