JPH053469U - 木質床基板 - Google Patents
木質床基板Info
- Publication number
- JPH053469U JPH053469U JP5025891U JP5025891U JPH053469U JP H053469 U JPH053469 U JP H053469U JP 5025891 U JP5025891 U JP 5025891U JP 5025891 U JP5025891 U JP 5025891U JP H053469 U JPH053469 U JP H053469U
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- wood
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 木質板の防音効果を向上させるためにスリッ
トを形成するが、このスリットによって分断がおこり床
材の伸縮変形を防ぐと共に防音効果をさらに向上させる
木質床基板を提供する。 【構成】 木質化粧板(2) と中間遮音シート(3) および
木質板(4) よりなり、木質板(4) に厚さ方向に貫通した
縦横のスリット(5)(6)を設け、更にこの木質板(4) に空
間保持とスリット(5)(6)による木質板(4) の分断を防ぐ
ために硬度のある伸縮性の小さいネット状成形体(7) を
配設してなるものである。
トを形成するが、このスリットによって分断がおこり床
材の伸縮変形を防ぐと共に防音効果をさらに向上させる
木質床基板を提供する。 【構成】 木質化粧板(2) と中間遮音シート(3) および
木質板(4) よりなり、木質板(4) に厚さ方向に貫通した
縦横のスリット(5)(6)を設け、更にこの木質板(4) に空
間保持とスリット(5)(6)による木質板(4) の分断を防ぐ
ために硬度のある伸縮性の小さいネット状成形体(7) を
配設してなるものである。
Description
【0001】
本考案は、マンション等のコンクリートスラブに直貼りする防音床材の床面側 となる木質床基板に関するものである。
【0002】
従来、木質床材上で発生する音の伝達を弱めるべく、例えば実開平2−857 39号公報のように高周波域の衝撃音を吸収する緩衝材の下面に間隔をおいて木 質ピース片を配設し形成されているもの、実開平3−51470号公報のように 木質合板にその底部から表部に向けて切溝状の隙間が形成されているもの、実開 昭63−169649号公報のように防音床材の基板の裏面に条溝を刻設してな るもの、実開昭64−2941号公報のように防音床材の下面に多数の条溝を刻 設し、該条溝の深さ寸法を木質基板の厚さ寸法に略合致せしめてなるもの等の床 材が提案されている。
【0003】
上記のように軟質シートを介装して遮音性を高める構成をするもの、木質基板 に条溝を設けて空間を形成し、遮音性を高める構成をするものにおいては、床面 の木質化粧板上で載荷される重量物の荷重により圧縮され、条溝を形成した床材 基板を変形させ、床材全体の変形をきたすという曲げ撓みに難点がある。本考案 は、上記した問題点が改善された木質床基板を提案するものである。
【0004】
本考案は、木質化粧板と中間遮音シートと木質板とが積層されてなる木質床基 板において、木質板に厚さ方向に貫通した幅0.5〜5.0mmの直線状のスリッ トを長手方向に対して30〜60mm間隔で縦および横に連続設け、この木質板の 下面に、孔の大きさが1個当たり4〜2500mm2 、開口率が25〜95%のネ ット状成形体を配設してなるものである。
【0005】 木質床基板における木質板としては、積層合板、木質単板等、従来のこの種の 板材を用いことができる。この木質板の厚さ方向を貫通するスリットの占める面 積割合は、1.0〜20.0%とするとよい。 上記溝の幅が0.5mm以下ではスリットの形成が困難であるばかりでなく遮音 性も低下し、5mmを超えると木質板の強度が低下する。またスリットの間隔が3 0mm未満では木質板が小ブロックになりすぎ剥離などの問題が発生し、木質板の 強度が低下し、60mmを超えるとスリットによる空間が少なく遮音性能が低下す る。そしてスリットは木質板を貫通していることが肝要であり、貫通させること によって木質材の遮音性が向上する。そしてこの縦、横のスリットは、木質化粧 板と木質板とを中間遮音シートを介して積層接着したあと、複数枚の丸鋸を所定 の間隔をおいて1本の軸に固定してなる切断装置を用い、その軸を回転させなが ら木質板の上から降下させるとともに移動させることによつて能率よく形成する ことができる。
【0006】 上記ネット状成形体は、天然ゴム、合成ゴム、合成樹脂の単独または2種以上 の混合物によって形成され、その形状は特定を要するものではないが、硬度のあ る伸縮性の小さいものがよく、見掛けの厚さが1.0〜5.0mm、開口面積が1 個当たり約4〜2500mm2 、開口率が25〜95%、好ましくは40〜80% 、更に好ましくは50〜70%で、平面状または突起状などを具備していてもよ く、繊維などにより補強されていてもよい。上記ネット状成形体の骨材部の太さ は0.5〜5.0mmが好ましく、太さが0.5mm未満では嵩高性のある空間保持 材が形成できず、5mmより大きくなると充分な空間部はできるが、厚みが大きく なって木質床基板での吸音制振部としての適度の厚さが確保できなくなる。
【0007】 また、ネット状成形体の1個当たりの孔の面積が4mm2 未満の場合は、空間部 が狭小となって目的の吸音制振効果が得られず、また2500mm2 より大きくな ると床材の支持力が小さくなりすぎ、支持材としての機能が低下する。開口率が 25%未満であると空間部が狭小となって目的の吸音制振効果が得られず、95 %より大きくなると床材の支持力が小さくなりすぎ、支持材としての機能が低下 する。
【0008】 また、全スリットの占める割合が1.0%未満であるとスリットによる空間が 少なく遮音性能が低下し、20.0%を超えると木質板の強度維持が困難となる 。また、中間遮音シートとしては、例えば、天然ゴム、エチレンプロピレンゴム 、スチレンブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、 クロロピレンゴム、フッ素ゴム、多硫化ゴム、アクリルゴム、エポクロロヒドリ ンゴム等のゴム弾性体、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン等の発泡 体、不織布やフェルト、アスファルト系のシート状物等を挙げることができ、こ の中から適宜選択して上記木質板の上に貼り合わすとよい。
【0009】 また床材となる木質化粧板としては、従来と同様に銘木単板、挽板をそのまま かあるいは突き板構造となし、更にその上に化粧シート、化粧紙を貼り合わせる かあるいは塗装による化粧層を形成してもよい。木質板と上記木質化粧板とを中 間遮音シートを介して貼り合わせ上記のスリットを木質板に形成したのち、木質 板の全面に亙ってネット状成形体を貼り合わせ形成することにより木質床基板と する。
【0010】
本考案の木質床基板における木質板のスリットは、木質板を貫通し、縦横に連 続して存在しているから、振動遮断作用をなし、防音効果を向上させる。また、 ネット状成形体は木質板の分断による床材の伸縮変形を防ぐと共にネット状成形 体骨材部間の空間保持による防音効果を向上させる。
【0011】
[実施例1] 図1は、本考案の木質床基板(1) の木質板(2) と木質化粧板(4 ) の間に中間遮音シート(3) を積層し、 木質板(2) に縦スリット(5) および横ス リット(6) を形成し、該木質板(2) の裏面にネット状成形体(7) を貼着した斜視 図である。図2は、各層(4)(3)(2)(7)を積層一体化した断面図である。実施例に おいては、ネット状成形体(7) として図3、図4に示したごとく、その骨材部(3 0)の垂直方向の厚さが約1.2mm、水平方向の太さが約1.5mm、開口面積が1 個当たり約50mm2 、開口率が68.1%の格子状をなし、一方の面の交差部に は高さが約0.3mmの錐状突起(31)を備え、他方の面が平滑なネット状構造のポ リエチレン樹脂成形物が用いられている。また、図5に示したような突部(34)、 平面部(35)を有したネット状成形体(7) でもかまわない。
【0012】 また木質板(2) として幅150mm、長さ1818mm、厚さ5.5mmの合板が用 いられる。本考案は、上記木質板(2) に、その厚さ方向に貫通する縦スリット(5 ) と横スリット(6) とを長さ方向および幅方向に間隔をおいて設けてなる。本実 施例における縦スリット(5) と横スリット(6) は、幅が1.5mmであり、木質板 (2) の長手方向に存在する縦スリット(5) の列間隔は50mm、幅方向に存在する 横スリット(6) の列間隔は50mmに配設されていて、木質板(2) に対する縦スリ ット(5) および横スリット(6) の占める割合は5.0%となっている。
【0013】 そしてこの木質板(2) の一方の面に中間遮音シート(3) として厚さ1mmの天然 ゴム、スチレンブタジエンゴムの混合物の発泡体からなるゴムシートを貼着し、 更にその上に厚さ3mmの市販の木質化粧板(4) を貼着している。木質板(2) に縦 スリット(5) および横スリット(6) を形成したのち、上記ネット状成形体(7) の 平滑な面を木質板(2) 面に貼着し木質床基板(1) となしている。そこで本考案の 実施例の木質床材基板(1) のネット状成形体(7) の裏面に、厚さ2mmの不織布(1 6)と厚さ4mmの防振ゴム(17)を貼り合わせてなる吸音制振材(15)の不織布(16)面 を木質板(2) に貼り合わせ図6に示す床材(10)となした。
【0014】 [比較例1] 本考案の実施例に使用した木質化粧板(4) と中間遮音シート(3 ) と木質板(2) を積層し、木質板(2) に縦スリット(5) および横スリット(6) を 形成し、木質床基板(51)となし、木質板(2) の裏面に厚さ2mmの不織布(16)と、 厚さ4mmの防振ゴム(17)を貼り合わせてなる吸音制振材(15)の不織布(16)面を木 質板(2) に貼り合わせて図7に示す床材(50)となした。
【0015】 [比較例2] 本考案の実施例に使用した木質化粧板(4) と中間遮音シート(3 ) と木質板(2) を積層し、木質板(2) に縦スリット(5) および横スリット(6) を 形成し、木質板(2) の裏面に厚さ1mmのショア硬度20のゴムシート(61)を貼着 し、木質床基板(60)となし、ゴムシート(61)の下面に厚さ2mmの不織布(16)と厚 さ4mmの防振ゴム(17)を貼り合わせてなる吸音制振材(15)の不織布(16)面をゴム シート(61)面に貼り合わせて図8に示す床材(65)となした。
【0016】 上記実施例の木質床基板(1) を使用した床材(10)と上記比較例1および比較例 2の各種床材の遮音性を比較した結果を表1に示す。
【0017】
【表1】
【0018】 尚、遮音性の比較は、衝撃により発生する各周波数の音が階下へどの程度伝わ るかをJIS−A−1418に準じて測定した。 また、この木質床基板(1) およ び(51)、(60) の曲げ撓み特性評価を行った結果を表2に示す。
【0019】
【表2】
【0020】 尚、曲げ撓み特性は、次のような方法で評価した。曲げ撓み特性は、木質床基 板の木質化粧板(4) を上面として、700mmスパンの中央に幅100mm当たり3 kg荷重と7kg荷重をかけて木質床材基板の曲げ撓み量を測定した。
【0021】
このように本考案による木質床基板(1) は、床面となる木質化粧板(4) と厚手 の木質板(2) との間に中間遮音シート(3) が介在してなる木質床基板において、 その木質板(2) に幅が0.5〜5mmの貫通した直線状のスリット(5)(6)が間隔を おいて縦横に連続的に配設されてなるものであり、木質化粧板(4) 上で発生した 衝撃による振動は、その下面に介在する中間遮音シート(3) で吸音減衰され、木 質板(2) で振動が分断され、吸音減衰され防音効果を発揮する。
【0022】 更に木質板(2) に厚さが1.0〜5.0mm、開口面積が約4〜2500mm2 の ネット状成形体(7) が配設されており、木質板(2) の分断による床材の伸縮変形 を防ぐと共にネット状成形体骨材部間の空間保持による防音効果を発揮する。
【図1】本考案の木質床基板の一例を示した斜視図であ
る。
る。
【図2】本考案の木質床基板の断面図である。
【図3】ネット状成形体の平面図である。
【図4】ネット状成形体の断面図である。
【図5】ネット状成形体の別な態様を示す斜視図であ
る。
る。
【図6】本考案の木質床基板を使用した床材の実施例の
断面図である。
断面図である。
【図7】比較例1の木質床基板の断面図である。
【図8】比較例2の木質床基板の断面図である。
1 木質床基板 2 木質板 3 中間遮音シート 4 木質化粧板 5 縦スリット 6 横スリット 7 ネット状成形体 10 床材 15 吸音制振材 16 不織布 17 防振ゴム 30 骨材部 31 突起 34 突部 35 平面部 50 床材 51 木質床基板 60 木質床基板 65 床材
Claims (1)
- 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項1】 木質化粧板と中間遮音シートと木質板と
が積層されてなる木質床基板において、木質板には厚さ
方向に貫通した幅0.5〜5.0mmの直線状のスリット
が長手方向に対して30〜60mm間隔で縦および横に連
続設けられてこれらスリットの占める面積割合が1.0
〜20.0%を占め、この木質板の下面に、孔の大きさ
が1個当たり4〜2500mm2 、開口率が25〜95%
のネット状成形体が配設されていることを特徴とする木
質床基板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5025891U JPH053469U (ja) | 1991-06-03 | 1991-06-03 | 木質床基板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5025891U JPH053469U (ja) | 1991-06-03 | 1991-06-03 | 木質床基板 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH053469U true JPH053469U (ja) | 1993-01-19 |
Family
ID=12853958
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5025891U Pending JPH053469U (ja) | 1991-06-03 | 1991-06-03 | 木質床基板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH053469U (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016053280A (ja) * | 2014-09-04 | 2016-04-14 | 永大産業株式会社 | 木質系床材 |
-
1991
- 1991-06-03 JP JP5025891U patent/JPH053469U/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016053280A (ja) * | 2014-09-04 | 2016-04-14 | 永大産業株式会社 | 木質系床材 |
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