JP3100725U - グリーンスロープセンサー - Google Patents

Abstract

【課題】 半球状の容器に鋼球を入れグリーンの傾斜角を鋼球の静止位置で読み取る装置において、鋼球の収斂時間短縮が実用使用の課題であった。
【解決手段】 本考案は半球容器底面の中央周辺部から外周にかけて微小突起を分散させ、隣接する突起間は鋼球が自由に往来できるが鋼球の直線的動きに制約を加え、傾斜角の測定精度に大きな影響を与えずに収斂時間を大幅に短縮している。
【選択図】 図２

Description

本考案は目測では判別しにくい僅かな傾きを検出するセンサーで、例えばゴルフのグリーン傾斜角を簡単に読み取とれる機器である。

従来の簡便な傾斜判別器なるものは、密閉された容器内に水溶液と小さな空気泡を入れて、この空気泡が容器中心からずれる量で容器が傾いているかを判別するものであった。
また特開２００１−２８６５９０や実願２００３−３９３５で記載されている様に底の浅い球面容器内に小球を入れ、容器の傾きと方向を小球の静止位置で読取る方法がある。

従来の水準器や特開２００１−２８６５９０で示す方法では、いかなる温度環境下でも正確に傾き角を読取る事は困難であった。実願２００３−３９３５は温度変化に関係なく正確に傾斜角を読み取れる構造になっているが、鋼球の動きが収斂して静止するまでの時間が長かった。

本考案は実願２００３−３９３５が有する課題を解決するもので、鋼球の運動には２通りのパターンが存在し、１つには容器底面上を自由運動し徐々に収斂する場合と、２つには容器外壁を暫く周回運動した後に球面領域に降りて来て自由転動後収斂する場合である。後者の場合は前者の最大２倍程の収斂時間を要していた。
球面容器内の外壁に沿った鋼球の周回運動を止めるために、突部もしくは穴を外周側壁に数箇所設ける。また球面領域内の収斂時間を短縮するために、鋼球の転がり抵抗となる微小突起を設ける。

ゴルフのプレー中にグリーンの傾きを読取る場合はスピードが要求される。本考案品はグリーン面に置いた時に転がる鋼球の動きを素早く制止し、グリーンの傾き角を精度良く読取ることが出きる。

傾斜角を精度良く読取るためには、球面容器内の転がり面は曲率半径は一定で且つ平滑でなければならない。しかしこのままでは鋼球の収斂時間が長くなるため、鋼球が持つ高運動エネルギーを積極的に消失させる必要がある。

図１は本考案のＡ−Ａ’断面図をしめしており、球面容器の外周側壁に突部を設けて鋼球の高運動エネルギー状態を素早く低位に移行させるものである。球面領域で鋼球が収斂する時間は従来と変わりは無いが、前述した収斂モード２の異常に長いケースは回避でき、しかもコスト的に安くあがる。

図２は球面中央部分を避けて傾斜角約２度前後から外周に向けて、先端を丸くした高さ０．２ｍｍ以下の微小突起を分散させ、鋼球が微小突起に衝突することで運動エネルギーを部分的に消失させ、収斂時間を大幅に短縮するものである。この微小突起の隣接する距離Ｄは鋼球３が自由に往来できるスペースを有している。

図３は実施例２を更に発展させるものとして微小突起を球面容器の全底面に分散させるが、その先端形状は概ねＲ０．１の球形で容器中心から最外周にかけて高さＨを０〜約０．２ｍｍまで段階的に変えている。

傾斜角と方位を精度良く読取ることができるため、例えば家屋等の建築物や土木工事における傾きを測定するのに便利である。

グリーンスロープセンサーの平面図 球面容器底面の微小突起分布図 底面の微小突起高さの分布図

符号の説明

１ 球面容器
２ 同心円リング（傾斜角線）
３ 鋼球
４ カバー
５ ケース
６ ビス
７ 外周側壁
８ 突部
９ 微小突起
Ｄ 隣接する微小突起の間隔
Ｈ 微小突起の高さ

Claims (2)

1. 底の浅い球面容器に鋼球を入れて、前記球面容器の傾き角と方位を前記鋼球の静止位置で読取る装置において、球面容器内底面の中央付近を除く周辺部に複数の微小突起を設け、隣接する突起間は少なくとも鋼球が非接触で通過できることを特徴としたグリーンスロープセンサー。
2. 球面容器の最外周側壁に少なくとも１箇所の凹部もしくは凸部を設けた事を特徴とする請求項１記載のグリーンスロープセンサー。

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