JPH053835Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、各所の地中内部に押圧推進する下
水道等を埋設する際にヒユーム管とヒユーム管等
をジョイントする鋼製の継手管に設けてあるウエ
ブの変形を防止するために使用するコンクリート
管の継手用ウエブの保護具に関するものである。

（従来の技術） 一般に推進工法等におけるヒユーム管の接続個
所に使用する鋼製の継手管には、気密性及び水溶
性を保持するために、継手管のウエブに所定の等
間隔を以てスリツトを形成配置するものが一般的
となつている。然し、この各スリツトは、精度及
び品質規格に合格した製品であつても、運搬時の
積み降ろし、また、運搬中の振動や僅かな衝撃に
対しても、更に、荷積みの状態によつては自重等
によつて、ウエブのスリツト部が屈曲したり、更
には、押されて小さくなる等の各種多大の欠点が
生ずるものである。

そして、この様に真円形のウエブが楕円形状態
に変形したものでは、継手部分が正確に接合しな
い欠点と、施工に著しい困難さを要すると共に、
水密性及び気密性の点で大変に劣る欠点がある。
そこで、従来のものは、ウエブのスリツトに変形
するのを防止する防護片を溶接等の手段によつて
仮止着し、現場施工時において防護片を切除して
使用するものである。従つて、その防護片の切除
作業が大変に面倒であると共に、その切除作業に
よつてスリツト部分を屈曲したり破損したりする
等の重大な問題点が生じていた。

（考案が解決しようとする問題点） この考案における継手用のウエブの保護具で
は、ヒユーム管の継手管のウエブに設けた各スリ
ツトに保護具を容易に仮止めとして挿着し、実際
のヒユーム管の接続時には該保護具を簡単確実に
脱離して、スリツトが変形、破損しない状態で継
手管を使用できるようにしたウエブの保護具を提
供するものである。

（問題点を解決するための手段） 上記目的を達成するために、この考案は、保護
具本体１は合成樹脂の構成材料より全体を略三角
形状に形成して挿入部２と把手鍔部５とを構成す
る。該挿入部２には先端に向かつて相対する傾斜
挿着部６，６を形成する。この傾斜挿着部６，６
の後部にウエブ９と係合する脱離防止用の係合凹
部４を形成する。また、該傾斜挿着部６，６と隣
接する相対する平坦面１１，１１を形成すると共
に、平坦面１１，１１の端部全長に把手鍔部５，
５を一体成型したものである。

（作用） この考案は上記の如く構成されているので、こ
の保護具本体１を使用するには、鋼製よりなる継
手管７のウエブ９に等間隔を以て形成した所要深
さのスリツト１０，１０……に該保護具本体１の
挿入部２の傾斜挿着部６を挿嵌すると傾斜の面が
スリツト１０，１０の入口周縁付近に係止する。
この時スリツト１０，１０の端縁が相対する突出
部３，３の間の係合凹部４に進入し、スリツト１
０の入口で該保護具本体１は停止状態に一時的に
保持固定される。この状態で現場等に輸送し、施
工現場に至つて該保護具本体１を該把手鍔部５，
５を以て引き抜き、継手管７をコンクリート管１
３，１３との接合箇所に介在して接続するもので
ある。

（実施例） 次に、この考案の実施例を図面について説明す
ると、連結する各種のコンクリート管１３，１３
の接合箇所に介在する鋼製の継手管７の変形を防
止する保護具本体１は、合成樹脂等の構成材料を
以て各種の適宜大きさに形成する。この保護具本
体１は、先端の挿入部２と後部の把手鍔部５とを
形成して構成されている。前記挿入部２には、相
対する先端に向かつて傾斜する傾斜挿着部６，６
を形成してある。この傾斜挿着部６，６には、
各々途中から後端に向かつて相対する突出部３，
３を設けて中間に係合凹部４を形成する。この係
合凹部４は、ウエブ９に設けたスリツト１０……
の周縁に係合して脱離を防止する役目を果たして
いる。また、前記傾斜挿着部６，６に各々隣接し
て相対する平坦面１１，１１を形成してある。こ
の平坦面１１，１１には、基部となる後端の全長
に該把手鍔部５を一体成形してある。この把手鍔
部５は、スリツト１０に保護具本体１を挿着する
時と、取り外す時に掴む把手の役目を果たすよう
になつている。次に、前記継手管７には、そのフ
ランヂ８の内周面の略中央に同円状の該ウエブ９
を形成すると共に、ウエブ９に等間隔を設けて数
個のスリツト１０，１０……を穿設形成してあ
る。

（考案の効果） この考案は、上述のとおり構成されているの
で、継手管にこの保護具本体を使用すれば、運搬
時等における振動及び積み降ろし時の僅かな衝撃
に対しても何等変形することがない効果と、従来
の如く自重によるスリツト部分の変形及び圧縮応
力や歪等に対して充分に対応できるという優れた
効果がある。そしてこの保護具本体を合成樹脂の
構成材料で略三角状に成型してあるので、従来の
ものより全体を著しく小型に成型でき、且つ製作
が容易であると共に、軽量で弾性を有する保護具
を容易に得ることができる効果がある。また挿入
部の先端に向かつて相対する傾斜挿着部を形成し
てあるので、大小各種のスリツトへの挿入が極め
て容易で敏速にできると共に、その傾斜面がスリ
ツトの入口に確実に挿着して変形を確実に防止す
る効果がある。また該傾斜挿着部の後端に設けた
係合凹部によつては、保護具本体の挿着時に大小
各種のスリツトの端縁と確実に係合して脱離を確
実に防止する効果がある。また、挿入部の相対す
る平坦面の端部全長のみに設けた把手鍔部によつ
ては、スリツトへの挿入操作が大変に容易であ
り、且つ施工現場でのスリツトからの脱離を容易
とすると共に、保護具を全体的に強靱化する等の
実利的な効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の保護具本体の斜面図、第２
図は同じく正面図、第３図は同じく側面図、第４
図は保護具を取り付けた継手管の斜面図、第５図
は同じく取付状態の正面図、第６図は各コンクリ
ート管に継手管を介在した状態の縦断面図であ
る。符号１は保護具本体、２は挿入部、３は突出
部、４は係合凹部、５は把手鍔部、６は傾斜挿着
部、７は継手管、８はフランヂ、９はウエブ、１
０はスリツト、１１は平坦面、１３はコンクリー
ト管である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. コンクリート管１３とコンクリート管１３との
   接合個所に介在する継手管７の変形を防止する保
   護具本体１は、合成樹脂を以て略三角形状に形成
   すると共に、先端に挿入部２を形成し、該挿入部
   ２には、先端に向かつて相対する傾斜する傾斜挿
   着部６，６を各形成し、該傾斜挿着部６，６に
   は、各々略中央より後端に向かつて相対する突出
   部３，３を設け、該突出部３，３の間に係合凹部
   ４，４を形成し、且つ該傾斜挿着部６，６に隣接
   する相対する平坦面１１，１１には、基部となる
   後端の全長のみに把手鍔部５，５を一体に形成し
   たことを特徴とするコンクリート管の継手用ウエ
   ブノ保護具。