JP2012137223A - 熱交換器の分流器並びにその分流器を備えた冷凍サイクル装置及び空気調和機 - Google Patents

熱交換器の分流器並びにその分流器を備えた冷凍サイクル装置及び空気調和機 Download PDF

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Abstract

【課題】冷媒の気液混合比が変化したり、偏流が生じた場合でも、冷媒の分配精度を向上させ、安定した分流が可能な冷媒分流器を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明の冷媒分流器は、筐体と、筐体内に冷媒を流入させる流入配管と、筐体内から冷媒を流出させる第1冷媒流出配管及び第2冷媒流出配管と、筐体の底部に配置された仕切板と、を備え、第1冷媒流出配管は冷媒を流出させる第1開口部を有し、第2冷媒流出配管は冷媒を流出させる第2開口部を有し、流入配管の冷媒流入口の位置をA、第1冷媒流出配管及び第2冷媒流出配管の冷媒流出口の位置をB、第1冷媒流出口及び第2冷媒流出口の冷媒流出口の位置をC、仕切板の上端部の位置をDとすると、A≦D,B<D、及び、D<C、の関係とする。
【選択図】 図1a

Description

本発明は、熱交換器に流れる冷媒を分流するための分流器並びにその分流器を備えた冷凍サイクル装置及び空気調和機に関する。
空気調和機用熱交換器の分流器としてパンツパイプがある。パンツパイプにより冷媒を分流させた場合、分流後の冷媒が流れ込む各熱交換器の冷媒流量比が不安定となる場合がある。各熱交換器の冷媒流量比が不安定となると、各熱交換器の蒸発性能も不安定となる。
また、室内熱交換器において冷媒が偏流すると、分流後の冷媒の一方は液状態で熱交換器出口に至り、分流後の冷媒の他方は冷媒不足となり熱交換器出口で過熱冷媒となる。この場合、熱交換器としての性能を発揮することができない。さらに、空気と冷媒で熱交換する際に、熱交換器の液冷媒の偏流にともない、熱交換器を通過した流入空気に温度差が生じ、室内機の空気吹出口で結露が生じる可能性がある。
一方、空気調和機用の熱交換器への冷媒の分流比を安定させる従来技術として、中空円筒状の流入管とこの流入管から流入した冷媒を分流させる複数の流出管を備え、分岐部分に分岐用突起を有するものがある(例えば、特許文献1参照)。分岐用突起の位置を調整することによって、冷媒を所定の比率に分流させることができる。
しかしながら、特許文献1に開示の分岐用突起を用いた場合、気液混合比が変化すると、重力の影響により、分流される冷媒の流量比も変化してしまう。つまり、冷媒分流比の精度に限界がある。また、分岐数が増えるほど、サイクル配管の引き回しが複雑になる。
特開平8−254374号公報
本発明は、冷媒の気液混合比が変化したり、偏流が生じた場合でも、冷媒の分配精度を向上させ、安定した分流が可能な冷媒分流器及びその冷媒分流器を備えた空気調和機を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために本発明の冷媒分流器は、筐体と、筐体内に冷媒を流入させる流入配管と、筐体内から冷媒を流出させる第1冷媒流出配管及び第2冷媒流出配管と、筐体の底部に配置され流入配管の冷媒流入口の下方に位置する第1領域と第1冷媒流出配管の第1冷媒流出口及び第2冷媒流出配管の第2冷媒流出口の下方に位置する第2領域とを仕切る仕切板と、を備え、第1冷媒流出配管は筐体内であって第1冷媒流出口の上方に冷媒を流出させる第1開口部を有し、第2冷媒流出配管は筐体内であって第2冷媒流出口の上方に冷媒を流出させる第2開口部を有し、第1冷媒流出口の管径は第1開口部が位置する第1冷媒流出配管の管径よりも小さく、第2冷媒流出口の管径は第2開口部が位置する第2冷媒流出配管の管径よりも小さく、鉛直方向に対して、流入配管の冷媒流入口の位置をA、第1冷媒流出配管及び第2冷媒流出配管の冷媒流出口の位置をB、第1冷媒流出口及び第2冷媒流出口の冷媒流出口の位置をC、仕切板の上端部の位置をDとすると、A≦D,B<D、及び、D<C、の関係とする。
冷媒の気液混合比が変化したり、偏流が生じた場合でも、冷媒の分配精度を向上させ、安定した分流を可能とする冷媒分流器を提供することができる。
冷媒分流器の構成図。 冷媒分流器の構成図。 冷媒分流器を適用した空気調和機の冷凍サイクル構成図。 冷媒分流器を適用した空気調和機の冷凍サイクル構成図。 冷媒分流器の内径とCOPとの関係を示す図。 仕切板の高さとCOPとの関係を示す図。 冷媒流出配管の径を異ならせた冷媒分流器の構成図。 冷媒流出配管の径を異ならせた冷媒分流器を適用した空気調和機の冷凍サイクル図。 熱交換器途中で分流させる冷媒分流器を適用した空気調和機の冷凍サイクル図。 熱交換器途中で分流させる冷媒分流器の構成図。 空気調和機の全体構成図。 室内機の側断面図。
以下、図1,図2,図4〜図7、及び図9〜図11を用いて、本発明の冷媒分流器並びにその冷媒分流器を用いた冷凍サイクル装置及び空気調和機についての第1の実施例について説明する。
まず、本実施例の空気調和機100の全体構成を、図10及び図11を用いて説明する。図10は本実施例の空気調和機の全体構成図、図11は図10の室内機の側断面図である。空気調和機101は、室内機102と室外機103とを接続配管で繋いで構成される。室内機102は、送風ファン114,フィルタ,室内熱交換器14,上下風向板118及び左右風向板119等を備える。別体のリモコン112からは運転開始等の操作信号が送信される。運転が開始されると、空気は白抜き矢印のように流れ、空気吸込口から吸い込まれ室内熱交換器14内の冷媒と熱交換した室内空気が、空気吹出口113から送風される。室内熱交換器14は送風ファン114の吸込側に配置され、略逆V字状に形成される。空気吹出口113に位置する上下風向板118及び左右風向板119により室内に送風される気流が制御される。一方、室外機103は、外気と冷媒を熱交換させる室外熱交換器12,送風機,冷媒を循環させる圧縮機10、及び、冷媒を減圧する減圧機等を備える。これら室内機102と室外機103との間を接続配管を用いて冷媒を循環させることにより冷凍サイクルを構成する。このような空気調和機100においては、四方弁11等により冷媒の流れ方向を変えることにより、暖房運転,冷房運転、及び除湿運転が行われる。
図2は、本発明の冷媒分配器1を適用した空気調和機100の冷凍サイクル構成図である。本実施例においては、冷房運転時に凝縮器として機能する室内熱交換器14を複数パスにするため、室内熱交換器14の上流側に冷媒分流器1を設けた場合を例にして説明する。
冷房運転の場合、圧縮機10から吐出した高温・高圧の冷媒は、四方弁11により流れ方向が制御されて、凝縮器として機能する室外熱交換器12に向かう。その後、冷媒は、室外熱交換器12から、膨張弁13を経て、蒸発器として機能する室内熱交換器14に流入する。室内熱交換器14内の冷媒は室内空気から熱を奪い、熱を奪われた室内空気は冷却される。ここで、室内熱交換器14における圧力損失低減等のために、室内熱交換器14の上流側等に冷媒分流器1を設けて室内熱交換器14を複数パスとする。
一方、暖房運転の場合、圧縮機10から吐出した高温・高圧の冷媒は、四方弁11により流れ方向が制御され、凝縮器として機能する室内熱交換器14に向かう。室内熱交換器14内の冷媒は室内空気に熱を放出し、熱を放出された室内空気は加熱される。その後、冷媒は、室内熱交換器14から、膨張弁13を経て、蒸発器として機能する室外熱交換器12に流入する。ここで、室外熱交換器12における圧力損失低減等のために、室外熱交換器12の上流側等に図示しない冷媒分流器1を設けて室外熱交換器12を複数パスとしてもよい。
図1aは本発明の冷媒分配器の構成図である。図1bは後述するガス冷媒流出開口を複数備える場合を示している。冷媒分配器1は、筐体と、筐体内に冷媒を流入させる冷媒流入配管2と、冷媒を流出させる冷媒流出配管6(第1冷媒流出配管及び第2冷媒流出配管)と、筐体底部に配置され冷媒流入配管2の冷媒流入口101の下方に位置する気液混合冷媒領域3(第1冷媒領域)と冷媒流出配管6の冷媒流出口102の下方に位置する(第1冷媒流出配管の第1冷媒流出口及び第2冷媒流出配管の第2冷媒流出口の下方に位置する)液冷媒領域5(第2冷媒領域)とを仕切る仕切板とを備える。第1冷媒流出配管は筐体内であって第1冷媒流出口の上方に冷媒を流出させるガス冷媒流出開口部(第1開口部)を有し、第2冷媒流出配管は筐体内であって第2冷媒流出口の上方に冷媒を流出させるガス冷媒流出開口部(第2開口部)を有する。第1冷媒流出口の管径は第1開口部が位置する第1冷媒流出配管の管径よりも小さく、第2冷媒流出口の管径は第2開口部が位置する第2冷媒流出配管の管径よりも小さい。また、鉛直方向に対して、冷媒流入配管2の冷媒流入口101の位置をA、冷媒流出配管6(第1冷媒流出配管及び第2冷媒流出配管)の冷媒流出口102の位置をB、ガス冷媒流出開口7(第1開口部及び第2開口部)の冷媒流出口103の位置をC、仕切板の上端部の位置をDとすると、A≦D,B<D、及び、D<C、の関係とするように構成される。
このような構成の冷媒分流器における冷媒の分流について説明する。まず、冷媒流入配管2から筐体内に流入した気液混合冷媒は、仕切板4により仕切られ、冷媒流入配管2の冷媒流入口101の下方に位置する気液混合冷媒領域3に貯留される。気液混合冷媒領域3に貯留された気液混合冷媒は、液冷媒とガス冷媒に分離する。分離した液冷媒は、仕切板4を越えて、液冷媒領域5を介して、冷媒流出配管6(第1冷媒流出配管及び第2冷媒流出配管)の冷媒流出口102から流出する。一方、分離したガス冷媒は、仕切板4よりも上方に位置するガス冷媒流出開口7(第1開口部及び第2開口部)から流出する。そして、一方の冷媒流出配管6の冷媒流出口102(第1冷媒流出配管)から流出した液冷媒とガス冷媒流出開口7(第1開口部)から流出したガス冷媒が合流し、他方の冷媒流出配管6の冷媒流出口102(第2冷媒流出配管)から流出した液冷媒とガス冷媒流出開口7(第2開口部)から流出したガス冷媒が合流することにより、冷媒流入配管2から筐体内に流入した気液混合冷媒は、2つの気液混合冷媒(第1冷媒流出配管から流出した液冷媒及びガス冷媒、及び、第2冷媒流出配管から流出した液冷媒及びガス冷媒)に分流される。
気液混合冷媒を直接複数の気液混合冷媒に分流させるのではなく、冷媒流入配管2から筐体内に流入した気液混合冷媒を、一旦、液冷媒とガス冷媒に分離した後、分離した液冷媒及びガス冷媒をそれぞれ複数の液冷媒とガス冷媒に分流して、それら分流した複数の液冷媒及びガス冷媒をそれぞれ合流させることにより複数の気液混合冷媒に分流するので、冷媒の気液混合比が変化したり、偏流が生じた場合でも、冷媒の分配精度を向上させ、安定した分流が可能となる。従って、蒸発器の圧力損失低減のため冷媒流路を複数パスにした場合でも、冷媒分流割合のバラツキを抑制し、蒸発器の性能及びその蒸発器を備える冷凍サイクル装置及び空気調和機等の性能を向上させることができる。
また、このような構成にすることにより、設計の自由度も高い。空気調和機等に実装する場合、分岐数が増えても、サイクル配管の引き回しが複雑になることを回避できる。
ここで、液冷媒は冷媒分配器1下部に溜まり、その後、仕切板4を越えて、気液混合冷媒領域3から液冷媒領域5に流入し、冷媒流出配管6の冷媒流出口102から流出する。一方、ガス冷媒は冷媒分流器1上部に溜まり、その後、ガス冷媒流出開口7から流出する。従って、ガス冷媒流出開口7を仕切板4の上端部よりも上方に位置させる(仕切板の上端部の位置<ガス冷媒流出開口の位置)とともに、冷媒流出配管6の冷媒流出口102を仕切板4の上端部よりも下方に位置させる(冷媒流出配管の冷媒流出口の位置<仕切板の上端部の位置)。
また、冷媒流入配管2の冷媒流入口101が仕切板4の上端よりも低い位置にあると、冷媒流入配管2から流入した気液混合冷媒は、直接、気液混合冷媒領域3の気液混合冷媒に流入する。従って、気液混合冷媒が冷媒流入配管2から流入する際に気泡を生じ難くなり、ガス冷媒と液冷媒の分離も向上する。逆に、冷媒流入配管2の冷媒流入口101が仕切板4の上端よりも高い位置にあると、冷媒流入配管2から流入した気液混合冷媒が気液混合冷媒領域31の気液混合冷媒に流入する際に気泡を生じ易くなるので、ガス冷媒と液冷媒の分離が困難になる。従って、「冷媒流入配管の冷媒流入口の位置≦仕切板の上端部の位置」とする。
尚、冷媒流入配管2の冷媒流入口101の位置が仕切板4の上端よりも低く冷媒分流器底部に近い場合は、冷媒流入配管2から流入する気液混合冷媒が冷媒分流器底部に当たった勢いで、気液混合冷媒が液冷媒とガス冷媒に分離する前に仕切板4を超えてしまう。このような状況であると、十分にガス冷媒を分離できていない液冷媒が、冷媒流出配管の液冷媒流出口52から流出してしまう可能性がある。従って、より好ましくは、冷媒流入配管2の冷媒流入口101の位置を仕切板4の上端部と同じ位置(冷媒流入配管2の冷媒流入口の位置=仕切板4の上端部の位置)にすることで、冷媒流入配管2から流入する気液混合冷媒を、より液冷媒とガス冷媒に分離し易くなる。
また、仕切板4上端高さ近辺の液冷媒領域5の液冷媒は泡立った冷媒が残るため、より好ましくは、冷媒流出配管6の液冷媒流出口102は、冷媒分流器底部3と仕切板4の高さの中心近辺にする。このような構成にすることにより、冷媒流入配管2から流入する気液混合冷媒をより液冷媒とガス冷媒に分離し易くなる。
図4は、冷媒分流器の内径とCOPとの関係を示す図であり、冷媒分流器1の内径をパラメータにした場合のCOPの変化量を示す実験結果である。冷媒分流器1の内径が小さいと、冷媒流入配管2から流入した気液混合冷媒の拡散が大きくなり、冷媒分流器1内部全体が泡状の冷媒となるので、冷媒分流性能が悪くなる。そこで、円筒状とした冷媒分流器1の内径をパラメータとしたCOPの変化量を検討すると、冷媒分配器1の内径が概ね35mm以上でCOPが向上した。従って、より好ましくは、冷媒分流器1を円筒形状とし、この円筒形状の冷媒分流器1の内径を概略35mm以上にすることにより、気液混合冷媒が冷媒分流器1内に流入する際に冷媒分流器底部へ冷媒が流入する際の冷媒の整流作用を向上させ、流入する気液混合冷媒におけるガス冷媒と液冷媒への分離を向上させることができる。
図5は、仕切板の高さとCOPとの関係を示す図であり、冷媒分流器1の仕切板4の高さをパラメータにした場合のCOPの変化量を示す実験結果である。仕切板4の高さをパラメータにした場合のCOPの変化量は、前述した冷媒分流器1内径をパラメータにした場合と異なり、ピーク値が存在する。つまり、仕切板4の高さが低い場合は、冷媒流入配管2から流入した気液混合冷媒が整流される前に仕切板4を超えて液冷媒領域5に流れ込んでしまい、ガス冷媒が完全に分離しないまま冷媒流出配管6から流出してしまうため、冷媒分流性能が低下する。一方、仕切板4の高さが高い場合、気液混合冷媒領域3から仕切板4を越えて冷媒が液冷媒領域5に流れ込む際に、仕切板4を超えた冷媒が仕切板の高さにより泡立ってしまう。つまり、ガス冷媒が完全に分離しないまま冷媒流出配管から流出してしまい、冷媒分流性能が低下する。図5に示すように、仕切板4の高さが概ね15mm〜25mm程度のときに、COPが向上するという実験結果が得られた。従って、より好ましくは、冷媒分流器1の仕切板4の高さを概ね15mm〜25mmとすることにより、流入する気液混合冷媒におけるガス冷媒と液冷媒への分離を向上させることができる。
一方、ガス冷媒がガス冷媒流出開口7を通過する際の圧力損失と液冷媒が冷媒流出配管6を通過する際の圧力損失とを同等(液冷媒の管内圧力損失≒ガス冷媒の管内圧力損失)にする必要がある。配管を通過する際の圧力損失は液冷媒よりもガス冷媒の方が大きいため、冷媒流出配管6とガス冷媒流出開口7の径を同等にすると、液冷媒が流れる割合が大きくなる。液冷媒の流れる割合が大きくなると、冷媒分流器1内の液冷媒がなくなり、冷媒分流器1内をガス冷媒が流れる状態となり、冷媒が流れる際に息継ぎをしてしまう。このような状態になると、分流器として機能せず、冷凍サイクルの冷媒の流れを乱して性能を低下させてしまう。そこで、本実施例においては、ガス冷媒がガス冷媒流出開口7を通過する際の圧力損失と、液冷媒が冷媒流出配管6を通過する際の圧力損失とを近づけるため、冷媒流出配管6の管径をガス冷媒流出開口7の径よりも小さくし(冷媒流出配管6の管径<ガス冷媒流出開口7の径)、より好ましくは、ガス冷媒がガス冷媒流出開口7を通過する際の圧力損失と液冷媒が冷媒流出配管6を通過する際の圧力損失とを考慮して、冷媒流出配管6の管径及びガス冷媒流出開口7の径を決定する。
尚、冷媒流入配管2から冷媒分流器1に流入する冷媒量に対して、冷媒流出配管6及びガス冷媒流出開口7から流出する合計の冷媒量を同等にする必要もある。つまり、流出する合計の冷媒量に対して流入する冷媒量が少ない場合、冷媒分流器1が膨張弁のように機能して、圧力損失が増加するなどの不具合が生じる。逆に、流入する冷媒量に対して流出する冷媒量が少ない場合は、冷媒分流器1がレシーバータンクのように機能して、冷媒分流器1内での液冷媒とガス冷媒の分離性能が低下するとともに、冷凍サイクルの挙動が不安定になる。従って、液混合冷媒流入配管2から冷媒分流器1に流入する冷媒量に対して、冷媒流出配管6及びガス冷媒流出開口7から流出する合計の冷媒量が同等になるように設計する必要がある。
さらに、本発明の冷媒分流器1において、冷媒流出配管6の管径及びガス冷媒流出開口7の径を異ならせるようにしてもよい。図6は、液冷媒流出配6やガス冷媒流出開口7の径を異ならせた冷媒分流器の構成図である。冷媒流出配管6やガス冷媒流出開口7の径を異ならせることで、冷媒分流比を変えることができる。つまり、図6に示すように、一方の冷媒流出配管6(又はガス冷媒流出開口7)の径を他方の冷媒流出配管6(又はガス冷媒流出開口7)の径よりも小さいことにより、冷媒分流比を変えることができる。図7は、冷媒流出配管の径を異ならせた冷媒分流器を適用した空気調和機の冷凍サイクル図である。例えば、一方の冷媒流出配管6の径を、他方の冷媒流出配管6の径よりも小さくすることにより、図7に示すように、蒸発器となる室内熱交換器14における分流後の熱交換量に合わせた冷媒分流にできるので、蒸発器となる熱交換器の設計の自由度が向上するとともに、性能ロスを抑制することができる。尚、冷媒流出配管6の管径を異ならせる場合、より好ましくは、ガス冷媒がガス冷媒流出開口7を通過する際の圧力損失と、液冷媒が冷媒流出配管6を通過する際の圧力損失とを考慮して、それぞれの冷媒流出配管6の径を決定する。以上説明したように、蒸発器となる室内熱交換器14における冷媒分配後の各熱交換能力に応じて、冷媒流出配管6の径を異ならせることにより、冷媒分流器下流側での各パスの熱交換量に応じた冷媒の分流調整が可能となり、熱交換器を有効に使用することができる。
次に、図3を用いて、本発明の冷媒分流器並びにその冷媒分流器を用いた冷凍サイクル装置及び空気調和機についての第2の実施例について説明する。図3は、本発明の冷媒分流器1を適用した空気調和機100の冷凍サイクル構成図である。本実施例においては、蒸発器となる室内熱交換器14の冷媒入口から冷媒出口の途中において、第1の実施例と同様の冷媒分流器を用いて冷媒を分配させる。この場合においても、1パス部15から2パス部16に冷媒を分流させるときに、実施例1と同様に、本発明の冷媒分流器1を適用することで、液冷媒の偏流などの性能低下を防止することができる。
次に、図8を用いて、本発明の冷媒分流器並びにその冷媒分流器を用いた冷凍サイクル装置及び空気調和機についての第3の実施例について説明する。図8は、熱交換器途中で分流させる冷媒分流器を適用した空気調和機の冷凍サイクル図である。蒸発器として機能する室内熱交換器14の冷媒配管が、室内熱交換器14の冷媒入口において複数パス21に分流し、その後、室内熱交換器14の冷媒配管経路途中でさらに冷媒分流器1にて合流させた後に複数パス21とする。尚、図8では、冷媒分流器1に流入する冷媒は2パスで、流出する冷媒のパス数も2パスにしているが、流出する冷媒配管を例えば4パスなどにする際にも分流比を調整することができる。
図9は、熱交換器途中で分流させる冷媒分流器の構成図であり、図8に開示の冷凍サイクルにおいて適用される冷媒分流器である。冷媒分流器1に流入する際に既に複数パスの状態であっても、冷媒分流器1に流入させる前に合流させることなく複数パス21のまま流入させる。これにより、冷媒の圧力損失を低減させることができるとともに、冷媒分流器1に流入する際に事前に複数パスを合流させて1パスにする場合よりも冷媒の管内流速を低減できるため、分流性能も向上させることができる。
以上、本実施例においては、本発明の冷媒分流器を空気調和機に適用した場合を例に説明したが、本発明の冷媒分流器をヒートポンプ給湯器や除湿機,冷蔵庫等に適用しても同様の効果を得ることができる。
1 冷媒分流器
2 冷媒流入配管
3 気液混合冷媒領域
4 仕切板
5 液冷媒領域
6 冷媒流出配管
7 ガス冷媒流出開口
8 合流管
10 圧縮機
11 四方弁
12 室外熱交換器
13 膨張弁
14 室内熱交換器

Claims (12)

  1. 筐体と、
    前記筐体内に冷媒を流入させる流入配管と、
    前記筐体内から冷媒を流出させる第1冷媒流出配管及び第2冷媒流出配管と、
    前記筐体の底部に配置され、前記流入配管の冷媒流入口の下方に位置する第1領域と、前記第1冷媒流出配管の第1冷媒流出口及び前記第2冷媒流出配管の第2冷媒流出口の下方に位置する第2領域と、を仕切る仕切板と、を備え、
    前記第1冷媒流出配管は、前記筐体内であって、前記第1冷媒流出口の上方に、冷媒を流出させる第1開口部を有し、
    前記第2冷媒流出配管は、前記筐体内であって、前記第2冷媒流出口の上方に、冷媒を流出させる第2開口部を有し、
    前記第1冷媒流出口の管径は、前記第1開口部が位置する前記第1冷媒流出配管の管径よりも小さく、
    前記第2冷媒流出口の管径は、前記第2開口部が位置する前記第2冷媒流出配管の管径よりも小さく、
    鉛直方向に対して、前記流入配管の冷媒流入口の位置をA、前記第1冷媒流出配管及び前記第2冷媒流出配管の冷媒流出口の位置をB、前記第1冷媒流出口及び前記第2冷媒流出口の冷媒流出口の位置をC、前記仕切板の上端部の位置をDとすると、A≦D,B<D、及び、D<C、の関係となる冷媒分流器。
  2. 請求項1において、A=Dの関係となる冷媒分流器。
  3. 請求項1又は2において、前記冷媒流入配管から流入する冷媒は気液混合冷媒であり、前記第1冷媒流出配管及び前記第2冷媒流出配管から流出する冷媒は液冷媒であり、前記第1冷媒流出口及び前記第2冷媒流出口から流出する冷媒はガス冷媒である冷媒分配器。
  4. 請求項3において、前記冷媒流入配管から前記筐体内に流入した気液混合冷媒は前記第1領域でガス冷媒と液冷媒とに分離し、
    前記第1領域で分離した液冷媒は前記仕切板を越えて前記第2領域を介して前記第1冷媒流出配管及び前記第2冷媒流出配管に流出し、前記第1領域で分離したガス冷媒は前記第1冷媒流出口及び前記第2冷媒流出口に流入し、
    前記第1冷媒流出配管に流出した液冷媒と前記第1冷媒流出口に流出したガス冷媒が合流し、前記第2冷媒流出配管に流入した液冷媒と前記第2冷媒流出口に流入したガス冷媒が合流する冷媒分流器。
  5. 請求項1乃至4の何れかにおいて、前記第1冷媒流出配管の管径及び前記第2冷媒流出配管の管径は、前記第1冷媒流出口及び前記第1冷媒流出口の開口径よりも小さい冷媒分流器。
  6. 請求項1乃至5の何れかにおいて、前記第1冷媒流出配管の管径は前記第2冷媒流出配管の管径よりも大きい冷媒分流器。
  7. 請求項1乃至6の何れかにおいて、前記冷媒流入配管は複数の冷媒流入配管から構成される冷媒分流器。
  8. 請求項1乃至7の何れかにおいて、前記筐体は円筒形状であり、前記円筒形状の前記筐体の内径が35mm以上である冷媒分流器。
  9. 請求項1乃至8の何れかにおいて、前記仕切板の高さが15mmから25mmである冷媒分流器。
  10. 圧縮機と、四方弁と、室内熱交換器と、膨張弁と、室外熱交換器と、請求項1乃至9の何れかの冷媒分流器と、を備えた空気調和機。
  11. 請求項10において、前記冷媒分流器は、冷房運転時の前記室内熱交換器の冷媒流れ方向上流側に位置する冷凍サイクル装置。
  12. 請求項10又は11において、前記冷媒分流器は、冷房運転時の前記室内熱交換器の冷媒入口から冷媒出口の間に位置する空気調和機。
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