JPH0537984Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、複数台のエレベータを一群として
管理する場合において、特に乗場呼びを登録した
利用客がエレベータホールから離れてしまつた場
合でも、適切な制御を行うことのできるエレベー
タの群管理装置に関する。

〔従来の技術〕

複数台のエレベータを並列した場合、エレベー
タの運転効率の向上およびエレベータ利用者への
サービス向上を図るために、各階床で登録された
乗場呼びに対する応答号機をマイクロコンピユー
タ等の小形コンピユータを用いて、合理的に且つ
速やかに割当てることが従来より行われている。

この場合、割当ての判断基準となる評価指標に
は、主として乗場呼びが発生してからかごが到着
するまでの予測待時間や乗場呼びが発生してから
の継続時間など（以下これらを含めて単に待時間
という）が用いられる。つまり全体の平均待時間
が短くなるように、また、個々の待時間が極端に
長くならないように評価が行われる。

〔考案が解決しようとする課題〕

ところで、エレベータの利用客がエレベータホ
ールで乗場呼びを登録した後に他の用事を思い出
し、その場を離れたような場合、従来の群管理装
置では次のような問題を生じていた。すなわち、 利用客がホールを離れても乗場呼びは登録さ
れたままなので、割当てられたエレベータが無
駄に停止することになり、運転効率が悪化す
る。

利用客のいない階に停止すると、かご内の乗
客に心理的な不快感を与える。

ホールを一時的に離れた乗客が戻つてきて再
度乗場呼びを登録したとき、割当てのための評
価はその時点からの待時間により行われ、最初
の登録時点からの待時間は一切考慮されない。

といつた問題である。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は上記問題点を解決するためになされた
もので、その特徴とするところは、ホールに呼び
保留ボタンを設け、該呼び保留ボタンが操作され
るとそれに対応する乗場呼びの割当てを解除する
とともに、呼び保留ボタンが操作された時点から
所定時限以内に当該乗場呼びが再度登録されたと
きには、先の登録時点からの待時間を用いて割当
てを行うように構成した点にある。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。

第１図はこの考案によるエレベータの群管理装
置の全体構成図で、ここでは説明の便宜上、群管
理の対象となるエレベータがＡ号機とＢ号機の２
台の場合について説明する。

第１図において１Ａ及び１Ｂはそれぞれエレベ
ータホールのＡ号機用とＢ号機用のドア、２Ａ及
び２ＢはそれぞれＡ号機とＢ号機のホールランタ
ン、３はＡ号機とＢ号機に共通の乗場呼び登録ボ
タン、４は呼び保留ボタン、５は乗場呼び登録装
置、６は群管理制御装置、７Ａ及び７Ｂはそれぞ
れＡ号機とＢ号機の運行を管理する号機制御装
置、８Ａ及び８ＢはそれぞれＡ号機とＢ号機を駆
動するための巻上機である。

第２図はこの考案による群管理装置の処理手順
の一例を示すフローチヤートである。

以下、第１図及び第２図により本考案の動作に
ついて説明する。

まず、エレベータの利用客が乗場呼び登録ボタ
ン３を押すと、入力信号が乗場呼び登録装置５に
送られる。乗場呼び登録装置５は、通信回線を介
して群管理制御装置６に乗場呼び登録ボタン３か
らの入力情報を送信する。群管理制御装置６は、
乗場呼びを内部メモリ（図示せず）に登録したの
ち（ステツプ11）、号機制御装置７Ａ及び７Ｂか
ら送信されてくるかご呼び、かご位置、運転方
向、かご荷重及びその他の情報を基に割当て演算
を実行し、上記乗場呼びをサービスするのに最適
なエレベータを選択する（ステツプ12）。

その結果、例えばＡ号機に上記乗場呼びを割当
てることになつたとすると、群管理制御装置６は
通信回線を介して、Ａ号機制御装置７Ａ及び乗場
呼び登録装置５に割当て情報を伝送する。割当て
情報を受信したＡ号機制御装置７Ａは、巻上機８
Ａを駆動、停止させてかごを目的階まで走行させ
る。

一方、割当て情報を受信した乗場呼び登録装置
５は、ホールランタン２Ａを点灯させて、エレベ
ータ利用客に割当てかごの案内をする。そして割
当てかごがその階に到着すると終了する（ステツ
プ13）。

以上は通常の処理であり、従来の群管理システ
ムと全く同様である。

しかし、ここでもし割当てられたかごが到着す
る前にエレベータ利用客が乗場を離れてしまつた
とすると、従来の群管理システムでは前述のよう
な問題点が生じることになる。本考案ではこの問
題点を解決するため、以下のような処理を継続し
て行う。

エレベータ利用客が乗場呼びを登録した後、ホ
ールを一時的に離れる場合、登録した乗場呼びと
同方向の呼び保留ボタン４を押す。呼び保留ボタ
ン４の入力信号が乗場呼び登録装置５に送られる
と、乗場呼び登録装置５は通信回線を介して、群
管理装置６に呼び保留ボタン４からの入力情報を
送信する（ステツプ14）。群管理装置６は、上記
乗場呼びの割当てを解除して、その情報をＡ号機
制御装置７Ａおよび乗場呼び登録装置５に送信し
（ステツプ15）、ホールランタン２Ａと乗場呼びの
応答灯（図示せず）を消灯する。但しこのとき群
管理装置６は、上記乗場呼びについての待時間の
積算を継続する（ステツプ16）。この待時間の積
算は、乗場呼びの継続時間をそのまま積算してい
くようにしてもよいし、乗場呼びの登録時刻だけ
を記憶させておいて、必要なときにはその時刻か
ら計算により求めるようにしてもよい。

その後、エレベータの利用客がホールに戻つて
きて再度乗場呼び登録ボタン３が押されると（ス
テツプ17）、最初に乗場呼びが登録された時と同
様の処理が実行される。但しこのとき、待時間と
して、再度乗場呼びが登録された時点ではなく最
初に乗場呼びが登録された時点からの積算時間を
用いて割当て演算を実行する（ステツプ19）た
め、優先的に割当てられることになり、比較的短
い待時間でサービスされることになる。

尚、呼び保留ボタン４を押した後、利用客がそ
のままホールに戻つてこないことも考えられるの
で、予め設定した時間が経過した場合には、その
乗場呼びの登録や待時間の積算はすべてキヤンセ
ルされる（ステツプ18）。

なお、上記の実施例において、呼び保留ボタン
の位置は必ずしも呼び登録ボタンの近傍である必
要はなく、また同等の機能を発揮できるものであ
ればボタンに限られるものではない。

〔考案の効果〕

以上説明したように、エレベータホールに通常
の乗場呼び登録ボタンとは別に呼び保留ボタンを
設けることにより、エレベータ利用客が乗場呼び
を登録した後、何らかの理由でその場を一時的に
離れる必要が生じた場合でも、この呼び保留ボタ
ンを押すことによつて、割当てられたエレベータ
に無駄な停止が発生せず、従つて運転効率の悪化
を防止するとともに、予めそのかごに乗つていた
乗客に無駄な停止による不快感を与えることもな
く、しかも乗場を一時的に離れていた利用客が再
度乗場に戻つて乗場呼び登録した場合、比較的短
時間でサービスされるなど、種々の優れた効果を
発揮することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案によるエレベータの群管理装
置の一実施例を示す全体構成図、第２図はこの考
案による群管理装置の動作を示すフローチヤート
である。 １Ａ，１Ｂ……エレベータホールのドア、２
Ａ，２Ｂ……ホールランタン、３……乗場呼び登
録ボタン、４……呼び保留ボタン、５……乗場呼
び登録装置、６……群管理制御装置、７Ａ，７Ｂ
……号機制御装置。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 複数の階床に複数台のエレベータを就役させ、
   これら複数台のエレベータに共通の乗場呼びに対
   し、少なくとも待時間を評価指標として各エレベ
   ータごとの評価を行い、その結果、評価の最適な
   エレベータを前記乗場呼びに割当てるようにした
   エレベータの群管理装置において、 操作されるとそれに対応する乗場呼びの割当て
   を解除し、かつ操作された時点から所定時限以内
   に当該乗場呼びが再度登録されたときには、先の
   登録時点からの待時間を用いて割当てを行うよう
   にする呼び保留手段をエレベータホールに設けた
   ことを特徴とするエレベータの群管理装置。