JPH0536371U - デイジタルオシロスコープ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案はディジタルオシロスコープに関し、
大容量のメモリを用いることなく、時間軸拡大波形も同
時に表示できるディジタルオシロスコープを実現するこ
とにある。 【構成】 アナログ入力信号をディジタル信号に変換す
るＡＤ変換器と、該ＡＤ変換器から出力されるディジタ
ルデータを波形データとして記憶するディジタルメモリ
と、該ディジタルメモリからディジタルデータを読み出
して表示器に表示する信号処理回路と、異なる時間軸で
表示器の異なる表示領域に波形表示を行うようにこれら
各部を制御する２系統の設定データが予め格納された設
定データレジスタと、該設定データレジスタに格納され
た設定データを交互に切り換えて各部に与えるスイッチ
とで構成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はディジタルオシロスコープに関し、更に詳しくは、データアクイジシ ョンの改善に関する。

【０００２】

【従来の技術】

図３は従来のディジタルオシロスコープの回路構成例図である。図において、 １はアナログ入力信号２０が入力される入力アンプであり、その出力信号はＡＤ 変換器２及びトリガ検出回路３に入力される。該入力アンプ１のゲインは制御回 路８により設定データレジスタ９ａに設定される設定データに基づいて制御され る。トリガ検出回路３で発生するトリガ信号はサンプリング信号発生器４に入力 される。該サンプリング信号発生器４には制御回路８により設定される設定デー タも入力される。

【０００３】 ＡＤ変換器２の出力データは波形データとしてディジタルメモリ５に記憶され る。なお、これらＡＤ変換器２及びディジタルメモリ５はサンプリング信号発生 器４から出力されるサンプリング信号により制御される。該ディジタルメモリ５ に記憶された波形データは信号処理回路６に読み出され、制御回路８により設定 される設定データに基づいて表示データに変換されて表示器７に波形として表示 される。

【０００４】 制御回路８は波形記憶表示動作の制御やパネル操作に基づく設定等を行うもの であり、入力，トリガ，データアクイジション，処理等に対する各種の設定デー タを設定データレジスタ９ａに設定する。

【０００５】 ところで、このように構成された装置において、ある時間軸の波形とその時間 軸を拡大した波形とを同時に表示するのにあたっては、ディジタルメモリ５に記 憶されている波形データを信号処理回路６に読み出し、ディジタル回路やソフト ウェアにより時間軸の異なる２つの表示波形を生成することが行われていた。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、従来のこのような方法によれば、時間軸が拡大された表示波形 について十分なデータ点数を確保しようとすると、元の波形について大きなメモ リ容量が必要になる。

【０００７】 例えば、時間軸が拡大された波形のデータ点数を５００個とし、時間軸を元の 波形の１００倍に拡大したとすると、元の波形のデータは５００００個必要にな る。

【０００８】 本考案は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、大容 量のメモリを用いることなく、時間軸拡大波形も同時に表示できるディジタルオ シロスコープを実現することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

このような課題を解決する考案は、 アナログ入力信号をディジタル信号に変換するＡＤ変換器と、 該ＡＤ変換器から出力されるディジタルデータを波形データとして記憶するデ ィジタルメモリと、 該ディジタルメモリからディジタルデータを読み出して表示器に表示する信号 処理回路と、 異なる時間軸で表示器の異なる表示領域に波形表示を行うようにこれら各部を 制御する２系統の設定データが予め格納された設定データレジスタと、 該設定データレジスタに格納された設定データを交互に切り換えて各部に与え るスイッチ、 を備えたことを特徴とするものである。

【００１０】

【作用】 波形記憶表示動作は、スイッチを介して切り換えながら各部に供給されるそれ ぞれの時間軸に応じた設定データに従って実行される。

【００１１】 これにより、１つのアナログ入力信号の波形を、大容量のメモリを用いること なく、共通の表示器の異なる表示領域に異なる時間軸で実質的に同時に表示でき る。

【００１２】

【実施例】

以下、図面を参照して、本考案の実施例を詳細に説明する。 図１は本考案の一実施例を示す回路構成図であり、図３と同一のブロックには 同一の番号を付けている。図３と異なる点は、制御回路８により設定される図３ と同様な波形記憶表示動作に必要なサンプリングレート，トリガ条件，表示形式 等に関連した各種の設定データを、元の波形用と時間軸拡大波形用のそれぞれに ついて予め設定データレジスタ９ａ，９ｂに格納しておき、これら各設定データ レジスタ９ａ，９ｂに格納されている設定データを制御回路８によりスイッチ１ ０を介して交互に切り換えて各部に供給するように構成している点である。

【００１３】 図１の装置の表示動作を図２を用いて説明する。 スイッチ１０は、制御回路８により１回の波形記憶表示動作毎に交互に切り換 えられる。スイッチ１０が設定データレジスタ９ａを選択している状態での波形 は図２に示す表示器７のＡの表示領域に表示させ、スイッチ１０が設定データレ ジスタ９ｂを選択している状態での波形はＢの表示領域に表示させるとすると、 表示器７にはスイッチ１０の切り換えに応じてＡの表示領域とＢの表示領域に交 互に波形が表示されることになる。

【００１４】 そして、例えば設定データレジスタ９ｂに格納されている設定データのサンプ ルレートが設定データレジスタ９ａに格納されている設定データのサンプルレー トよりも高速に設定されている場合には、スイッチ１０が設定データレジスタ９ ａを選択している状態での表示波形は図２のａのようになってスイッチ１０が設 定データレジスタ９ｂを選択している状態での表示波形は図２のｂのようになり 、表示波形ｂは表示波形ａを拡大表示したものになる。

【００１５】 ここで、ディジタルメモリ５に記憶される波形データの数は表示波形ａ，ｂと も表示器７の表示分解能に基づく一定値になり、従来のような時間軸拡大表示に 備えて大容量を確保しておく必要はない。

【００１６】

【考案の効果】

以上詳細に説明したように、本考案によれば、アナログ入力信号の繰り返し測 定にあたって、大容量のディジタルメモリを用いることなく、同一アナログ入力 信号を異なる時間軸で共通の表示器の異なる表示領域に実質的に同時に表示でき るディジタルオシロスコープを実現できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例の回路構成図である。

【図２】図１の表示例である。

【図３】従来のディジタルオシロスコープの回路構成例
図である。

【符号の説明】

１ 入力アンプ ２ ＡＤ変換器 ３ トリガ検出回路 ４ サンプリング信号発生器 ５ ディジタルメモリ ６ 信号処理回路 ７ 表示器 ８ 制御回路 ９ａ，９ｂ 設定データレジスタ １０ スイッチ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 アナログ入力信号をディジタル信号に変
   換するＡＤ変換器と、 該ＡＤ変換器から出力されるディジタルデータを波形デ
   ータとして記憶するディジタルメモリと、 該ディジタルメモリからディジタルデータを読み出して
   表示器に表示する信号処理回路と、 異なる時間軸で表示器の異なる表示領域に波形表示を行
   うようにこれら各部を制御する２系統の設定データが予
   め格納された設定データレジスタと、 該設定データレジスタに格納された設定データを交互に
   切り換えて各部に与えるスイッチ、 を備えたことを特徴とするディジタルオシロスコープ。