JPH0536771Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、リヤワイパアームの保持構造に関
し、詳しくは、脱着可能なリヤウインドガラスを
具備する自動車の車体後端面に装着されたリヤワ
イパのワイパアームの保持構造に関するものであ
る。

〔従来の技術〕

例えば、自動車の車種によつては、運転席の周
囲を開放してオープン感覚の走行を楽しむことが
できるようにするため、バツクドアのウインドガ
ラスを脱着可能に装着してある。第５図及び第６
図はこの種の自動車の後部を示した要部斜視図で
ある。図面において、１は車体、２は車体１の後
端面に配設されたバツクドアで、このバツクドア
２は、ドア本体３にウインドガラス４を脱着可能
に装着してある。５は上記バツクドア２のドア本
体３に装着されたリヤワイパで、このリヤワイパ
５によりウインドガラス４に付着した雨滴等を払
拭する。上記リヤワイパ５のピボツト軸６は、ド
ア本体３の上端中央より側方へずれた位置におい
てその外板２ａに貫通固定されたピボツトホルダ
６′に回転自在に保持され、その先端部を後部外
方へ突出させたもので、大径部６ａと先端の小径
螺子部６ｂとの間にセレーシヨンを形成したテー
パ部６ｃを設けてある。７は基端部７ａに、ピボ
ツト軸６のテーパ部６ｃのセレーシヨンと噛み合
うセレーシヨンを形成したテーパ孔７ｂを設けた
ワイパアームで、このワイパアーム７は、そのテ
ーパ孔７ｂをピボツト軸６のテーパ部６ｃに嵌合
させ、かつ、小径螺子部６ｂに螺合したナツト８
を緊締することによりピボツト軸６の先端に取付
けてある。９はワイパアーム７の先端に装着され
たワイパブレードで、ワイパブレード９はウイン
ドガラス４の下縁に弾性的に当接させてある。１
０はドア本体３の外面の上部中央に上端を上記ワ
イパアーム７の枢着部と略同じ高さに保持して、
かつ、ワイパアーム７の回動下端位置の下方に隣
接して配設された断面略ハツト型形状のスペアタ
イヤ装着用の取付ブラケツトで、この取付ブラケ
ツト１０は、頂壁１０ａの左右両側端縁から側壁
１０ｂ，１０ｂを対向させて突設し、かつ、各側
壁１０ｂ，１０ｂの先端縁をＬ字形状に折曲形成
して鍔部１０ｃ，１０ｃを形成したものである。
そして、取付ブラケツト１０の鍔部１０ｃ，１０
ｃに貫通させた複数本のボルト１１を緊締するこ
とによりドア本体３に取付ブラケツト１０を取付
固定してある。１２は上記取付ブラケツト１０の
外面１０ｄに水平に突設して矩形配置された複数
本の取付ボルトで、この取付ボルト１２を利用し
て取付ブラケツト１０にスペアタイヤ（図示省
略）を装着する。

ところで、オープン感覚の走行を楽しむため、
バツクドア２のウインドガラス４をドア本体３か
ら取外すと、リヤワイパ５のワイパアーム７およ
びワイパブレード９がドア本体３の上端縁より上
方へ突出して車室内へ侵入し、外観上の体裁が悪
くなると共に、走行中の振動によりワイパアーム
７等が振動してドア本体３と衝突し、異音が発生
したり、ワイパアーム７等が損傷したりする。そ
こで、従来、バツクドア２のウインドガラス４を
取外すと同時に、ピボツト軸６からワイパアーム
７も取外していた。

尚、自動車のバツクドアにスペアタイヤ装着用
の取付ブラケツトを取付けた公知技術としては、
実開昭60−76574号公報に記載のものがある。

〔考案が解決しようとする課題〕

従来の技術によれば、オープン感覚の走行を楽
しむ場合、バツクドア２からウインドガラス４を
取外すと同時に、リヤワイパ５のワイパアーム７
もピボツト軸６から取外さなければならない。そ
のため上記ワイパアーム７を取外している間に紛
失することが多く、しかもワイパアーム７の非装
着状態においてはピボツト軸６の先端が外方に露
出し、自動車の車体後端面の外観上の体裁が悪く
なるという問題があつた。

本考案は、上記問題点に鑑み提案されたもの
で、リヤウインドガラスの取外し時において、ワ
イパアームを車体の後端面に確実に保持すること
のできるリヤワイパアームの保持構造を提供する
ことを目的としている。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、上記目的を達成するため、リヤウイ
ンドガラスを脱着自在に装着した車体後端面に、
スペアタイヤ装着用の取付ブラケツトおよびリヤ
ワイパを装備し、上記取付ブラケツトをリヤワイ
パのワイパアームの回動下端位置の下方に隣接し
て配設した自動車において、上記取付ブラケツト
の一部にリヤワイパアーム保持用の保持部を設け
たものである。

〔作用〕

リヤウインドガラスを車体から取外した場合
は、リヤワイパのワイパアームをスペアタイヤ装
着用の取付ブラケツトの保持部に保持させる。

〔実施例〕

以下本考案の実施例を第１図および第２図を参
照しながら説明すると次の通りである。尚、第５
図および第６図に示したものと同一部分は同一符
号で示し説明を省略する。本実施例の特徴は、ド
ア本体３の外面上部中央で、かつ、ワイパアーム
７の回動下端位置の下方に隣接して配設された取
付ブラケツト１０′にワイパアーム保持用の保持
部２１を形成し、この保持部２１にワイパアーム
７を保持するようにしたことである。すなわち、
取付ブラケツト１０′の一方の側壁１０b′の上端
面に突出片２２，２３を所定の間隔をおいて上方
へ向けて突出形成し、この突出片２２，２３間に
下方へ切込んだ溝状の保持部２１を設けてある。
上記取付ブラケツト１０′の保持部２１のコーナ
部は円弧状に形成し、応力集中により破断しない
ように構成されている。

そうして、バツクドア２からウインドガラス４
を取外す場合は、リヤワイパ５の締付ナツト８を
緩めて、ワイパアーム７のテーパ孔７ｂをピボツ
ト軸６のテーパ部６ｃから離反させて、両者のセ
レーシヨンの噛み合いを解放したのち、ワイパア
ーム７をピボツト軸６を中心にして時計方向へ回
動させ、該ワイパアーム７を取付ブラケツト１
０′の保持部２１に嵌め込んで保持し、しかる後、
上記締付ナツト８を緊締してワイパアーム７を固
定する。また、バツクドア２にウインドガラス４
を装着した場合は、上記ワイパアーム７を元の位
置に復帰させてワイパブレード９をウインドガラ
ス４の下縁に弾性的に当接させる。

上記実施例では、取付ブラケツト１０′の一方
の側壁１０b′にのみ保持部２１を設けたが、ワイ
パアーム７の長さに応じて他方の側壁１０b″にも
保持部を設けてもよい。

第３図および第４図は本考案の他の実施例を示
したものである。本実施例は、取付ブラケツト１
０″の側壁１０b″の上端面を切欠いで溝状の保持
部２４を形成したものである。

尚、上記各実施例では、バツクドアにウインド
ガラスを脱着可能に装着した自動車の場合につい
て説明したが、本考案はこれに限定されるわけで
はなく、車体後端面にウインドガラスを脱着自在
に装着した自動車であつて、リヤワイパおよびス
ペアタイヤ装着用の取付ブラケツトを装備したす
べての自動車に適用することができる。

〔考案の効果〕

本考案によれば、オープン感覚の走行を楽しむ
ため車体後端面からウインドガラスを取外した場
合、リヤワイパのワイパアームをスペアタイヤ装
着用の取付ブラケツトの保持部に保持させること
ができるので、従来の如くワイパアームを取外す
必要がなく、したがつて、ワイパアームを紛失す
ることがないと共に、ピボツト軸の先端が外方に
露出することがなく、自動車の車体後端面の外観
上の体裁がきわめて良い。しかも従来から車体後
端面に取付けられたスペアタイヤ装着用の取付ブ
ラケツトの一部にリヤワイパアーム保持用の保持
部を設けるだけでよいので、構造が簡単であり、
製作が容易であつてコストが安い。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るワイパアーム保持構造の
実施例を示す要部斜視説明図、第２図はその側面
要部説明図、第３図はワイパアームの保持構造の
他の実施例を示す要部斜視説明図、第４図はその
側面要部説明図である。第５図はリヤワイパアー
ムおよびスペアタイヤ装着用の取付ブラケツトを
取付けた車体後端面を示す斜視説明図、第６図は
ワイパアームの枢着部を示す断面説明図である。 １……車体、４……リヤウインドガラス、５…
…リヤワイパ、７……リヤワイパアーム、１０′，
１０″……取付ブラケツト、２１，２４……保持
部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. リヤウインドガラスを脱着自在に装着した車体
   後端面に、スペアタイヤ装着用の取付ブラケツト
   およびリヤワイパを装備し、上記取付ブラケツト
   をリヤワイパのワイパアームの回動下端位置の下
   方に隣接して配設した自動車において、上記取付
   ブラケツトの一部にリヤワイパアーム保持用の保
   持部を設けたことを特徴とするリヤワイパアーム
   の保持構造。