JPH0538319Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、二路の流入管路と一路の流出管路か
らなる三方管継手に関するものである。

（従来の技術とその課題） この種の三方管継手としては、第２図に断面正
面図で示したように、二路の流入管路１，２と一
路の流出管路３とからなるものが知られている。
この管継手は、流入管路１，２が流出管路３に比
べて小径に形成されており、その一方の流入管路
１と流出管路３とが同心状で水平方向に配設され
ている。

流入管路１，２の内周面には、環状溝１ａ，２
ａが設けられ、それぞれの環状溝１ａ，２ａにシ
ール部材７，８が装着されている。また、流入管
路１，２の奥部の管壁には全周に亘つてストツパ
段部１ｂ，２ｂが設けられており、前記ストツパ
段部１ｂの奥側は段差１ｃを介して継手本体の内
周面と接続している。

この三方管継手の場合、流入管路１，２に挿入
した管４，５はシール部材７，８を介して伸縮自
在に接続される。一方、流出管路３に挿入した管
６は、その先端部がストツパ段部９に当接して接
着接合される。

ところで、このような三方管継手にあつては、
管４の先端部とストツパ段部１ｂとの間に管４の
伸縮を許容するための隙間が形成されるため、該
隙間によつて形成された凹部に汚物、土砂等の夾
雑物が沈積して管内流体の流れが阻害されるとい
う問題があつた。

また、実開昭49−27725号には、流入管路の奥
部にストツパ段部を設け、該ストツパ段部の内径
を流入管路に挿入される管の内径より大きくした
三方管継手が提案されている。

しかしながら、この管継手の場合には、流入管
路に挿入した管の先端部がストツパ段部に当接し
て接続されるので、管が伸長したときに軸方向の
応力が発生すると、この応力によつて管や管継手
が破損することがある。また、管が収縮したとき
には、管先端部とストツパ段部との間に凹部が生
じるという問題が発生する。

本考案は上記の欠点を解消しものであつて、略
水平方向に配設された流入管路に管を伸縮自在に
接続することができると共に、該接続部において
汚物、土砂等の夾雑物が沈積することのない三方
管継手を提供するものである。

（課題を解決するための手段） 本考案は、流出管路とこれより小径の流入管路
とを同心状で、かつ略水平方向に配設したもので
あつて、前記流入管路の奥部の管壁略上半部のみ
に軸心方向に突出したストツパ段部を形成する。
また、前記流入管路の内周面に環状溝を設けて該
環状溝にシール部材を装着し、該流入管路に挿入
した管を前記シール部材を介して伸縮自在に接続
したことを特徴とするものである。

（作用） 略水平方向に配設された流入管路を流出管路よ
りも小径に形成し、該流入管路の管壁略上半部の
みに軸心方向に突出したストツパ段部を形成した
ので、排水は前記流入管路に逆流しないで流出管
路から排出される。このとき、流入管路の奥側に
凹部が存在しないので、汚物、土砂等の夾雑物は
排水と共に排出されて沈積しない。

また、この流入管路に挿入された管はシール部
材を介して伸縮自在に接続される。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を第１図に示す断面正
面図によつて説明する。

本考案の三方管継手は、二路の流入管路１０，
１１と一路の流出管路１２とで構成され、その一
方の流入管路１０と流出管路１２とが同心状で、
かつ略水平方向に配設され、この両管路１０，１
２に対して他方の流入管路１１が直交するように
配設されたＴ型継手である。

流入管路１０，１１は流出管路１２に比べて小
径に形成されており、それぞれの流入管路１０，
１１の内周面に環状溝１０ａ，１１ａが形成さ
れ、該環状溝１０ａ，１１ａにシール部材１６，
１７が装着されている。流入管路１０の奥部に
は、管路略上半部のみに軸心方向に収束するテー
パ面を有するストツパ段部１０ｂが形成されてい
る。また、その管壁略下半部はストレートに形成
されてその奥側が段部１０ｃを介して継手本体の
内周面と接続している。この流入管路１０に管１
３を挿入すると、該管１３はシール部材１６を介
して伸縮自在に接続され、その先端部がストツパ
段部１０ｂと当接して管１３の挿入量が規制され
る。

この接続状態では、流入管路１０の奥側の管壁
略下半部がストレートとなつて凹部が存在しない
ため、管１３から流入した汚物、土砂等の夾雑物
がこの接続部に沈積することはない。

また、他方の流入管路１１の奥部には、前記流
入管路１０が配設されている側の管壁略左半部に
軸心方向に収束するテーパ面を有するストツパー
段部１１ｂが形成され、その管壁略右半部はスト
レートに延出してから屈曲部１１ｄを介して流出
管路１２の管壁上部に接続している。この流入管
路１１に挿入された管１４はシール材１７を介し
て伸縮自在に接続される。

一方、流出管路１２は前記流入管路１０，１１
よりも拡径しており、その奥部にはストツパ段部
１８が形成されている。この流出管路１２に挿入
された管１５は、その先端部がストツパ段部１８
と当接して接着接合される。この接続状態におい
て、管１５の内周面とストツパ段部１８より奥側
の内周面とが面一となるように形成されている。

この三方管継手の場合、流入管路１０，１１が
流出管路１２よりも小径に形成されているので、
それぞれの流入管路１０，１１から継手本体内に
排水が流入したとき、この排水は略水平方向に配
設された流入管路１０に逆流することなく、流出
管路１２からスムーズに排出される。このとき、
排水中に混入している汚物、土砂等の夾雑物は流
入管路１０の奥側に沈積することなく、排水と共
に排出される。

（考案の効果） 以上詳述した如く、本考案の三方管継手は略水
平方向に配設された流入管路を流出管路よりも小
径に形成し、該流入管路の奥部の管壁略上半部の
みに軸心方向に突出したストツパ段部を形成した
ので、流入管路から流入した排水は略水平方向に
配設された流入管路に逆流することなく流出管路
からスムーズに排出される。このとき、該流入管
路の奥側に汚物、土砂等の夾雑物が沈積して管内
流体の通水不良が発生することがない。

また、前記流入管路にはシール部材を介して管
が伸縮自在に接続されるので、配管施工後に管が
伸縮しても、これによつて管や管継手が破損する
ことはない。

しかも、管の伸縮に伴なつて管先端部が流入管
路内を移動しても、該流入管路の奥部の管壁略下
半部には凹部が生じないため、汚物、土砂等の夾
雑物が沈積する恐れは全くない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の三方管継手の一実施例を示す
断面正面図、第２図は三方管継手の従来例を示す
断面正面図である。 １０，１１……流入管路、１２……流出管路、
１０ａ，１１ａ……環状溝、１０ｂ，１１ｂ……
ストツパ段部、１６，１７……シール部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 流体流入用の二路の流入管路と、流体流出用の
   一路の流出管路とから構成され、前記流入管路の
   うち一路は流出管路より小径で、かつこれと同心
   状に配設してなる三方管継手において、流出管路
   と同心状で略水平方向に配設された前記流入管路
   の奥部の管路略上半部のみに軸心方向に突出した
   ストツパ段部を形成すると共に、該流入管路の内
   周面に環状溝を設けて該環状溝にシール部材を装
   着し、該流入管路に挿入した管を前記シール部材
   を介して伸縮自在に接続したことを特徴とする三
   方管継手。