JPH0538189Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は既設の建物内に設備されるプレフアブ
ルームの角隅の壁パネル取付構造に関する。

（従来の技術） 近年、ビルジングの躯体建設後、その内装に際
し、水廻り空間部分、例えば、トイレ等のスペー
スは、躯体への直接工事としたのでは施工内容が
多岐に亘る為、事前に一括して工場等で製作され
たユニツト類を建物内に搬入して躯体床上で組立
てる所謂プレフアブ方式のインナールームを新た
に設ける形で設備を行い、以つて施工の簡略化を
図る傾向に在る。

こうしたプレフアブルームの側壁は、適宜な基
本形状の壁下地に壁装を施した構成の壁パネルを
建て並べていくことにより形成され、その際壁パ
ネルを構造材を兼ねる壁体として捉えこれを互い
に支え立ちさせて補強材で連結していく壁体連結
方式と、壁パネルを素直に壁面として考えこれを
構造材で形成した枠組に取付けていく壁面取付方
式とがあり、後者はプレフアブ化の本旨に沿うも
のとして注目されている。

そして、壁面取付方式によりプレフアブルーム
の角隅を形成する場合、二枚の壁パネルの一方を
山形の取合部材の一辺に他方を他辺に夫々着設す
ることにより所定の角隅角度で出会わせ、更にコ
ーナーポストを設けて上記取合部材を支持してい
る。

斯かる場合のコーナーポストとしては、従来、
略Ｗ字断面のものを用い、その両側片の一方にだ
ぼを取付けてこれに山形取合部材の一辺を遊合係
着させ、他方に他辺を止着するようにしていた。
これによれば、上記取合部材の一辺を前以つて一
方の壁パネルに止着しておき、壁パネルと共にコ
ーナーポストを攻め、以つて他方の壁パネルを取
合部材の他辺に係着するようにすることで、プレ
フアブルーム角隅の二枚の壁パネルを室内側から
一枚ずつ納まり良く建付けられる等の利点が得ら
れていた。

（考案が解決しようとする問題点） だが、コーナーポストの形状がＷ形である為、
構造計算に手間取る場合がある等の不都合が見ら
れ、納期との絡みもあつて、適宜な改良が要望さ
れていた。

本考案は、斯かる要望に応えるべく為されたも
ので、その目的とする処は、構造計算に手間取る
ことなく、従つて納期面で有利であるばかりか、
施工も簡単であり、しかも二枚の壁パネルを室内
側から一枚ずつ納まり良く建付けることが可能な
プレフアブルーム角隅の壁パネル取付構造を提供
するにある。

（問題点を解決するための手段） 上記問題点を解決する為の手段として、本考案
は、二枚の壁パネルを山形の取合部材の両辺に着
設し、この取合部材をコーナーポストで支持して
構成されるプレフアブルーム角隅の壁パネル取付
構造において、前記コーナーポストを角形とし、
その隣合う側面の一方で前記取合部材の一辺を受
けると共に他方を止着した。

（作用） 上記手段によれば、壁面取付方式のプレフアブ
ルームの枠組を構成するコーナーポストを角形と
する為、構造計算が比較的楽であり、手間取らず
に済み、従つて納期面で有利なばかりか、角形の
コーナーポストの隣合う側面の一方で山形の取合
部材の一辺を受けると共に他方に他辺を止着する
だけの為、施工も比較的簡単であり、工期の短縮
化も望め、しかも、上記取合部材の一辺を前以つ
て一方の壁パネルに止着しておき、壁パネルと共
にコーナーポストを攻め、以って他方の壁パネル
を取合部材の他辺に係着するようにすることで、
プレフアブルーム角隅の二枚の壁パネルを室内側
から一枚ずつ納まり良く建付けることができる。

（実施例） 以下、本考案の一実施例に付き、添付図面に基
ずいて詳細な説明を行う。

先ず第２図を参照して、本考案に係る壁パネル
取付構造が入隅に適用されたプレフアブルームの
概要説明を行なう。

第２図はプレフアブルーム全体の横断面図であ
る。

図中、参照符号Ｐはプレフアブルームの全体を
示す。プレフアブルームＰは既設のビルジング内
の所与のルームスペースＳ中に吊天井式システム
トイレとして設備されたもので、第２図に示すよ
うに、出入口Ｅの片側から始めて他側に終了する
まで略々躯体の壁Wb沿いに側壁１を巡らしてい
くことにより所望形状の部屋空間Ｒを画成し、途
中、側壁１を室内Ｒ側に往復迂回させて間仕切り
壁１ａ，１ｂを設け、これにより便所Rtと洗面
所Rwとの間及び洗面所Rwと正面通路Pfとの間
を夫々区画している。

側壁１は、便所Rt及び洗面所Rw各入隅部のコ
ーナーポスト２や出隅部の支持ポスト３、それに
間仕切り壁１ａ，１ｂの先端部折返し用ポスト４
及び基端部共用ポスト５、更には出入口Ｅ左右の
端仕舞用ポスト６といつた適宜な支柱（以降、総
称的にはＣで表す）を立設し、その間に、例え
ば、便所Rt及び洗面所Rw各入隅部左右の壁パネ
ル７ａ，７ｂ及び７a′，７b′や出隅部用壁パネル
７ｃ、それに、出入口Ｅ左右の壁パネル７ｄやそ
の他の平壁部の壁パネル７ｅ，７e′といつた適宜
な種類の壁パネル（以降、総称的には７で表す）
を建付け、隣接する壁パネル７，７同士を夫々ク
リツプジヨイント８で結着していき、適宜箇所に
飾縁９を入れて構成されている。

ここで、第３図を参照して上記プレフアブルー
ムＰの便所Rtの入隅部における壁パネル７の建
付構造に付き説明する。

第３図は第２図の３−３線に沿つたプレフアブ
ルーム要部の縦断面図である。

前記コーナーポスト２は躯体の床Fb上に立設
され、その下端部２ａの正面視左右の各側面に不
図示の下枠取合用突起が設けられていてこの突起
にＣチヤンネル状床ボーダ１０の一端がフイツシ
ユプレート１１を裏添えして突合せ接合されてい
る。床ボーダ１０は隣合う支柱Ｃへ向けて延設
し、その途中適宜箇所で躯体の床Fbとの間にス
ペーサ１２を介挿してレベルを出し、グリツプア
ンカー１３のボルト１４に締着固定する。

コーナーポスト２の上端部２ｂでは、同様に、
その正面視左右の各側面に不図示の上枠取合用突
起を設け、この突起に略Ｚ字状断面の頭つなぎ材
１５の一端を突合せ、同一断面形状のアングル材
から成るスプライス１６を外側から当てて接合
し、更に、このスプライス１６の上片部形状に対
応した切欠を有するコーナープレート１７を上方
から被せて一体的に止着固定している。頭つなぎ
材１５も上記隣合う支柱Ｃへ向けて延設され、そ
の途中適宜箇所で、対向する側の側壁上部に設け
られた同様な頭つなぎ材との間にＣチヤンネル状
の天井梁１８が架け渡されており、天井梁１８の
端部はビス１９等により適宜固定する。

斯くして、上記床ボーダ１０を下枠、天井つな
ぎ材１５を上枠とする建付枠が構成され、これに
前記パネル７（第３図の場合、入隅部左側の壁パ
ネル７ａ）が建付けられている。

ここで、第４図乃至第６図Ａ〜Ｃを参照して壁
パネル７の構造を説明しておく。

第４図は壁パネルの正面図、第５図は第４図の
５−５線に沿つた壁パネルの拡大縦断面図、第６
図Ａ〜Ｃは第５図の６−６線断面図で壁パネルの
種類によるパネルフレームの差異を示したもので
ある。

各壁パネル７は、パネルフレーム２０で硅酸カ
ルシウム板等の壁装下地２１を裏面より補強支持
し、この壁装下地２１の前面に、適宜な壁装材２
２、例えば便所用壁パネル７ａ，７ｂ，７ｅだと
陶器質タイル、また洗面所用壁パネル７a′，７
b′，７e′ではダイノシツクシートを貼着した構成
となつている。

パネルフレーム２０は、左右の縦框２３，２４
間を上框２５、下框２６、それに横桟２７…で結
び、更に横桟２７…間に縦組子２８…を組付けて
略格子状の枠組としたもので、左右の縦框２３，
２４は壁装下地２１より夫々上方及び下方に突出
する取付部２３ａ，２４ａ及び２３ｂ，２４ｂを
有し、上側の取付部２３ａ，２４ａには夫々取付
用組子２９が、また下側取付部２３ｂ，２４ｂに
は当て板２３ｃ，２４ｃが固着されている。

尚、各縦框２３，２４は、例えば平壁用壁パネ
ル７ｅ，７e′の場合｛第６図Ａ参照｝、Ｃ形のメ
インチヤンネル２３ｄ，２４ｄを後開きの向きに
置いた状態で、その外側方よりＧ形の取合用チヤ
ンネル２３ｅ，２４ｅを後開きの向きで接合し、
更にＣ形の位置決め兼補強用補助チヤンネル２３
ｆ，２４ｆを前開きの向きで後方より接合した構
造のもので、前二者が各パネルの全長と等長であ
るのにひきかえ補助チヤンネル２３ｆ，２４ｆの
みは下框２６下縁から最上段の横桟２７まで延伸
する長さ寸法となつている。各入隅の左側の壁パ
ネル７ａ，７a′の場合｛第６図Ｂ参照｝、右側縦
框２４に内側方に開いたＣ形の取合用チヤンネル
２４e′が使用され、右側の壁パネル７ｂ，７
b′｛第６図Ｃ参照｝では、左側縦框２３に外側方
に開いたＣ形の取合用チヤンネル２３e′が使用さ
れている点、上記と異なる。

ここで上記壁パネル７の建付方法に付き、第３
図に示す入隅部左側の壁パネル７ａ右半部を例に
取り説明する。尚、左半部も同時に同様な取扱を
受けることから、その対応する参照番号のみを割
弧（ ）内に示す。

壁パネル７ａは、床ボーダ１０の上片部１０ａ
上面に縦框２４，２３の補助チヤンネル２４ｆ，
２３ｆの下端が当接して、同上片部１０ａに止着
されただぼ３０に下框２６の下側開口が遊嵌し、
床ボーダ１０の垂直前壁部１０ｂ全体に亘り接着
層３１を介して着設された幅木３２の上縁折込部
３２ａに壁装材２２の下縁が臨む位置まで、上記
上片部１０ａに切欠かれた不図示の取合用開口か
ら前記下側取付部２４ｂ，２３ｂを落し込み、こ
のパネル位置において前記取付用組子２９，２９
を頭つなぎ材１５の帯状連結部１５ａに止着して
建付け、その際、縦框２４の取合用チヤンネル２
４e′をその上下方向数箇所に止着された取合部材
３３…を介してコーナーポスト２に取付ける。

そして壁装材２２の上縁部に廻縁３４をビス止
めして、天井面Scとの見切りをつける。尚、天
井面Scは、前記天井梁１８からクリツプ３５を
介して高さ調節自在なハンガー３６を垂設し、こ
のハンガー３６に通した野縁受け３７からＨバー
３８を介して天井パネル３９を吊設することによ
り画成されている。

ここで、第１図を参照して、入隅部左右の壁パ
ネル７ａ，７ｂの取付構造に付き述べる。

第１図は第３図の１−１線に沿つたプレフアブ
ルーム入隅部の横断面図である。

本実施例では、第１図に示す様に、コーナーポ
スト２を略方形断面の中空柱材とし、その正面視
左右の側面２ｃ，２ｄの一方２ｃで山形をなす前
記各取合部材３３の一辺３３ａを受け、他方２ｄ
に他辺３３ｂを止着している。

即ち、入隅部左側の壁パネル７ａの右側の縦框
２４の構成部材である前記取合用チヤンネル２４
e′の外側面に取合部材３３の正面視左側の辺３３
ａを皿ビス４０で外力より止着しておき、この取
合部材左側辺３３ａをコーナーポスト２の左側面
２ｃに当接させた状態で左側壁パネル７ａを建付
け、その際、取合部材３３の右側辺３３ｂはだぼ
４１付きビス４２で同ポスト２の右側面２ｃに止
着し、以つて、入隅部右側の壁パネル７ｂの左側
縦框２３を構成する前記取合用チヤンネル２３
e′の外側方向き開口を上記だぼ４１に遊嵌係着さ
せ、この位置で右側壁パネル７ｂを建付ける構成
としている。

尚、コーナーポスト２の断面形状は必ずしも方
形である必要はなく、例えば長方形状、或いは、
入隅の角度に応じた鋭角部若しくは鈍角部を有す
る四辺形その他の角形形状であれば良い。

上記実施例によれば、壁面取付方式のプレフア
ブルームＰの枠組を構成するコーナーポスト２を
角形とする為、構造計算が比較的楽であり、手間
取らずに済み、従つて、納期面で有利なばかり
か、角形のコーナーポスト２の隣合う左右の側面
２ｃ，２ｄの内、左側面２ｃで山形の取合部材３
３の左辺３３ａを受けると共に右側面２ｄに同部
材３３の右辺３３ｂを止着するだけの為、施工が
比較的容易であり、工期の短縮化も望める。しか
も、上記取合部材３３の左辺３３ａを前以つて左
側の壁パネル７ａの取合用チヤンネル２４e′に止
着しておき、この壁パネル７ａと共にコーナーポ
スト２を攻め、以つて右側の壁パネル７ｂの取合
用チヤンネル２３e′を取合部材３３の右辺３３ｂ
に係着するようにしているので、プレフアブルー
ム角隅の二枚の壁パネル７ａ，７ｂを室内Ｒ側か
ら一枚ずつ納まり良く建付けることができる。

尚、以上において、左右の方向関係は説明の便
宜上統一を図つたものであり、各角隅毎に適宜逆
向きとすることは差支えない。

（考案の効果） 以上の説明により明らかな如く、本考案によれ
ば、壁面取付方式のプレフアブルームの枠組を構
成するコーナーポストを角形とする為、構造計算
が比較的楽であり、手間取らずに済み、従つて納
期面で有利なばかりか、角形のコーナーポストの
隣合う側面の一方で山形の取合部材の一辺を受け
ると共に他方に他辺を止着するだけの為、施工が
比較的容易であり、工期の短縮化も望め、しか
も、上記取合部材の一辺を前以つて一方の壁パネ
ルに止着しておき、壁パネルと共にコーナーポス
トを攻め、以つて他方の壁パネルを取合部材の他
辺に係着するようにすることで、プレフアブルー
ム角隅の二枚の壁パネルを室内側から一枚ずつ納
まり良く建付けることができる等多くの効果が得
られる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例に係る壁パネル取付構
造が入隅に適用されたプレフアブルームに付き示
したもので、第１図は第３図の１−１線に沿つた
プレフアブルーム入隅部の横断面図、第２図はプ
レフアブルーム全体の横断面図、第３図は第２図
の３−３線に沿つたプレフアブルーム要部の縦断
面図、第４図は壁パネルの正面図、第５図は第４
図の５−５線に沿つた壁パネルの拡大縦断面図、
第６図Ａ〜Ｃは第５図の６−６線断面図で壁パネ
ルの種類によるパネルフレームの差異を示したも
のである。 尚、図中、２は入隅部のコーナーポスト、２ｃ
は同ポストの正面視左側の側面、２ｄは同右側の
側面、７は壁パネルの総称、７ａ，７ｂは入隅部
左右の壁パネル、３３は取合部材、３３ａは同部
材の正面視左側辺、３３ｂは同右側辺、Ｐはプレ
フアブルームである。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 二枚の壁パネルを山形の取合部材の両辺に着設
   し、該取合部材をコーナーポストで支持して構成
   されるプレフアブルーム角隅の壁パネル取付構造
   において、 前記コーナーポストを角形とし、その隣合う側
   面の一方で前記取合部材の一辺を受けると共に他
   方に他辺を止着したことを特徴とするプレフアブ
   ルーム角隅の壁パネル取付構造。