JPH0536267U - 冷凍装置の分流器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 気液混合状態の冷媒を分配するに際し、冷媒
流速、偏流状態が大きく変動しても良好な分配性能を維
持する。 【構成】 流入冷媒を気相Ｇと液相Ｌとに分離する気液
分離部３を設け、この気液分離部３からガス冷媒導出管
４と液冷媒導出管５とを介してガス冷媒と液冷媒とを分
離して導出し、さらにガス冷媒導出管４を複数のガス分
岐支管８、８に、また液冷媒導出管５を複数の液分岐支
管９、９にそれぞれ分岐させ、各ガス分岐支管８と各液
分岐支管９とを各分岐路２に合流させるべく構成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は冷凍装置の分流器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

例えば、１台の室外ユニットに複数台の室内ユニットを並列に接続して成るマ ルチ型空気調和機においては、室外側から複数台の室内ユニット側へ冷媒を分流 して流通させるために分流器が必要である。また凝縮器あるいは蒸発器として作 用する各熱交換器において、内部の冷媒流通配管を複数パスに分割した場合にも 、熱交換器の入口には各分流パスへ冷媒を分流して流通させるために分流器が必 要とされる。

【０００３】 上記マルチ型空気調和機を冷房運転する場合の室外熱交換器と各室内熱交換器 との間に介設された分流器や、蒸発器として作用する熱交換器の入口に介設され た分流器においては、液状の冷媒あるいは気液混合冷媒が流通することとなり、 この場合には、分流器に対して気液分離が生じず、かつ均等に分流し得る分配性 能が要求される。

【０００４】 そのため従来より、例えば実公昭５８−１０９４２号公報、実公昭５９−１８ ２７７号公報、実開昭６３−２２５６８号公報等にもみられるように、種々の構 造の分流器が提案されている。これら従来の分流器の基本的な考え方は、内部通 過時の冷媒流速を高速化して乱流状態を形成し、これにより気液の均一混合状態 を得て分配冷媒量を均等化しようとするものである。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

ところで上記従来の分流器の分配冷媒量の均等化は、気液の均一な混合状態が 得られることを前提とするものであるため、このような状態を達成することが可 能となる冷媒流速、気液状態等の前提条件にも自ずと限界がある。つまり冷媒流 速が極めて遅いような場合や、気液混合冷媒に過大な偏流の生じているような場 合には、上記従来の分流器の方式では、均等な分配性能を維持できなくなってし まう可能性があるのである。

【０００６】 この考案は上記従来の欠点を解決するためになされたものであって、その目的 は、均等な分配が可能となる冷媒流速、気液状態等の前提条件を従来よりも緩和 でき、そのため広い条件範囲にわたって分配性能を維持し得る冷凍装置の分流器 を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

そこでこの考案の冷凍装置の分流器は、気液混合状態の冷媒を複数の分岐路２ 、２に分配するための冷凍装置の分流器において、上記冷媒を気相Ｇと液相Ｌと に分離する気液分離部３を設け、この気液分離部３からガス冷媒導出管４と液冷 媒導出管５とを介してガス冷媒と液冷媒とを分離して導出し、さらに上記ガス冷 媒導出管４を複数のガス分岐支管８、８に、また液冷媒導出管５を複数の液分岐 支管９、９にそれぞれ分岐させ、各ガス分岐支管８と各液分岐支管９とを各分岐 路２に合流させるべく構成して成ることを特徴としている。

【０００８】

【作用】

上記冷凍装置の分流器においては、気液の均一な混合状態を作り出すのではな く、気液を分離し、分離した気液をそれぞれ独立にガス分岐支管８と液分岐支管 ９とに分配すると共に、これらを各分岐路２に合流させる構成であることから、 冷媒流速、気液状態等が分配性能に及ぼす影響は軽微なものとなり、そのため均 等な分配性能を維持し得る前提条件を従来よりも緩和し得る。

【０００９】

【実施例】

次にこの考案の冷凍装置の分流器の具体的な実施例について、図面を参照しつ つ詳細に説明する。

【００１０】 図１において、Ａは分流器の全体を示しているが、この分流器Ａは、冷媒主通 路１を流通する気液混合状態の冷媒を、複数（図の場合には一対）の分岐路２、 ２に分配する機能を有するものである。この分流器Ａは、上記冷媒主通路１に接 続される気液分離部３と、気液分離部３に接続されたガス冷媒導出管４、及び液 冷媒導出管５を備えている。上記気液分離部３は、概略密閉容器状のもので上記 気液混合状態の冷媒を上下に、ガス冷媒と液冷媒とに分離させる機能を有するも のである。上記ガス冷媒導出管４と液冷媒導出管５との各上端部は、閉鎖される と共に、上記気液分離部３内に導入されており、上記ガス冷媒導出管４において は、上端部近傍位置に、また上記液冷媒導出管５においては、それよりも下方位 置にそれぞれ入口孔６、７が穿設され、上記気液分離部３から上記ガス冷媒導出 管４と液冷媒導出管５とを介してガス冷媒と液冷媒とをそれぞれ分離して導出し 得るようなされている。

【００１１】 上記ガス冷媒導出管４はその下端側が一対のガス分岐支管８、８に、また上記 液冷媒導出管５はその下端側が一対の液分岐支管９、９にそれぞれ分岐しており 、各ガス分岐支管８と各液分岐支管９とが各分岐路２に合流している。

【００１２】 上記分流器Ａにおいては、気液混合状態の冷媒は、気液分離部３において気相 Ｇと液相Ｌとが上下に分離される。そして分離された気液がそれぞれ独立にガス 分岐支管８と液分岐支管９とに分配されると共に、分配された気液を合流させて 各分岐路２に供給する。したがって上記分流器Ａによれば、冷媒主通路１内の冷 媒流速が極めて小さい場合、あるいは気液混合冷媒に過大な偏流の生じているよ うな場合であっても、これらが分配性能に及ぼす影響が軽微であることから、均 等な分配性能を維持することが可能である。

【００１３】 なお上記実施例において、ガス冷媒導出管４から各ガス分岐支管８、８への分 流部分、及び液冷媒導出管５から各液分岐支管９、９への分流部分に、前述した 従来同様の分流機能をそれぞれ介設すれば、分流性能を一段と向上することが可 能となる。

【００１４】

【考案の効果】

この考案の冷凍装置の分流器においては、気液混合状態の冷媒から気液を分離 し、分離した気液をそれぞれ独立にガス分岐支管と液分岐支管とに分配すると共 に、これらを各分岐路に合流させる構成であることから、均等な分配性能を維持 し得る冷媒流速、気液状態等の前提となる条件範囲を従来よりも緩和することが 可能となり、その使用範囲を拡大し得ることとなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の冷凍装置の分流器の一実施例を示す
模式図である。

【符号の説明】

Ａ 分流器 ２ 分岐路 ３ 気液分離部 ４ ガス冷媒導出管 ５ 液冷媒導出管 ８ ガス分岐支管 ９ 液分岐支管 Ｇ 気相 Ｌ 液相

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 気液混合状態の冷媒を複数の分岐路
   （２）（２）に分配するための冷凍装置の分流器におい
   て、上記冷媒を気相（Ｇ）と液相（Ｌ）とに分離する気
   液分離部（３）を設け、この気液分離部（３）からガス
   冷媒導出管（４）と液冷媒導出管（５）とを介してガス
   冷媒と液冷媒とを分離して導出し、さらに上記ガス冷媒
   導出管（４）を複数のガス分岐支管（８）（８）に、ま
   た液冷媒導出管（５）を複数の液分岐支管（９）（９）
   にそれぞれ分岐させ、各ガス分岐支管（８）と各液分岐
   支管（９）とを各分岐路（２）に合流させるべく構成し
   て成ることを特徴とする冷凍装置の分流器。