JPH053555Y2 -

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【考案の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本考案は増水時にマンホール蓋を完全開披させ
ないで流水を路上に溢水させるマンホール蓋のロ
ツク装置に関するものである。

〔従来の技術とその問題点〕

現在、マンホール蓋の重錘式ロツク装置として
２，３の考案は提案されているが、何れも増水時
に重錘式フツクが高圧の水流に煽られて、ロツク
が外れ、マンホール蓋が浮上して開披してしま
い、思わぬ転落事故を生じるという問題点があつ
た。

〔問題点を解決するための手段〕

上記の問題は増水時の水流が高圧であること
と、マンホール内で乱流になることに起因するこ
とに着目し、本考案は重錘式フツクを使つた従来
のロツク装置の構造を研究の結果改善することに
より解決したものである。

即ち、本考案は周縁に突出した上部アームに鍵
棒の受部を設けると共に周縁側に上方に突出する
フツク部を設けた重錘式フツクをマンホール蓋の
裏面に揺動自在に取付け、マンホール蓋受枠には
前記フツク部と上方に少し離して内方に突出する
通水性のフツク掛部を設けるようにしたものであ
る。

〔作用〕

鍵棒で重錘式フツクの上部アームに設けた受部
を押すと、重錘式フツクは揺動してフツク部はフ
ツク掛部の下から内側に移動するため、鍵棒を従
来と同様90°回動して引き上げるとマンホール蓋
が開披される。

また、増水時にマンホール蓋に高圧の水圧が
かゝるとマンホール蓋は上昇するが、フツク部が
フツク掛部と係合し、高圧水は通水性のフツク掛
部を通過するため、フツク部はフツク掛部から外
れない。この場合マンホール蓋受枠との間に隙間
が形成されるため溢水して、水圧が低下するとマ
ンホール蓋は降下する。

〔実施例〕

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
本考案に係る左側部の構造を示す斜視図、第２図
は右側部の縦断面図である。

図において、５はＸ−Ｘ方向に軸部５ａを設
け、マンホール蓋６の裏面に揺動自在に設けた重
錘式フツクで、周縁側に突出した上部アーム１に
鍵棒２の受部３が設けられ、下部の周縁側に上方
に突出するフツク部４が設けられている。

そしてこの実施例のものは、重錘式フツクを小
型化するためＸ−Ｘ線とＯ−Ｏ線の成す角を90°
以下とし、且つ一定角度以上揺動しないようにス
トツパ９が設けられている。

一方マンホール蓋受枠７には、フツク部４と掛
合するＶ状の通水性のあるフツク掛部８をフツク
部４の上方に離して設けてある。

また、重錘式フツク５を設けた側とは反対側
に、第２図に示すような公知の螺着装置が設けら
れている。

即ち、マンホール蓋６にＴ型の係合片１０を枢
着１０ａし、係合片１０の突起１１と係合するリ
ング１２をマンホール蓋受枠７に設けている。

以上のように構成されるので、マンホール蓋６
を開披する時は鍵棒２で受部３を押し、90°回動
した後引き上げる。

マンホール蓋６の反対側の構造は前述のような
構造となつているので、マンホール蓋６を路面上
まで開披することができる。

次に増水時に水圧が加わつた時について説明す
る。

今マンホール蓋に水圧がくわわると、フツク掛
部８が上方に離して設けてあるため、その分だけ
マンホール蓋は浮上し、マンホール蓋枠７との間
に隙間が出来、増水を溢水させ水圧を低下させ
る。そして水圧が低下するとマンホール蓋６は閉
じる。

水圧低下が不充分の場合は、そのまゝ浮上を続
けるが、フツク部４がフツク掛部８に係合してい
るため、それ以上開くことはない。

また乱入によつて重錘式フツク５が煽られて
も、フツク部４は上方に突出しており、しかも高
圧水流はフツク掛部８を通るため、フツク部４は
フツク掛部８から外れることがなく、従来のよう
に開披することがない。

なお、実施例のようにＯ−Ｏ線Ｘ−Ｘ線の成す
角を90°以下にすると、上部アーム１の長さ及び
フツク４とフツク掛部８の大きさを小さく設計出
来る利点がある。

〔考案の効果」本考案によれば、増水時に排水機能を持ち、し
かもマンホール蓋が開披することのない構造簡単
なマンホール蓋のロツク装置が得られる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
左側部の構造を示す斜視図、第２図は右側部の縦
断面図である。１……上部アーム、２……鍵棒、３……受部、
４……フツク部、５……重錘式フツク、６……マ
ンホール蓋、７……マンホール蓋受部、８……フ
ツク掛部、９……ストツパー。

【実用新案登録請求の範囲】