JPH0535147U - 香り制御装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 香料供給チューブ内に残った香料を排除する
ことにより、香料切り替え時に異種香料の混合がなく、
かつ香料に含まれる粘着成分による噴霧細口の閉塞を防
ぎ、また流量調整器を備えることにより、香料が水滴状
に飛散して芳香供給管の内壁に付着することを防ぎ、ま
た噴霧管の位置と構造を改良することにより、噴霧効率
の向上と噴霧細口のメンテナンス性を向上する。 【構成】 空気供給ブロア１０１からの圧力空気と、香
料貯槽１０９，１１０，１１１からの香料とを切り替え
て、対応する２方弁へ供給する３方弁２，３，４と、そ
れを香料供給チューブ１１２へ供給する２方弁１０４，
１０６，１０８と、香料の供給量を調整する流量調節器
５と、噴霧管６の位置と構造を改良した香料気化部１を
有し、さらに全体を制御する制御部８を備えた構成にし
たもので、本考案によれば、香料切り替え時に異種香料
の混合を防ぎ、また香料が水滴状に飛散することを防
ぎ、さらに噴霧効率と噴霧細口のメンテナンス性が向上
した香り制御装置が提供できる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ダクト空調システムに香りを添加して、快適性を図る香り制御装置 に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

近年、香料を気化させ芳香拡散させる香り制御装置が注目を浴びている。

【０００３】 従来、この種の香り制御装置は、以下に示すような構成が一般的であった。以 下、その構成について図６を参照しながら説明する。

【０００４】 図６に示すように、従来の香り制御装置は圧力空気を供給する空気供給ブロア １０１と空気と香料を混合する香料気化部１０２と複数の香料を切り替える２方 弁１０３，１０４，１０５，１０６，１０７，１０８と香料をためておく香料貯 槽１０９，１１０，１１１と香料供給チューブ１１２、ベンチュリー部１１６を 有する香料気化部１０２およびこれらを制御する制御部１１７から構成されてい る。

【０００５】 上記構成において、任意の香料たとえば香料貯槽１１１の香料を芳香するため には、空気供給ブロア１０１より圧力空気を供給し、香料貯槽１１１に圧力空気 を供給する２方弁１０７を開き、香料貯槽１１１内に圧力空気を加えて香料を押 し出し、香料を供給出力する２方弁１０８を開き、香料を噴霧，気化する香料気 化部１０２へ供給し、芳香を発生させて、これを芳香供給管１１４を通して各部 屋に芳香拡散するように、制御部１１７にて制御される。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

このような従来の香り制御装置では、運転すると香料供給チューブ１１２内に 香料が残り、次に別の香料に切り替えて運転する時、残った香料と新たな香料が 混合してしまうことが起こる。また、長期間運転されないことにより、香料供給 チューブ１１２内に残った香料が、図７で示される香料気化部１０２内の噴霧細 口１１３に移動して、香料に含まれる揮発分が蒸発した後に残った粘着成分が固 まり、噴霧細口１１３を塞いで香料が供給されなくなるため、一定期間毎に、点 検，メンテナンスを必要とする。また、噴霧する香料が、供給される空気にくら べて多すぎた場合、気化できない香料が水滴状で飛散し、芳香供給管１１４内壁 に付着して、香りの混合等の不具合を発生する。また、図７に示されるように、 噴霧管１１５が、香料気化部１０２のベンチュリー部１１６に設置されているた め乱流を発生して、噴霧効率が悪く、また円筒形の噴霧管１１５の側面に噴霧細 口１１３が開いているため、向きが正しく取り付けられていないと噴霧すること ができず、交換、清掃等メンテナンス性が悪いという問題があった。

【０００７】 本考案は、上記の課題を解決するもので、香料の切り替え時における異種香料 の混合防止と、香料の粘着成分による、噴霧細口の閉塞を防ぐことを第１の目的 とする。

【０００８】 第２の目的は、噴霧香料が、水滴状で飛散することを防ぐことにある。 第３の目的は、噴霧効率の向上と、メンテナンス性の向上を図ることにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

本考案の第１目的を達成するための第１の手段は、空気供給ブロアからの圧力 空気と、香料貯槽からの香料とを切り替えて、香料供給チューブへ供給できる３ 方弁と、香料をためておく香料貯槽と、任意の香料を切り替えて香料気化部へ供 給する２方弁と、香料を噴霧気化する香料気化部を有し、前記空気供給ブロア、 前記２方弁，前記３方弁を制御する制御部を備えた構成にしたものである。

【００１０】 また、第２の目的を達成するための第２の手段は、香料気化部へ香料を供給す る流路に、流量調整器を備えた構成としたものである。

【００１１】 また、第３の目的を達成するための第３の手段は、香料気化部内の噴霧管の位 置をベンチュリー部より離れた位置に設け、噴霧細口を噴霧管の先端部へ設けた 構成としたものである。

【００１２】

【作用】

本考案は、上記した第１の手段の構成により、複数の香料を切り替える２方弁 により目的の香料を選択し、対応する３方弁を香料貯槽側に切り替え、圧力空気 によって押し出された香料を香料気化部へ一定時間供給した後に、３方弁を空気 供給ブロア側に切り替え、圧力空気によって香料供給チューブ内の香料を排出す る。

【００１３】 また、第２の手段の構成により、香料気化部に供給する香料の流量を、空気量 に見合った適当な流量に調整できることとなる。

【００１４】 また、第３の手段の構成により、ベンチュリー部より離れて、十分にノズルの 管内が広くなった位置に噴霧管を配設することによって、気流の乱流をおさえる ことができ、また、噴霧細口の位置を噴霧管の側面から先端部へ移すことによっ て噴霧管を香料気化部へ取り付ける際に、取り付け方向を自由にすることができ るものである。

【００１５】

【実施例】

以下、考案の実施例について、図１〜図５を参照しながら説明する。なお、従 来例と同一部分は、同一番号を付して詳細な説明を省略する。

【００１６】 図１に示すように、圧力空気を供給する空気供給ブロア１０１と、香料を空気 と混合する香料気化部１と、空気供給ブロア１０１からの圧力空気と、香料貯槽 からの香料とを切り替えて、対応する２方弁１０４，１０６，１０８へ供給でき る３方弁２，３，４と、これからの香料または空気は流量調節器５を通して香料 供給チューブ１１２へ供給する２方弁１０４，１０６，１０８と、前記空気供給 ブロア，２方弁１０４，１０６，１０８、３方弁２，３，４を制御する制御部８ で構成されている。また香料気化部１は噴霧管６をベンチュリー１１６より離れ た位置に設けている。

【００１７】 上記構成により、図２のタイムチャートに従い動作を説明する。まず、Ａ期間 は、空気供給ブロア１０１を起動し、供給する空気量が定常状態に達するまで、 準備運転を行う期間である。次に、Ｂ期間は、選択された香料たとえば香料貯槽 １０９の香料経路にある２方弁１０４を開き、負圧を導入する期間である。Ｃ期 間は、香料経路の３方弁２を、圧力空気から香料貯槽１０９へと切り替え、一定 時間香料を供給する期間である。この時の動作状態を、図４に示す。Ｄ期間では 、芳香する部屋の容積に見合った量の香料が供給された後、３方弁２を、香料貯 槽１０９から、圧力空気へと切り替え、香料供給チューブ１１２内に残った香料 を排出する。この時の動作状態を、図５に示す。Ｅ期間で、２方弁１０４を閉じ 、芳香供給管１１４内に残る芳香を掃気して、空気供給ブロア１０１を停止する 。以上のＡ期間からＥ期間までの動作を任意のパターンで繰り返すように制御部 ８にて、各機器を連動運転して、芳香を発生，供給する。

【００１８】 このように本考案の香り制御装置によれば、異なった香料が混合されることに よる不具合を防ぐことができ、かつ香料供給チューブ１１２内に香料が残らない ため、噴霧細口の詰まりをなくすことができる。

【００１９】 また、香料気化部１に供給する香料を調整する流量調整器５を備えることによ り、供給する香料の流量を、空気量に見合った最適な流量に調整でき、香料を完 全に気化させることで、水滴状に飛散することを防ぐことができるものである。

【００２０】 さらに、噴霧管６の位置をベンチュリー部分１１６から十分に離して、香料気 化部１内が広くなった位置に移動することにより、噴霧気流の乱れが防止され効 率良く空気が流れ、噴霧効率の向上を図ることができる。また、噴霧細口１１３ の位置を噴霧管１１５の側面から先端部へ変更した構造の噴霧細口７を持つ噴霧 管６とすることにより、香料気化部１へ取り付ける方向が自由になり、清掃，交 換等のメンテナンス性を向上させることができる。

【００２１】

【考案の効果】

以上の実施例から明らかなように、本考案によれば、香料を他の香料に切り替 えたときに、前回に残った香料が混合され吹き出すのを防ぎ、かつ、香料の揮発 分が蒸発して粘着成分が固まり噴霧細口を塞いでしまうのを防ぐために、香料供 給チューブ内に残った香料を排除できる効果のある香り制御装置が提供できる。

【００２２】 また、流量調整器を備えることにより、香料気化部から香料が水滴状に飛散す ることのない香り制御装置が提供できる。

【００２３】 さらに、香料気化部の噴霧効率の向上と、噴霧細口のメンテナンス性の向上を 促進する効果のある香り制御装置が提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例の香り制御装置の機器系統図

【図２】同、香り制御装置の制御タイミングチャート

【図３】同、香料気化部の断面図

【図４】香料供給状態の説明図

【図５】香料供給チューブ，クリーニング状態の説明図

【図６】従来の香り制御装置の機器系統図

【図７】従来の香料気化部の断面図

【符号の説明】

１ 香料気化部 ２ 香料１用３方弁 ３ 香料２用３方弁 ４ 香料３用３方弁 ５ 流量調節器 ６ 噴霧管 ７ 噴霧細口 ８ 制御部

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 香りを各部屋に供給するために空調用ダ
   クトに接続する芳香供給管と、圧力空気を供給する空気
   供給ブロアと、香料を、空気と混合気化する香料気化部
   と、香料をためておく香料貯槽と、この香料貯槽に圧力
   空気を供給するための圧力空気供給チューブと、圧力空
   気によって押し出された香料を前記香料気化部に導く香
   料供給チューブと、複数の香料を切り替える２方弁と、
   香料と圧力空気を切り替える３方弁を有し、前記空気供
   給ブロアと、前記２方弁、及び前記３方弁を制御する制
   御部を備えた香り制御装置。
2. 【請求項２】 香料気化部に供給する香料の流量を調整
   する流量調整器を備えた請求項１記載の香り制御装置。
3. 【請求項３】 香料気化部に設けられたベンチュリー部
   より離れた下流側に噴霧管を装着し、この噴霧管の先端
   に噴霧細口を備えた請求項１記載の香り制御装置。