JP4166859B2 - 2−アミノピロール誘導体及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はジアゾニウム塩を使用する感熱記録材料用のカプラー、銀塩写真用のカプラーあるいは医薬品として利用可能なピロロ〔1,2−a〕ピリミジン等や、医薬品として利用可能な3−シアノ−ピロール−2−イル−オキサマート等に有用な合成中間体である2−アミノピロール誘導体及びその簡便な製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、感熱記録材料においては、その高性能化に伴って、特に紫〜シアン域発色性を有し、且つ記録材料の長いシェルフライフ、画像の保存性、画像定着性を向上した感熱記録材料が強く要請されている。
上記発色域については、特開平2−225082号公報で、感熱記録用発色材料として特に優れた性能を有する2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸アニリド類と4−置換アミノ−2−アルコキシベンゼンジアゾニウム塩化合物とをカップリング反応をさせることにより、青系色素を生成することが開示されており、既に公知である。
感熱記録では、その感熱材料中にジアゾニウム塩化合物が一般に用いられるが、非常に高い化学活性を有する化合物であり、フェノール誘導体や活性メチレン基を有する化合物などのカプラーと呼ばれる化合物と反応して容易にアゾ染料を形成することができる。また同時に感光性をも有し、光照射すると分解し、その活性を失う。そのため、ジアゾニウム塩化合物は、ジアゾコピーに代表される光記録材料として古くから利用されている(日本写真学会編「写真工学の基礎−非銀塩写真編−」コロナ社(1982)89〜117、182〜201頁参照)。しかし、ジアゾニウム塩化合物は、より長波長側にλmax を有するものを用いると記録材料の生保存性(コピー前保存中の地肌着色性)が低下するという欠点があり、より短波長側にλmax を有するものを用いると光照射時に前記カプラーと形成される画像の定着性が阻害されるとともに、発色画像の保存性(光堅牢性)も十分でないという欠点と、更に色相の点でもシアン色までの長波化が困難であるといった欠点があった。
そこで、近年上記課題を克服するカプラーとして、ピロロ〔1,2−a〕ピリミジン誘導体が見い出され、当該化合物は、例えば特開平6−130600号公報に記載される方法に基づき2−アミノピロール誘導体とβ−ケトエステル誘導体との縮合反応により製造されている。
【0003】
前記カプラー等の合成に有用な中間体である2−アミノピロール誘導体の製造方法については、これまでにいくつかの方法が提案されている。米国特許第3836541号明細書および同第3838166号明細書には、例えば、2,3−ブタンジオン−3−モノオキシムの還元およびアセチル化によりN−(1−メチルアセトニル)アセトアミドを合成し、さらにマロノニトリルと反応させることによる2−アミノ−3−シアノ−4,5−ジメチルピロールの製造方法について記載されている。
【0004】
また同明細書中には、例えば、2−アミノアセトフェノン塩酸塩とマロノニトリルを用いた2−アミノ−3−シアノ−4−フェニル−ピロールの製造方法について記載されている。係る2−アミノアセトフェノン塩酸塩はJ.Heterocyclic.Chem.,24,297(1987)に記載されているように、フェナシルクロリドとヘキサメチレンテトラミンを反応させた後に塩酸により加水分解する方法、あるいはOrg.Syn.Collect.Vol.V,909(1973)に記載されているように、フェネチルアミンをN−クロロ化した後にアジリジンを経る転位反応をおこなう方法により製造されている。
【0005】
Synthesis,1,51(1976)には、アセチルアミノアセトンとマロノニトリルを用いた2−アミノ−3−シアノ−4−メチル−ピロールの製造方法について記載されている。係るアセチルアミノアセトンはOrg.Syn.Collect.Vol.V,27(1973)に記載されているように、グリシンと無水酢酸をピリジン中で反応させる方法により製造されている。
【0006】
しかしながら、米国特許第3836541号明細書および同第3838166号明細書に記載の2,3−ブタンジオン−3−モノオキシムのようなジオンモノオキシムを原料とする方法は、係るジオンモノオキシムの製造において煩雑な工程を経なければならないという欠点を有している。更にこの方法では、2−アミノピロール誘導体の4位または5位に水素原子を有するものは製造されていない。
【0007】
また同明細書記載の2−アミノアセトフェノン塩酸塩のようなアミノケトン塩酸塩を経る方法では、係るアミノケトン塩酸塩の精製が容易でないため次工程での2−アミノピロール誘導体の製造における精製工程に悪影響を及ぼすという欠点を有している。更に係るアミノケトン塩酸塩の製造は、煩雑な工程を経なければならないという欠点を有している。
【0008】
Synthesis,1,51(1976)記載のアセチルアミノアセトンのようなアシルアミノケトンを経る方法では、係るアシルアミノケトンの製造に際し大過剰の塩基、および酸無水物または酸塩化物を用いなければならないという欠点を有している。
【0009】
一方、アミノ基を環状イミド基として保護することは、例えばJ.Org.Chem.,43,2320(1978)等に詳しいが、環状イミド基からアミノ基を得る方法、いわゆる脱保護方法はヒドラジン一水和物による方法あるいは臭化水素酸による方法が一般的であり、塩基性条件による加水分解では良好な結果が得られないという欠点を有していた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、合成中間体として有用な新規の2−アミノピロール誘導体及び製造容易なイミドケトン誘導体を用いた2−アミノピロール誘導体の簡便な製造方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、合成中間体として有用に用いられる2−アミノピロール誘導体とその製造方法に関し鋭意検討した結果、有用な合成中間体として、一般式(I−1)又は一般式(I−2)で示される新規な2−アミノピロール誘導体を見出し、更に下記一般式(d)〜一般式(h)で表されるイミドケトン誘導体と下記一般式(b)で表されるニトリル誘導体とを塩基性条件下で反応させることにより、下記一般式(c)で表される2−アミノピロール誘導体を簡便に製造することのできる2−アミノピロール誘導体の製造方法を見出し、本発明に至った。
【0012】
【化4】
【0013】
一般式(I−1)、(I−2)中のA4 は、アルキル基、アルケニル基、アリール基、置換基を有するアルキル基、置換基を有するアルケニル基または置換基を有するアリール基を表す。A 4 において、アルキル基の置換基は、ハロゲン原子、総炭素数6〜20のアリール基、総炭素数1〜20のアルコキシ基、総炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、総炭素数6〜20のアリールオキシ基、総炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基または総炭素数1〜30のカルバモイル基であり、アルケニル基の置換基は総炭素数6〜20のアリール基であり、アリール基の置換基は、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、総炭素数1〜20のアルキル基、総炭素数2〜20のアルケニル基、総炭素数6〜20のアリール基、総炭素数1〜20のアルコキシ基、総炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、総炭素数6〜20のアリールオキシ基、総炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、総炭素数1〜30のカルバモイル基、総炭素数2〜20のアシルオキシ基または総炭素数2〜20のアシルアミノ基である。
一般式(I−2)中のA5 は、オルト位に置換基を有する骨格炭素数6〜19のアリール基を表す。A 5 において、アリール基の置換基は、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、総炭素数1〜20のアルキル基、総炭素数2〜20のアルケニル基、総炭素数6〜20のアリール基、総炭素数1〜20のアルコキシ基、総炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、総炭素数6〜20のアリールオキシ基、総炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、総炭素数1〜30のカルバモイル基、総炭素数2〜20のアシルオキシ基または総炭素数2〜20のアシルアミノ基である。
【0014】
【化5】
【0015】
一般式(d)〜一般式(h)において、R1およびR2はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、R 1 は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、置換基を有するアルキル基、置換基を有するアルケニル基、置換基を有するアリール基、置換基を有するアルコキシカルボニル基、または置換基を有するアリールオキシカルボニル基を表し、R2は、水素原子、アルキル基、アリール基、置換基を有するアルキル基、または置換基を有するアリール基を表す。
R 1 およびR 2 において、アルキル基の置換基は、ハロゲン原子、総炭素数6〜20のアリール基、総炭素数1〜20のアルコキシ基、総炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、総炭素数6〜20のアリールオキシ基、総炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基または総炭素数1〜30のカルバモイル基であり、アルケニル基の置換基は総炭素数6〜20のアリール基であり、アリール基の置換基は、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、総炭素数1〜20のアルキル基、総炭素数2〜20のアルケニル基、総炭素数6〜20のアリール基、総炭素数1〜20のアルコキシ基、総炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、総炭素数6〜20のアリールオキシ基、総炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、総炭素数1〜30のカルバモイル基、総炭素数2〜20のアシルオキシ基、総炭素数1〜30のアルキルスルホニルオキシ基、総炭素数の6〜30のアリールスルホニルオキシ基、総炭素数2〜20のアシルアミノ基総炭素数1から30のアルキルスルホンアミド基、または総炭素数6〜30のアリールスルホンアミド基であり、アルコキシカルボニル基の置換基は、ハロゲン原子、総炭素数2〜20のアルケニル基、総炭素数6〜20のアリール基、総炭素数1〜20のアルコキシ基、総炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、総炭素数6〜20のアリールオキシ基、総炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基または総炭素数1〜30のカルバモイル基であり。アリールオキシカルボニル基の置換基は、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、総炭素数1〜20のアルキル基、総炭素数2〜20のアルケニル基、総炭素数6〜20のアリール基、総炭素数1〜20のアルコキシ基、総炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、総炭素数6〜20のアリールオキシ基、総炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、総炭素数1〜30のカルバモイル基、総炭素数2〜20のアシルオキシ基または総炭素数2〜20のアシルアミノ基である。
一般式(d)において、R 3 、R 4 、R 5 およびR 6 は、それぞれ同一でも異なってもよく、水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。一般式(e)において、R 7 およびR 8 は、それぞれ同一でも異なってもよく、水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。一般式(f)において、R 9 、R 10 、R 11 およびR 12 は、それぞれ同一でも異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子またはアルキル基を表す。一般式(g)において、R 13 およびR 14 は、それぞれ同一でも異なってもよく、水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。
一般式(b)において、Xはシアノ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アリールスルホニル基、アリール基、置換基を有するアルコキシカルボニル基、置換基を有するアリールオキシカルボニル基、置換基を有するアリールスルホニル基、−CONH−R o (R o は総炭素数1〜20のアルキル基または総炭素数6〜20のアリール基を表す)、−CONR p R q (R p 、R q は、それぞれ同一でも異なってもよく、総炭素数1〜20のアルキル基または総炭素数6〜20のアリール基を表す)、またはスルファモイル基を表す。Xにおいて、アルコキシカルボニル基の置換基は、ハロゲン原子、総炭素数2〜20のアルケニル基、総炭素数6〜20のアリール基、総炭素数1〜20のアルコキシ基、総炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、総炭素数6〜20のアリールオキシ基、総炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基または総炭素数1〜30のカルバモイル基であり、アリールオキシカルボニル基の置換基は、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、総炭素数1〜20のアルキル基、総炭素数2〜20のアルケニル基、総炭素数6〜20のアリール基、総炭素数1〜20のアルコキシ基、総炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、総炭素数6〜20のアリールオキシ基、総炭素数2〜20のアルコキシカル ボニル基、総炭素数1〜30のカルバモイル基、総炭素数2〜20のアシルオキシ基または総炭素数2〜20のアシルアミノ基であり、アリールスルホニル基の置換基は、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、総炭素数1〜20のアルキル基、総炭素数2〜20のアルケニル基、総炭素数6〜20のアリール基、総炭素数1〜20のアルコキシ基、総炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、総炭素数6〜20のアリールオキシ基、総炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、総炭素数1〜30のカルバモイル基、総炭素数2〜20のアシルオキシ基または総炭素数2〜20のアシルアミノ基である。
一般式(c)において、R1およびR2は一般式(a)の場合と同義であり、Xは一般式(b)の場合と同義である。
【0016】
【発明の実施の形態】
一般式(I)において、A1 は総炭素数6〜20のアルコキシカルボニル基、総炭素数7〜20のアリールオキシカルボニル基、置換基を有する骨格炭素数7〜20のアリールオキシカルボニル基または−CON(Rx )Ry 基が好ましく、特に2−エチルヘキシルオキシカルボニル、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルシクロヘキシルオキシカルボニル基、2−tert−ブチル−6−メチルフェノキシカルボニル基、(2−エチルヘキシル)カルバモイル基、ジブチルカルバモイル基が好ましい。
【0017】
一般式(I)において、A1 で表される総炭素数6〜20のアルコキシカルボニル基には、例えばヘキシルオキシルカルボニル基、2−エチルヘキシルオキシカルボニル基、オクタデシルオキシカルボニル基、シクロペンチルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基、2−メチルシクロヘキシルオキシカルボニル基、2−tert−ブチルシクロヘキシルオキシカルボニル基、4−メチルシクロヘキシルオキシカルボニル基、2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシルオキシカルボニル基、2,6−ジメチルシクロヘキシルオキシカルボニル基、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルシクロヘキシルオキシカルボニル基、ノルボルニルオキシカルボニル基、またはアダマンチルオキシカルボニル基が挙げられ、特に2−エチルヘキシルオキシカルボニル基、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルシクロヘキシルオキシカルボニル基が好ましい。
【0018】
A1 で表される置換基を有する骨格炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基の置換基としては、ハロゲン原子、総炭素数2〜20のアルケニル基、総炭素数6〜20のアリール基、総炭素数1〜20のアルコキシ基、総炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、総炭素数6〜20のアリールオキシ基、総炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基または総炭素数1〜30のカルバモイル基が好ましく、特に総炭素数1〜20のアルコキシ基または総炭素数2〜20のアルケニルオキシ基が好ましい。
【0019】
一般式(I)において、A1 で表される総炭素数7〜20のアリールオキシカルボニル基には、例えばフェノキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基またはアントラニルオキシカルボニル基が挙げられる。
【0020】
A1 で表される置換基を有する骨格炭素数7〜20のアリールオキシカルボニル基の置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、総炭素数1〜20のアルキル基、総炭素数2〜20のアルケニル基、総炭素数6〜20のアリール基、総炭素数1〜20のアルコキシ基、総炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、総炭素数6〜20のアリールオキシ基、総炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、総炭素数1〜30のカルバモイル基、総炭素数2〜20のアシルオキシ基または総炭素数2〜20のアシルアミノ基が好ましく、特に総炭素数1〜20のアルキル基が好ましい。
【0021】
一般式(I)において、A1 で表される−CON(Rx )Ry 基のRx およびRy の総炭素数1〜20のアルキル基には、例えばメチル基、エチル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基が挙げられ、特にブチル基、2−エチルヘキシル基またはデシル基が好ましい。
【0022】
−CON(Rx )Ry 基のRx 、およびRy の置換基を有する骨格炭素数1〜20のアルキル基の置換基としては、ハロゲン原子、総炭素数2〜20のアルケニル基、総炭素数6〜20のアリール基、総炭素数1〜20のアルコキシ基、総炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、総炭素数6〜20のアリールオキシ基、または総炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基が好ましく、特にハロゲン原子、総炭素数6〜20のアリール基、総炭素数1〜20のアルコキシ基が好ましい。
【0023】
一般式(I)においてA1 で表される−CON(Rx )Ry 基のRx およびRy の総炭素数6〜20のアリール基には、例えばフェニル基、ナフチル基、アントラニル基が挙げられる。
【0024】
−CON(Rx )Ry 基のRx およびRy の置換基を有する骨格炭素数6〜20のアリール基の置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、総炭素数1〜20のアルキル基、総炭素数2〜20のアルケニル基、総炭素数6〜20のアリール基、総炭素数1〜20のアルコキシ基、総炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、総炭素数6〜20のアリールオキシ基、総炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、総炭素数2〜20のアシルオキシ基または総炭素数2〜20のアシルアミノ基が好ましく、特にハロゲン原子、総炭素数1〜20のアルキル基、総炭素数1〜20のアルコキシ基が好ましい。
【0025】
以上のような−CON(Rx )Ry 基のRx およびRy のうち、水素原子、総炭素数1〜20のアルキル基または総炭素数6〜20のアリール基が好ましく、特に水素原子、または総炭素数1〜20のアルキル基が好ましいが、Rx とRy は同時に水素原子は表さない。
【0026】
一般式(I)において、A1 で表される−CON(Rx )Ry 基の例として、メチルカルバモイル基、(2−エチルヘキシル)カルバモイル基、デシルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基、ジブチルカルバモイル基、ジ(2−エチルヘキシル)カルバモイル基、ブチル−ドデシルカルバモイル基、ジフェニルカルバモイル基等が挙げられ、特に(2−エチルヘキシル)カルバモイル基、デシルカルバモイル基またはジブチルカルバモイル基が好ましい。
【0027】
一般式(I)において、A2 はアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシカルボニル基、置換基を有するアルキル基、置換基を有するアリール基、カルバモイル基、または複素環基が好ましく、特にアリール基、置換基を有するアリール基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基が好ましい。
【0028】
一般式(I)において、A3 は水素原子、アルキル基、アリール基が好ましく、特に水素原子が好ましい。
【0029】
一般式(I)において、A2 あるいはA3 で表されるアルキル基は、それぞれ同一でも異なってもよく、総炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基またはエイコシル基等が挙げられる。
【0030】
A2 あるいはA3 における置換基を有するアルキル基の置換基としては、ハロゲン原子、総炭素数6〜20のアリール基、総炭素数1〜20のアルコキシ基、総炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、総炭素数6〜20のアリールオキシ基、総炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基または総炭素数1〜30のカルバモイル基が好ましく、特に総炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基または総炭素数1〜30のカルバモイル基が好ましい。
【0031】
一般式(I)において、A2 あるいはA3 で表されるアルケニル基は、それぞれ同一でも異なってもよく、総炭素数2〜20のアルケニル基が好ましく、例えばビニル基、1−プロペニル基、2−ブテニル基またはオレイル基等が挙げられる。
【0032】
A2 あるいはA3 における置換基を有するアルケニル基の置換基としては、総炭素数6〜20のアリール基が好ましい。
【0033】
一般式(I)において、A2 あるいはA3 で表されるアリール基は、それぞれ同一でも異なってもよく、総炭素数6〜20のアリール基が好ましく、例えばフェニル基、ナフチル基またはアントラニル基が挙げられる。
【0034】
A2 あるいはA3 における置換基を有するアリール基の置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、総炭素数1〜20のアルキル基、総炭素数2〜20のアルケニル基、総炭素数6〜20のアリール基、総炭素数1〜20のアルコキシ基、総炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、総炭素数6〜20のアリールオキシ基、総炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、総炭素数1〜30のカルバモイル基、総炭素数2〜20のアシルオキシ基、総炭素数1〜30のアルキルスルホニルオキシ基、総炭素数6〜30のアリールスルホニルオキシ基、総炭素数2〜20のアシルアミノ基、総炭素数1〜30のアルキルスルホンアミド基、または総炭素数6〜30のアリールスルホンアミド基が好ましく、特にハロゲン原子、シアノ基、総炭素数1〜20のアルキル基または総炭素数1〜20のアルコキシ基が好ましい。
【0035】
一般式(I)において、A2 あるいはA3 で表されるアルコキシカルボニル基は、それぞれ同一でも異なってもよく、総炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基が好ましく、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、1,1−ジメチルエトキシカルボニル基、2−エチルヘキシルオキシカルボニル基、オクタデシルオキシカルボニル基、または2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルシクロヘキシルオキシカルボニル基等が挙げられ、特に2−エチルヘキシルオキシカルボニル基、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルシクロヘキシルオキシカルボニル基が好ましい。
【0036】
A2 あるいはA3 における置換基を有するアルコキシカルボニル基の置換基としては、ハロゲン原子、総炭素数2〜20のアルケニル基、総炭素数6〜20のアリール基、総炭素数1〜20のアルコキシ基、総炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、総炭素数6〜20のアリールオキシ基、総炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基または素炭素数1〜30のカルバモイル基が好ましく、特に総炭素数1〜20のアルコキシ基または総炭素数2〜20のアルケニルオキシ基が好ましい。
【0037】
一般式(I)において、A2 あるいはA3 で表されるアリールオキシカルボニル基は、それぞれ同一でも異なってもよく、総炭素数7〜20のアリールオキシカルボニル基が好ましく、例えばフェノキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基またはアントラニルオキシカルボニル基が挙げられる。
【0038】
A2 あるいはA3 における置換基を有するアリールオキシカルボニル基の置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、総炭素数1〜20のアルキル基、総炭素数2〜20のアルケニル基、総炭素数6〜20のアリール基、総炭素数1〜20のアルコキシ基、総炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、総炭素数6〜20のアリールオキシ基、総炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、総炭素数1〜30のカルバモイル基、総炭素数2〜20のアシルオキシ基または総炭素数2〜20のアシルアミノ基が好ましく、特に、総炭素数1〜20のアルキル基が好ましい。
【0039】
一般式(I)において、A2 あるいはA3 で表されるカルバモイル基は、それぞれ同一でも異なってもよく、−CONH2 、−CONH−Ra 、−CONRb Rc が挙げられ、ここでRa は総炭素数1〜20のアルキル基または総炭素数6〜20のアリール基を表し、Rb 、Rc は、それぞれ同一でも異なってもよく、総炭素数1〜20のアルキル基または総炭素数6〜20のアリール基を表し、Ra 、Rb 、及びRc のアルキル基、アリール基は置換基を有していてもよい。
【0040】
Ra 、Rb 、及びRc の置換基を有するアルキル基の置換基としては、ハロゲン原子、総炭素数2〜20のアルケニル基、総炭素数6〜20のアリール基、総炭素数1〜20のアルコキシ基、総炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、総炭素数6〜20のアリールオキシ基または総炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基が好ましく、特にハロゲン原子、総炭素数6〜20のアリール基、総炭素数1〜20のアルコキシ基が好ましい。
【0041】
Ra 、Rb 、及びRc の置換基を有するアリール基の置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、総炭素数1〜20のアルキル基、総炭素数2〜20のアルケニル基、総炭素数6〜20のアリール基、総炭素数1〜20のアルコキシ基、総炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、総炭素数6〜20のアリールオキシ基、総炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、総炭素数2〜20のアシルオキシ基または総炭素数2〜20のアシルアミノ基が好ましく、特にハロゲン原子、総炭素数1〜20のアルキル基、総炭素数1〜20のアルコキシ基が好ましい。
【0042】
以上のようなRa 、Rb 、及びRc のうち、総炭素数1〜20のアルキル基または総炭素数6〜20のアリール基が好ましく、特に総炭素数1〜20のアルキル基が好ましい。
【0043】
このようなカルバモイル基の例として、メチルカルバモイル基、(2−エチル−ヘキシル)カルバモイル基、フェニルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、ブチル−ドデシルカルバモイル基またはジフェニルカルバモイル基等が挙げられ、特に(2−エチル−ヘキシル)カルバモイル基、またはジブチルカルバモイル基が好ましい。
【0044】
一般式(I)において、A2 あるいはA3 で表される複素環基は、それぞれ同一でも異なってもよく、飽和複素単環基、不飽和複素単環基、飽和複素縮環基または不飽和複素縮環基が挙げられ、これら複素環基は置換基を有していてもよい。これらの中で、不飽和複素単環基または不飽和複素縮環基が好ましく、特に、5員環あるいは6員環の不飽和複素単環基、または5員環あるいは6員環より構成される不飽和複素縮環基が好ましい。
【0045】
このような複素環基の例として、ピロール−2−イル基、N−メチルピロール−2−イル基、2,5−ジメチルピロール−3−イル基、フル−2−イル基、チエン−2−イル基、チアゾリル−2−イル基、ビリジ−2−イル基、ピリジ−3−イル基、ピリジ−4−イル基、ピラジンイル基、インドール−3−イル基またはベンゾフラン−2−イル基等が挙げられる。
【0046】
一般式(I)で表される化合物のなかでも下記一般式(I−1)〜(I−6)で表される化合物が好ましく、特にカプラー化したときの性能の点で(I−1)、(I−2)が好ましい。
【0047】
【化6】
【0048】
一般式(I−1)、(I−2)、(I−4)中のA4 は、アルキル基、アルケニル基、アリール基、置換基を有するアルキル基、置換基を有するアルケニル基または置換基を有するアリール基を表す。
一般式(I−2)中のA5 は、総炭素数6〜19のアリール基または置換基を有する骨格炭素数6〜19のアリール基を表す。
一般式(I−3)中のA6 は、総炭素数5〜19のアルキル基、総炭素数6〜19のアリール基、置換基を有する骨格炭素数1〜19のアルキル基、置換基を有する骨格炭素数6〜19アリール基を表す。
一般式(I−4)、(I−5)、(I−6)中のRx およびRy は一般式(I)の場合と同義である。
一般式(I−5)中のA7 は総炭素数1〜19のアルキル基、総炭素数6〜19のアリール基、置換基を有する骨格炭素数1〜19のアルキル基または置換基を有する骨格炭素数6〜19のアリール基を表す。
【0049】
一般式(I−2)において、A5 で表される総炭素数6〜19のアリール基には、例えばフェニル基、ナフチル基またはアントラニル基が挙げられる。
【0050】
A5 で表される置換基を有する骨格炭素数6〜19のアリール基の置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、総炭素数1〜20のアルキル基、総炭素数2〜20のアルケニル基、総炭素数6〜20のアリール基、総炭素数1〜20のアルコキシ基、総炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、総炭素数6〜20のアリールオキシ基、総炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、総炭素数1〜30のカルバモイル基、総炭素数2〜20のアシルオキシ基または総炭素数2〜20のアシルアミノ基が好ましく、特に総炭素数1〜20のアルキル基が好ましい。
【0051】
このようなA5 のうち、総炭素数1〜20のアルキル基で置換されたフェニル基が好ましく、特に2−tert−ブチル−6−メチルフェニル基が好ましい。
【0052】
一般式(I−3)において、A6 で表される総炭素数5〜19のアルキル基には、例えばヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクタデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、2−メチルシクロヘキシル基、2−tert−ブチルシクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル基、2,6−ジメチルシクロヘキシル基、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルシクロヘキシル基、ノルボルニル基またはアダマンチル基が挙げられる。
【0053】
A6 で表される置換基を有する骨格炭素数1〜19のアルキル基の置換基としては、ハロゲン原子、総炭素数2〜20のアルケニル基、総炭素数6〜20のアリール基、総炭素数1〜20のアルコキシ基、総炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、総炭素数6〜20のアリールオキシ基、総炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基または総炭素数1〜30のカルバモイル基が好ましく、特に総炭素数1〜20のアルコキシ基または総炭素数2〜20のアルケニルオキシ基が好ましい。
【0054】
一般式(I−3)において、A6 で表される総炭素数6〜19のアリール基には、例えばフェニル基、ナフチル基またはアントラニル基が挙げられる。
【0055】
A6 で表される置換基を有する骨格炭素数6〜19のアリール基の置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、総炭素数1〜20のアルキル基、総炭素数2〜20のアルケニル基、総炭素数6〜20のアリール基、総炭素数1〜20のアルコキシ基、総炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、総炭素数6〜20のアリールオキシ基、総炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、総炭素数1〜30のカルバモイル基、総炭素数2〜20のアシルオキシ基または総炭素数2〜20のアシルアミノ基が好ましく、特に、総炭素数1〜20のアルキル基が好ましい。
【0056】
このようなA6 のうち、総炭素数5〜19のアルキル基が好ましく、特に2−エチルヘキシル基が好ましい。
【0057】
一般式(I−5)において、A7 で表される総炭素数1〜19のアルキル基には、例えばメチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、2−エチルヘキシル基、オクタデシル基、または2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルシクロヘキシル基が挙げられる。
【0058】
A7 における置換基を有する骨格炭素数1〜19のアルキル基の置換基としては、ハロゲン原子、総炭素数2〜20のアルケニル基、総炭素数6〜20のアリール基、総炭素数1〜20のアルコキシ基、総炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、総炭素数6〜20のアリールオキシ基、総炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基または総炭素数1〜30のカルバモイル基が好ましく、特に総炭素数1〜20のアルコキシ基または総炭素数2〜20のアルケニルオキシ基が好ましい。
【0059】
一般式(I−5)において、A7 で表される総炭素数6〜19のアリール基には、例えばフェニル基、ナフチル基またはアントラニル基が挙げられる。
【0060】
A7 で表される置換基を有する骨格炭素数6〜19のアリール基の置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、総炭素数1〜20のアルキル基、総炭素数2〜20のアルケニル基、総炭素数6〜20のアリール基、総炭素数1〜20のアルコキシ基、総炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、総炭素数6〜20のアリールオキシ基、総炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、総炭素数1〜30のカルバモイル基、総炭素数2〜20のアシルオキシ基または総炭素数2〜20のアシルアミノ基が好ましく、特に総炭素数1〜20のアルキル基が好ましい。
【0061】
このようなA7 のうち、総炭素数1〜19のアルキル基が好ましく、特にイソプロピル基が好ましい。
【0062】
一般式(I−1)、(I−2)、(I−4)において、A4 で表されるアルキル基は、総炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基またはエイコシル基等が挙げられる。
【0063】
A4 における置換基を有するアルキル基の置換基としては、ハロゲン原子、総炭素数6〜20のアリール基、総炭素数1〜20のアルコキシ基、総炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、総炭素数6〜20のアリールオキシ基、総炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基または総炭素数1〜30のカルバモイル基が好ましく、特に総炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基または総炭素数1〜30のカルバモイル基が好ましい。
【0064】
一般式(I−1)、(I−2)、(I−4)において、A4 で表されるアルケニル基は、それぞれ同一でも異なってもよく、総炭素数2〜20のアルケニル基が好ましく、例えばビニル基、1−プロペニル基、2−ブテニル基またはオレイル基等が挙げられる。
【0065】
A4 における置換基を有するアルケニル基の置換基としては、総炭素数6〜20のアリール基が好ましい。
【0066】
一般式(I−1)、(I−2)、(I−4)において、A4 で表されるアリール基は、それぞれ同一でも異なってもよく、総炭素数6〜20のアリール基が好ましく、例えばフェニル基、ナフチル基またはアントラニル基が挙げられる。
【0067】
A4 における置換基を有するアリール基の置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、総炭素数1〜20のアルキル基、総炭素数2〜20のアルケニル基、総炭素数6〜20のアリール基、総炭素数1〜20のアルコキシ基、総炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、総炭素数6〜20のアリールオキシ基、総炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、総炭素数1〜30のカルバモイル基、総炭素数2〜20のアシルオキシ基または総炭素数2〜20のアシルアミノ基が好ましく、特にハロゲン原子、シアノ基、総炭素数1〜20のアルキル基、総炭素数1〜20のアルコキシ基が好ましい。
【0068】
このようなA4 のうち、総炭素数6〜20のアリール基または置換基を有する骨格炭素数6〜20のアリール基が好ましく、特にフェニル基、若しくはハロゲン原子、シアノ基、総炭素数1〜20のアルキル基または総炭素数1〜20のアルコキシ基で置換されたフェニル基が好ましい。
【0069】
本発明である一般式(I)及び一般式(I−1)〜(I−6)で示される新規な2−アミノピロール誘導体は、本明細書記載の一般式(a)で表されるイミドケトン誘導体と一般式(b)で表されるニトリル誘導体とを塩基性条件下で反応させる方法により得ることができ、またFarmaco Ed.Sci Vol.43 103(1988)、J.Am.Chem.Soc.,112,2465(1990)、J.Am.Chem.Soc.,80,5332(1958)、J.Heterocyclic.Chem.,24,297(1987)等に記載の方法に準じても製造することができる。
【0070】
本発明である新規な2−アミノピロール誘導体の具体例を下記に示すが、本発明はこれによって限定されるものではない。
【0071】
【化7】
【0072】
【化8】
【0073】
【化9】
【0074】
【化10】
【0075】
【化11】
【0076】
【化12】
【0077】
【化13】
【0078】
【化14】
【0079】
【化15】
【0080】
【化16】
【0081】
【化17】
【0082】
【化18】
【0083】
【化19】
【0084】
【化20】
【0085】
【化21】
【0086】
【化22】
【0087】
【化23】
【0088】
次に、本発明である2−アミノピロール誘導体の製造方法について説明する。本発明は、一般式(a)のうち、下記一般式(d)〜一般式(h)で表されるイミドケトン誘導体と一般式(b)で表されるニトリル誘導体とを塩基性条件下で反応させることにより、一般式(c)で表される2−アミノピロール誘導体を製造することができる製造方法である。
【0089】
【化24】
【0090】
一般式(a)において、R1 およびR2 はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、R 1 は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、置換基を有するアルキル基、置換基を有するアルケニル基、置換基を有するアリール基、置換基を有するアルコキシカルボニル基、または置換基を有するアリールオキシカルボニル基を表し、R2は、水素原子、アルキル基、アリール基、置換基を有するアルキル基、または置換基を有するアリール基を表す。Zは含窒素5員環または6員環を形成するのに必要な炭素原子群を表し、当該含窒素5員環または6員環は更に芳香族環と縮環していてもよい。
【0091】
一般式(b)において、Xはシアノ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アリールスルホニル基、アリール基、置換基を有するアルコキシカルボニル基、置換基を有するアリールオキシカルボニル基、置換基を有するアリールスルホニル基、−CONH−R o (R o は総炭素数1〜20のアルキル基または総炭素数6〜20のアリール基を表す)、−CONR p R q (R p 、R q は、それぞれ同一でも異なってもよく、総炭素数1〜20のアルキル基または総炭素数6〜20のアリール基を表す)、またはスルファモイル基を表す。
【0092】
一般式(c)において、R1 およびR2 は一般式(a)の場合と同義であり、Xは一般式(b)の場合と同義である。
【0093】
一般式(a)および同(c)において、R1 は、アルキル基、アルケニル基、アリール基、置換基を有するアルキル基、置換基を有するアルケニル基、または置換基を有するアリール基が好ましく、特にアルキル基、アリール基、置換基を有するアルキル基または置換基を有するアリール基が好ましい。
【0094】
一般式(a)および(c)において、R2 は、水素原子、アルキル基、アリール基、置換基を有するアルキル基または置換基を有するアリール基が好ましく、特に水素原子、アルキル基または置換基を有するアルキル基が好ましい。
【0095】
一般式(a)および(c)において、R1 あるいはR2 で表されるアルキル基は、それぞれ同一でも異なってもよく、総炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基またはエイコシル基等が挙げられる。
【0096】
R1 あるいはR2 における置換基を有するアルキル基の置換基としては、ハロゲン原子、総炭素数6〜20のアリール基、総炭素数1〜20のアルコキシ基、総炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、総炭素数6〜20のアリールオキシ基、総炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基または総炭素数1〜30のカルバモイル基が好ましく、特に総炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基または総炭素数1〜30のカルバモイル基が好ましい。
【0097】
一般式(a)および(c)において、R 1 で表されるアルケニル基は、総炭素数2〜20のアルケニル基が好ましく、例えばビニル基、1−プロペニル基、2−ブテニル基またはオレイル基等が挙げられる。
【0098】
R 1 における置換基を有するアルケニル基の置換基としては、総炭素数6〜20のアリール基が好ましい。
【0099】
一般式(a)および(c)において、R1 あるいはR2 で表されるアリール基は、それぞれ同一でも異なってもよく、総炭素数6〜20のアリール基が好ましく、例えばフェニル基、ナフチル基またはアントラニル基が挙げられる。
【0100】
R1 あるいはR2 における置換基を有するアリール基の置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、総炭素数1〜20のアルキル基、総炭素数2〜20のアルケニル基、総炭素数6〜20のアリール基、総炭素数1〜20のアルコキシ基、総炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、総炭素数6〜20のアリールオキシ基、総炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、総炭素数1〜30のカルバモイル基、総炭素数2〜20のアシルオキシ基、総炭素数1〜30のアルキルスルホニルオキシ基、総炭素数の6〜30のアリールスルホニルオキシ基、総炭素数2〜20のアシルアミノ基総炭素数1から30のアルキルスルホンアミド基、または総炭素数6〜30のアリールスルホンアミド基が好ましく、特にハロゲン原子、シアノ基、総炭素数1〜20のアルキル基、総炭素数2〜20のアルケニル基、総炭素数6〜20のアリール基、総炭素数1〜20のアルコキシ基、総炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、総炭素数1〜30のカルバモイル基、または総炭素数1〜30のアルキルスルホニルオキシ基、総炭素6〜30のアリールスルホニルオキシ基、総炭素数2〜20のアシルアミノ基、総炭素数1〜30のアルキルスルホンアミド基、または総炭素数6〜30のアリールスルホンアミド基が好ましい。
【0101】
一般式(a)および(c)において、R 1 で表されるアルコキシカルボニル基は、総炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基が好ましく、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、1,1−ジメチルエトキシカルボニル基、2−エチルヘキシルオキシカルボニル基、またはオクタデシルオキシカルボニル基等が挙げられる。
【0102】
R 1 における置換基を有するアルコキシカルボニル基の置換基としては、ハロゲン原子、総炭素数2〜20のアルケニル基、総炭素数6〜20のアリール基、総炭素数1〜20のアルコキシ基、総炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、総炭素数6〜20のアリールオキシ基、総炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基または総炭素数1〜30のカルバモイル基が好ましく、特に総炭素数1〜20のアルコキシ基または総炭素数2〜20のアルケニルオキシ基が好ましい。
【0103】
一般式(a)および(c)において、R 1 で表されるアリールオキシカルボニル基は、それぞれ同一でも異なってもよく、総炭素数6〜20のアリールオキシカルボニル基が好ましく、例えばフェノキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基またはアントラニルオキシカルボニル基が挙げられる。
【0104】
R 1 における置換基を有するアリールオキシカルボニル基の置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、総炭素数1〜20のアルキル基、総炭素数2〜20のアルケニル基、総炭素数6〜20のアリール基、総炭素数1〜20のアルコキシ基、総炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、総炭素数6〜20のアリールオキシ基、総炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、総炭素数1〜30のカルバモイル基、総炭素数2〜20のアシルオキシ基または総炭素数2〜20のアシルアミノ基が好ましく、特にハロゲン原子、シアノ基、総炭素数1〜20のアルキル基、総炭素数2〜20のアルケニル基、総炭素数6〜20のアリール基、総炭素数1〜20のアルコキシ基、総炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、総炭素数1〜30のカルバモイル基または総炭素数2〜20のアシルアミノ基が好ましい。
【0111】
一般式(a)で表される化合物の中でも下記一般式(d)〜一般式(h)で表される化合物が好ましい。
【0112】
【化25】
【0113】
上記一般式(d)〜一般式(h)において、R1 およびR2 は一般式(a)の場合と同義である。
一般式(d)において、R3 、R4 、R5 およびR6 は、それぞれ同一でも異なってもよく、水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。
一般式(e)において、R7 およびR8 は、それぞれ同一でも異なってもよく、水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。
一般式(f)において、R9 、R10、R11およびR12は、それぞれ同一でも異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子またはアルキル基を表す。
一般式(g)において、R13およびR14は、それぞれ同一でも異なってもよく、水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。
【0114】
これらの化合物のうち、特に一般式(f)で表される化合物が好ましい。
【0115】
上記一般式(d)〜(h)で表される化合物としては、以下のものが挙げられる。
【0116】
【化26】
【0117】
【化27】
【0118】
【化28】
【0119】
【化29】
【0120】
一般式(b)および(c)において、Xはシアノ基、アルコキシカルボニル基、アリールスルホニル基、アリール基、置換基を有するアリールスルホニル基、−CONH−R o (R o は総炭素数1〜20のアルキル基または総炭素数6〜20のアリール基を表す)、−CONR p R q (R p 、R q は、それぞれ同一でも異なってもよく、総炭素数1〜20のアルキル基または総炭素数6〜20のアリール基を表す)、またはスルファモイル基が好ましく、特にシアノ基、アルコキシカルボニル基、−CONH−R o (R o は総炭素数1〜20のアルキル基または総炭素数6〜20のアリール基を表す)、−CONR p R q (R p 、R q は、それぞれ同一でも異なってもよく、総炭素数1〜20のアルキル基または総炭素数6〜20のアリール基を表す)、またはスルファモイル基が好ましい。
【0121】
一般式(b)および(c)において、Xで表されるアルコキシカルボニル基は総炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基が好ましく、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、1,1−ジメチルエトキシカルボニル基、2−エチルヘキシルオキシカルボニル基、オクタデシルオキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、シクロブトキシカルボニル基、シクロペンチルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基、2−メチルシクロヘキシルオキシカルボニル基、2−tert−ブチルシクロヘキシルオキシカルボニル基、4−メチルシクロヘキシルオキシカルボニル基、2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシルオキシカルボニル基、2,6−ジメチルシクロヘキシルオキシカルボニル基、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルシクロヘキシルオキシカルボニル基、ノルボルニルオキシカルボニル基、またはアダマンチルオキシカルボニル基等が挙げられる。
【0122】
Xで表される置換基を有するアルコキシカルボニル基の置換基としては、ハロゲン原子、総炭素数2〜20のアルケニル基、総炭素数6〜20のアリール基、総炭素数1〜20のアルコキシ基、総炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、総炭素数6〜20のアリールオキシ基、総炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基または総炭素数1〜30のカルバモイル基が好ましく、特に総炭素数1〜20のアルコキシ基または総炭素数2〜20のアルケニルオキシ基が好ましい。
【0123】
一般式(b)および(c)において、Xで表されるアリールオキシカルボニル基は、総炭素数6〜20のアリールオキシカルボニル基が好ましく、例えばフェノキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基またはアントラニルオキシカルボニル基が挙げられる。
【0124】
Xで表される置換基を有するアリールオキシカルボニル基の置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、総炭素数1〜20のアルキル基、総炭素数2〜20のアルケニル基、総炭素数6〜20のアリール基、総炭素数1〜20のアルコキシ基、総炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、総炭素数6〜20のアリールオキシ基、総炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、総炭素数1〜30のカルバモイル基、総炭素数2〜20のアシルオキシ基または総炭素数2〜20のアシルアミノ基が好ましく、特にハロゲン原子、シアノ基、総炭素数1〜20のアルキル基、総炭素数2〜20のアルケニル基、総炭素数6〜20のアリール基、総炭素数1〜20のアルコキシ基、総炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、総炭素数1〜30のカルバモイル基または総炭素数2〜20のアシルアミノ基が好ましい。
【0125】
一般式(b)および(c)において、Xで表されるアルキルスルホニル基は、総炭素数1〜20のアルキルスルホニル基が好ましく、例えばメチルスルホニル基、ブチルスルホニル基、2−エチル−ヘキシルスルホニル基、またはヘキサデシルスルホニル基が挙げられる。
【0126】
Xで表される置換基を有するアルキルスルホニル基の置換基としては、ハロゲン原子、総炭素数2〜20のアルケニル基、総炭素数6〜20のアリール基、総炭素数1〜20のアルコキシ基、総炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、総炭素数6〜20のアリールオキシ基、総炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基または総炭素数1〜30のカルバモイル基が好ましく、特に総炭素数1〜20のアルコキシ基または総炭素数2〜20のアルケニルオキシ基が好ましい。
【0127】
一般式(b)および(c)において、Xで表されるアリールスルホニル基は、総炭素数6〜20のアリールスルホニル基が好ましく、例えばフェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基またはアントラニルスルホニル基が挙げられる。
【0128】
Xで表される置換基を有するアリールスルホニル基の置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、総炭素数1〜20のアルキル基、総炭素数2〜20のアルケニル基、総炭素数6〜20のアリール基、総炭素数1〜20のアルコキシ基、総炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、総炭素数6〜20のアリールオキシ基、総炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、総炭素数1〜30のカルバモイル基、総炭素数2〜20のアシルオキシ基または総炭素数2〜20のアシルアミノ基が好ましく、特にハロゲン原子、シアノ基、総炭素数1〜20のアルキル基、総炭素数2〜20のアルケニル基、総炭素数6〜20のアリール基、総炭素数1〜20のアルコキシ基、総炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、総炭素数1〜30のカルバモイル基または総炭素数2〜20のアシルアミノ基が好ましい。
【0129】
一般式(b)および(c)において、Xで表されるアリール基は、総炭素数6〜20のアリール基が好ましく、例えばフェニル基、ナフチル基、またはアントラニル基が挙げられる。
【0130】
Xで表される置換基を有するアリール基の置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、総炭素数1〜20のアルキル基、総炭素数2〜20のアルケニル基、総炭素数6〜20のアリール基、総炭素数1〜20のアルコキシ基、総炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、総炭素数6〜20のアリールオキシ基、総炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、総炭素数1〜30のカルバモイル基、総炭素数2〜20のアシルオキシ基または総炭素数2〜20のアシルアミノ基が好ましく、特にハロゲン原子、シアノ基、またはニトロ基が好ましい。
【0131】
一般式(b)および(c)において、Xで表される−CONH−Ro 、−CONRp Rq 中、Ro は総炭素数1〜20のアルキル基または総炭素数6〜20のアリール基を表し、Rp 、Rq は、それぞれ同一でも異なってもよく、総炭素数1〜20のアルキル基または総炭素数6〜20のアリール基を表し、Ro 、Rp 、およびRq のアルキル基、アリール基は置換基を有していてもよい。
【0132】
Ro 、Rp 、およびRq の置換基を有するアルキル基の置換基としては、ハロゲン原子、総炭素数2〜20のアルケニル基、総炭素数6〜20のアリール基、総炭素数1〜20のアルコキシ基、総炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、総炭素数6〜20のアリールオキシ基または総炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基が好ましく、特にハロゲン原子、総炭素数6〜20のアリール基、総炭素数1〜20のアルコキシ基が好ましい。
【0133】
Ro 、Rp 、およびRq の置換基を有するアリール基の置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、総炭素数1〜20のアルキル基、総炭素数2〜20のアルケニル基、総炭素数6〜20のアリール基、総炭素数1〜20のアルコキシ基、総炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、総炭素数6〜20のアリールオキシ基、総炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、総炭素数2〜20のアシルオキシ基または総炭素数2〜20のアシルアミノ基が好ましく、特にハロゲン原子、シアノ基、総炭素数1〜20のアルキル基、総炭素数2〜20のアルケニル基、総炭素数6〜20のアリール基、総炭素数1〜20のアルコキシ基、総炭素数2〜20のアルケニルオキシ基または総炭素数2〜20のアシルアミノ基が好ましい。
【0134】
このようなカルバモイル基の例として、メチルカルバモイル基、(2−エチル−ヘキシル)カルバモイル基、フェニルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、ブチル−ドデシルカルバモイル基またはジフェニルカルバモイル基等が挙げられる。
【0135】
一般式(b)および(c)において、Xで表されるスルファモイル基は、−SO2 NH2 、−SO2 NH−Rr 、−SO2 NRs Rt が挙げられ、ここでRr は総炭素数1〜20のアルキル基または総炭素数6〜20のアリール基を表し、Rs 、Rt は、それぞれ同一でも異なってもよく、総炭素数1〜20のアルキル基または総炭素数6〜20のアリール基を表し、Rr 、Rs 、およびRt のアルキル基、アリール基は置換基を有していてもよい。
【0136】
Rr 、Rs 、およびRt の置換基を有するアルキル基の置換基としては、ハロゲン原子、総炭素数2〜20のアルケニル基、総炭素数6〜20のアリール基、総炭素数1〜20のアルコキシ基、総炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、総炭素数6〜20のアリールオキシ基または総炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基が好ましく、特にハロゲン原子、総炭素数6〜20のアリール基、総炭素数1〜20のアルコキシ基が好ましい。
【0137】
またRr 、Rs 、およびRt の置換基を有するアリール基の置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、総炭素数1〜20のアルキル基、総炭素数2〜20のアルケニル基、総炭素数6〜20のアリール基、総炭素数1〜20のアルコキシ基、総炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、総炭素数6〜20のアリールオキシ基、総炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、総炭素数2〜20のアシルオキシ基または総炭素数2〜20のアシルアミノ基が好ましく、特にハロゲン原子、シアノ基、総炭素数1〜20のアルキル基、総炭素数2〜20のアルケニル基、総炭素数6〜20のアリール基、総炭素数1〜20のアルコキシ基、総炭素数2〜20のアルケニルオキシ基または総炭素数2〜20のアシルアミノ基が好ましい。
【0138】
このようなスルファモイル基の例として、メチルスルファモイル基、(2−エチル−ヘキシル)スルファモイル基、フェニルスルファモイル基、ジエチルスルファモイル基、ブチル−ドデシルスルファモイル基またはジフェニルスルファモイル基等が挙げられる。
【0139】
本発明の2−アミノピロール誘導体の製造方法は、下記式1で示される。
【0140】
【化30】
【0141】
本発明の2−アミノピロール誘導体の製造方法は、イミドケトン誘導体とニトリル誘導体と塩基を溶媒中に混合し攪拌する方法で行なうが、塩基および溶媒の混合物にニトリル誘導体とイミドケトン誘導体を順次添加する方法が好ましく、ニトリル誘導体あるいはイミドケトン誘導体は、反応溶媒に溶解させた後に添加してもよい。
【0142】
本発明の製造方法に用いられるイミドケトン誘導体はJ.Am.Chem.Soc.,1950,72,2786記載の方法、下記式2の方法、あるいは下記式3の方法に準じ、容易に製造することができる。
【0143】
【化31】
【0144】
本発明の製造方法に用いられる反応溶媒は、水あるいは水溶性有機溶媒が好ましく、水溶性有機溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等が挙げられる。また、これらの溶媒は混合して用いてもよい。これらの溶媒のうち、特に水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、水とメタノールの混合溶媒、水とエタノールの混合溶媒、または水とイソプロパノールの混合溶媒が好ましい。
【0145】
反応溶媒の使用量は、イミドケトン誘導体1.0モルに対して0.5l〜5.0lが好ましく、特には0.5l〜3.0lが好ましい。
【0146】
本発明の製造方法に用いられる塩基は、無機塩基あるいは有機塩基のいずれも使用できる。無機塩基としては、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムまたはナトリウムメトキシドが挙げられる。有機塩基としては、例えばトリエチルアミン、ピリジン、ジメチルアミノピリジン、イミダゾールまたはトリフェニルグアニジンが挙げられる。これらの塩基のうち、無機塩基が好ましく、特に水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたはナトリウムメトキシドが好ましい。
【0147】
塩基の使用量はイミドケトン誘導体1.0モルに対して1.0モル〜3.0モルが好ましく、特には1.1モル〜2.1モルが好ましい。
【0148】
本発明である前記一般式(I)、及び一般式(I−1)〜(I−6)に示す新規な2−アミノピロール誘導体(例えば、No.1−1〜No.11−3)も本発明の製造方法により得ることができる。また、更に本発明の製造方法により得られる2−アミノピロール誘導体の具体例を下記に示す。但し、本発明はこれによって限定されるものではない。
【0149】
【化32】
【0150】
【化33】
【0151】
【化34】
【0152】
【化35】
【0153】
【化36】
【0154】
【化37】
【0155】
【化38】
【0156】
【化39】
【0157】
【化40】
【0158】
【化41】
【0159】
以下、本発明を実施例によって更に詳細に説明するが本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0160】
【実施例】
〔実施例−1〕
2−アミノ−3−シアノ−4−フェニルピロール(化合物12−25)の製造48%水酸化ナトリウム水溶液40gをメタノール290mlおよび水50mlの混合溶液に加え、マロノニトリル20.6gおよび2−フタルイミドアセトフェノン63.8gを添加した。内温20℃〜40℃で1時間攪拌後、水3lに加え、析出した結晶をろ取し、2−アミノ−3−シアノ−4−フェニルピロールを35.6g得た(収率81%、融点171℃)。
【0161】
〔実施例−2〕
2−アミノ−3−シアノ−4−フェニルピロール(化合物12−25)の製造28%ナトリウムメトキシドメタノール溶液93gをメタノール300mlに加え、マロノニトリル20.6gおよび2−フタルイミドアセトフェノン63.8gを添加した。内温20℃〜40℃で1時間攪拌後、水3lに加え、析出した結晶をろ取し、2−アミノ−3−シアノ−4−フェニルピロールを35.2g得た(収率80%、融点171℃)。
【0162】
〔実施例−3〕
2−アミノ−3−シアノ−4−(3,4−ジクロロフェニル)ピロール(化合物12−29)の製造
実施例1の2−フタルイミドアセトフェノンを2−フタルイミド−3’,4’−ジクロロアセトフェノン80.2gに変更したほかは実施例1と同様な方法により2−アミノ−3−シアノ−4−(3,4−ジクロロフェニル)ピロールを得た(収率90%、融点183℃)。
【0163】
〔実施例−4〕
2−アミノ−3−シアノ−4−(2,4−ジクロロフェニル)ピロール(化合物12−30)の製造
実施例1の2−フタルイミドアセトフェノンを2−フタルイミド−2’,4’−ジクロロアセトフェノン80.2gに変更したほかは実施例1と同様な方法により2−アミノ−3−シアノ−4−(2,4−ジクロロフェニル)ピロールを得た(収率87%、融点185℃)。
【0164】
〔実施例−5〕
2−アミノ−3−シアノ−4−(4−シアノフェニル)ピロール(化合物12−31)の製造
実施例1の2−フタルイミドアセトフェノンを2−フタルイミド−4’−シアノアセトフェノン69.6gに変更したほかは実施例1と同様な方法により2−アミノ−3−シアノ−4−(4−シアノフェニル)ピロールを得た(収率85%、融点200℃)。
【0165】
〔実施例−6〕
2−アミノ−3−シアノ−4−(4−トリフルオロメチルフェニル)ピロール(化合物12−33)の製造
実施例1の2−フタルイミドアセトフェノンを2−フタルイミド−4’−トリフルオロメチルアセトフェノン79.9gに変更したほかは実施例1と同様な方法により2−アミノ−3−シアノ−4−(4−トリフルオロメチルフェニル)ピロールを得た(収率75%、融点175℃)。
【0166】
〔実施例−7〕
2−アミノ−3−シアノ−4−(4−クロロフェニル)ピロール(化合物12−28)の製造
実施例1の2−フタルイミドアセトフェノンを2−フタルイミド−4’−クロロアセトフェノン71.9gに変更したほかは実施例1と同様な方法により2−アミノ−3−シアノ−4−(4−クロロフェニル)ピロールを得た(収率70%、融点203℃)。
【0167】
〔実施例−8〕
2−アミノ−3−シアノ−4−(4−ビフェニルイル)ピロール(化合物12−37)の製造
実施例1の2−フタルイミドアセトフェノンを2−フタルイミド−4’−フェニルアセトフェノン81.8gに変更し、反応温度を65℃としたほかは実施例1と同様な方法により2−アミノ−3−シアノ−4−(4−ビフェニルイル)ピロールを得た(収率89%、融点258℃)。
【0168】
〔実施例−9〕
2−アミノ−3−シアノ−4−〔3−(2,4−ジ−tert−ペンチルフェノキシ)エトキシフェニル〕ピロール(化合物12−39)の製造
実施例1の2−フタルイミドアセトフェノンを2−フタルイミド−3’−(2,4−ジ−tert−ペンチルフェノキシ)エトキシアセトフェノン129.6gに変更し、反応温度を65℃としたほかは実施例1と同様な方法により2−アミノ−3−シアノ−4−〔3−(2,4−ジ−tert−ペンチルフェノキシ)エトキシフェニル〕ピロールを得た(収率95%、融点188℃)。
【0169】
〔実施例−10〕
2−アミノ−3−シアノ−4−〔4−(2−エチル)ヘキシルオキシフェニル〕ピロール(化合物12−38)の製造
実施例1の2−フタルイミドアセトフェノンを2−フタルイミド−4’−(2−エチル)ヘキシルオキシアセトフェノン94.3gに変更し、実施例1と同様な方法で反応させた後、反応溶液を酢酸エチルで抽出し、減圧濃縮して2−アミノ−3−シアノ−4−〔4−(2−エチル)ヘキシルオキシフェニル〕ピロールを得た(収率70%、薄黄色オイル)。
【0170】
〔実施例−11〕
2−アミノ−3−シアノ−4−メチルピロール(化合物12−2)の製造
実施例1の2−フタルイミドアセトフェノンをフタルイミドアセトン48.7gに変更したほかは実施例1と同様な方法により2−アミノ−3−シアノ−4−メチルピロールを得た(収率79%、融点120℃)。
【0171】
〔実施例−12〕
2−アミノ−3−シアノ−4−プロピルピロール(化合物12−4)の製造
実施例1の2−フタルイミドアセトフェノンを1−フタルイミド−2−ペンタノン55.4gに変更したほかは実施例1と同様な方法により2−アミノ−3−シアノ−4−プロピルピロールを得た(収率73%、融点75℃)。
【0172】
〔実施例−13〕
2−アミノ−3−シアノ−4,5−ジメチルピロール(化合物13−1)の製造
実施例1の2−フタルイミドアセトフェノンを1−フタルイミド−1−メチル−2−プロパノン52.1gに変更したほかは実施例1と同様な方法により2−アミノ−3−シアノ−4,5−ジメチルピロールを得た(収率76%、融点165℃)。
【0173】
〔実施例14〕
2−アミノ−3−シアノ−4−(2−メチルフェニル)ピロール(化合物12−46)の製造。
実施例1の2−フタルイミドアセトフェノンを2−フタルイミド−2’−メチルアセトフェノン67.0gに変更したほかは、実施例1と同様な方法により2−アミノ−3−シアノ−4−(2−メチルフェニル)ピロールを得た(収率83%、融点148℃)。
【0174】
〔実施例15〕
2−アミノ−3−シアノ−4−(3,4−ジメトキシフェニル)ピロール(化合物12−48)の製造
実施例1の2−フタルイミドアセトフェノンを2−フタルイミド−3’,4’−ジメトキシアセトフェノン78.0gに変更したほかは、実施例1と同様な方法により2−アミノ−3−シアノ−4−(3,4−ジメトキシフェニル)ピロールを得た(収率82%、融点186℃)。
【0175】
〔実施例16〕
2−アミノ−3−シアノ−4−〔4−(2−(2,4−ジ−tert−ペンチルフェノキシ)ブチリルアミノ)フェニル〕ピロール(化合物12−50)の製造
実施例1の2−フタルイミドアセトフェノンを2−フタルイミド−4’−(2−(2,4−ジ−tert−ペンチルフェノキシ)ブチリルアミノ)アセトフェノン139.7gに変更したほかは、実施例1と同様な方法により2−アミノ−3−シアノ−4−〔4−(2−(2,4−ジ−tert−ペンチルフェノキシ)ブチリルアミノ)フェニル〕ピロールを得た(収率75%、融点190℃)。
【0176】
〔実施例17〕
2−アミノ−3−シアノ−4−〔2−(2−(2,4−ジ−tert−ペンチルフェノキシ)ブチリルアミノ)フェニル〕ピロール(化合物12−51)の製造
実施例1の2−フタルイミドアセトフェノンを2−フタルイミド−2’−(2−(2,4−ジ−tert−ペンチルフェノキシ)ブチリルアミノ)アセトフェノン139.7gに変更したほかは、実施例1と同様な方法により2−アミノ−3−シアノ−4−〔2−(2−(2,4−ジ−tert−ペンチルフェノキシ)ブチリルアミノ)フェニル〕ピロールを得た(収率77% 、融点114℃)。
【0177】
〔実施例18〕
2−アミノ−3−シアノ−4−(2−フルオロフェニル)ピロール(化合物12−61)の製造
実施例1の2−フタルイミドアセトフェノンを2−フタルイミド−2’−フルオロアセトフェノン67.9gに変更したほかは、実施例1と同様な方法により2−アミノ−3−シアノ−4−(2−フルオロフェニル)ピロールを得た(収率86% 、融点166℃)。
【0178】
〔実施例19〕
2−アミノ−3−シアノ−4−(フル−2−イル)ピロール(化合物12−59)の製造
実施例1の2−フタルイミドアセトフェノンを2−(2−フタルイミドアセチル)フラン61.2gに変更したほかは、実施例1と同様な方法により2−アミノ−3−シアノ−4−(フル−2−イル)ピロールを得た(収率70%、融点147℃)。
【0179】
〔実施例20〕
2−アミノ−3−シアノ−4−(2−フェニルスルホニルオキシフェニル)ピロール(化合物12−55)の製造
実施例1の2−フタルイミドアセトフェノンを2−フタルイミド−2’−フェニルスルホニルオキシアセトフェノン 101.0gに変更したほかは、実施例3と同様な方法により2−アミノ−3−シアノ−4−(2−フェニルスルホニルオキシフェニル)ピロールを得た(収率70%、油状物、1 HNMR(CDCl3 ):δ8.47(1H,brs)、7.95−7.20(9H,m)、6.39(1H,s)、4.21(2H,brs))。
【0180】
〔実施例21〕
2−アミノ−3−シアノ−4−(3,5−ジクロロ−2−(3,5,5−トリメチルヘキシルオキシ)フェニル)ピロール(化合物12−62)の製造
実施例1の2−フタルイミドアセトフェノンを2−フタルイミド−3’,5’−ジクロロ−2’−(3,5,5−トリメチルヘキシルオキシ)アセトフェノン114.2gに変更したほかは、実施例3と同様な方法により2−アミノ−3−シアノ−4−(3,5−ジクロロ−2−(3,5,5−トリメチルヘキシルオキシ)フェニル)ピロールを得た(収率97% 、油状物、 1 HNMR(CDCl3 ):δ8.71(1H,brs)、7.40(1H,s)、7.25(1H,s)、6.60(1H,s)、3.72(2H,m)、1.80−1.60(2H,m)、1.50−1.40(1H,m)、1.20−1.00(2H,m)、0.84(12H、m))。
【0181】
〔実施例22〕
2−アミノ−3−(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルシクロヘキシルオキシカルボニル)−4−フェニルピロール(化合物1−1)の製造
2−フタルイミドアセトフェノン106.0g、及びシアノ酢酸(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルシクロヘキシル)エステル117.2gをエタノール400mlに加え、48%水酸化ナトリウム水溶液67gを滴下した。
6時間還流後、水1.5lを加え、析出した結晶をろ取し、2−アミノ−3−(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルシクロヘキシルオキシカルボニル)−4−フェニルピロールを124g得た(収率76%、融点193〜195℃)。
【0182】
〔実施例23〕
2−アミノ−3−(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルシクロヘキシルオキシカルボニル)−4−(4−シアノフェニル)ピロール(化合物1−7)の製造
実施例22の2−フタルイミドアセトフェノンを2−フタルイミド−4’−シアノアセトフェノン116.0gに変更したほかは、実施例22と同様な方法により、2−アミノ−3−(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルシクロヘキシルオキシカルボニル)−4−(4−シアノフェニル)ピロールを得た(収率79%、融点145〜148℃)。
【0183】
〔実施例24〕
2−アミノ−3−(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルシクロヘキシルオキシカルボニル)−4−(3,5−ジブトキシフェニル)ピロール(化合物1−8)の製造
実施例22の2−フタルイミドアセトフェノンを2−フタルイミド−3’,5’−ジブトキシアセトフェノン163.6gに変更したほかは、実施例22と同様な方法により2−アミノ−3−(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルシクロヘキシルオキシカルボニル)−4−(3,5−ジブトキシフェニル)ピロールを得た(収率80%、融点70〜73℃)。
【0184】
〔実施例25〕
2−アミノ−3−(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルシクロヘキシルオキシカルボニル)−4−(4−クロロフェニル)ピロール(化合物1−4)の製造
実施例22の2−フタルイミドアセトフェノンを2−フタルイミド−4’−クロロアセトフェノン119.8gに変更したほかは、実施例22と同様な方法により2−アミノ−3−(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルシクロヘキシルオキシカルボニル)−4−(4−クロロフェニル)ピロールを得た(収率82%、融点213〜215℃)。
【0185】
〔実施例26〕
2−アミノ−3−(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルシクロヘキシルオキシカルボニル)−4−(3,4−ジクロロフェニル)ピロール(化合物1−2)の製造
実施例22の2−フタルイミドアセトフェノンを2−フタルイミド−3’,4’−ジクロロアセトフェノン133.6gに変更したほかは、実施例22と同様な方法により2−アミノ−3−(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルシクロヘキシルオキシカルボニル)−4−(3,4−ジクロロフェニル)ピロールを得た(収率74%、 1 HNMR(CDCl3 )δ:7.82(1H,s)、7.45−7.15(3H,m)、6.02(1H,s)、5.89(1H,s)、1.30−0.80(23H,m))。
【0186】
〔実施例27〕
2−アミノ−3−(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルシクロヘキシルオキシカルボニル)−4−(2−クロロフェニル)ピロール(化合物1−6)の製造
実施例22の2−フタルイミドアセトフェノンを2−フタルイミド−2’クロロアセトフェノン119.8gに変更したほかは、実施例22と同様な方法により2−アミノ−3−(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルシクロヘキシルオキシカルボニル)−4−(2−クロロフェニル)ピロールを得た(収率83%、 1 HNMR(CDCl3 )δ:7.79(1H,s)、7.45−7.20(5H,m)、6.07(1H,s)、5.86(1H,s)、1.30−0.80(23H,m))。
【0187】
〔実施例28〕
2−アミノ−3−(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルシクロヘキシルオキシカルボニル)−4−(4−トリフルオロメチルフェニル)ピロール(化合物1−5)の製造
実施例22の2−フタルイミドアセトフェノンを2−フタルイミド−4’トリフルオロメチルピロール133.2gに変更したほかは、実施例22と同様な方法により2−アミノ−3−(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルシクロヘキシルオキシカルボニル)−4−(4−トリフルオロメチルフェニル)ピロールを得た(収率81%、融点198〜200℃)。
【0188】
〔実施例29〕
2−アミノ−3−(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルシクロヘキシルオキシカルボニル)−4−(2−フルオロメチル)ピロール(化合物1−3)の製造
実施例22の2−フタルイミドアセトフェノンを2−フタルイミド−2’フルオロアセトフェノン113.2gに変更したほかは、実施例22と同様な方法により2−アミノ−3−(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルシクロヘキシルオキシカルボニル)−4−(2−フルオロメチル)ピロールを得た(収率80%、融点209〜211℃)。
【0189】
〔実施例30〕
2−アミノ−3−(2−tert−ブチル−6−メチルフェニル)−4−フェニルピロール(化合物2−5)の製造
実施例22のシアノ酢酸(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルシクロヘキシル)エステルをシアノ酢酸(2−tert−ブチル−6−メチルフェニル)エステル92.4gに変更したほかは、実施例22と同様な方法により、2−アミノ−3−(2−tert−ブチル−6−メチルフェニル)−4−フェニルピロールを得た。(収率53%、融点255〜256℃)。
【0190】
〔実施例31〕
2−アミノ−3−デシルカルバモイル−4−フェニルピロール(化合物4−1)の製造
実施例22のシアノ酢酸(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルシクロヘキシル)エステルをN−デシルシアノアセタミド89.6gに変更したほかは、実施例22と同様な方法により、2−アミノ−3−デシルカルバモイル−4−フェニルピロールを得た(収率51%、融点111℃)。
【0191】
〔実施例32〕
2−アミノ−3,4−ジ(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)ピロール(化合物3−3)の製造
鉄粉22.5g、塩化アンモニウム2.15gにイソプロパノール90mlおよび水30mlを加え、85℃で加熱した。これに2−ニトロ−3,4−ジ(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)ピロール33.9gを40分かけて分割添加した。反応混合物を1時間攪拌後、セライト濾過により鉄粉を除き、得られたろ液を水500mlに加えた。析出した固体をろ取し、2−アミノ−3,4−ジ(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)ピロールを得た(収率95%、融点111℃)。
【0192】
〔実施例33〕
2−アミノ−3−(2−エチルヘキシル)カルバモイル−4−プロピルオキシカルボニルピロール(化合物5−2)の製造。
実施例32の2−ニトロ−3,4−ジ(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)ピロールを2−ニトロ−3−(2−エチルヘキシル)カルバモイル−4−プロピルオキシカルボニルピロール28.2gに変更したほかは、実施例32と同様な方法により、2−アミノ−3−(2−エチルヘキシル)カルバモイル−4−プロピルオキシカルボニルピロールを得た(収率96%、融点103℃)。
【0193】
〔実施例34〕
2−アミノ−3,4−ジ(2−エチルヘキシル)カルバモイルピロール(化合物6−1)の製造。
実施例32の2−ニトロ−3,4−ジ(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)ピロールを2−ニトロ−3,4−ジ(2−エチルヘキシル)カルバモイルピロール33.8gに変更したほかは、実施例32と同様な方法により2−アミノ−3,4−ジ(2−エチルヘキシル)カルバモイルピロールを得た(収率95%、融点109℃)。
【0194】
〔実施例35〕
2−アミノ−3,4−ジ(ジブチルカルバモイル)ピロール(化合物6−6)の製造。
実施例32の2−ニトロ−3,4−ジ(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)ピロールを2−ニトロ−3,4−ジ(ジブチルカルバモイル)ピロール33.8gに変更したほかは、実施例32と同様な方法により2−アミノ−3,4−ジ(ジブチルカルバモイル)ピロールを得た(収率97%、融点97〜99℃)。
【0195】
【発明の効果】
本発明により、ピロロ〔1,2−a〕ピリミジン誘導体等の合成に有用な中間体として、一般式(I−1)〜(I−2)で表される新規な2−アミノピロール誘導体を提供することができた。更に、本発明の製造方法により、前記2−アミノピロール誘導体を含む2−アミノピロール誘導体を、非常に簡便に、かつ高収率で製造することができる。
Claims (2)
- 下記一般式(I−1)又は(I−2)で表される2−アミノピロール誘導体。
一般式(I−2)中のA5 は、オルト位に置換基を有する骨格炭素数6〜19のアリール基を表す。A 5 において、アリール基の置換基は、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、総炭素数1〜20のアルキル基、総炭素数2〜20のアルケニル基、総炭素数6〜20のアリール基、総炭素数1〜20のアルコキシ基、総炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、総炭素数6〜20のアリールオキシ基、総炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、総炭素数1〜30のカルバモイル基、総炭素数2〜20のアシルオキシ基または総炭素数2〜20のアシルアミノ基である。 - 下記一般式(d)〜一般式(h)で表されるイミドケトン誘導体と下記一般式(b)で表されるニトリル誘導体とを塩基性条件下で反応させることにより、下記一般式(c)で表される2−アミノピロール誘導体を製造することを特徴とする2−アミノピロール誘導体の製造方法。
R 1 およびR 2 において、アルキル基の置換基は、ハロゲン原子、総炭素数6〜20のアリール基、総炭素数1〜20のアルコキシ基、総炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、総炭素数6〜20のアリールオキシ基、総炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基または総炭素数1〜30のカルバモイル基であり、アルケニル基の置換基は総炭素数6〜20のアリール基であり、アリール基の置換基は、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、総炭素数1〜20のアルキル基、総炭素数2〜20のアルケニル基、総炭素数6〜20のア リール基、総炭素数1〜20のアルコキシ基、総炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、総炭素数6〜20のアリールオキシ基、総炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、総炭素数1〜30のカルバモイル基、総炭素数2〜20のアシルオキシ基、総炭素数1〜30のアルキルスルホニルオキシ基、総炭素数の6〜30のアリールスルホニルオキシ基、総炭素数2〜20のアシルアミノ基総炭素数1から30のアルキルスルホンアミド基、または総炭素数6〜30のアリールスルホンアミド基であり、アルコキシカルボニル基の置換基は、ハロゲン原子、総炭素数2〜20のアルケニル基、総炭素数6〜20のアリール基、総炭素数1〜20のアルコキシ基、総炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、総炭素数6〜20のアリールオキシ基、総炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基または総炭素数1〜30のカルバモイル基であり。アリールオキシカルボニル基の置換基は、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、総炭素数1〜20のアルキル基、総炭素数2〜20のアルケニル基、総炭素数6〜20のアリール基、総炭素数1〜20のアルコキシ基、総炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、総炭素数6〜20のアリールオキシ基、総炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、総炭素数1〜30のカルバモイル基、総炭素数2〜20のアシルオキシ基または総炭素数2〜20のアシルアミノ基である。
一般式(d)において、R 3 、R 4 、R 5 およびR 6 は、それぞれ同一でも異なってもよく、水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。一般式(e)において、R 7 およびR 8 は、それぞれ同一でも異なってもよく、水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。一般式(f)において、R 9 、R 10 、R 11 およびR 12 は、それぞれ同一でも異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子またはアルキル基を表す。一般式(g)において、R 13 およびR 14 は、それぞれ同一でも異なってもよく、水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。
一般式(b)において、Xはシアノ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アリールスルホニル基、アリール基、置換基を有するアルコキシカルボニル基、置換基を有するアリールオキシカルボニル基、置換基を有するアリールスルホニル基、−CONH−R o (R o は総炭素数1〜20のアルキル基または総炭素数6〜20のアリール基を表す)、−CONR p R q (R p 、R q は、それぞれ同一でも異なってもよく、総炭素数1〜20のアルキル基または総炭素数6〜20のアリール基を表す)、またはスルファモイル基を表す。Xにおいて、アルコキシカルボニル基の置換基は、ハロゲン原子、総炭素数2〜20のアルケニル基、総炭素数6〜20のアリール基、総炭素数1〜20のアルコキシ基、総炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、総炭素数6〜20のアリールオキシ基、総炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基または総炭素数1〜30のカルバモイル基であり、アリールオキシカルボニル基の置換基は、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、総炭素数1〜20のアルキル基、総炭素数2〜20のアルケニル基、総炭素数6〜20のアリール基、総炭素数1〜20のアルコキシ基、総炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、総炭素数6〜20のアリールオキシ基、総炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、総炭素数1〜30のカルバモイル基、総炭素数2〜20のアシルオキシ基または総炭素数2〜20のアシルアミノ基であり、アリールスルホニル基の置換基は、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、総炭素数1〜20のアルキル基、総炭素数2〜20のアルケニル基、総炭素数6〜20のアリール基、総炭素数1〜20のアルコキシ基、総炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、総炭素数6〜20のアリールオキシ基、総炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、総炭素数1〜30のカルバモイル基、総炭素数2〜20のアシルオキシ基または総炭素数2〜20のアシルアミノ基である。
一般式(c)において、R1およびR2は一般式(a)の場合と同義であり、Xは一般式(b)の場合と同義である。
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