JPH0538721U - 耐屈曲性シールドケーブル - Google Patents
耐屈曲性シールドケーブルInfo
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- JPH0538721U JPH0538721U JP291192U JP291192U JPH0538721U JP H0538721 U JPH0538721 U JP H0538721U JP 291192 U JP291192 U JP 291192U JP 291192 U JP291192 U JP 291192U JP H0538721 U JPH0538721 U JP H0538721U
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- copper alloy
- shielded cable
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】 シールドケーブルの耐屈曲性を向上させる。
【構成】 可撓性絶縁心線6の複数本を撚合わせたコア
c上にテープ7を巻回して押え巻きし、その上にシール
ド層8を設け、さらにその周りに外被9を設けた耐屈曲
性シールドケーブルにおいて、前記可撓絶縁心線の導体
4を下記の銅合金の線から成し、シールド層8を、高抗
張力繊維糸の周りに銅箔テープ又は下記の銅合金箔テー
プを横巻きした銅箔糸を押え巻き層7の上に横巻き又は
編組したものとする。 記 FeおよびPを含有し、Fe:0.02〜1重量%、
P:Fe含有量に対して15〜80重量%とされ、か
つ、In、Sn、PbおよびSbのうちの少なくとも1
種以上の物質を含有し、そのFe、P以外の物質の合計
含有量が0.01〜0.5重量%とされるとともに、そ
の物質各々の含有量が0.006重量%以上とされ、残
部が銅から成る高力高導電性銅合金。
c上にテープ7を巻回して押え巻きし、その上にシール
ド層8を設け、さらにその周りに外被9を設けた耐屈曲
性シールドケーブルにおいて、前記可撓絶縁心線の導体
4を下記の銅合金の線から成し、シールド層8を、高抗
張力繊維糸の周りに銅箔テープ又は下記の銅合金箔テー
プを横巻きした銅箔糸を押え巻き層7の上に横巻き又は
編組したものとする。 記 FeおよびPを含有し、Fe:0.02〜1重量%、
P:Fe含有量に対して15〜80重量%とされ、か
つ、In、Sn、PbおよびSbのうちの少なくとも1
種以上の物質を含有し、そのFe、P以外の物質の合計
含有量が0.01〜0.5重量%とされるとともに、そ
の物質各々の含有量が0.006重量%以上とされ、残
部が銅から成る高力高導電性銅合金。
Description
【0001】
この考案は、ロボット用ケーブルなどの繰り返し屈曲が加えられ、かつ、ノイ ズの影響をなくした耐屈曲性シールドケーブルに関するものである。
【0002】
この種のケーブルは、移動部に使用されるため、曲げ、捩り、震動等によって 断線しにくいことが要求され、一般には、可撓撚線導体の上に絶縁被覆を設けて 絶縁心線とし、その可撓性絶縁心線の複数本を撚合わせたコア上にテープを巻回 して押え巻きし、その上にシールド層を設け、さらにその周りに外被を設けた構 成である。
【0003】 このケーブルにおける従来のシールド層は、0.08〜0.18mmφの軟銅線 を押え巻き層の上に横巻き或いは編組したものである。
【0004】 ここで、ケーブルが屈曲する際、屈曲中心に対し、導体よりシールド層が内側 又は外側に位置するため、シールド層が導体より曲げ倍率が小さい。このため、 この種のケーブルにおいては、導体よりシールド層が早く断線して、シールド効 果が失われ、ロボット等の暴走の一因となっていた。
【0005】 この考案は、まず、シールド層の耐屈曲性を高め、さらにケーブル全体の耐屈 曲性を高めることを課題とする。
【0006】
上記課題を解決するために、この考案にあっては、まず、前述の構成のシール ドケーブルにおいて、その可撓性絶縁心線の導体を下記の銅合金Aの線からなし 、さらに、そのシールド層を、高抗張力繊維糸の周りに銅箔又は下記の銅合金A の箔のテープを横巻きした箔糸を、押え巻き層の上に横巻き又は編組したものと したのである。
【0007】 記 (A)FeおよびPを含有し、その含有量が、Fe:0.02〜1重量%、P: Fe含有量に対して15〜80重量%とされ、かつ、In、Sn、PbおよびS bのうちの少なくとも1種以上の物質を含有し、そのFe、P以外の物質の合計 含有量が0.01〜0.5重量%とされるとともに、その物質各々の含有量が0 .006重量%以上とされ、残部が銅から成る高力高導電性銅合金。
【0008】 上記銅合金は必らずInを含有するものとすることができ、この場合にも、I nとSn、Pb又はSbの合計含有量は0.01〜0.5重量%とする。また熱 処理によりFe−P化合物を析出させたものとすることができる。Fe、P以外 の物質がPbのみの場合は、その含有量は0.05重量%以上とするとよい。さ らに、銅合金のO2 含有量は50ppm 未満のものが好ましく、その組成金属の再 結晶組織は50%以下とするとよい。
【0009】 (特公昭62−56217号公報、特公昭62−56218号公報、特開昭6 1−64834号公報、特開昭61−64836号公報等参照)。
【0010】 上記高抗張力繊維には、ポリエステル系合成繊維(例えば、テトロン:帝人株 式会社 商品名)、芳香族ポリアミド繊維(例えばケブラー:米国デュポン社 商品名)などの種々の合成繊維、天然繊維を適宜に選択する。
【0011】 上記ケーブルは、シールド層が各銅合金箔糸、可撓性導体が銅線のものとする こともでき、また、可撓性導体を各銅合金線、銅箔糸又銅合金箔糸、シールド層 を各銅合金からなる線の横巻き又は編組とすることもできる。さらに、可撓性導 体は銅箔糸又は各銅合金箔糸で形成することもできる。
【0012】
【作用】 このように構成するこの考案に係るケーブルは、まず、可撓性導体又はシール ド層をなす上記組成Aからなる銅合金が、上記特公昭62−56217号公報等 に記載のごとく、耐屈曲性に優れ、導電性においても、純銅に比べて遜色がない 。例えば、疲労特性において、曲げ歪0.306%の条件では、上記銅合金から なる線の破断屈曲回数が16.1万回に対し、純銅線のそれは約4.3万回と約 4分の1であり、曲げ歪0.22%の条件では、上記銅合金線:3150万回以 上、純銅線:約11.93万回と約260分の1以下、曲げ歪0.18%の条件 では、上記銅合金線:6200万回以上、純銅線:約21.8万回と約280分 の1以下である。
【0013】 また、銅箔糸又は銅合金箔糸は長さ方向にも径方向にも伸び縮みし、かつ高抗 張力繊維糸の特性と相俟って十分な耐屈曲性を保持する。
【0014】 したがって、これらの十分な耐屈曲性を保持する銅合金又は箔糸の組合せの可 撓性導体及びシールド層から成るケーブルは耐屈曲性の優れたものとなる。
【0015】
まず、表1に示す構成でもって、図2に示すように、テトロン糸1の周りに純 銅箔テープ2を横巻きして銅箔糸3を製作した。
【0016】 一方、40本/0.08mmの前記(A)の組成の銅合金集合撚線4の上にポリ テトラフルオロエチレン(PTFE)5を押出成形して、0.2mm2 の絶縁心線 6を製作した(図1参照)。
【0017】
【表1】
【0018】 つぎに、前記絶縁心線6を2心撚合せて「対」aとし、この「対」aを複数集 合撚りしてケーブル芯(コア)cとし、この上に押え巻き層7、シールド層8、 およびポリウレタンエラストマーを材料とする外被9を順次設けて、図1に示す この考案に係るケーブルPを得た。このとき、シールド層8は前記銅箔糸3を横 巻き(図4)または編組(図5)することにより形成する。
【0019】 ここで、ケーブルPの用途によっては「対」a間の干渉が生ずる場合がある。 このような場合には、各「対」aごとにシールド層10を施し、これを集合撚り してケーブル芯cとし、この上に押え巻き層7、シールド層8、および外被9を 順次設けることもできる。このとき、対aのシールド層10も銅箔糸3の横巻き 又は編組により形成する。
【0020】 一方、比較例として、導体4:純銅線、シールド層8:0.12mmφの軟銅線 編組(比較例1)、導体4:高力銅合金線A、シールド層8:0.12mmφの軟 銅線横巻き(比較例2)、導体4:高力銅合金線A、シールド層8:0.12mm φの軟銅線編組(比較例3)、導体4:高力銅合金線A、シールド層8:0.0 8mmφの軟銅線横巻き(比較例4)とし、他は実施例と同一構成のケーブルPも それぞれ製作した。
【0021】
【表2】
【0022】 その実施例1、2及び各比較例のケーブルPを、下記の条件下で、図6に示す 屈曲試験を行った結果を表2の下欄に示す。
【0023】 記 曲げ角度 :±90度 曲げ半径R :6mm 荷重W :1kg 曲げ速度 :40回/分(左右をそれぞれ一回と数えて)。
【0024】 この結果から、各実施例は比較例に比べシールド層8の耐屈曲性が著しく優れ ていることが理解できる。
【0025】 また、絶縁心線6の導体4に、図3に示すように前述表1の構成において銅線 に代え0.1mmφの上記銅合金Aの線を母線とした銅合金箔糸3を7本撚りした ものを使用し、他は実施例1、2と同一構成のケーブルPを製作し、前述の屈曲 試験を行ったところ、導体4は1900,000回の屈曲によってもなお1心線 も全断線が生じなかった。
【0026】 さらに、導体4を銅箔糸3により形成し、シールド層8を上記銅合金Aの線又 は箔糸の横巻き・編組により形成したケーブルPを製作し、同様に屈曲試験を行 ったところ、銅合金の優れた耐屈曲性によってシールド層8の断線は阻止され、 導体4及びシールド層8は実施例1、2と同様な結果を得た。
【0027】 なお、上記実施例において、導体4又はシールド層8に、請求項2に記載の銅 合金を使用しても、同様な効果を得ることができ、O2 含有量を50ppm未満 、組成金属の再結晶組織が50%以下のものにあっては耐屈曲、導電性はより向 上した。
【0028】 また、上記実施例では、絶縁心線6の絶縁体5にPTFEを使用したが、この 外にポリ塩化ビニル(PVC)、架橋ポリエチレン、エチレンプロピレンゴム等 を、外被9にはポリウレタンエラストマーにかえて、PVC、クロロプレン、ポ リエステルエラストマー等を使用することができる。
【0029】
この考案は、以上のように構成したので、絶縁心線の導体及びシールド層の耐 屈曲性が著しく向上し、信頼性の高いケーブルを提供できる効果がある。
【図1】一実施例の断面図
【図2】銅箔糸の正面図
【図3】絶縁心線の導体断面図
【図4】シールド層の構成説明図
【図5】シールド層の構成説明図
【図6】屈曲試験説明図
1 高抗張力繊維糸(テトロン) 2 銅箔テープ(銅合金箔テープ) 3 銅箔糸(銅合金箔糸) 4 可撓性導体(集合撚線) 5 絶縁被覆(PTFE) 6 絶縁心線 7 押え巻き層 8 シールド層 9 外被(シース) P ケーブル c コア(ケーブル芯)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 江原 修 東大阪市岩田町2丁目3番1号 タツタ電 線株式会社内 (72)考案者 原田 憲治 東大阪市岩田町2丁目3番1号 タツタ電 線株式会社内
Claims (10)
- 【請求項1】 可撓性絶縁心線の複数本を撚合わせたコ
ア上にテープを巻回して押え巻きし、その上にシールド
層を設け、さらにその周りに外被を設けた耐屈曲性シー
ルドケーブルにおいて、前記可撓性絶縁心線の導体を下
記の銅合金の線から成し、前記シールド層を、高抗張力
繊維糸の周りに銅箔テープを横巻きした銅箔糸を、押え
巻き層の上に横巻きして形成したことを特徴とする耐屈
曲性シールドケーブル。 記 FeおよびPを含有し、その含有量が、Fe:0.02
〜1重量%、P:Fe含有量に対して15〜80重量%
とされ、かつ、In、Sn、PbおよびSbのうちの少
なくとも1種以上の物質を含有し、そのFe、P以外の
物質の合計含有量が0.01〜0.5重量%とされると
ともに、その物質各々の含有量が0.006重量%以上
とされ、残部が銅から成る高力高導電性銅合金。 - 【請求項2】 上記銅合金が必ずInを含有するものと
したことを特徴とする請求項1記載の耐屈曲性シールド
ケーブル。 - 【請求項3】 請求項1又は2に記載の耐屈曲性シール
ドケーブルにおいて、上記シールド層を、上記銅箔糸を
上記押え巻き層の上に編組して形成したことを特徴とす
る耐屈曲性シールドケーブル。 - 【請求項4】 可撓性絶縁心線の複数本を撚合わせたコ
ア上にテープを巻回して押え巻きし、その上にシールド
層を設け、さらにその周りに外被を設けた耐屈曲性シー
ルドケーブルにおいて、前記可撓性絶縁心線の導体を請
求項1又は2に記載の銅合金の線から成し、前記シール
ド層を、高抗張力繊維糸の周りに請求項1又は2に記載
の銅合金の箔テープを横巻きした銅合金箔糸を、押え巻
き層の上に横巻きして形成したことを特徴とする耐屈曲
性シールドケーブル。 - 【請求項5】 請求項4に記載の耐屈曲性シールドケー
ブルにおいて、上記シールド層を、上記各銅合金箔糸を
上記押え巻き層の上に編組して形成したことを特徴とす
る耐屈曲性シールドケーブル。 - 【請求項6】 請求項4又は5に記載の耐屈曲性シール
ドケーブルにおいて、上記可撓性絶縁心線の導体を、高
抗張力繊維糸の周りに銅箔テープを横巻きした銅箔糸に
より形成したことを特徴とする耐屈曲性シールドケーブ
ル。 - 【請求項7】 請求項4又は5に記載の耐屈曲性シール
ドケーブルにおいて、上記可撓性絶縁心線の導体を、高
抗張力繊維糸の周りに請求項1又は2に記載の銅合金の
箔テープを横巻きした銅合金箔糸により形成したことを
特徴とする耐屈曲性シールドケーブル。 - 【請求項8】 可撓性絶縁心線の複数本を撚合わせたコ
ア上にテープを巻回して押え巻きし、その上にシールド
層を設け、さらにその周りに外被を設けた耐屈曲性シー
ルドケーブルにおいて、前記可撓性絶縁心線の導体を、
高抗張力繊維糸の周りに銅箔テープを横巻きした銅箔糸
により形成し、前記シールド層を請求項1又は2に記載
の銅合金の線を押え巻き層の上に横巻きして形成したこ
とを特徴とする耐屈曲性シールドケーブル。 - 【請求項9】 請求項8に記載の耐屈曲性シールドケー
ブルにおいて、上記シールド層を上記各銅合金の線を上
記押え巻き層の上に編組して形成したことを特徴とする
耐屈曲性シールドケーブル。 - 【請求項10】 請求項1乃至3、8、9のいずれか1
つに記載の耐屈曲性シールドケーブルにおいて、その可
撓性絶縁心線の導体を、高抗張力繊維糸の周りに、請求
項1又は2に記載の銅合金の箔テープを横巻きした銅合
金箔糸により形成したことを特徴とする耐屈曲性シール
ドケーブル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP291192U JPH0538721U (ja) | 1991-09-11 | 1992-01-30 | 耐屈曲性シールドケーブル |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7311891 | 1991-09-11 | ||
JP3-73118 | 1991-09-11 | ||
JP291192U JPH0538721U (ja) | 1991-09-11 | 1992-01-30 | 耐屈曲性シールドケーブル |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0538721U true JPH0538721U (ja) | 1993-05-25 |
Family
ID=26336402
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP291192U Pending JPH0538721U (ja) | 1991-09-11 | 1992-01-30 | 耐屈曲性シールドケーブル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0538721U (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014096282A (ja) * | 2012-11-09 | 2014-05-22 | Hitachi Metals Ltd | シールドケーブル |
-
1992
- 1992-01-30 JP JP291192U patent/JPH0538721U/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014096282A (ja) * | 2012-11-09 | 2014-05-22 | Hitachi Metals Ltd | シールドケーブル |
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