JPH0538644U - 液晶パネルのアライメント調整機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】液晶パネルのアライメント調整機構の簡略化を
図るとともに、後方から容易に調整できるようにする。 【構成】板材２０、３０間に設けられたＸ方向に長い２
つの長孔２６Ａ、２６Ｂ及びＹ方向に長い２つの長孔２
６Ｃ、２６Ｄと、前記４つの長孔２６Ａ〜２６Ｄに案内
されるとともに長孔２６Ａ〜２６Ｄと対向する板材３０
に偏心軸２９Ａ〜２９Ｄが取り付けられた４つの偏心ピ
ン２８Ａ〜２８Ｄとによって、Ｘ方向に長い長孔２６
Ａ、２６Ｂに案内された偏心ピン２８Ａ、２８Ｂを同量
だけ回動させて板材３０をＹ方向に移動させる場合に
は、Ｙ方向に長い長孔２６Ｃ、２６Ｄと偏心ピン２８
Ｃ、２８Ｄとによって板材３０をＹ方向に案内し、同様
にＹ方向に長い長孔２６Ｃ、２６Ｄに案内された２つの
偏心ピン２８Ｃ、２８Ｄを同量だけ回動させて板材３０
をＸ方向に移動させる場合には、Ｘ方向に長い長孔２６
Ａ、２６Ｂと偏心ピン２８Ａ、２８Ｂとによって板材３
０をＸ方向に案内するようにしている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は液晶パネルのアライメント調整機構に係り、特にＲ、Ｇ、Ｂ用の画像 が形成された３枚の液晶パネルを透過したＲ、Ｇ、Ｂ画像を合成して１つのカラ ー画像を得るようにした液晶プロジェクタにおける液晶パネルのアライメント調 整機構に関する。

【０００２】

【従来の技術】

図６はダイクロイックミラー方式の液晶プロジェクタの一例を示す概念図であ る。同図に示すように、１つの光源（例えば、メタルハライドランプ）Ｌから発 光された光はコールドミラーＣＭで反射され、ＵＶ−ＩＲカットフィルタＦを介 してダイクロイックミラーＤＭ１に入射される。

【０００３】 ダイクロイックミラーＤＭ１は入射光のうち緑（Ｇ）光のみを反射し、赤（Ｒ ）、青（Ｂ）光を透過する。ダイクロイックミラーＤＭ１で反射されたＧ光は、 アルミミラーＡＭ１を介してＧ用の液晶パネルＬＣＤ１に入射する。一方、ダイ クロイックミラーＤＭ１を透過したＲ、Ｂ光はダイクロイックミラーＤＭ２に入 射され、ここでＲ光は反射されてＲ用の液晶パネルＬＣＤ２に入射し、Ｂ光は透 過されてＢ用の液晶パネルＬＣＤ３に入射する。

【０００４】 各液晶パネルによって表示されるＲ、Ｇ、Ｂ用の画像はそれぞれ上記色分割さ れたＲ，Ｇ，Ｂ光によって照明され、アルミミラーＡＭ２と合成系のダイクロイ ックミラーＤＭ３、ＤＭ４によって合成されてカラー画像として投影レンズ１１ を介して投影される。 ところで、良好なカラー画像を得るためには、各液晶パネルのアライメント調 整を行い、Ｒ、Ｇ、Ｂ用の画像を一致させる必要がある。

【０００５】 従来のこの種の液晶パネルのアライメント調整は、Ｒ、Ｇ、Ｂ用の液晶パネル のうちの２つの液晶パネルをアライメント調整機構を有する液晶パネル保持部に よって保持し、３つの液晶パネルの画像が一致するように１つの液晶パネルを基 準にして前記２つの液晶パネルのアライメント調整機構によって調整していた。 図７は従来の液晶パネルのアライメント調整機構の概略を示す斜視図である。

【０００６】 同図に示すように、アライメント調整機構は、ブラケット１、Ｘ方向移動部材 ２、Ｙ方向移動部材３、液晶パネル５が設けられたθ方向回動部材４、及び各部 材間に配設された調整ネジ（図示せず）から構成されている。即ち、Ｘ方向移動 部材２はブラケット１に対してＸ方向に移動自在に配設され、ブラケット１とＸ 方向移動部材２との間に配設されたＸ方向調整ネジ（図示せず）によってＸ方向 移動部材２をＸ方向に移動させ、同様にＹ方向移動部材３はＸ方向移動部材２に 対してＹ方向に移動自在に配設され、Ｘ方向移動部材２とＹ方向移動部材３との 間に配設されたＹ方向調整ネジ（図示せず）によってＹ方向移動部材３をＹ方向 に移動させ、θ方向回動部材４はＹ方向移動部材３に対してθ方向に回動自在に 配設され、Ｙ方向移動部材３とθ方向回動部材４との間に配設されたθ方向調整 ネジ（図示せず）によってθ方向回動部材４をθ方向に回動させるようにしてい る。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、従来の上記アライメント調整機構は４枚の板材を有するととも に、各板材間に調整ネジを有しているために、調整機構部品点数が多くなり、コ ストアップや重量増を招くという問題があった。 本考案はこのような事情に鑑みてなされたもので、調整機構の簡略化を図ると ともに、調整が容易な液晶パネルのアライメント調整機構を提供することを目的 とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案は前記目的を達成するために、ベースプレート上に配設され、Ｒ、Ｇ、 Ｂ用の画像がそれぞれ形成された液晶パネルをそれぞれの液晶パネルに対応する 色光のＲ、Ｇ、Ｂ光によって照明し、その透過したＲ、Ｇ、Ｂ画像を合成して得 られる１つのカラー画像を投影レンズを介して投影する液晶プロジェクタにおけ る液晶パネルのアライメント調整機構であって、ベースプレート上に直接又はブ ラケットを介して固定された第１の板材と、液晶パネルが取り付けられるととも に前記第１の板材に対向して配設される第２の板材と、前記第１及び第２の板材 の一方に穿設されたＸ方向に長い長孔及びＹ方向に長い長孔と、前記長孔に案内 されるとともに長孔と対向する板材に偏心軸が取り付けられた偏心ピンと、を備 えたことを特徴としている。

【０００９】

【作用】

本考案によれば、２枚の板材間に設けられたＸ方向に長い長孔及びそれと直交 するＹ方向に長い長孔と、前記長孔に案内されるとともに長孔と対向する板材に 偏心軸が取り付けられた偏心ピンとによって、Ｘ方向に長い長孔に案内された偏 心ピンを同量だけ回動させて第２の板材をＹ方向に移動させる場合には、Ｙ方向 に長い長孔と該長孔に案内された偏心ピンとによって前記第２の板材をＹ方向に 案内し、同様にＹ方向に長い長孔に案内された偏心ピンを同量だけ回動させて第 ２の板材をＸ方向に移動させた場合には、Ｘ方向に長い長孔と該長孔に案内され た偏心ピンとによって前記第２の板材をＸ方向に案内するようにしている。

【００１０】

【実施例】

以下添付図面に従って本考案に係る液晶パネルのアライメント調整機構の好ま しい実施例を詳述する。 図１（Ａ）は本考案に係る液晶パネルのアライメント調整機構の一実施例を示 す正面図であり、同図（Ｂ）は同図（Ａ）のＡ−Ａ線に沿う断面図である。

【００１１】 これらの図面に示すように、このアライメント調整機構は、主としてベースプ レート上に固定されるブラケット１０と、このブラケット１０に対して軸１２を 中心にしてθ方向に回動自在に配設される板金からなる板材２０と、後述するよ うに板材２０に対してＸ方向及びＹ方向に移動自在に配設される板金からなる板 材３０と、４つの偏心ピン２８Ａ〜２８Ｄとから構成されている。尚、板材３０ には液晶パネル４０を備えた液晶取付板４２が取り付けられている。また、図２ 乃至図４はそれぞれ上記ブラケット１０、板材２０及び板材３０の平面図である 。

【００１２】 図１（Ｂ）に示すようにブラケット１０と板材２０との間には軸１２が挟み込 まれており、また板材２０は４つのネジ１４Ａ〜１４Ｄによってブラケット１０ に取り付けられている。尚、４つのネジ１４Ａ〜１４Ｄはブラケット１０に形成 されている４つの孔１６Ａ〜１６Ｄ（図２参照）に遊挿されているため、板材２ ０はブラケット１０に対して軸１２を中心にしてθ方向に回動できるようになっ ている。

【００１３】 一方、ブラケット１０にはθ方向調整用の孔１６Ｅが穿設されるとともに、板 材２０にはこの孔１６Ｅに臨む長孔２１が穿設されている。従って、図示しない 偏心ドライバーを孔１６Ｅに入れるとともに、その偏心軸を長孔２１に挿入して 偏心ドライバーを回動させることにより、板材２０を軸１２を中心にしてθ方向 に回動させることができる。

【００１４】 また、板材３０は座金を有する４つのネジ２４Ａ〜２４Ｄによって板材２０に 取り付けられている。即ち、板材２０には、図３に示すように４つの四角い孔２ ２Ａ〜２２Ｄが形成されており、これらの孔２２Ａ〜２２Ｄに座金を有する４つ のネジ２４Ａ〜２４Ｄが挿入される。これにより、ネジ２４Ａ〜２４Ｄをゆるめ れば板材３０は板材２０に対して孔２２Ａ〜２２Ｄの範囲内で移動できるように なっている。

【００１５】 更に、図３に示すように板材２０には、Ｘ方向に長い２つの長孔２６Ａ、２６ Ｂが穿設され、またＸ方向と直交するＹ方向に長い２つの長孔２６Ｃ、２６Ｄが 穿設されている。そして、これらの４つの長孔２６Ａ〜２６Ｄには、図１に示す ように４つの偏心ピン２８Ａ〜２８Ｄのピンヘッドが摺動可能に挿入され、偏心 ピン２８Ａ〜２８Ｄの偏心軸２９Ａ〜２９Ｄは板材３０に回動可能に固定されて いる。

【００１６】 図５は上記４つの長孔２６Ａ〜２６Ｄ及び４つの偏心ピン２８Ａ〜２８Ｄを示 す拡大図である。 同図に示すように偏心ピン２８Ａ〜２８Ｄの偏心軸２９Ａ〜２９Ｄが位置して いる状態で、偏心ピン２８Ａ、２８Ｂを同時に実線で示す矢印の方向に同じ角度 だけ回動させると、他方の偏心ピン２８Ｃ、２８Ｄが長孔２６Ｃ、２６Ｄとの関 係でガイドとなり、偏心ピン２８Ａ〜２８Ｄの偏心軸２９Ａ〜２９Ｄが設けられ た板材３０は、＋Ｙ方向（図５の上方向）に移動させられる。また、偏心ピン２ ８Ａ、２８Ｂを同時に破線で示す矢印の方向に同じ角度だけ回動させると、板材 ３０は−Ｙ方向（図５の下方向）に移動させられる。

【００１７】 同様にして、偏心ピン２８Ｃ、２８Ｄを同時に実線で示す矢印の方向に同じ角 度だけ回動させると、他方の偏心ピン２８Ａ、２８Ｂが長孔２６Ａ、２６Ｂとの 関係でガイドとなり、板材３０は＋Ｘ方向（図５の左方向）に移動させられる。 また、偏心ピン２８Ｃ、２８Ｄを同時に破線で示す矢印の方向に同じ角度だけ回 動させると、板材３０は−Ｘ方向（図５の右方向）に移動させられる。

【００１８】 尚、偏心ピンにギア等を付属させ、偏心ピン２８Ａ、２８Ｂ又は偏心ピン２８ Ｃ、２８Ｄを同時に治具を使用して回動させるようにすれば、作業性は一層向上 する。また、Ｘ方向及びＹ方向を調整し、固定した後においては、偏心ピン２８ Ａ〜２８Ｄと長孔２６Ａ〜２６Ｄがストッパの役割をして板材２０、３０のずれ 防止をする効果がある。

【００１９】

【考案の効果】

以上説明したように本考案に係る液晶パネルのアライメント調整機構によれば 、２枚の板材間に設けられたＸ方向に長い２つの長孔及びＹ方向に長い２つの長 孔と、前記４つの長孔に案内されるとともに長孔と対向する板材に偏心軸が取り 付けられた４つの偏心ピンとによってＸ方向及びＹ方向の調整を行うようにした ため、調整機構の簡略化を図ることができる。また、後方から調整を行うことが でき、調整がしやすいという利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１（Ａ）は本考案に係るアライメント調整機
構の一実施例を示す正面図であり、同図（Ｂ）は同図
（Ａ）のＡ−Ａ線に沿う断面図である。

【図２】図２は図１に示したブラケットの正面図であ
る。

【図３】図３は図１（Ｂ）に示した板材２０の正面図で
ある。

【図４】図４は図１（Ｂ）に示した板材３０の正面図で
ある。

【図５】図５は図１の要部拡大図である。

【図６】図６はダイクロイックミラー方式の液晶プロジ
ェクタの一例を示す概念図である。

【図７】図７は従来の液晶パネルのアライメント調整機
構の概略を示す斜視図である。

【符号の説明】

１０…ブラケット １２…軸 １６Ｅ…孔 ２０、３０…板材 ２１、２６Ａ〜２６Ｄ…長孔 ２８Ａ〜２８Ｄ…偏心ピン ４０…液晶パネル

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 坂本 健一 埼玉県大宮市植竹町１丁目324番地 富士 写真光機株式会社内 (72)考案者 田中 実 栃木県佐野市小中町700番地 佐野富士光 機株式会社内

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ベースプレート上に配設され、Ｒ、Ｇ、
   Ｂ用の画像がそれぞれ形成された液晶パネルをそれぞれ
   の液晶パネルに対応する色光のＲ、Ｇ、Ｂ光によって照
   明し、その透過したＲ、Ｇ、Ｂ画像を合成して得られる
   カラー画像を投影レンズを介して投影する液晶プロジェ
   クタにおける液晶パネルのアライメント調整機構であっ
   て、 ベースプレート上に直接又はブラケットを介して固定さ
   れた第１の板材と、液晶パネルが取り付けられるととも
   に前記第１の板材に対向して配設される第２の板材と、
   前記第１及び第２の板材の一方に穿設されたＸ方向に長
   い長孔及びＹ方向に長い長孔と、前記長孔に案内される
   とともに長孔と対向する板材に偏心軸が取り付けられた
   偏心ピンと、 を備えたことを特徴とする液晶パネルのアライメント調
   整機構。
2. 【請求項２】 前記第１の板材はブラケットを介してベ
   ースプレート上に固定され、第１の板材とブラケットと
   の間にはＸＹ平面内で第１の板材を回動させる調整機構
   を有することを特徴とする請求項１の液晶パネルのアラ
   イメント調整機構。