JPH0537982U - 織機用空気噴射ノズル - Google Patents

織機用空気噴射ノズル

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JPH0537982U
JPH0537982U JP8982791U JP8982791U JPH0537982U JP H0537982 U JPH0537982 U JP H0537982U JP 8982791 U JP8982791 U JP 8982791U JP 8982791 U JP8982791 U JP 8982791U JP H0537982 U JPH0537982 U JP H0537982U
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Abstract

(57)【要約】 【構成】円筒状の保持部と、これに連続した偏平状で先
端の閉じた先端部よりなり、前記先端部の側面に噴射孔
11を穿設した織機用空気噴射ノズル1において、上記
噴射孔11を、ノズル長軸と垂直方向のみに外側に向か
って小径となる口細形状とする。 【効果】噴射孔11から噴射する空気の水頭圧を高くす
ることができるため、空気噴射ノズル1に供給する空気
の元圧を極端に減少することができ、空気消費量を減少
することができる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はエアジェット型の織機において、横糸を搬送させるための空気噴射ノ ズルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
エアジェット型の織機において、縦糸の間に横糸を送出する構造は、図2(a )(b)に示すように、ポリエステル、綿などの横糸3を噴出するメインノズル 2と、該横糸3を搬送させるための気流を発生する多数の空気噴射ノズル1より なっていた。この空気噴射ノズル1は、数本ずつ数グループに分割され、横糸3 がメインノズル2より噴出されると、給糸側から先端側へ順次一定時間だけ噴射 し、図2(a)から図2(b)のように噴射空気4によって横糸3を端部まで搬 送するようになっていた。
【0003】 この空気噴射ノズル1は図1(a)(b)に示すように、円筒状の保持部13 と、これに連続した、偏平状で先端の閉じた先端部12を有し、該先端部12の 側端に噴射孔11を穿設したものであり、ステンレスにより形成したものであっ た。また、近年この空気噴射ノズル1の材質として、セラミックスやサーメット を用いて耐摩耗性を高めることが提案されている(例えば特開昭63−2113 46号、実開昭63−175180号公報など参照)。
【0004】
【従来技術の問題点】
ところが、従来の空気噴射ノズル1における噴射孔11は、図6に示すように ストレート形状になっていた。このようなストレート形状の噴射孔11の場合、 一定の噴射圧力を得るためには、空気噴射ノズル1に供給する空気の元圧を高く する必要があり、したがって空気消費量が多くなるという問題点があった。
【0005】 そこで、空気消費量を減少するための手段として、噴射孔11の数を多くした り、あるいは噴射孔11の形状を異形状にするなどの対応がとられていたが、こ れでは加工工数が増え、コストも高いものであった。
【0006】
【問題点を解決するための手段】
上記に鑑みて、本考案は円筒状の保持部と、これに連続した偏平状で先端の閉 じた先端部よりなり、前期先端部の側面に噴射孔を穿設した織機用空気噴射ノズ ルにおいて、上記噴射孔が、ノズルの長軸に垂直方向のみに外側へ向かって小径 となる口細形状となるようにしたものである。
【0007】
【実施例】
以下、本考案の実施例を図によって説明する(従来例と同一部分は同一符号を 用いて説明する)。
【0008】 図1(a)(b)に示すように本考案の織機用空気噴射ノズル1は、円筒状の 保持部13と、これに連続した偏平状で先端の閉じた先端部12よりなり、該先 端部12の側面に噴射孔11を穿設してなるものである。そして、この噴射孔1 1は、図3(a)にノズル長軸方向の断面図を、図3(b)にノズル長軸と垂直 方向の断面図をそれぞれ示すように、ノズル長軸と垂直方向のみに外側に向かっ て小径となるテーパ状の口細形状となっている。そのため、噴射された空気はこ の口細形状によって絞られ、高い噴射圧力を示すようになる。したがって、横糸 の搬送に必要な噴射圧力を得るための空気消費量を小さくすることが可能となる 。
【0009】 また、ここで上記テーパ状の口細形状を、ノズル長軸と垂直方向のみに形成す ることが本考案の最も重要な点である。即ち、図7に示すように噴射孔11の全 方向に対してテーパ状の口細形状とするよりも、ノズル長軸と垂直方向のみに口 細形状とし、ノズル長軸方向については同一径としたものの方が、高い噴射圧力 を得られることを実験により見出したのである。この理由については明確ではな いが、ノズル長軸方向に口細形状となっていると空気の噴射角度がばらつきやす く、その結果一定のポイントに高い圧力で噴射できないと考えられる。
【0010】 さらに、本考案の他の実施例を図4に示すように、この噴射孔11は、ノズル 長軸と垂直方向のみに口細形状となるテーパ部11aとこれに連続するストレー ト部11bにより形成されている。この場合は、テーパ部11aで噴射空気が絞 られて高い噴射圧力を得られるとともに、ストレート部11bで噴射方向が定め られるため、噴射空気の方向性を高くできる。
【0011】 また、以上の実施例では、噴射孔11の口細形状としてテーパ形状のものを示 したが、これに限らず図5に示すように、曲面状の内面を持った噴射孔11を形 成することもできる。また、図示していないがこのような曲面状の内面に連続し たストレート部を形成することもできる。
【0012】 さらに、本考案の空気噴射ノズル1において、噴射孔11のテーパ角度θが重 要であり、後述するようにテーパ角度θが5°より小さいと絞り作用が小さく、 逆にテーパ角度θが90°より大きいとかえって絞り作用が小さくなるため、テ ーパ角度θは5〜90°としたものがよい。なお、図5に示すような曲面状の噴 射孔11の場合は、最少径部と最大径部とを結ぶ直線間の角度をテーパ角度θと する。
【0013】 また、本考案の空気噴射ノズル1を形成する材質としては、金属材でもよいが 、耐摩耗性の点から、アルミナ、ジルコニア、炭化珪素、窒化珪素などのセラミ ックス、TiC−TiNを主成分とするサーメット、あるいはWCを主成分とす る超硬合金などを用いることが望ましい。
【0014】 さらに、本考案の空気噴射ノズル1の製法は、これらのセラミックス、サーメ ットなどを用いて、射出成形法によって成形し、焼成することによって、比較的 容易に形成することができる。そして、上記噴射孔11は、例えば射出成形時に ピンを備えておき、脱型時にこのピンを複数に分割して取り外すような構造とす ることによって容易に形成することができる。また、サーメットなどの導電材を 用いる場合は、放電加工によって噴射孔11を形成することも可能であり、その 他機械的な加工によって噴射孔11を形成することもできる。
【0015】実験例 ここで、図3、図4に示す本考案実施例、比較例として図6に示すストレート 状の噴射孔11を持ったもの、および図7に示す噴射孔11が全方向にテーパ状 となった空気噴射ノズルを試作し、噴射圧力を測定する実験を行った。 空気噴射ノズル1の大きさは、長さ40mm、保持部13の外径4mm、肉厚 0.5mmとした。また、材質は、ZrO2 を主成分とし安定化剤として3mo l%のY2 3 を含む部分安定化ジルコニアセラミックスで形成した。表1に示 すようにテーパー角度θをさまざまに変化させたものを試作し、それぞれ空気噴 射ノズル1に供給する空気の元圧を3kg/cm2 とし、噴射孔11から60m m離れた場所にピトー管の一端を設置して、噴射空気の水頭圧を測定した。この とき、実験例1として噴射孔11を図3に示すテーパ形状とし、また実験例2と して噴射孔11を図4に示すテーパ部とストレート部の組み合せ形状とし、いず れも噴射孔11の孔径は1.5mmとした。測定結果は表1に実験例1の結果、 表2に実験例2の結果を示す通りである。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】 これらの表1、表2において、テーパ角度θが0°のものは図6に示すストレ ート形状の比較例である。 まず、表1において、テーパ角度θが0°のものは、絞り作用が全くないため 水頭圧が325〜330mmAqと低かった。一方、テーパ角度θが100°の ものについては、角度が大きすぎるため、かえって絞り作用が弱くなり、水頭圧 が260〜265mmAqと低かった。一般に噴射孔11の孔径dが1.5mm のとき、噴射空気の水頭圧は325mmAq以上必要であるため、テーパ角度0 °のもので下限ぎりぎりの値であり、テーパー角度100°のものは使用不能で あった。
【0019】 これに対して、テーパ角度θを5〜90°とした本考案実施例においては、い ずれにおいても水頭圧が390mmAq以上と非常に優れた結果を示した。中で も、テーパ角度θを20〜60°としたものは、水頭圧が510mmAq以上と 特に優れていた。また、テーパ形状を全方向に形成した比較例よりも、テーパ形 状をノズル長軸と垂直方向のみに形成した本考案実施例のほうが、高い水頭圧を 示すことも確認された。
【0020】 次に表2についても、実験例1と同様に、テーパー角度θを5〜90°とし、 テーパ形状をノズル長軸と垂直方向のみに形成した本考案実施例は高い水頭圧を 示し、中でもテーパー角度θを20〜60°としたものは、水頭圧が515mm Aq以上と特に優れていた。
【0021】 また、上記実施例では空気噴射ノズルの材質としてジルコニア用いたものを示 したが、この他にアルミナ、炭化珪素、窒化珪素などのセラミックス、あるいは サーメット、または、ステンレス、超硬合金などの金属などを用いても同様の結 果であった。また、噴射孔11の形状として、丸孔のみの実施であったが、長方 形やその他の異形状の孔についても同様である。
【0022】
【考案の効果】
以上のように本考案によれば、円筒状の保持部と、これに連続した偏平状で先 端の閉じた先端部よりなり、該先端部の側面に噴射孔を穿設した織機用空気噴射 ノズルにおいて、上記噴射孔を、ノズル長軸と垂直方向のみに外側に向かって小 径となる口細形状としたことによって、噴射孔から噴射する空気の水頭圧を高く することができる。このことにより、横糸の搬送に必要な噴射空気圧を確保する ために、空気噴射ノズルに供給する空気の元圧を極端に減少することができ、空 気消費量を減少することができる。また、供給空気の元圧を現状のままにすると 、噴射空気圧が高くなることから、空気噴射ノズルの間隔を広げることができ、 空気噴射ノズルの本数を減少させることができる。
【0023】 さらに、本考案の空気噴射ノズルは、水頭圧が高く絞られた空気を噴射できる ことにより、横糸の搬送を正確に行うことができ、より品質の高い安定した織物 を製造することができるとともに、織機動作の高速化が可能となるなどの特長を 有する織機用空気噴射ノズルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本考案実施例の織機用空気噴射ノズル
を示す斜視図、(b)は(a)中のX−X線断面図であ
る。
【図2】(a)(b)はエアージェット型の織機内で横
糸が搬送されていく工程を示す概略図である。
【図3】本考案実施例の織機用空気噴射ノズルの噴射孔
の断面図であり、(a)は図1(a)中のX−X線方
向、(b)はY−Y線方向断面図である。
【図4】本考案の他の実施例の織機用空気噴射ノズルの
噴射孔の断面図である。
【図5】本考案の他の実施例の織機用空気噴射ノズルの
噴射孔の断面図である。
【図6】従来の織機用空気噴射ノズルの噴射孔の断面図
である。
【図7】噴射孔が全体的にテーパーとなっている織機用
空気噴射ノズルの噴射孔の断面図である。
【符号の説明】
1・・・空気噴射ノズル 2・・・メインノズル 3・・・横糸 4・・・噴射空気 11・・噴射孔 12・・先端部 13・・保持部

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】円筒状の保持部と、これに連続した偏平状
    で先端の閉じた先端部よりなり、該先端部の側面に噴射
    孔を穿設した織機用空気噴射ノズルにおいて、上記噴射
    孔が、ノズルの長軸と垂直方向のみが外側に向かって小
    径となるような口細形状であることを特徴とする織機用
    空気噴射ノズル。
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