JPH0534939Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、プリンタの遮音装置に関し、詳細に
は、印字部上部を防音カバーで覆い、インパクト
式の印字ヘツドによりプラテン上に支持された印
字用紙に印字し、印字後の印字用紙を防音カバー
後端の用紙排出部からプリンタの外部へ排出する
プリンタの遮音装置に関する。

［従来技術］ 従来、この種のプリンタは、印字部上部を覆う
防音カバーにより、印字部内で発生する音がプリ
ンタ外部へ漏れるのを減少させていた。また、そ
の防音カバーの下面から印字ヘツド近傍まで垂下
し、プラテンの軸線と直交する逆三角形状の複数
枚の板から成るガイド部が、印字後の印字用紙を
前記用紙排出部へ案内するために設けられてい
た。

［考案が解決しようとする問題点］ 一般に、インパクト式の印字ヘツドを用いたプ
リンタにおいては、印字時の騒音が大きく、低騒
音化が要求されている。しかし、従来のプリンタ
では、印字部内で発生する音が、前記ガイド部を
成す板と板の間を通して前記用紙排出部からプリ
ンタ外部に漏れるので、大きな騒音が発生してい
た。

［考案の目的］ そこで、本考案は従来の問題点を解決するため
になされたもので、その目的とするところは、防
音カバーの後端部からその防音カバーと一体に印
字ヘツドに向つて下方へ延びた防音板を設け、そ
の防音板により印字部側を用紙排出部側に対して
離隔し、印字部内で発生した音が用紙排出部から
プリンタ外部へ漏れるのを防止し得る遮音装置を
提供することにある。

［問題点を解決するための手段］ 前述の目的を達成するために、本考案の遮音装
置は、印字部上部を防音カバーで覆い、インパク
ト式の印字ヘツドによりプラテン上に支持された
印字用紙に印字し、印字後の印字用紙を前記防音
カバー後端の用紙排出部からプリンタ外部へ排出
するプリンタにおいて、前記プラテンとの間に印
字用紙を挿通させる用紙ガイドを印字ヘツドの前
面と近接して該印字ヘツドとともに移動するよう
に設け、前記防音カバーと一体に形成され、その
防音カバーから前記用紙ガイドと前記プラテンと
の間を挿通した印字用紙の経路に沿つて設けられ
ることにより印字用紙を排紙部へ向かうように案
内するとともに、先端が前記用紙ガイドの近傍に
おけるプラテンと反対側に延びるとともに前記印
字ヘツドの移動方向へ延びる防音板を有するガイ
ド部を設け、そのガイド部により印字後の印字用
紙を前記用紙排出部へ案内するとともに前記防音
板により印字部内で発生した音がその用紙排出部
からプリンタ外部へ漏れるのを防止したことを特
徴とする。

［作用］ インパクト式の印字ヘツドを使用したプリンタ
の印字部からは、印字ヘツドがインクリボンを介
してプラテン上の印字用紙に印字する時のインパ
クト音や、印字ヘツドを載置したキヤリツジを駆
動する時の騒動音などの騒音が発生する。その印
字部上部を覆う防音カバーの前記防音板により、
印字部側を用紙排出部側に対して離隔し、印字部
内で発生した音が用紙排出部からプリンタ外部へ
漏れる量を最少限にし得る。

また防音板を有するガイド部が用紙ガイド近傍
に至るために、印字部を通過した印字用紙の先端
がガイド部に案内されて用紙排出部に向かう。そ
のため如何なる用紙（例えばプラテンより浮き上
がる方向に湾曲した用紙）を用いた場合において
も、用紙排出部近傍において紙ジヤム等を起こす
ことなく確実に排出できる。

［実施例］ 本考案の遮音装置を具体化した一実施例につい
て図面を参照して以下に説明する。

第１図は本考案の遮音装置を実施したプリンタ
の側断面図であり、フレーム１０の一部を構成す
る側枠（図示せず）に、左右方向に延びる円筒状
のプラテン１２が、回転可能に支持されている。
そのプラテン１２の下部前方において、プラテン
１２の軸線方向に延びるガイド棒１４が、フレー
ム１０に架設されている。そのガイド棒１４には
ワイヤインパクト式の印字ヘツド１６を搭載した
キヤリツジ１８が、ガイド棒１４に案内されて左
右方向に移動可能に支持されている。このキヤリ
ツジ１８にはキヤリツジ駆動ベルト１８ａの一部
が固着され、この駆動ベルト１８ａはキヤリツジ
駆動モータ（図示せず）に連結されている。ま
た、キヤリツジ１８上には印字ヘツド１６とプラ
テン１２との対向部に用紙ガイドの機能を兼ねる
リボンガイド１７が設けられ、そのリボンガイド
１７は、第３図に示すように印字ヘツド１６の印
字端部をプラテン１２側に通過させるための開孔
を有し、図面より明らかなように印字ヘツドの前
面（印字ワイヤが突出する面）に近接した板と、
その板より印字ヘツド１６側の２本のピンとから
成り、インクリボン２０がその板とピンとの間を
通過するように案内する。なお、ガイド棒１４、
印字ヘツド１６、キヤリツジ１８、インクリボン
２０、キヤリツジ駆動ベルト１８ａおよびキヤリ
ツジ駆動モータにより、印字部が構成されてい
る。

印字部上部を覆う防音カバー２２は、フレーム
１０上において取り外し可能に支持されており、
その後端は用紙排出部を形成している。また、第
２図に示すように、防音カバー２２の下面から防
音カバー２２と一体に印字ヘツド１６近傍まで垂
下するように形成されたガイド部２４は、プラテ
ン１２の軸線と直交する略逆三角形状の複数枚の
板と防音板２４ａとから構成されている。その防
音板２４ａは、ガイド部２４のプラテン１２との
対向部において、防音カバー２２の後端から印字
ヘツド１６に向つて下方へ延びるとともに印字ヘ
ツド１６の移動方向へ延びた円弧状の板より成つ
ている。そしてその最下端は、用紙排出部を形成
する防音カバー２２の第１図における最右端を通
り前記プラテン１２の外周と接する直線（第１図
中に一点鎖線で示す）よりも下方に至る。そして
更に、前記リボンガイド１７の板の上端部は防音
板２４ａとプラテン１２との間に、それらと非接
触状態で介在し、その上端部が防音板２４ａの下
端部と部分的に重なりあうように構成されてい
る。

以上の構成によりなるプリンタの遮音装置の動
作について説明する。

外部から印字データおよび印字制御コマンドが
供給されると、このプリンタは、キヤリツジ駆動
モータの回転に伴いキヤリツジ１８が左右方向に
往復移動しつつ、印字ヘツド１６がインクリボン
２０を介してプラテン１２上に支持された印字用
紙（図示せず）を印打し、印字用紙上にドツトマ
トリツクス状の文字を印字する。一行分の印字動
作が終了するたびに、プラテン１２が正方向へ回
転されることにより、印字用紙が一行分ずつ送ら
れ、印字後の印字用紙は、ガイド部２４に案内さ
れて用紙排出部からプリンタ外部へ排出される。

この印字動作中に、印字ヘツド１６がインクリ
ボン２０を介してプラテン１２上の印字用紙に印
字する時のインパクト音やキヤリツジ１８を駆動
する時のキヤリツジ駆動モータの騒動音などが発
生し、これらの音がプリンタにおける騒音のほと
んどである。しかし、ガイド部２４のプラテン１
２との対向部に防音板２４ａを設けることによ
り、防音板２４ａが印字部側を用紙排出部側に対
して離隔するので、印字部内で発生した音は、防
音板２４ａに反射して、前記印字部側内に封じ込
められる、このため、印字部内で発生した音が騒
音としてプリンタ外部に漏れる量を最少限にする
ことができる。

以上記述した本実施例の遮音装置においては、
防音板２４ａと、その防音板２４ａのプラテン側
に対向したリボンガイド１７との相乗効果によ
り、印字部内で発生した音をプリンタ外部に対し
て遮音性を高めることができる。

［変形例］ 本考案は以上詳述した実施例に限定されるもの
ではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において
種々の変更を加えることができる。

例えば、本実施例において、防音板はガイド部
のプラテンとの対向部に設けられているが、第４
図に示すようにガイド部１２４の印字ヘツド側の
端部に防音板１２４ａを形成しても良い。

また、本実施例においては、ガイド部を略逆三
角形状の複数の板と防音板とによつて構成してい
るが、防音板のみで構成しても良い。その防音板
の形状についても、円弧状の面に限らず、平面な
ど他の形状でも良い。

さらに、本実施例においては、円弧状のプラテ
ンを使用しているが、平板状のプラテンを使用し
ても良い。

［考案の効果］ 以上詳述したことから明らかなように本考案
は、防音カバーの後端部からその防音カバーと一
体に印字ヘツドに向つて下方へ延びた防音板を設
けることにより、その防音板が印字部側を用紙排
出部側に対して離隔するので、印字部内で発生し
た音がプリンタ外部に漏れる量を最少限にし得
る。

また防音板状と一体のガイド部が用紙ガイド近
傍に至るために、印字部を通過した印字用紙の先
端はガイド部に当接して、そのガイド部に案内さ
れて用紙排出部に向かう。そのため如何なる用紙
（例えばプラテンより浮き上がる方向に湾曲した
用紙）を用いた場合においても、用紙排出部近傍
において紙ジヤム等を起こすことなく確実に排出
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案を具体化したプリンタの側断
面図、第２図は上記プリンタの防音カバーのガイ
ド部を第１図の矢印Ａ方向から見た部分断面図、
第３図はリボンガイドの正面図、第４図は他の実
施例を示す部分側断面図である。 １２……プラテン、１４……ガイド棒、１６…
…印字ヘツド、１７……リボンガイド、１８……
キヤリツジ、２０……インクリボン、２２……防
音カバー、２４……ガイド部、２４ａ……防音
板。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 印字部上部を防音カバーで覆い、インパクト式
   の印字ヘツドによりプラテン上に支持された印字
   用紙に印字し、印字後の印字用紙を前記防音カバ
   ー後端の用紙排出部からプリンタ外部へ排出する
   プリンタにおいて、 前記プラテンとの間に印字用紙を挿通させる用
   紙ガイドを印字ヘツドの前面と近接して該印字ヘ
   ツドとともに移動するように設け、 前記防音カバーと一体に形成され、その防音カ
   バーから前記用紙ガイドと前記プラテンとの間を
   挿通した印字用紙の経路に沿つて設けられること
   により印字用紙を排紙部へ向かうように案内する
   とともに、先端が前記用紙ガイドの近傍における
   プラテンと反対側に延びるとともに前記印字ヘツ
   ドの移動方向へ延びる防音板を有するガイド部を
   設け、 そのガイド部により印字後の印字用紙を前記用
   紙排出部へ案内するとともに前記防音板により印
   字部内で発生した音がその用紙排出部からプリン
   タ外部へ漏れるのを防止したことを特徴とするプ
   リンタの遮音装置。