JPH0535738Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の目的］ （産業上の利用分野） この考案は、例えば自動車の運転席に設けられ
る車両用シートに関する。

（従来の技術） 自動車を走行させる際には、運転者が運転席の
シートに座り、足でペダルを操作するわけである
が、この際、運転者の大腿部がシートクツシヨン
の前端部に程よくフイツトしていることが好まし
く、これが不充分であると早期に疲労を招いてし
まう。大腿部の位置は運転者の体格によつて異な
り、このためシートクツシヨンの前端部の位置を
運転者の体格に応じて上下に調整し得るサイサポ
ート機構が組込まれたシートが一般に提供され、
普及している。

このサイサポート機構の代表的な構造を第６図
ａ，ｂに示し、ａのものは、クツシヨンフレーム
１に支持シヤフト２および操作シヤフト３が架設
され、前記支持シヤフト２にサイサポートフレー
ム４が回動自在に取付けられている。操作シヤフ
ト３には、サイサポートフレーム４の下面と対向
してカム５，５が取付けられ、またこの操作シヤ
フト３の一端部にスプリングブレーキ６が装着さ
れているとともに、操作レバー７が連結されてい
る。そしてこの操作レバー７を操作してカム５，
５を起伏動させることにより、サポートフレーム
４が支持シヤフト１を支点に上下に揺動し、所定
の位置に保持されるものである（例えば実開昭62
−54848号）。

ｂのものは、支持シヤフト２にサイサポートフ
レーム４が固着して取付けられ、また支持シヤフ
ト２にリンク機構８を介してスクリユーシヤフト
９が連結されている。そしてスクリユーシヤフト
９を回動操作することにより、その動作がリンク
機構８を通して支持シヤフト２に伝わつてこの支
持シヤフト２が回動し、この回動でサイサポート
フレーム４が上下に揺動し、所定の位置に保持さ
れるものである（例えば実開昭58−35号）。

前記ａ，ｂいずれのものにおいても、サイサポ
ートフレーム４の上面から周辺に亙る部分には図
示しないがクツシヨンパツドが設けられ、このク
ツシヨンパツドの外表面がトリムカバーで覆わ
れ、これによりシートクツシヨンが構成される。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、このように支持シヤフト２を介
してサイサポートフレーム４を支持する構成であ
ると、クツシヨンフレーム１にサイサポートフレ
ーム４を組込み、こののちそのサイサポートフレ
ーム４の上面から周辺に亙る部分にクツシヨンパ
ツドを設け、このクツシヨンパツドをトリムカバ
ーで覆うという工程手順で組立てる必要がある。
そしてクツシヨンパツドの外表面にトリムカバー
を取付けたのちに、そのトリムカバーの前部側の
周縁部をサポートフレーム４か、或いはクツシヨ
ンフレーム１に掛止する。ところが、前者のよう
にトリムカバーの前部側の周縁部をサポートフレ
ーム４に掛止する場合には、クツシヨンフレーム
１の前端部が邪魔となつてその作業がしずらく、
また後者のようにトリムカバーの前部側の周縁部
をクツシヨンカバーに掛止する場合であると、ト
リムカバーの伸びに限界があるから、このトリム
カバーがサポートフレームの揺動動作に追従でき
ず、この結果サイサポートフレーム４の動作に無
理がかかつてその性能が充分に発揮されなかつた
り、或いはトリムカバーに無理な張力が加わつて
破損などの劣化を早期に招いてしまうという問題
があつた。この考案はこのような問題点の解決を
目的とするものである。

［考案の構成］ （問題点を解決するための手段） この考案は上述のような問題点を解決するため
に、サイサポートフレームの両側の後端部に突起
を突設し、クツシヨンフレームの中間部に前記突
起に対応する支持孔を形成し、このクツシヨンフ
レームの上に前記サイサポートフレームを重ねる
とともに、前記突起を前記支持孔に挿入してヒン
ジとし、このヒンジを支点にしてサイサポートフ
レームを調整機構で上下に揺動させるようにした
ものである。

（作用） 予めサイサポートフレームにクツシヨンパツド
を設け、このクツシヨンパツドの外表面をトリム
カバーで覆い、このトリムカバーの前部側の周縁
部を掛止しておいてサイサポートフレームをクツ
シヨンフレームに取付けることが可能となる。

（実施例） 以下、この考案の一実施例について第１図ない
し第５図を参照して説明する。

図中１１はクツシヨンフレーム、１２はサイサ
ポートユニツトである。サイサポートユニツト１
２はサイサポートフレーム１３と、このサイサポ
ートフレーム１３の上面から周辺に亙つて設けら
れたクツシヨンパツド１４と、このクツシヨンパ
ツド１４の外表面を覆つたトリムカバー１５とで
一体的に構成されている。サイサポートフレーム
１３は６〜10mmφ程度の太い銅線かパイプをほぼ
Ｕ字状に曲成してなるメインフレーム１７と、こ
のメインフレーム１７の下に配置する同じくほぼ
Ｕ字状のボーダフレーム１８と、前記メインフレ
ーム１７の前端寄りの両端間に配置する補強ワイ
ヤ１９との三者を溶接により強固に結合してな
る。そしてボーダフレーム１８の両端末が突起２
１，２１としてメインフレーム１７の後方側に突
出し、またメインフレーム１７の両端間に一対の
Ｓばね２０，２０が平行に架設されている。

このように構成されたサイサポートフレーム１
３の上面から周辺に亙る部分に樹脂の一体発泡に
よるクツシヨンパツド１４が成形され、このクツ
シヨンパツド１４の周縁の垂れ部１４ａ内にボー
ダフレーム１８が埋め込まれ、前記突起２１，２
１が該垂れ部１４ａから突出している。そしてこ
のクツシヨンパツド１４の外表面がトリムカバー
１５で覆われ、このトリムカバー１５の前部側の
周縁部が前記垂れ部１４ａの内側に折り返され、
止め輪２２を介してサイサポートフレーム１３の
メインフレーム１７に掛止され、これにより一体
的なサイサポートユニツト１２が構成されてい
る。

一方、クツシヨンフレーム１１の両側の中間部
には、前記突起２１，２１に対応する支持孔２
５，２５が形成され、またこのクツシヨンフレー
ム１１の前端部には調整機構２６が設けられてい
る。

調整機構２６について述べると、２７がクツシ
ヨンフレーム１１に溶接されたブラケツトで、こ
のブラケツト２７の前面にナツト２８が溶接さ
れ、またブラケツト２７の内側にリンクプレート
２９およびこのリンクプレート２９の下端部を保
持するようにプツシユプレート３０が設けられ、
前記リンクプレート２９の上端部の内側にフツク
状の掛止部３１，３１が形成されている。そして
ブラケツト２７の前面側からナツト２８を通して
スクリユーシヤフト３２がブラケツト２７の内側
に螺挿され、さらにこのスクリユーシヤフト３２
がリンクプレート２９およびプツシユプレート３
０を貫通し、その貫通端にワツシヤ３３およびナ
ツト３４が装着され、前記ナツト３４が割ピン３
５を介してスクリユーシヤフト３２に固定されて
いる。またスクリユーシヤフト３２の前端部にノ
ブ３６が装着され、このノブ３６がクリツプ３７
を介してスクリユーシヤフト３２に固定されてい
る。

次に、クツシヨンフレーム１１に対してサイサ
ポートユニツト１２を取付ける手順について述べ
る。まず、クツシヨンフレーム１１の上にサイサ
ポートユニツト１２を重ね、このサイサポートユ
ニツト１２の突起２１，２１をクツシヨンフレー
ム１１の支持孔２５，２５に差込む。この差込み
によりヒンジ３９，３９が構成され、このヒンジ
３９，３９によりサイサポートユニツト１２の上
下の揺動が可能な状態にサイサポートユニツト１
２がクツシヨンフレーム１１に連結される。この
のち、調整機構２６におけるリンクプレートの掛
止部３１，３１をサイサポートフレーム１３の補
強ワイヤ１９に掛け止めて結合させる。これによ
りシートクツシヨンの組立が完了し、こののちこ
のシートクツシヨンの後端部にシートバツクを取
付けることによりシートが完成する。

しかして、調整機構２６のノブ３６を一方向に
回動操作すると、スクリユーシヤフト３２とナツ
ト２８との螺合によりスクリユーシヤフト３２が
シートクツシヨンの前方側に移動し、これに伴い
プツシユプレート３０がリンクプレート２９の下
端部を押しながらスクリユーシヤフト３２と一体
にブラケツト２７の上面を滑つて移動し、この移
動によりリンクプレート２９が倒伏状態から徐々
に起立する方向に回動し、この回動によりサイサ
ポートユニツト１２が上方に押し上げられ、この
押し上げによりサイサポートユニツト１２がヒン
ジ３９，３９を支点に上方に回動してその前端部
が上昇する。

一方、ノブ３６を逆方向に回動操作すると、ス
クリユーシヤフト３２がシートクツシヨンの後方
側に移動し、これに伴いリンクプレート２９がサ
イサポートユニツト１２の荷重で倒伏方向に回動
し、サイサポートユニツト１２の前端部が下降す
る。

このようにサイサポートユニツト１２が上下に
移動してその前端部が変位することにより、体格
の異なる各運転者の大腿部に対してそれぞれサイ
サポートユニツト１２の前端部をフイツトさせる
ことができる。

また、クツシヨンパツド１４の外表面を覆つた
トリムカバー１５の前部側の周縁部は、サイサポ
ートユニツト１２をクツシヨンフレーム１１に取
付ける以前に予めサイサポートフレーム１３に掛
止されており、したがつてその掛止作業を何ら障
害物に妨げられることなく、容易に能率よく行な
うことができる。そしてトリムカバー１５の前部
側の周縁部がサイサポートフレーム１３に掛止さ
れているから、トリムカバー１５がサイサポート
フレーム１３の動作に追従してそれと常に一体に
移動し、したがつてサイサポートフレーム１３の
動作がトリムカバー１５の張力によつて妨げられ
るようなこともないし、トリムカバー１５に無理
な張力が加わつて破損などの劣化を生じるような
こともない。さらにサイサポートフレーム１３を
突起２１，２１と支持孔２５，２５とによる単純
なヒンジ３９，３９でクツシヨンフレーム１１に
回動自在に連結してあるから、構成が簡単で、製
造コストを軽減することができる利点がある。

［考案の効果］ 以上説明したようにこの考案によれば、トリム
カバーの前部側の周縁部をサイサポートフレーム
に容易に能率よく掛止できるから、組立の作業性
が向上し、またトリムカバーがサイサポートフレ
ームの動作に常に追従するから、サイサポートフ
レームを常に円滑に動作させえるとともに、トリ
ムカバーの劣化を防止することができるという効
果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第５図はこの考案の一実施例を示
し、第１図は要部の断面図、第２図はサイサポー
トフレームとクツシヨンフレームとの結合構造を
示す斜視図、第３図はサイサポートフレームの斜
視図、第４図はクツシヨンフレームの斜視図、第
５図は調整機構の分解状態の斜視図、第６図は従
来技術を示す斜視図である。 １１……クツシヨンフレーム、１２……サイサ
ポートユニツト、１３……サイサポートフレー
ム、１４……クツシヨンパツド、１５……トリム
カバー、２１……突起、２５……支持孔、２６…
…調整機構、３９……ヒンジ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. サイサポートフレームの両側の後端部に突起を
   突設し、クツシヨンフレームの中間部に前記突起
   に対応する支持孔を形成し、このクツシヨンフレ
   ームの上に前記サイサポートフレームを重ねると
   ともに、前記突起を前記支持孔に挿入してヒンジ
   とし、このヒンジを支点にしてサイサポートフレ
   ームを調整機構で上下に揺動させることを特徴と
   する車両用シート。