JPH0539432Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、穀物を乾燥するための穀物乾燥機に
関し、特に乾燥のための送風を制御するための整
風装置に関する。

（従来技術） 従来、乾燥塔の側壁に給気フードと排気フード
を取り付け、給気フードから供給された乾燥用空
気を乾燥塔内の穀物粒の間を通して排気フードに
排出するように設けた穀物乾燥機がある。

（考案が解決しようとする問題点） 従来の穀物乾燥機において、穀物の張込量によ
つて乾燥塔の中を乾燥空気が排気フードの中や、
機外に飛散し、効率が悪いものであつた。

本考案にあつては、穀物の張込量によつて乾燥
塔の中を乾燥空気が効率よく通過し、かつ穀物が
排気フードの中や、機外に飛散しないように、か
つまた穀物投入時（最初の穀物充填時）に発生す
る粉塵を効率よく補捉し、機外にも洩れないよう
にした堅形穀物乾燥機の整風装置を提供すること
を目的とするものである。

（問題を解決するための手段） 本考案は、上記問題点を解決するために、乾燥
塔１の二側壁面１ａ，１ｂに夫々給気孔２，２…
と排気孔３，３…を有し、前記側壁面の外側に給
気フード４と排気フード５を備えた穀物乾燥機に
おいて、前記排気孔の一つにひさし６を設け、前
記排気フード５の内部にダンパー７を、開放位置
Ａと、前記ひさし６の先縁に接する位置Ｂと、排
気フード５内を上下に画成する位置Ｃと、前記排
気フード５に接続した排気ダクト８の一部を閉塞
する位置Ｄとを選択的にとれるように、回動自在
に枢着したことを特徴とする穀物乾燥機の整風装
置としたものである。

（作用） 本考案は、乾燥塔１内に充填した穀物の量によ
りダンパー７を操作して整風を行うことができ
る。

まず、乾燥塔１内に穀物が充満している時はダ
ンパー７をＡ点に位置させて排気ダクト８内の排
気フアン９を回転して乾燥塔１内の空気を全排気
孔３，３…を通して吸引して、乾燥を進める。

次に、穀物の充填量が減少して来たときはダン
パー７をＢ点に回転し、ダンパー７の先端とひさ
し６とを整合する。最上部の排気孔３のレベルに
穀物が堆積していなくとも、空気の流れを穀物層
内を効率よく通すことができる。

更に、穀物の堆積レベルがＣ点より下つた場合
はダンパー７をＣ点に回転して乾燥を続ける。

ダンパー７をＤ点に移動させる場合は、ダンパ
ー７によつて排気ダクト８の一部が閉塞されるの
で、排気ダクト８の開口面積が小さくなり、この
位置での効率は熱風を吸引する場合でも圧送する
場合でも排風に抵抗がかかり、その分だけ風量が
少なくなる。すなわち、乾燥塔の穀物を投入する
初期においては排気樋も給気樋も穀物に埋もれて
いないので、送風がないと（吸引でも圧送でも）
熱風供給口の方から粉塵が出てくることになり、
また、乾燥時のように強い風を送風すると排気樋
から穀物が排気樋の中や、集塵庫や、機外に飛散
することにもなる。そこで、ダンパー７で抵抗を
与えてやることによつて、送風空気を少くし、穀
物の飛散を防止し、粉塵を排気ダクトへ集めるこ
とができ集塵効果を上げることができる。

（実施例） 本考案の実施例を添附図面によつて説明する。

第３図、第４図に、堅形穀物乾燥機の全体を示
している。穀物乾燥機は乾燥塔１と、その二つの
側壁１ａ，１ｂに取付けた給気フード４と排気フ
ード５と、給気フード４に接続した熱風供給口１
０と、排気フード５に接続した排気ダクト８とか
ら構成されている。乾燥塔１の二つの側壁１ａ，
１ｂには複数の給気孔２，２…と複数の排気孔
３，３…とが穿設されており、また給気孔２，２
…および排気孔３，３…には、夫々乾燥塔１内に
延びる樋状体を逆さにした状態の給気樋２ａ，２
ａ…および排気樋３ａ，３ａ…が取付けられてい
る。

乾燥塔１の上部には給気孔および排気孔は穿設
されていない。

給気孔２および排気孔３が穿設された側壁面を
覆つて給気フード４と排気フード５が取付けられ
ている。中間に位置する排気孔３，３…にはひさ
し６を排気フード５に向けて突設する。給気フー
ド５の熱風供給口１０には適宜の熱風装置が接続
される。

排気フード５に接続された排気ダクト８内には
排気フアン９が取付けられており、また排気ダク
ト８近傍の排気フード５の内壁にはダンパー７が
水平軸１２で回転自在に取付けられている。ダン
パー７は手動または電動手段で、第１図、第２図
で示すＡ，Ｂ，Ｃ，Ｄのポジシヨンをとる。

Ａ位置では、穀物が乾燥塔１に充満された状態
（第４図のイの状態）にあるときは吹き抜けもな
いので、ダンパー７は風を規制しない位置にあ
る。

穀物が、乾燥塔１内の充填レベルが第４図のロ
の状態にあるとき、最上部の排出孔３は穀物堆積
層の上面に開くので、この状態では、ダンパー７
を傾倒し、ひさし６の先縁と整合させる。ひさし
６を有する排出孔３より上方では乾燥空気が流入
して来ても排気がないので、乾燥塔内の穀物の間
を通つて排気フード５の中に排出される。また、
穀物のレベルが、第４図のハの位置にあるとき
は、ダンパー７を水平位置に傾倒する。この位置
ではダンパー７は乾燥塔１の側壁１ｂに接し、排
気フード５内を上下に画成する。穀物のレベルが
下つても吹き抜けを防止することができる。

（効果） 本考案は上記構成からなるものであるから、ダ
ンパーの位置によつて無駄な空気の吹き抜けを防
止することができ、かつ、穀物投入時の集塵も一
台の送風機で可能とすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の排風フード内の要部縦断面
図、第２図はダンパーの位置の説明図、第３図は
本考案の穀物乾燥機の一部切欠縦断面図、第４図
は第３図の右側面図である。 １……乾燥塔、３……排気孔、４……給気フー
ド、５……排気フード、６……ひさし、７……ダ
ンパー、８……排気ダクト、９……排気フアン。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 乾燥塔の二側壁面に夫々給気孔と排気孔を有
   し、前記側壁面の外側に給気フードと排気フード
   を備えた穀物乾燥機において、 前記排気孔の一つにひさしを設け、前記排気フ
   ードの内部にダンパーを、開放位置と、前記ひさ
   しの先縁に接する位置と、排気フード内を上下に
   画成する位置と、前記排気フードに接続した排気
   ダクトの一部を閉塞する位置とを選択的にとれる
   ように、回動自在に枢着したことを特徴とする穀
   物乾燥機の整風装置。