JPH0539289A - 無水マレイン酸誘導体およびその製造方法 - Google Patents

無水マレイン酸誘導体およびその製造方法

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JPH0539289A
JPH0539289A JP2237691A JP2237691A JPH0539289A JP H0539289 A JPH0539289 A JP H0539289A JP 2237691 A JP2237691 A JP 2237691A JP 2237691 A JP2237691 A JP 2237691A JP H0539289 A JPH0539289 A JP H0539289A
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JP2237691A
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Masahiro Irie
正浩 入江
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 下記一般式〔V〕、〔VI〕、〔VII 〕または
〔VIII〕で表わされる無水マレイン酸誘導体およびその
製造方法。 〔式中、Xは酸素原子または置換されていてもよい窒素
原子、Yは−O−、−S−または−NR−、Zは−O
−、−S−または−NR−、R〜R、R〜R
はアルキル基、アルコキシ基など、RおよびRは水
素原子、(置換)アルキル基などを示す〕 【効果】 上記の無水マレイン酸誘導体は、光照射によ
り色変化がおき、別の波長の光を照射すると元の状態に
戻る性質を有することから、フォトンモードで高特性の
可逆的記録が可能な光学記録材料を提供することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な非対称構造の無
水マレイン酸誘導体およびその製造方法に係り、詳しく
は1位及び2位に光照射によって環化し、シクロヘキサ
ジエン環を形成してその光学的性質を変化せしめるよう
な非対称の複素環を有する無水マレイン酸誘導体および
その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、フォトクロミック化合物を光学記
録材料として用いようとする研究が盛んに行なわれてい
る。フォトクロミック化合物を光学記録材料として用い
るには、次の条件が満足されることが必要とされる。
【0003】 半導体レーザー感受性を備えること。
即ち、発色種(閉環体)の吸収波長が650nm以上に
あること。 非破壊読み出し機能を有すること。 記録が熱的に安定であること。 繰り返し耐久性に優れること。 高い感度を有すること。
【0004】先に、本発明者は上記問題点のうち上記
の半導体レーザー感受性及びの繰り返し耐久性を改良
したフォトクロミック化合物として、下記ビスインドー
ル系化合物を提案した。
【0005】
【化4】
【0006】その他のフォトクロミック化合物として、
下記ジベンゾチオフェン系化合物も提案されている。
【0007】
【化5】
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記フォトクロミック
化合物のうち、〔A〕のビスインドール系化合物は記録
材料で特に重要なの記録の熱安定性が劣るという問題
点があった。
【0009】一方、〔B〕のジベンゾチオフェン系化合
物は、の記録の熱安定性は優れるが、発色種(閉環
体)の吸収波長は短かくの半導体レーザー感受性に問
題があった。
【0010】本発明は上記従来の問題点を解決し、光学
記録材料に特に重要な要求特性を満足するフォトクロミ
ック化合物を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の要旨は、
下記一般式〔I〕で表わされる無水マレイン酸誘導体お
よびその製造方法に存する。
【0012】
【化6】
【0013】(一般式〔I〕において、AおよびBは同
一の置換基を表わすことはなく、Aは置換基〔i〕また
は〔ii〕(置換基〔i〕および〔ii〕において、R1
アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子またはトリフ
ルオロメチル基を表わし、R2 およびR3 はそれぞれ独
立して水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン
原子、トリフルオロメチル基、シアノ基または置換され
ていてもよいアリール基を表わすか、またはR2 とR3
とが互いに連結して置換されていてもよい炭素環もしく
は置換されていてもよい複素環を形成してもよい。Yは
−O−,−S−または−NR4 −(R4 は水素原子、置
換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよい
アリール基または置換されていてもよいシクロアルキル
基を表わす)を表わす)を表わし、Xは酸素原子または
置換されていてもよい窒素原子を表わし、Bは置換基
〔iii 〕または〔iv〕(置換基〔iii 〕および〔iv〕に
おいて、R5 はアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原
子またはトリフルオロメチル基を表わし、R6 およびR
7 はそれぞれ独立して水素原子、アルキル基、アルコキ
シ基、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基
または置換されていてもよいアリール基を表わすか、ま
たは、R6とR7 とが互いに連結して置換されていても
よい炭素環もしくは置換されていてもよい複素環を形成
してもよい。Zは−O−,−S−または−NR8 −(R
8 は水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換
されていてもよいアリール基または置換されていてもよ
いシクロアルキル基を表わす)を表わす)を表わす。)
【0014】前記一般式〔I〕の無水マレイン酸誘導体
において、Aで表わされる複素環残基としては、下記式
(1) 〜(6) で表わされるものが挙げられる。
【0015】
【化7】
【0016】ここで、R1 はメチル基、エチル基、n−
プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、te
rt−ブチル基等の炭素数1〜6のアルキル基;メトキ
シ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポ
キシ基、n−ブトキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ
基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等の
ハロゲン原子;またはトリフルオロメチル基を表わし、
2 およびR3 はそれぞれ独立して水素原子;メチル
基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、
n−ブチル基、tert−ブチル基等の炭素数1〜6の
アルキル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ
基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基等の炭素数
1〜6のアルコキシ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原
子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;トリフルオロメチル
基;シアノ基;または低級アルキル基、低級アルコキシ
基、低級アルキルアミノ基、低級ジアルキルアミノ基、
アミノ基、ハロゲン原子、シアノ基等で置換されていて
もよいフェニル基、トリル基、ナフチル基等の炭素数6
〜12のアリール基を表わすか、R2 とR3 とが互いに
連結して炭素数3〜5のアルキレン環、ベンゼン環、ナ
フタレン環等の炭素環またはピリジン環、ピラジン環、
ピリミジン環、ピリダジン環、ピラン環、フラン環、チ
オフェン環等の複素環を形成する。R4 は水素原子;そ
れぞれがハロゲン原子、低級アルコキシ基、ヒドロキシ
ル基、シアノ基、アミノ基、ニトロ基等の置換基を有し
ていてもよいメチル基、エチル基、n−プロピル基、i
so−プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基
等の炭素数1〜6のアルキル基;フェニル基、トリル
基、ナフチル基等の炭素数6〜12のアリール基;また
はシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル
基、シクロヘキシル基等の炭素数3〜8のシクロアルキ
ル基を表わす。
【0017】Xで表わされる置換されていてもよい窒素
原子は、水素原子;ハロゲン原子、低級アルコキシ基、
ヒドロキシル基、シアノ基、アミノ基、ニトロ基、フェ
ニル基等の置換基を有していてもよいメチル基、エチル
基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル
基、tert−ブチル基等の炭素数1〜6のアルキル
基;ハロゲン原子、低級アルコキシ基、ヒドロキシル
基、シアノ基、アミノ基、ニトロ基、フェニル基等の置
換基を有していてもよいフェニル基、トリル基、ナフチ
ル基等の炭素数6〜12のアリール基;またはハロゲン
原子、低級アルコキシ基、ヒドロキシル基、シアノ基、
アミノ基、ニトロ基、フェニル基等の置換基を有してい
てもよいシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペ
ンチル基、シクロヘキシル基等の炭素数3〜8のシクロ
アルキル基で置換された窒素原子を表わす。
【0018】また、Bで表わされる複素環残基として
は、下記式(7) 〜(12)で表わされるものが挙げられる。
【0019】
【化8】
【0020】ここで、R5 は前記R1 の置換基の定義と
同義であり、R6 およびR7 は前記R2 およびR3 と、
8 は前記R4 の置換基の定義とそれぞれ同義である。
【0021】なお、前記AまたはBで表わされる複素環
残基において、R2 とR3 、R6 とR7 が連結して炭素
環または複素環を形成する場合、具体的にはベンゾフラ
ン環、ベンゾチオフェン環、インドール環、ベンゾオキ
サゾール環、ベンゾチアゾール環、インダゾール環等を
形成する場合、その環上には1以上の置換基を有してい
てもよい。かかる置換基としては、フッ素原子、塩素原
子、臭素原子等のハロゲン原子;ヒドロキシル基;メチ
ル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル
基、n−ブチル基等の炭素数1〜6のアルキル基;メト
キシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロ
ポキシ基、n−ブトキシ基等の炭素数1〜6のアルコキ
シ基;シアノ基;ニトロ基;メトキシカルボニル基、エ
トキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、i
so−プロポキシカルボニル基等の炭素数2〜7のアル
コキシカルボニル基;トリフルオロメチル基等の炭素数
1〜6のハロアルキル基;フェニル基、トリル基、ナフ
チル基等の炭素数6〜12のアリール基;シクロプロピ
ル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキ
シル基等の炭素数3〜8のシクロアルキル基;フェノキ
シカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基等の炭素
数7〜13のアリールオキシカルボニル基;メチルアミ
ノカルボニル基、エチルアミノカルボニル基、プロピル
アミノカルボニル基等の炭素数2〜7のモノアルキルア
ミノカルボニル基;N,N−ジメチルアミノカルボニル
基、N,N−ジエチルアミノカルボニル基、N,N−メ
チルエチルアミノカルボニル基等の炭素数3〜9のジア
ルキルアミノカルボニル基;アセチルオキシ基、プロピ
オニルオキシ基、ブチリルオキシ基、イソブチリルオキ
シ基等の炭素数2〜8のアルキルカルボニルオキシ基;
ベンゾイルオキシ基、トルオイルオキシ基、ナフトイル
オキシ基等の炭素数7〜13のアリールカルボニルオキ
シ基;フェノキシ基、ナフチルオキシ基等の炭素数6〜
12のアリールオキシ基;メトキシカルボニルオキシ
基、エトキシカルボニルオキシ基、n−プロポキシカル
ボニルオキシ基、iso−プロポキシカルボニルオキシ
基等の炭素数2〜8のアルコキシカルボニルオキシ基;
フェノキシカルボニルオキシ基、ナフチルオキシカルボ
ニルオキシ基等の炭素数7〜13のアリールオキシカル
ボニルオキシ基等が挙げられ、特に、シアノ基又はメト
キシ基が好ましい。
【0022】本発明においては、AまたはBがインドー
ル環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、チアゾール
環およびオキサゾール環から選ばれる環構造を形成する
化合物が好ましい。
【0023】次に、本発明の無水マレイン酸誘導体の製
造方法について説明する。前記〔I〕式で表わされる無
水マレイン酸誘導体は、例えば下記一般式〔II〕で表わ
されるカルボン酸誘導体もくしはカルボキサミド誘導体 A−CH2 COXH …〔II〕 (式中、AおよびXは前記定義に同じ)および複素環化
合物H−B(式中、Bは前記定義に同じ)をオキサリル
クロライドの存在下で縮合反応させることにより得るこ
とができる。
【0024】
【化9】
【0025】具体的には、塩化メチレン、クロロホル
ム、四塩化炭素、テトラクロロエタン等のハロゲン化溶
媒の存在下、−10〜40℃で一般式〔II〕の化合物お
よび複素環化合物H−Bをトリエチルアミン、トリメチ
ルアミン、トリエタノールアミン、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム等のアルカリ剤を用いて縮合反応させ
る。より好ましくは、塩化メチレン、クロロホルム、四
塩化炭素、テトラクロロエタン等のハロゲン化溶媒の存
在下、−10〜5℃でまず複素環化合物H−Bとオキサ
リルクロライドとを反応させ、引き続いて塩化メチレ
ン、クロロホルム、四塩化炭素、テトラクロロエタン等
のハロゲン化溶媒の存在下、0〜40℃でトリエチルア
ミン、トリメチルアミン、トリエタノールアミン、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ剤を用いて
一般式〔II〕の化合物と縮合反応させる。
【0026】
【化10】
【0027】さらに、複素環化合物H−Bとオキサリル
クロライドとの反応の際、過剰のオキサリルクロライド
および溶媒を留去して生成したグリオキサリルクロライ
ド化合物を単離し、縮合反応に供するのが一層好まし
い。
【0028】縮合反応の終了後、過剰の溶媒を除去して
生成物を取り出し、必要に応じてカラムクロマトグラフ
ィー、再結晶、溶媒懸洗等の精製により、本発明の無水
マレイン酸誘導体を得ることができる。
【0029】また、上記製造方法において原料物質とな
る一般式〔II〕の化合物は、例えば下記一般式〔IV〕で
表わされるシアノ化合物の加水分解反応により得ること
ができる。
【0030】
【化11】
【0031】即ち、一般式〔IV〕の化合物を水、または
メタノール、エタノール、エチレングリコール、エチレ
ングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコール
モノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチル
エーテル、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホ
ルムアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン
等の極性溶媒溶媒中、トリエチルアミン、トリメチルア
ミン、トリエタノールアミン、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム等のアルカリ剤の存在下、室温からその溶媒
の沸点までの温度に加熱する。反応後、酸で中和して生
成物を固体として取り出し、必要に応じてカラムクロマ
トグラフィー、再結晶、溶媒懸洗等の精製によって、カ
ルボン酸誘導体を得ることができる。
【0032】本発明の無水マレイン酸誘導体は、光照射
すると下記式に示すように、複素環Wと複素環W′が環
化して、シクロヘキサジエン環を形成し、式〔IA〕か
ら〔IA′〕に示すような構造変化を起こして色変化を
起こす。また、この着色状態は光反応により可逆的に元
に戻すことができる。
【0033】
【化12】
【0034】具体的には、例えば下記式〔III B〕で示
されるインドリルチエニルマレイン酸無水物誘導体は、
例えば、488nmのアルゴンイオンレーザー光を照射
すると、下記に示すような構造変化を起こして、式〔II
I B′〕で示す構造となり、黄色から緑色に変化する。
また、この緑色の着色状態は吸収波長が半導体レーザー
域までのびているので、例えば、780nmの半導体レ
ーザー光を照射することにより下記式のように可逆的に
元の状態に戻すことができる。
【0035】
【化13】
【0036】特に、本発明に係る無水マレイン酸誘導体
は開環状態〔IA〕及び着色状態(閉環状態)〔I
A′〕のいずれもが熱的に安定であり、高温で長時間加
熱してもサーモクロミック反応(熱着色反応)を示さ
ず、また、着色状態も安定であり、退色反応を示さず、
両状態は良好に保持される。さらに、インドール環をエ
チレン結合の炭素の片方に持つ場合には上記開環−閉環
による発色−消色の繰り返し耐久性も良好であり、可逆
的な光学記録材料として非常に有用である。
【0037】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はその要旨を越えない限り、実施例に
より限定されるものではない。
【0038】実施例1 以下の反応式に従って合成を行った。
【0039】
【化14】
【0040】(1) 4−クロロメチル−2−シアノ−
3,5−ジメチルチオフェン(化合物)の合成 上部に塩化カルシウム管をつけた50ml3つ口フラスコ
に1,2−ジクロロエタン10mlを入れ、2−シアノ−
3,5−ジメチルチオフェン化合物 0.14g
(1.0mmol)を加え、室温で撹拌した。クロロメ
チルメチルエーテル1.5ml(20.0mmol)を滴
下後、四塩化スズ(無水)0.10ml(0.84mmo
l)をゆっくり滴下し室温で3時間反応溶液を氷水に注
ぎ込みクロロホルムで3回抽出後、有機層を無水硫酸マ
グネシウムで乾燥し、溶媒を留去して化合物の淡黄色
結晶0.19gを得た(収率99.7%)。 1 H−NMR(CCl4 /TMS) 2.44(s,3H),2.53(s,3H),4.4
2(s,2H)
【0041】(2) 4−シアノメチル−2−シアノ−
3,5−ジメチルチオフェン(化合物)の合成 50ml3つ口フラスコに水1.5mlおよびシアン化ナト
リウム0.10g(2.1mmol)を入れ、約30℃
で撹拌してシアン化ナトリウムを溶解させた。これにテ
トラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド0.0113
g(0.035mmol)を加えて化合物 0.13
g(0.70mmol)のベンゼン溶液を徐々に滴下
し、3時間還流した。室温まで冷却し、5%水酸化ナト
リウム溶液10mlを加えて水に注ぎ込み、エーテルで3
回抽出した後、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し
た。溶媒を留去し、カラムクロマトグラフィー(n−ヘ
キサン:酢酸エチル=7:3)で分離することにより、
化合物の無色結晶0.10gを得た(収率81.2
%)。 1 H−NMR(CCl4 /TMS) 2.38(s,3H),2.45(s,3H),3.5
0(s,2H)
【0042】(3) 2−シアノ−3,5−ジメチル−
4−チオニル酢酸(化合物)の合成 30mlナス型フラスコに化合物 100mg(0.56
mmol)および濃塩酸5mlを加えて還流した。2時間
後に室温まで冷却してエーテルで抽出し、水洗した後無
水硫酸ナトリウムで乾燥してエーテルを留去し、化合物
105mgを得た(収率95%)。 MS,m/e 195(M+ , 31),150(10
0),136(13)
【0043】(4) 2−(1,2−ジメチル−5−メ
トキシ−3−インドリル)−3−(2−シアノ−3,5
−ジメチル−4−チエニル)−マレイン酸無水物(化合
)の合成 30mlのナス型フラスコに1,2−ジメチル−5−メト
キシインドール(化合物)100mg(0.50mmo
l)および塩化メチレン6mlを入れ、氷冷撹拌した。こ
れにオキサリルクロライド65mg(0.51mmol)
を滴下して氷冷撹拌し、15分後に未反応のオキサリル
クロライドおよび塩化メチレンを留去した。1,2−ジ
メチル−5−メトキシ−3−グリオキサリルクロライド
を含む残渣に再び塩化メチレン6mlを加えたものを化合
100mg(0.51mmol)、トリエチルアミ
ン0.14ml(1.0mmol)および塩化メチレン3
mlの混合溶液を室温で滴下して撹拌した。一晩撹拌した
後塩化メチレンを留去し、シリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(ベンゼン)により精製を行い、化合物23
mgを得た(収率11%)。 MS,m/e 406(M+ , 100),334(3
3),361(18)
【0044】得られた化合物をヘキサン溶液中での吸
収スペクトルを測定したところ、図1のような挙動を示
した。
【0045】実施例2 以下の反応式に従って合成を行った。
【0046】
【化15】
【0047】(1) 2,4,5−トリメチル−3−チ
エニル酢酸(化合物)の合成 50mlのナス型フラスコに水酸化カリウム1.68g
(30mmol)を入れ、水3.5mlに溶解した。これ
に3−シアノメチル−2,4,5−トリメチルチオフェ
ン(化合物)0.45g(2.7mmol)およびエ
チレングリコールモノエチルエーテル5mlを加え、15
時間還流した。溶液を室温まで戻し、水を加えてアルカ
リ性であることを確認した後固形物を濾別し、1N塩酸
で酸性にしてエーテルで3回抽出し、無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥して溶媒を留去した。n−ヘキサンで再結晶
を行い、化合物を得た(収率65%)。 1 H−NMR(CCl4 /TMS) 2.00(s,3H),2.22(s,3H),2.2
8(s,3H),3.35(s,2H),8.94
(s.1H) MS,m/e 184(M+ , 55),139(10
0),125(36)
【0048】(2) 2−(1,2−ジメチル−3−イ
ンドリル)−3−(2,4,5−トリメチル−3−チエ
ニル)−マレイン酸無水物(化合物10)の合成 50mlのナス型フラスコに1,2−ジメチルインドール
(化合物)0.4g(2.7mmol)および塩化メ
チレン30mlを入れ、氷冷して撹拌した。これにオキザ
リルクロライド(COCl)2 0.24ml(2.7mm
ol)を滴下して撹拌し、15分後に未反応の(COC
l)2 および塩化メチレンをエバポレーターで留去し
た。1,2−ジメチルインドール−3−グリオキサリル
クロライドを含む残渣に再び塩化メチレン30mlを加
え、2,4,5−トリメチル−3−チエニル酢酸0.5
g(2.7mmol)、トリエチルアミン0.76ml
(5.4mmol,2当量)および塩化メチレン10ml
の混合溶液に滴下して撹拌した。4時間後に塩化メチレ
ンを留去してシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n
−ヘキサン:酢酸エチル=9:1)により精製を行い、
化合物10を得た(収率15%)。
【0049】IR(KBr,cm-1) 1760,182
1 H−NMR(CCl4 /TMS) 1.87(s,3H,CH3 ),1.95(s,3H,
CH3 ),2.17(s,3H,CH3 ),2.25
(s,3H,CH3 ),3.70(s,3H,C
3 ),7.03(dd,J=8.1,7.2Hz,1
H),7.13(d,J=8.1Hz,1H),7.1
9(dd,J=8.1,7.2Hz,1H),7.26
(d,J=8.1Hz,1H) MS,m/e 365(M+ , 100),650
(8) HRMS,m/e 365.1103(計算値365.
1085) 元素分析値(C2118NO3 Sとして) C H N O S 実測値(%) 68.89 5.01 3.57 計算値(%) 69.02 5.24 3.83 13.13 8.77
【0050】実施例3 2−(1,2−ジメチル−5−メトキシ−3−インドリ
ル)−3−(2,4,5−トリメチル−3−チエニル)
−マレイン酸無水物の合成 1,2−ジメチルインドールの代わりに1,2−ジメチ
ル−5−メトキシインドール0.47gを用いたこと以
外は実施例2と同様にして、表記の化合物を得た(収率
8%)。 HRMS,m/e 395.9625(計算値395.
9653)
【0051】実施例4 2−(1,2−ジメチル−3−インドリル)−3−(2
−メチル−3−ベンゾチエニル)−マレイン酸無水物の
合成 2,4,5−トリメチル−3−チエニル酢酸の代わりに
2−メチル−3−ベンゾチエニル酢酸0.56gを用い
たこと以外は実施例2と同様にして、表題の化合物を得
た(収率10%)。
【0052】IR(KBr,cm-1) 1760 1 H−NMR(CCl4 /TMS) 2.09(s,3H,CH3 ),2.21(s,3H,
CH3 ),3.62(s,3H,CH3 ),6.97−
7.72(m,8H) MS,m/e 387(M+ ) HRMS,m/e 387.0954(計算値387.
0928) 元素分析値(C2317NO3 Sとして) C H N O S 実測値(%) 71.26 4.33 3.33 計算値(%) 71.30 4.42 3.62 12.39 8.27
【0053】実施例5〜17 実施例1または2に記載の方法に準じて、表2および表
3に示す化合物を合成した。実施例1〜4の化合物を含
めた各々の化合物をヘキサン溶液中で紫外線照射したと
ころ、表1〜表3に示す色調に発色した。
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】
【表3】
【0057】
【発明の効果】本発明の無水マレイン酸誘導体は、光照
射により色変化がおき、別の波長の光を照射すると元の
状態に戻る性質を有することから、フォトンモードで高
特性の可逆的記録が可能な光学記録材料に適したフォト
クロミック化合物を提供することができるため、工業的
に極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で得られた化合物のヘキサン溶液
中での吸収スペクトルを示す。
【符号の説明】
1 開環体の吸収スペクトル 2 閉環体の吸収スペクトル

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式〔I〕で表わされる無水マレ
    イン酸誘導体。 【化1】 (一般式〔I〕において、AおよびBは同一の置換基を
    表わすことはなく、Aは置換基〔i〕または〔ii〕(置
    換基〔i〕および〔ii〕において、R1 はアルキル基、
    アルコキシ基、ハロゲン原子またはトリフルオロメチル
    基を表わし、R2 およびR3 はそれぞれ独立して水素原
    子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、トリフ
    ルオロメチル基、シアノ基または置換されていてもよい
    アリール基を表わすか、またはR2 とR3 とが互いに連
    結して置換されていてもよい炭素環もしくは置換されて
    いてもよい複素環を形成してもよい。Yは−O−,−S
    −または−NR4 −(R4 は水素原子、置換されていて
    もよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基ま
    たは置換されていてもよいシクロアルキル基を表わす)
    を表わす)を表わし、Xは酸素原子または置換されてい
    てもよい窒素原子を表わし、Bは置換基〔iii 〕または
    〔iv〕(置換基〔iii 〕および〔iv〕において、R5
    アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子またはトリフ
    ルオロメチル基を表わし、R6 およびR7 はそれぞれ独
    立して水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン
    原子、トリフルオロメチル基、シアノ基または置換され
    ていてもよいアリール基を表わすか、またはR6 とR7
    とが互いに連結して置換されていてもよい炭素環もしく
    は置換されていてもよい複素環を形成してもよい。Zは
    −O−,−S−または−NR8−(R8 は水素原子、置
    換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよい
    アリール基または置換されていてもよいシクロアルキル
    基を表わす)を表わす)を表わす。)
  2. 【請求項2】 下記一般式〔II〕で表わされるカルボン
    酸もしくはカルボキサミド誘導体および下記一般式〔II
    I 〕で表わされる複素環化合物をオキサリルクロライド
    の存在下で反応させることを特徴とする請求項1記載の
    無水マレイン酸誘導体の製造方法。 【化2】 (一般式〔II〕において、Aは置換基〔i〕または〔i
    i〕(置換基〔i〕および〔ii〕において、R1 はアル
    キル基、アルコキシ基、ハロゲン原子またはトリフルオ
    ロメチル基を表わし、R2 およびR3 はそれぞれ独立し
    て水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原
    子、トリフルオロメチル基、シアノ基または置換されて
    いてもよいアリール基を表わすか、またはR2 とR3
    が互いに連結して置換されていてもよい炭素環もしくは
    置換されていてもよい複素環を形成してもよい。Yは−
    O−,−S−または−NR4 −(R4は水素原子、置換
    されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいア
    リール基または置換されていてもよいシクロアルキル基
    を表わす)を表わす)を表わし、Xは酸素原子または置
    換されていてもよい窒素原子を表わす。) 【化3】 (一般式〔III 〕において、Bは前記Aとは異なる置換
    基であって、置換基〔iii 〕または〔iv〕(置換基〔ii
    i 〕および〔iv〕において、R5 はアルキル基、アルコ
    キシ基、ハロゲン原子またはトリフルオロメチル基を表
    わし、R6 およびR7 はそれぞれ独立して水素原子、ア
    ルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、トリフルオロ
    メチル基、シアノ基または置換されていてもよいアリー
    ル基を表わすか、R6 とR7 とが互いに連結して置換さ
    れていてもよい炭素環もしくは置換されていてもよい複
    素環を形成してもよい。)を表わす。)
  3. 【請求項3】 一般式〔III 〕で表わされる複素環化合
    物およびオキサリルクロライドを反応させた後、次いで
    これと一般式〔II〕で表わされるカルボン酸もしくはカ
    ルボキサミド誘導体とを縮合反応させることを特徴とす
    る請求項2記載の無水マレイン酸誘導体の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06293756A (ja) * 1993-03-26 1994-10-21 Mita Ind Co Ltd ベンゾチオフェン・インドール置換マレイミド誘導体、フォトクロミック材料及びそれを用いた光記録材料
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US6228877B1 (en) 1996-07-29 2001-05-08 Hoffmann-La Roche Inc. Substituted pyrroles

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