JPH053933Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はたとえば自動車などに装備される速度
計・回転計などのヒゲバネを具備する指示計器、
特に指示計器のヒゲバネ調整構造の改良に関す
る。

〔従来の技術〕

一般にこの種の指示計器は第７図のようにコ字
状に折曲形成された計器フレーム１の底部に軸受
部材２を介して回転軸３が回転自在に支承保持さ
れ、この回転軸３の上端には磁石４および導磁体
５が固着され、回転軸３は車輛からの回転をフレ
キシブルケーブル（図示せず）を介して回転駆動
するように形成している。

計器フレーム１の開口側には計器フレーム１の
一部を構成するプレート６が架設され、このプレ
ート６の中央に上側軸受７を形成すると共に、回
転軸３の上端中央に下側軸受８を形成して両軸受
７，８により指針軸９を軸支している。この指針
軸９の下端側には回転軸３に固着した磁石４と対
向して配設してなる誘導板１０を固着し、かつ上
端には指針１１を圧入固定している。

プレート６の両側には一対の取付ボス部１２が
配置され、その取付ボス部１２には文字板１３が
載置されビス１４により文字板１３と取付ボス部
１２とをプレート６に締付固定している。この場
合上記取付ボス部１２の高さ寸法によつて文字板
１３と計器フレーム１のプレート６とのクリアラ
ンスを設定し、計器フレーム１のプレート６の上
方に配設される指示計器の部品たとえばヒゲバネ
１５の取り付け高さ寸法、あるいは図示しない積
算計などの寸法を考慮して取付ボス部１２の高さ
寸法を設定するようにしている。指針軸９の回動
を制御するヒゲバネ１５の内端をヒゲ玉１６に固
定し、このヒゲ玉１６を指針軸９に圧入係着し、
ヒゲバネ１５の外端をヒゲバネ調整部材１７に固
定し、このヒゲバネ調整部材１７をプレート６上
に指針軸９を軸芯として回動可能に支承してい
る。

従つて、車輛からの回転は図示しないフレキシ
ブルケーブルを介して回転軸３に伝達され、回転
軸３と共に磁石４および導磁体５が回転し、その
磁石４の回転運動により発生する渦電流作用を誘
導板１０へ導き、磁石４の回転と比例した回転ト
ルクをヒゲバネ１５の弾性力と均衡させて指針軸
９を角回動し、指針軸９に取り付けられた指針１
１を文字板１３の目盛や数値と対比判読して計測
表示している。

ところで、プレート６の上部に取付ボス部１２
を介して文字板１３を配設しているためヒゲバネ
調整部材１７は一対の取付ボス部１２の間隔に納
まるように配設されている。なお取付ボス部は文
字板と一体に形成してもよい。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ヒゲバネ調整部材１７がプレート６と文字板１
３間において一対の取付ボス部１２の間に納まる
ように配設されているため、ヒゲバネ調整部材１
７を外部から回動操作することが困難であり、ま
たプレート６の巾より外方に突出すると積算計部
品に接触して損傷するといつた面を有していた。

これに対し、ヒゲバネ調整部材を構成する端子
部の外方にアーム部を設けることによつて、この
ヒゲバネ調整部材を外部から回動操作できるもの
が、実開昭56−54412号に開示されている。しか
しながら、これはアーム部の操作によつてヒゲバ
ネ調整部材が指針軸の軸芯を中心として任意の位
置に回動するものであるため、アーム部の移動範
囲が定まらなくなつて微調整が極めて困難にな
り、さらに、アーム部の位置によつては、他の外
付部品などに接触して損傷を起こす虞れがあつ
た。

〔考案の目的〕

本考案の目的とするところは、ヒゲバネ調整部
材の回動操作を容易に行うことができ、かつ回動
範囲を所定の範囲内で規制できる指示計器を提供
して上記欠点を除去するにある。

〔考案の概要〕

本考案は、計器フレームに設けられた上，下側
の軸受に指針軸を軸支することにより指針軸を含
む計器可動部を計器フレームに配設し、上記計器
フレームのプレート上に取付ボス部からなる固定
部品を介して文字板を取り付け固定するととも
に、上記プレート上で上記計器フレームとプレー
トとを止ビスからなる固定部品によつて取り付け
固定し、上記プレートに上記上側軸受を設け、上
記文字板とプレートとの間に位置したプレート上
に指針軸の軸芯を中心にしてヒゲバネ調整部材を
回動可能に支承し、上記指針軸にヒゲバネの内端
を固定し、その外端を上記ヒゲバネ調整部材に固
定し、駆動源からの駆動トルクを上記ヒゲバネの
弾性による抑制力によつて均衡させて上記指針の
指示動作を行うようになしたものにおいて、上記
ヒゲバネ調整部材には穴を設け、いずれか１つの
上記固定部品の側面部分が上記穴の縁部に当接規
制され、かつ、上記ヒゲバネ調整部材の操作側端
部を上記固定部品より外方に突出するとともに、
操作側端部に設けた操作レバー部を前記プレート
より外方位置まで突き出し配設することにより、
ヒゲバネ調整操作が容易であり、かつ穴の縁部に
より調整範囲が規制される。

〔考案の実施例〕

第１図〜第５図において、折曲形成された計器
フレーム２１の底部に軸受部材２２を介して回転
軸２３が回転自在に支承保持され、この回転軸２
３の上端には磁石２４および導磁板２５が固着さ
れ、回転軸２３は車輛からの回転をフレキシブル
ケーブル（図示せず）を介して回転駆動するよう
に形成している。計器フレーム２１の開口側には
計器フレーム２１の一部を構成するプレート２６
が架設され、このプレート２６の中央に上側軸受
２７を形成すると共に、回転軸２３の上端中央に
下側軸受２８を形成して両軸受２７，２８により
指針軸２９を軸支している。

プレート２６の両側部には貫通孔３０ａを有す
る一対の取付ボス部３０が配置されていると共に
その取付ボス部３０には文字板３１が載置され、
ビス３２を文字板３１と取付ボス部３０の貫通孔
３０ａに挿入しかつプレート２６に螺着して文字
板３１と取付ボス部３０をプレート２６に締付固
定している。この場合取付ボス部３０によつて計
器フレーム２１上に取り付けられる文字板３１の
高さを設定している。指針軸２９の下端側には回
転軸２３に固着した磁石２４と対応して誘導板３
２を固着しかつ上端には指針３８を圧入固定して
いる。ヒゲバネ３４の内端をヒゲ玉３５に固定
し、このヒゲ玉３５をプレート２６の上方位置に
おいて指針軸２９に圧入固定し、その外端をプレ
ート２６の上面で指針軸２９を軸芯として回動可
能に支承したヒゲバネ調整部材３６に固定してい
る。

従つて、車輛からの回転はフレキシブルケーブ
ルを介して回転軸２３に伝達され、回転軸２３と
共に磁石２４および導磁体２５が回転し、その磁
石２４の回転運動によつて発生する渦電流作用を
誘導板３２へ導き、磁石２４の回転と比例した回
転トルクが誘導板３２へ作用し、この誘導板３２
の回転トルクをヒゲバネ３４の弾性力と均衡させ
て指針軸２９を角回動し、指針軸２９に取り付け
られた指針３３への回転変化をプレート２６の上
方に配置した文字板３１の目盛や数値と対比判読
して計測表示している。

ところで、上記ヒゲバネ調整部材３６には第１
図〜第３図の第１実施例のようにプレート２６上
に組み付けられる固定部品、例えば上記取付ボス
部３０を挿入する穴３７が形成され、その穴３７
の切り欠き巾は取付ボス部３０の巾よりも大きな
巾に形成されていると共に、ヒゲバネ調整部材３
６の操作側端部Ａが少なくとも固定部品である取
付ボス部３０より外方例えば第１図、第２図では
プレート２６より外方位置まで突出する操作レバ
ー部３８によつて形成されている。上記穴３７の
ヒゲバネ調整部材３６の回動方向側縁部を回動範
囲の位置規制部３９としている。この場合位置規
制部３９は垂直壁により形成している。

第４図、第５図のように取付ボス部３０の下端
部にはプレート２６に向かつて突出した先端が鉤
状の係合部４０が対をなして形成されていると共
にプレート２６には上記係合部４０が嵌め込まれ
る係合孔４１が設けられており、その係合部４０
を係合孔４１に押入することによつて取付ボス部
３０が仮止め保持され、このように仮止めされた
取付ボス部３０上に文字板３１を載置してビス３
２により締付固定できるものである。

このため、この第１実施例ではヒゲバネ調整部
材３６はプレート２６と文字板３１との狭い所で
取付ボス部３０に邪魔されながら調整する必要が
なく、少なくとも固定部品である取付ボス部３０
より外方位置まで突出し、かつプレート２６より
外方位置まで突き出し配設された操作側端部Ａの
操作レバー部３８を把持して簡単にヒゲバネ３４
の調節を行うことができ、しかも、ヒゲバネ調整
部材３６の回動は取付ボス部３０が度当りとなつ
て穴３７の側縁部による位置規制部３９と、プレ
ート２６上に取り付けられる固定部品である取付
ボス部３０の係合によつてヒゲバネ調整部材３６
が積算計の対をなす文字車４２の駆動ギア４３等
と接触しない範囲に規制でき安心して調節操作で
きることになる。

第６図は第２実施例を示しており、上述した第
１実施例と同一部分には同一符号を用いて説明す
ると、ヒゲバネ調整部材３６には、プレート２６
上に組み付けられる取付ボス部３０からなる固定
部品を挿入する穴３７と、上記プレート２６上で
上記計器フレーム２１とプレート２６とを固定す
る止ビス４４からなる固定部品を挿入する穴３７
ａとを設けてあり、プレート２６より外方に突出
形成した操作レバー部３８を操作することによつ
て取付ボス部３０と止ビス４４の固定部品の少な
くとも一方と穴３７，３７ａの縁部によつて回動
規制できるように形成している。

〔考案の効果〕

本考案は、計器フレームに設けられた上，下側
の軸受に指針軸を軸支することにより指針軸を含
む計器可動部を計器フレームに配設し、上記計器
フレームのプレート上に取付ボス部からなる固定
部品を介して文字板を取り付け固定するととも
に、上記プレート上で上記計器フレームとプレー
トとを止ビスからなる固定部品によつて取り付け
固定し、上記プレートに上記上側軸受を設け、上
記文字板とプレートとの間に位置したプレート上
に指針軸の軸芯を中心にしてヒゲバネ調整部材を
回動可能に支承し、上記指針軸にヒゲバネの内端
を固定し、その外端を上記ヒゲバネ調整部材に固
定し、駆動源からの駆動トルクを上記ヒゲバネの
弾性による抑制力によつて均衡させて上記指針の
指示動作を行うようになしたものにおいて、上記
ヒゲバネ調整部材には穴を設け、いずれか１つの
上記固定部品の側面部分が上記穴の縁部に当接規
制され、かつ上記ヒゲバネ調整部材の操作側端部
を上記固定部品より外方に突出するとともに、操
作側端部に設けた操作レバー部を前記プレートよ
り外方位置まで突き出し配設してなるため、固定
部品より外方に突出し、かつプレートより外方位
置まで突き出し配設された操作レバー部によつて
固定部品に邪魔されることなく簡単にヒゲバネ調
整部材の回動操作を行うことができ、しかも規制
部と固定部品との係合によるヒゲバネ調整部材の
回動範囲の規制によつて外付部材などを損傷する
虞れもなくその効果は大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第５図はこの考案の第１実施例であ
り、第１図は断面図、第２図は平面図、第３図は
要部の斜視図、第４図は取付ボス部の断面図、第
５図は取付ボス部の分解斜視図、第６図は第２実
施例の平面図、第７図は従来の断面図である。 ２１……計器フレーム、２３……回転軸、２６
……プレート、２９……指針軸、３０……取付ボ
ス部（固定部品）、３１……文字板、３２……ビ
ス、３４……ヒゲバネ、３６……ヒゲバネ調整部
材、３８……操作レバー部、３９……位置規制
部、４４……止ビス（固定部品）、Ａ……操作側
端部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 計器フレームに設けられた上，下側の軸受に指
   針軸を軸支することにより指針軸を含む計器可動
   部を計器フレームに配設し、上記計器フレームの
   プレート上に取付ボス部からなる固定部品を介し
   て文字板を取り付け固定するとともに、上記プレ
   ート上で上記計器フレームとプレートとを止ビス
   からなる固定部品によつて取り付け固定し、上記
   プレートに上記上側軸受を設け、上記文字板とプ
   レートとの間に位置したプレート上に指針軸の軸
   芯を中心にしてヒゲバネ調整部材を回動可能に支
   承し、上記指針軸にヒゲバネの内端を固定し、そ
   の外端を上記ヒゲバネ調整部材に固定し、駆動源
   からの駆動トルクを上記ヒゲバネの弾性による抑
   制力によつて均衡させて上記指針の指示動作を行
   うようになしたものにおいて、上記ヒゲバネ調整
   部材には穴を設け、いずれか１つの上記固定部品
   の側面部分が上記穴の縁部に当接規制され、かつ
   上記ヒゲバネ調整部材の操作側端部を上記固定部
   品より外方に突出するとともに、操作側端部に設
   けた操作レバー部を前記プレートより外方位置ま
   で突き出し配設したことを特徴とする指示計器。