JPH05346657A - 自動現像処理装置 - Google Patents

自動現像処理装置

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Publication number
JPH05346657A
JPH05346657A JP4202495A JP20249592A JPH05346657A JP H05346657 A JPH05346657 A JP H05346657A JP 4202495 A JP4202495 A JP 4202495A JP 20249592 A JP20249592 A JP 20249592A JP H05346657 A JPH05346657 A JP H05346657A
Authority
JP
Japan
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roller
water
film
drying
tank
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Pending
Application number
JP4202495A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuo Ichikawa
和夫 市川
Yuji Inoue
有二 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP4202495A priority Critical patent/JPH05346657A/ja
Publication of JPH05346657A publication Critical patent/JPH05346657A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 感光材料を連続的に処理する場合において
も、乾燥状態を均一に保持することができ処理液を次槽
へ持ち込むことがない自動現像処理装置を得る。 【構成】 絞りローラと乾燥部との間には、ポリウレタ
ンミクロポーラススポンジを用いた吸水ローラであり、
本実施例では、東洋ポリマー社製のルビセル吸水ローラ
62が設けられ、絞りローラで多量の液を絞り取った後
の湿ったフィルムFがこの吸水ローラ62に挟持搬送さ
れることにより、フィルムFから水分を吸収し、フィル
ムFの含水量を軽減する。即ち乾燥部20の通過時間が
40秒以下3秒以上で連続的に処理されるような場合で
も吸水性能をほぼ一定に保持することができる。従っ
て、乾燥部20での乾燥状態も連続処理の初期から終期
まで均一とし、充分に吸水した状態でフィルムFを乾燥
部20へ送り出すことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、感光材料を搬送しなが
ら現像槽、定着槽、水洗槽へ順次浸漬させ、それぞれ現
像処理、定着処理、水洗処理を行った後、乾燥部におい
て乾燥処理する自動現像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】挿入部から装置内に送り込まれた感光材
料は、装置内の現像槽、定着槽及び水洗槽へ案内搬送さ
れ、それぞれ現像処理、定着処理及び水洗処理がなされ
る。
【0003】これらの各槽には処理ラックが装填されて
おり、また、これらの槽の上方にはクロスオーバラック
が配設されている。これらの処理ラック及びクロスオー
バーラックには、感光材料を挟持して搬送するローラ及
び案内板が取付けられており、このため、装置に挿入さ
れた感光材料は、現像槽等の各槽内にて処理ラックに案
内されて略U字型に案内搬送され、クロスオーバラック
によって次槽へ受け渡されるようになっている。
【0004】水洗処理が終了した感光材料は、乾燥部へ
と搬送され、乾燥処理がなされた後、排出部から排出さ
れ、トレイ等に収容される。
【0005】ここで、乾燥部へ搬送される感光材料は、
処理液(水分)が多量に付着した状態となっており、そ
のまま乾燥部へ送り込むと乾燥にかなりの時間を要する
ため、乾燥部の上流側に吸水ローラを配している。
【0006】すなわち、水洗槽から送りだされる感光材
料は、吸水ローラによって感光材料に付着した水分を吸
水された後、乾燥部へ搬送される。
【0007】吸水ローラは、布製のため吸水性を有して
おり、感光材料の付着水の量を軽減して、乾燥処理時間
を短縮することができる。このような装置としては、例
えば特公平2−8284号公報に記載のような構成が知
られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の吸水ローラでは、布製のため処理枚数に応じて急激
に吸水性が悪くなる。これは、液を吸水した後に再び乾
いて元の性能に戻るまでに時間を要するためであり、間
欠処理時には問題ないが、連続的に多量の感光材料を処
理する場合には、処理量が多くなるに従って乾燥効率が
低下することになる。このために、乾燥部へ搬送される
感光材料の含水率が変化すると、連続処理時の初期と終
期とで乾燥状態が変化し、均一な乾燥状態を得ることが
できないという問題点がある。
【0009】特に、比較的高速の乾燥処理を行う場合、
又は定着液中に水溶性アルミニウム化合物を全く含まな
いか、または、極少量しか含まないようにした、実質的
に硬膜剤を含まない定着液を使用する自動現像処理装置
において、感光材料の乳剤層の膨潤率が大となった場合
には、処理枚数に応じて急激に吸水ローラの吸水性が悪
くなり、乾燥部へ搬送される感光材料の含水率が高くな
り適切な乾燥ができなくなるという不具合がある。
【0010】また、従来のゴムローラを備えたクロスオ
ーバーラックを使った場合、前の処理槽から次の処理槽
への処理液の持込みをなくすことができず、次槽の処理
液の処理能力が早く低下するという不具合がある。
【0011】本発明は上記事実を考慮し、感光材料を連
続的に処理する場合においても、乾燥状態を均一に保持
することができ処理液を次槽へ持ち込むことがない自動
現像処理装置を得ることが目的である。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、感光材料を搬送しながら現像液、定着液、水洗水等
によって順次処理を行った後、乾燥部において乾燥処理
する自動現像処理装置であって、前記各処理間のクロス
オーバー部、前記水洗処理と乾燥部間のスクイズ部、ま
たは前記乾燥部内の前記感光材料搬送路に沿って設けら
れたローラのうち少なくとも1本をポリウレタンミクロ
ポーラススポンジを用いた吸水ローラとしたこと特徴と
している。
【0013】請求項2に記載の発明は、感光材料を搬送
しながら現像槽、定着槽、水洗槽へ順次浸漬させて、そ
れぞれ現像処理、定着処理、水洗処理を行った後、乾燥
部において乾燥風によって乾燥処理する自動現像処理装
置であって、前記水洗槽と乾燥部の間のスクイズ部の前
記感光材料搬送路に少なくとも1本のポリウレタンミク
ロポーラススポンジを用いた吸水ローラと、前記乾燥部
の乾燥風の一部を前記吸水ローラへ当てる手段と、を備
えたこと特徴としている。
【0014】請求項3に記載の発明は、前記吸水ローラ
と前記水洗槽との間に前記感光材料に付着している液を
絞り取る絞りローラを備えたことを特徴としている。
【0015】請求項4に記載の発明は、前記クロスオー
バー部の少なくとも前記感光材料の膜面に接触する側に
前記吸水ローラを設けたこと特徴としている。
【0016】請求項5に記載の発明は、前記吸水ローラ
のニップ圧を1g/cm2 〜35g/cm2に設定したこと特徴
としている。
【0017】請求項6に記載の発明は、前記吸水ローラ
は、対向配列又は千鳥配列で少なくとも一対設けられ、
前記感光材料の表裏面に接触して設けられていることを
特徴としている。
【0018】請求項7に記載の発明は、前記水洗槽から
前記乾燥部へ向かって上方へ搬送される感光材料の搬送
路に前記絞りローラが配置されていることを特徴として
いる。
【0019】請求項8に記載の発明は、前記乾燥部に乾
燥風供給手段からの乾燥風を供給することを特徴として
いる。
【0020】請求項9に記載の発明は、前記乾燥部にヒ
ートローラを設けたことを特徴としている。
【0021】請求項10に記載の発明は、前記乾燥部に
赤外線ヒータを設けたことを特徴としている。
【0022】請求項11に記載の発明は、前記感光材料
が前記乾燥部を通過する時間が40秒以下3秒以上であ
ることを特徴としている。
【0023】請求項12に記載の発明は、感光材料を搬
送しながら現像槽、定着槽、水洗槽へ順次浸漬させて、
それぞれ現像処理、定着処理、水洗処理を行った後、乾
燥部において乾燥風によって乾燥処理する自動現像処理
装置であって、前記定着槽と水洗槽間のクロスオーバー
部、前記水洗槽と乾燥部間のスクイズ部、または前記乾
燥部内の前記感光材料搬送路に沿って設けられたローラ
のうち少なくとも1本をポリウレタンミクロポーラスス
ポンジを用いた吸水ローラとし、前記感光材料が前記定
着処理工程で実質的に硬膜剤を含有しない定着液で処理
されることを特徴としている。
【0024】
【作用】請求項1に記載の発明によれば、ポリウレタン
ミクロポーラススポンジの吸水ローラは、ポリウレタン
を原料としたミクロポーラス連続多孔体を用いたローラ
であり、気孔径が約5μm 〜10μm の微細セルを持っ
ているので、吸水性に優れており、この吸水ローラが処
理槽間のクロスオーバー部に用いられると、処理液を次
槽に持ち込むことがない。また、スクイズ部又は乾燥部
に用いられると、感光材料に付着した水分を充分に吸水
することができる。このため、感光材料に付着した水分
がほとんどなくなり、乾燥部での乾燥効率が向上する。
【0025】ここで、この吸水ローラは、吸水性に優れ
ているため、感光材料が比較的高速で連続的に処理され
るような場合でも吸水性能をほぼ一定に保持することが
できる。従って、乾燥部での感光材料の乾燥状態も連続
処理の初期から終期まで均一とすることができる。
【0026】請求項2に記載の発明によれば、ポリウレ
タンミクロポーラススポンジの吸水ローラは吸水性に優
れており、スクイズ部にこの吸水ローラを配置すること
により、感光材料表面に付着した水分を充分に吸い取る
ことができるので、感光材料の乾燥部での乾燥効率が向
上する。また、この吸水ローラに乾燥部の乾燥風の一部
を当てるようにしたので、感光材料が連続的に処理され
るような場合でも、吸水ローラの水分が素早く蒸発され
て吸水ローラの吸水性能を一定に保持することができ
る。従って、感光材料の乾燥は連続処理しても、初期か
ら終期まで適切な乾燥状態に仕上げるとができる。
【0027】請求項3に記載の発明によれば、スクイズ
部において感光材料の表面に付着した水分をポリウレタ
ンミクロポーラススポンジを用いた吸水ローラによって
吸水する前に、水洗の終わった感光材料を絞りローラに
よって絞るようにしたので、感光材料の乳剤層に含まれ
る水分及び表面に付着した水分が絞り取られるので、よ
りいっそう効率的な乾燥が可能となった。
【0028】請求項4に記載の発明によれば、ポリウレ
タンミクロポーラススポンジを用いた吸水ローラをクロ
スオーバー部の少なくとも感光材料の膜面に接触する側
に設けたことによって、クロスオーバー部での処理液の
持ち出し、持込みを防止して、処理液の疲労を防ぐこと
により補充量を低下させることができる。
【0029】請求項5に記載の発明によれば、ポリウレ
タンミクロポーラススポンジを用いた吸水ローラのニッ
プ圧を1g/cm2 〜35g/cm2 に設定することによって、
この吸水ローラの吸水性を最大限に発揮できるようにな
っている。
【0030】なお、この吸水ローラのニップ圧が1g/cm
2 より小さい場合には、ニップ圧が低すぎてスクイズが
充分に行えず、逆にニップ圧が35g/cm2 より大きい場
合には、ニップ圧が高すぎてこの吸水ローラが変形し、
元の形状に戻らなくなり、乾燥むら等の原因となる。
【0031】請求項6に記載の発明によれば、ポリウレ
タンミクロポーラススポンジを用いた吸水ローラは対向
配列又は千鳥配列で感光材料の表裏面に接触して少なく
とも一対設けられるので、感光材料の表裏面の両方から
吸水することができる。
【0032】請求項7に記載の発明によれば、絞りロー
ラにより絞り取られた水分は、ポリウレタンミクロポー
ラススポンジを用いた吸水ローラの方へ流れることな
く、水洗槽の方へ流れるから、この吸水ローラは効果的
に機能する。
【0033】請求項8に記載の発明によれば、ポリウレ
タンミクロポーラススポンジを用いた吸水ローラによっ
て付着した水分が除かれた感光材料を、乾燥部において
乾燥風供給手段からの乾燥風によって乾燥するため、乾
燥部での乾燥効率が向上する。
【0034】請求項9に記載の発明によれば、ポリウレ
タンミクロポーラススポンジを用いた吸水ローラによっ
て付着した水分が除かれた感光材料を、乾燥部において
ヒートローラに接触させて伝導熱によって乾燥するた
め、乾燥部での乾燥効率が向上する。
【0035】請求項10に記載の発明によれば、ポリウ
レタンミクロポーラススポンジを用いた吸水ローラによ
って付着した水分が除かれた感光材料を、乾燥部におい
て赤外線ヒータによって乾燥するため、乾燥部での乾燥
効率が向上する。
【0036】請求項11に記載の発明によれば、ポリウ
レタンミクロポーラススポンジを用いた吸水ローラを用
いて乾燥部を通過する時間が40秒以下3秒以上とした
ので、感光材料の処理を早くすることができる。
【0037】請求項12に記載の発明によれば、クロス
オーバー部、スクイズ部または乾燥部の感光材料搬送路
に沿って設けられたローラのうち少なくとも1本をポリ
ウレタンミクロポーラススポンジを用いた吸水ローラと
し、実質的に硬膜剤を含有しない定着液で感光材料を定
着処理するので、定着処理が早くできるとともに、ポリ
ウレタンミクロポーラススポンジを用いた吸水ローラで
感光材料に付着した処理液または水分を除くので、定着
液が次槽へ持ち込まれるのを防ぐことができ、スクイズ
部または乾燥部で感光材料に付着した水分を確実に除く
ので迅速に乾燥を行うことができる。
【0038】
【実施例】図1には、本発明の第1実施例に係る自動現
像処理装置10が示されている。自動現像処理装置10
は、ケーシング12内に処理部11及び乾燥部20が設
けられている。処理部11は感光材料(以下「フィルム
F」という)の搬送方向に沿って隔壁13によって区画
された処理槽である現像槽14、定着槽16及び水洗槽
18を備えている。自動現像処理装置10のケーシング
側面(図1の左側側面)には、挿入口15が設けられて
いる。挿入口15には、挿入台17が取付けられ、フィ
ルムFはこの挿入台17に載置された状態で挿入口15
へと送り込まれるようになっている。この挿入口15の
下流側には、一対の搬送ローラ19が設けられ、挿入台
17から送り込まれたフィルムFはこの搬送ローラ19
に挟持され、前記処理部11へと搬送される構成であ
る。
【0039】現像槽14内には現像液が貯留されてい
る。現像槽14内には、図示しない駆動手段によって駆
動されてフィルムFを搬送する搬送ローラ22を有する
搬送ラック24が現像液に浸漬された状態で配設されて
いる。定着槽16内には、定着液が貯留されている。こ
の定着液としては、実質的に水溶性アルミニウム塩等の
硬膜剤を含有した定着液が用いられている。ここでいう
実質的に硬膜剤を含有しない定着液とは、浸漬された感
光材料の塗布膜の硬膜が実質的に生じない定着液のこと
をいい、より実体的には定着液に添加される水溶性アル
ミニウム塩を0.01モル/リットル以下とすることを
意味する。これにより、定着処理の処理時間を短縮する
ことができ、水洗の効率が上がるので、処理後の感光材
料の残色を少なくするこができる。
【0040】定着槽16内には図示しない駆動手段によ
って駆動されてフィルムFを搬送する搬送ローラ26を
有する搬送ラック28が定着液に浸漬された状態で配設
されている。水洗槽18内には水洗水が貯留されてい
る。また、水洗槽18内には、図示しない駆動手段によ
って駆動されてフィルムFを搬送する搬送ローラ30を
有する搬送ラック32が水洗水に浸漬された状態で配設
されている。
【0041】処理部11の上部には、クロスオーバーラ
ック34が配設されている。このクロスオーバーラック
34は、フィルムFの搬送方向上流側の処理槽から下流
側の処理槽へフィルムFを案内するガイド板38を備え
ている。また、このガイド板38の搬送方向上流側に
は、ポリウレタンミクロポーラススポンジを用いた吸水
ローラであり、本実施例では、東洋ポリマー社製のルビ
セル(商品名)吸水ローラ39が設けられており、フィ
ルムFを処理する処理液を吸水し、フィルムFの乳剤の
膨潤率が大となった場合にも、次槽への処理液の持込み
を少なくできるようになっている。
【0042】ここで、フィルムFの搬送方向上流側の処
理槽から下流側の処理槽へフィルムFを搬送するローラ
のうちの少なくとも1本をルビセル吸水ローラとし、こ
のルビセル吸水ローラは、搬送されるフィルムFの少な
くとも乳剤面側に設けるのが好ましい。
【0043】また、吸水ローラに使う種々の吸水性部材
について、水滴を滴下し水滴が完全に吸い込まれるまで
の時間を調べて結果、エクセーヌ等の吸水性部材は湿潤
状態では、瞬時に均一に吸い込まれるが、乾燥状態で
は、吸い込まれるまでに時間がかかるとともに、均一に
吸い込まないものもあった。これに対してルビセル(商
品名)は湿潤状態でも乾燥状態でも瞬時に均一に水滴を
吸い込み吸水性能が非常に優れている。また、数式1で
表される保水率は200%以上という優れた値を示す。
【0044】
【数1】
【0045】また、ルビセル吸水ローラ39のニップ圧
は1g/cm2 〜35g/cm2 とされている。
【0046】従って、挿入口15から自動現像処理装置
10内に送り込まれたフィルムFは、現像槽14内の搬
送ローラ22で現像液中を搬送されて現像処理される。
現像処理されたフィルムFは、クロスオーバーラック3
4で定着槽16に送られ、そこで搬送ローラ26で定着
液中を搬送されて定着処理される。定着処理されたフィ
ルムFは、クロスオーバーラック34で水洗槽18へ送
られ、そこで搬送ローラ30で水洗水中を搬送されて水
洗される。
【0047】水洗処理されたフィルムFは、乾燥部20
へ送り込まれ、乾燥処理されるようになっている。な
お、フィルムFの線速は2m /min 以上で、Dry to
Dry(乾燥部での処理時間)が40秒以下3秒以上好ま
しくは20秒以下3秒以上とされている。
【0048】図2に示される如く、乾燥部20の上流側
には、一対の絞りローラ60が配設されている。この絞
りローラ60は、フェノール又はEPTゴム製のローラ
であり、フィルムFに付着している液を絞り取る役目を
有している。従って、水洗処理されたフィルムFはこの
絞りローラ60を通過するとことにより、多量に液を含
んでいる状態から、湿った程度の状態とすることができ
る。この一対の絞りローラ60は、水洗処理されたフィ
ルムFが乾燥部20へ向かう上向きの搬送路の途中に配
置されている。従って、絞られた水分はフィルムFの表
面を伝ってあるいは水滴として水洗槽の方へ戻り、絞り
を効果的に行う。
【0049】絞りローラ60の下流側、かつ乾燥部20
の上流側には、一対のスクイズローラ62が設けられて
いる。このスクイズローラ62は、ポリウレタンミクロ
ポーラススポンジを用いた吸水ローラであり、本実施例
では、東洋ポリマー社製のルビセル吸水ローラであって
吸水性に優れている。このため、湿ったフィルムFがこ
のスクイズローラ62に挟持搬送されることにより、フ
ィルムFの表面から水分を吸収し、時としてフィルムF
の乳剤中に含まれる水分を吸収し、フィルムFの含水量
を軽減することができる。ここでは、一対のスクイズロ
ーラ62の両方をルビセル吸水ローラとしたが、片側だ
けでも良く、またスクイズローラ62を複数対としてル
ビセル吸水ローラを複数設けても良いが、フィルムFの
乳剤面に接するようにルビセル吸水ローラを設けるのが
好ましい。また、絞りローラ60の代わりにルビセル吸
水ローラを用いて水洗槽18と乾燥部20の間のローラ
を全てルビセル吸水ローラとしても良い。なお、スクイ
ズローラ62のニップ圧は1g/cm2 〜35g/cm2 とす
る。
【0050】ここで、このスクイズローラ62は、吸水
した液を迅速に蒸発させる性質をも有している。すなわ
ち、回復が早いため、次のフィルムFの搬送時には、充
分な吸水性能を持たせることができる。さらに、この発
明では、このスクイズローラに乾燥部20で用いられる
乾燥風の一部を当てることにより、この吸水性能の維持
をより確実なものとすることができる。
【0051】なお、スクイズローラ62は、直径18mm
のステンレス合金(SUS316)のローラ表面を厚み
が3.5mmで硬度が60±5度のルビセルで覆った構造
とした。
【0052】図1に示されるように、乾燥部20には、
水平方向に沿って搬送ローラ44が設けられ、フィルム
Fの搬送路が形成されている。ここで乾燥部とはフィル
ムFの先端が搬送ローラ44の内の入口側の最初のロー
ラに接してから出口側の最後のローラに接するまでの間
をいう。また、搬送ローラ44の一部、例えば上流側か
ら3対目までの搬送ローラ44Aは、ポリウレタンミク
ロポーラススポンジを用いた吸水ローラであり、本実施
例では、東洋ポリマー社製のルビセル吸水ローラであっ
て吸水性に優れている。このため、湿ったフィルムFが
この搬送ローラ44Aに挟持搬送されてきても、フィル
ムFから水分を吸収し、フィルムFの乾燥効率を向上す
ることができる。なお、搬送ローラ44Aのニップ圧は
1g/cm2〜35g/cm2 とする。また、ルビセル吸水ロー
ラは搬送ローラ44の適切な箇所に設けることができ
る。
【0053】搬送ローラ44の搬送路と反対側には、搬
送ローラ44へ乾燥風を吹きつけるスリット孔が設けら
れたチャンバ46が設けられている。
【0054】搬送ローラ44は、フィルムFの幅方向に
沿ってフィルムFに緊密に接触するように配置されてい
る。これらの搬送ローラ44は、図示しない駆動手段の
駆動力が伝達されて回転しフィルムFを挟持しながら搬
送するようになっている。
【0055】図1に示されるように、乾燥部20の下方
には、乾燥ファン45が取り付けられている。乾燥ファ
ン45は、自動現像処理装置10外の空気を吸入してチ
ャンバ46へ乾燥風として送り出す。この乾燥ファン4
5とチャンバ46との間には図示しないヒータが介在さ
れており、乾燥ファン45により送り込まれた乾燥風を
加熱して、前記チャンバ46へ供給する。乾燥部20に
てフィルムFの乾燥に用いられた乾燥風の一部は、乾燥
部へのフィルムFの入口からフィルムFの搬送方向上流
側へ吹き出して、乾燥部入口近傍のスクイズローラに当
たることになる。
【0056】乾燥部20の下流側には、自動現像処理装
置10の外壁から突出するように受け箱49が設けられ
ている。乾燥部20から排出されたフィルムFは、この
受け箱49内に収容される。
【0057】以下に本実施例の作用を説明する。挿入台
17に載置されたフィルムFは挿入口15へ送り込ま
れ、搬送ローラ19に挟持されて現像槽14へ送り込ま
れる。現像槽14では、現像液中を搬送されて現像処理
される。この現像処理は、操作パネル56上でオペレー
タが予め設定した処理時間で処理されるため、フィルム
Fの種類やサイズに適正な処理が行われる。
【0058】現像処理されたフィルムFは定着槽16内
へ送り込まれる。この場合、フィルムFを処理する現像
液が吸水され、フィルムFの乳剤の膨潤率が大となった
場合にも、ルビセル吸水ローラ39によって絞り取ら
れ、定着槽16への現像液の持込みを少なくすることが
できる。
【0059】定着槽16において、定着液中を搬送され
て定着処理されたフィルムFは水洗槽18へ送り込まれ
る。この場合にも、フィルムFに付着した定着液が吸水
され、フィルムFの乳剤の膨潤率が大となった場合に
も、ルビセル吸水ローラ39によって絞り取られ、水洗
槽18への定着液の持込みを少なくすることができる。
【0060】また、ルビセル吸水ローラ39のニップ圧
を1g/cm2 〜35g/cm2 に設定することによって、ルビ
セル吸水ローラ39の吸水性を最大限に発揮できるよう
になっている。
【0061】なお、ルビセル吸水ローラ39のニップ圧
が1g/cm2 より小さい場合には、ニップ圧が低すぎてス
クイズが充分に行えず、逆にニップ圧が35g/cm2 より
大きい場合には、ニップ圧が高すぎてルビセル吸水ロー
ラ39が変形し、元の形状に戻らなくなり、乾燥むら等
の原因となる。
【0062】水洗槽18において、水洗処理され多量の
水分が付着したフィルムFは、絞りローラ60によって
挟持搬送されることにより、水分が絞り取られる。この
とき、絞り取られた水分は、スクイズローラ62の方へ
流れてスクイズローラ62に付着吸水されることはな
く、水洗槽18の方へ戻される。従って、絞りローラ6
0による絞り効果が大きい。
【0063】次にスクイズローラ62に挟持搬送される
ことにより水分が吸水される。乾燥部20からの乾燥風
の一部がスクイズローラ62に当たり、スクイズローラ
62から水分が蒸発するのを助ける。この結果、スクイ
ズローラ62の吸水能力が維持され、フィルムFの含水
量が軽減された後、乾燥部20内へ送り込まれる。乾燥
部20内では、フィルムFが搬送ローラ44により挟持
されながら搬送される。特に、ルビセル吸水ローラで構
成される搬送ローラ44Aは吸水性に優れており、湿っ
たフィルムFがこの搬送ローラ44Aに挟持搬送される
ことにより、フィルムFから水分を吸収し、フィルムF
の乾燥効率を向上することができる。
【0064】また、搬送ローラ44Aのニップ圧を1g/
cm2 〜35g/cm2 に設定することによって、ルビセル吸
水ローラの吸水性を最大限に発揮できるようになってい
る。
【0065】乾燥部20では、チャンバ46のスリット
孔から乾燥風が吹き出しており、この乾燥風によってフ
ィルムFが加熱され乾燥される。
【0066】乾燥部20から送りだされたフィルムF
は、受け箱49に収容され、現像処理から乾燥処理まで
の一連の通常処理が終了する。
【0067】また、本実施例のスクイズローラ62は、
ルビセル吸水ローラを使用しているため、吸水性に優れ
ており、フィルムFが比較的高速、即ち乾燥部20の通
過時間が40秒以下3秒以上、好ましくは20秒以下3
秒以上で連続的に処理されるような場合でも吸水性能を
ほぼ一定に保持することができる。従って、フィルムF
の乳剤中の水分及びフィルムFの表面に付着した水分を
除いた状態でフィルムFを乾燥部20へ送り出すことが
できるので乾燥部20によるフィルムFの乾燥仕上り状
態を連続処理の初期から終期まで均一に適切にすること
ができる。
【0068】図3には、スクイズローラ以外の条件は同
一でスクイズローラのみを本実施例に係るルビセル吸水
ローラ、フェノール樹脂製ローラ及び布ローラを用いた
場合のそれぞれの乾燥部20通過後の処理枚数に応じた
フィルムFの含水量の特性図が示されている。なお、フ
ィルムFとして四つ切りサイズを用いた。
【0069】この図3に示される如く、フェノール樹脂
製のローラが最も含水量が多く(約2グラム)、次いで
布製のローラ(約1.3グラム)、本実施例のルビセル
吸水ローラ(約1.0グラム)の順となっている。すな
わち、ルビセル吸水ローラによれば、フィルムFの含水
量を最も少なくすることができる。
【0070】また、図4には、ルビセル吸水ローラの一
対のスクイズローラ62、EPTゴム−フェノール樹脂
製のローラ及びフェノール樹脂−フェノール樹脂製のロ
ーラを用いた場合のフィルムFの乾燥評価を示した特性
図が示されている。
【0071】なお、処理するフィルムFのサイズは、 5
00×610mm で、乾燥温度は55℃に設定した。また、図4
の縦軸に付した官能評価点の意味は以下の通りである。
この評価点は4.5 が最適であり、この点から離れるほど
フィルムFの乾燥としては不良である。
【0072】
【表1】
【0073】図4に示される如く、フェノール樹脂−フ
ェノール樹脂製のローラ及びフェノール樹脂−EPTゴ
ム製のローラは、共に1枚処理しただけで急激に評価が
低くなり、以後は未乾燥に近い状態で処理されることに
なる。これに対し、本実施例のポリウレタンミクロポー
ラススポンジ−ポリウレタンミクロポーラススポンジ製
のスクイズローラ62は、処理枚数が200枚を超えて
も安定した評価を得ることができる。
【0074】なお、本実施例では、スクイズローラ62
を対向配列させたが、スクイズローラ62の少なくとも
1本をルビセル吸水ローラとすれば良く、例えばフィル
ムFの乳剤面側をルビセル吸水ローラとした場合には、
対向配列のもう1本のローラをフェノール樹脂のローラ
とすることもでき、またルビセル吸水ローラは千鳥配列
であってもよく、また、複数対並べてもよい。
【0075】次に、本発明の第2実施例について説明す
る。図5に示される如く、本実施例に係る自動現像処理
装置110には、そのケーシング112の図5紙面左側
面(上流側端部)にフィルムFを挿入する挿入口16が
設けられている。挿入口116の内方には、一対のロー
ラ118が備えられており、図示しない駆動手段で回転
するようになっている。このため、挿入口116から挿
入されたフィルムFは、一対のローラ118の駆動力に
よって自動現像処理装置110の内部に設置される処理
部120へと案内される。
【0076】処理部120には複数の処理槽が設けら
れ、それぞれ図1の紙面左側から現像槽124、リンス
槽126、定着槽128、リンス槽130及び水洗槽1
32とされている。現像槽124、定着槽128、水洗
槽132(以下、総称する場合は「処理槽」と言う)に
は、それぞれ現像液、定着液、水洗水が蓄えられる。ま
た、リンス槽126には洗浄水(例えば水または酢酸水
溶液)、リンス槽130には洗浄水(例えば水)が図示
しないそれぞれの貯留タンクからポンプを介して管路に
より供給され、供給された洗浄水は、リンス槽126、
130からオーバーフロー槽へオーバーフローするよう
になっている。
【0077】リンス槽126、130には、絞りローラ
138、140が設けられている。また、絞りローラ1
38、140の下ローラ138A、140Aはリンス槽
26、30に蓄えられた洗浄水に浸水しており、洗浄水
が下ローラ138A、140Aから上ローラ138B、
140Bに転写して供給され、上ローラ138B、14
0Bと下ローラ138A、140Aを洗浄するようにな
っている。このように、絞りローラ138、140は、
洗浄水を転写で供給する洗浄手段によって洗浄されるか
ら、絞りローラ138、140に付着した処理液を洗浄
する際に、洗浄水や付着した処理液が外部に飛散するこ
となく、絞りローラ138、140の洗浄を行うことが
できる。また、これらの絞りローラ138、140は、
フィルムFを挟持して隣接する処理槽へ案内する。
【0078】なお、図6に示される如く、リンス槽12
6、130は隔壁126A、130Aによって搬送方向
出側部126B、130Bと搬送方向入側部126C、
130Cとに区画され、給水パイプ127から搬送方向
出側部126B、130Bへ供給された洗浄水は、隔壁
126A、130Aに形成された循環口126D、13
0Dからオーバーフローして搬送方向入側部126C、
130Cへ送られるようにしても良い。この場合隔壁1
26A、130Aには、循環口126D、130Dより
低い位置に排出口126E、130Eが設けられ、搬送
方向入側部126C、130Cに供給された洗浄水が、
排出口126E、130Eからオーバーフローして外部
に排出される。このようにして、搬送方向出側部126
B、130Bに溜まる洗浄水を、搬送方向入側部126
C、130Cに溜まる洗浄水より汚れないようにして、
搬送方向出側部126B、130Bの絞りローラ13
8、140をよりきれいな洗浄水で洗浄し、フィルムF
に汚れの転写むらがない状態で、次工程へ搬送するよう
になっている。
【0079】また、洗浄水が水の場合には、貯留タンク
を用いずに上水道から直接ソレノイドバルブを介してリ
ンス槽126、130へ管路を設け、リンス槽126、
130の各々へ水を供給するようにしてもよい。ここ
で、絞りローラ138、140は少なくとも1本をルビ
セル吸水ローラとすれば良く、例えば、絞りローラ13
8A、140Aをルビセル吸水ローラとすることができ
る。
【0080】また、リンス槽126、130に代えて、
現像槽124と定着槽128の間のクロスオーバー部
と、定着槽12と水洗槽132の間のクロスオーバー部
に、第1実施例と同様の東洋ポリマー社製のルビセル吸
水ローラ39を設けても良い。この場合、ルビセル吸水
ローラ39のニップ圧は1g/cm2 〜35g/cm2 とする。
【0081】処理槽124、128、132内には、各
々ラック134が配置され、フィルムFを挟持して、所
定の搬送路に沿って搬送させる複数対のローラ136が
設けられている。また、各処理槽の上方には、リンスラ
ックを備えたクロスオーバーラック146が配置されて
いる。
【0082】また、現像槽124及び定着槽128に
は、それぞれヒータ160、162が配設されている。
これらのヒータ160、162は、ステンレス合金(例
えばSUS316)製の筒体とこの筒体に収容された熱
源としてのコイル状ヒータ本体(図示省略)とで構成さ
れ、各処理槽124、128の側壁から処理槽124、
128内に挿入して配設されている。
【0083】このヒータ160、162により、処理液
(現像液及び定着液)は加熱され、自動現像処理装置1
10の稼働立ち上げ時には、フィルムFを処理可能な温
度となり、立ち上げ後は、フィルムFを処理可能な温度
に維持されるようになっている。
【0084】水洗槽132で水洗処理されたフィルムF
は、一対の搬送ローラ142によって処理部120に隣
接された乾燥部145へと搬送されるようになってい
る。この乾燥部145では水洗水で水洗処理が終了した
フィルムFが乾燥処理される。
【0085】図5に示されるように乾燥部145の乾燥
室145A内には、乾燥室挿入口144からフィルムF
が挿入される。乾燥室145A内には、挿入されたフィ
ルムFの搬送路に沿ってスクイズローラ148、2本の
ヒートローラ150及び排出ローラ152が備えられて
いる。スクイズローラ148はルビセル吸水ローラ(東
洋ポリマー社製)で構成されており、フィルムFを挟持
搬送しながら表面に付着した水分をスクイズし、さら
に、これらのスクイズローラ148の下流側に設けられ
たガイド154によってフィルムFをヒートローラ15
0の外周周縁へ案内している。ここでは、スクイズロー
ラ148の少なくとも1本をルビセル吸水ローラとした
が、フィルムFの乳剤面に接するローラをルビセル吸水
ローラとするのが好ましい。また、乾燥部145の上流
側のローラ142のうち少なくとも1本をルビセル吸水
ローラとしても良い。なお、スクイズローラ148のニ
ップ圧は1g/cm2 〜35g/cm2 とする。
【0086】2本のヒートローラ150は、乾燥室14
5A内に略上下に配置され、それらの外周面にフィルム
Fを巻掛けて搬送する搬送路を形成している。また、ヒ
ートローラ150の軸心部には、加熱手段とされる加熱
用ハロゲンランプ156が同軸的に配設されている。
【0087】これらのヒートローラ150の外周周縁に
は、複数のニップローラ158が配設されており、ヒー
トローラ150に巻掛けられたフィルムFをヒートロー
ラ150の外周面との間で挟持するようになっている。
【0088】フィルムFは、加熱用ハロゲンランプ15
6によって加熱されたヒートローラ150の外周面と接
触することによって、熱伝導によって加熱されて乾燥さ
れる。
【0089】各々のヒートローラ150のフィルムFの
搬送方向の下流側には、一端がヒートローラ150の外
周面に当接し、他端部が側板164に軸支された剥離ガ
イド166が配設されており、ヒートローラ150に巻
掛けられたフィルムFを所定の位置で、ヒートローラ1
50の外周面から剥離するようになっている。また、剥
離ガイド166の中間部は、搬送路の下流側へ向けて突
出され、ヒートローラ150の外周面から剥離されたフ
ィルムFを搬送路に沿って下流側へ案内するようになっ
ている。
【0090】ヒートローラ150には、その外周周縁に
補助ローラ190が配設されている。補助ローラ190
は、ヒートローラ150にフィルムFが巻掛けられる位
置と反対側に、ヒートローラ150と同軸的に側板16
4によって回転可能に支持されており、その外周面はヒ
ートローラ150の外周面と緊密に接触されており、ヒ
ートローラ150の回転に伴って補助ローラ190も回
転するようになっている。
【0091】この補助ローラ190は、耐熱性、吸水性
のある材質のものがローラ表面に用いられ、ヒートロー
ラ150と共に回転しながら、ヒートローラ150の表
面に付着しているフィルムFから転移した水分を拭い取
るようになっており、フィルムFの乾燥効率を向上する
ことができるようになっている。また、補助ローラ19
0に付着した水分は、ヒートローラ150からの熱によ
って蒸発するようになっている。
【0092】ニップローラ158のヒートローラ150
と反対側には、内部が中空とされたスプレーパイプ16
8が備えられている。図7に示されるように、これらの
スプレーパイプ168には、フィルムFの搬送路へ向け
て内部と連通するスリット170が、フィルムFの幅方
向に沿って形成されている。スプレーパイプ168の内
部に乾燥風が供給されることにより、この乾燥風をフィ
ルムFへ向け、かつ、フィルムFの幅方向に沿って均一
に吐出するようになっている。
【0093】各々のヒートローラ150の下流側及び排
出ローラ152の間には、ガイド172が各々配置され
ている。このガイド172は、ヒートローラ150ある
いは排出ローラ152によって搬送されたフィルムFを
下流側のヒートローラ150あるいは排出ローラ152
へと案内するようになっている。また、各々のガイド1
72は、内部が中空とされていると共に、案内されるフ
ィルムFの幅方向に沿ってスリット174が形成されて
いる。ガイド172は内部に乾燥風が供給されることに
よってフィルムFへ向け、かつ、フィルムFの幅方向に
沿って均一に乾燥風を吐出するようになっている。
【0094】これらのスプレーパイプ168、ガイド1
72の各々から吐出される乾燥風によって、フィルムF
の表面の近傍に滞留した高湿度の空気が排除されフィル
ムFの乾燥が促進されるようになっている。
【0095】乾燥室145A内で乾燥処理されたフィル
ムFは、排出口178から自動現像処理装置110の機
外へ排出される。
【0096】乾燥室145Aの下方には、乾燥風を発生
するファン182及びヒータ184が設けられ、乾燥風
を発生させるようになっている。この乾燥風は図示しな
いダクトを介して、前記スプレーパイプ168及びガイ
ド172の内部へ供給されるようになっている。なお、
ヒータ184を設けずに、ファン182によって自動現
像処理装置110の機外の空気を乾燥室145A内へ供
給するか、ファン182によって大部分の乾燥室145
A内の空気を循環させ、機外の空気を一部取り入れて乾
燥室145A内に供給するようにしてもよい。
【0097】また、この乾燥室145Aには、ヒートロ
ーラ150の外周周縁の近傍に複数の温度センサ176
が配設されている。これらの温度センサ176によって
ヒートローラ150の外周部の表面温度を測定して感光
材料の乾燥温度を検知するようになっている。
【0098】加熱用ハロゲンランプ156、温度センサ
176、ファン182及びヒータ184は、制御装置1
80へ接続されており、乾燥部145でのフィルムFの
乾燥温度が制御されるようになっている。また、この制
御装置180には、自動現像処理装置110の機外の温
湿度又は湿度を検知する図示しない温湿度センサ又は湿
度センサが接続されており、機外、即ち、作業環境下の
温湿度又は湿度を検知するようになっている。なお、制
御装置180には、仕上がったフィルムFの含水量をそ
の露光時の含水量とするために、作業環境下の温湿度又
湿度に応じた2本のヒートローラ150の加熱量、フィ
ルムFへ吹き付ける温風を加熱するヒータ184の加熱
量等の乾燥条件は、予め実験結果等によって得て、記憶
されている。
【0099】次に、本実施例の作用を説明する。フィル
ムFが挿入口116から自動現像処理装置110の内部
へ挿入されると、搬送ローラ118によってフィルムF
が引き入れられクロスオーバーラック146のガイド面
に案内され、現像槽124内へ搬送される。現像槽12
4内では、フィルムFがラック134に設けられたロー
ラ136に挟持され、現像液中を略U字状に搬送されて
現像液によって現像処理され下流側へ排出される。
【0100】現像槽124から排出されたフィルムF
は、リンス槽126のローラ138に搬送されながらリ
ンス槽126の洗浄水によって洗浄された後、クロスオ
ーバーラック146のガイド面に案内されて定着槽12
8へ送られる。
【0101】なお、リンス槽126に代えてルビセル吸
水ローラ39を設けた場合には、このルビセル吸水ロー
ラ39によってフィルムFに付着した現像液が吸水され
フィルムFの乳剤の膨潤率が大となった場合にも、定着
槽16への現像液の持込みを少なくすることができる。
また、ルビセル吸水ローラ39のニップ圧を1g/cm2
35g/cm2 とすることで、ルビセル吸水ローラ39の吸
水性を最大限に発揮させることができる。
【0102】定着槽128内では、フィルムFがラック
134に設けられたローラ136に挟持され、定着液中
を略U字状に搬送されて定着液によって定着処理され下
流側へ排出される。
【0103】定着槽128から排出されたフィルムFは
リンス槽130のローラ140に搬送されながら洗浄水
によって洗浄され、水洗槽132へと至る。
【0104】なお、リンス槽130に代えてルビセル吸
水ローラ39を設けた場合には、このルビセル吸水ロー
ラ39によってフィルムFに付着した定着液が吸水され
フィルムFの乳剤の膨潤率が大となった場合にも、水洗
槽132への現像液の持込みを少なくすることができ
る。またルビセル吸水ローラ39のニップ圧を1g/cm2
〜35g/cm2 とすることで、ルビセル吸水ローラ39の
吸水性を最大限に発揮させることができる。
【0105】フィルムFは水洗槽132によって水洗水
中を搬送されて水洗処理がなされる。
【0106】ここで、現像槽124、定着槽128に貯
留された現像液及び定着液は、ヒータ160、162に
よって自動現像処理装置110の稼働開始時にフィルム
Fを処理可能な所定の温度まで加熱されて立ち上げら
れ、自動現像処理装置110の稼働中はフィルムFが処
理可能な温度範囲に維持される。
【0107】水洗槽132で水洗処理が完了したフィル
ムFは、乾燥部145の乾燥室145A内へ挿入され、
乾燥室145A内を搬送されて乾燥処理される。
【0108】乾燥室145A内に挿入されたフィルムF
は、スクイズローラ148によってスクイズされてヒー
トローラ150へ巻掛けられる。この場合、本実施例の
スクイズローラ148は、第1実施例と同様に、ルビセ
ル吸水ローラを使用しているため、吸水性に優れてお
り、フィルムFが比較的高速、即ち乾燥部145の通過
時間が40秒以下3秒以上、好ましくは20秒以下3秒
以上で連続的に処理されるような場合でも吸水性能をほ
ぼ一定に保持することができる。また、スクイズローラ
148のニップ圧を1g/cm2 〜35g/cm2 とすること
で、ルビセル吸水ローラの吸水性を最大限に発揮させる
ことができる。従って、乾燥部145での乾燥状態も連
続処理の初期から終期まで均一とし、充分に吸水した状
態でフィルムFを乾燥部145へ送り出すことができ
る。
【0109】また、スクイズローラ148は、ヒートロ
ーラ150の外周部の熱を熱伝導によって受けて加熱さ
れる。また、スプレーパイプ168から乾燥風が吐出さ
れ、これらによって加熱乾燥される。さらに、下流側の
ヒートローラ150によっても同様に熱伝導によって加
熱乾燥された後、排出ローラ152によって挟持搬送さ
れて、排出口178から、自動現像処理装置110の機
外へ排出される。
【0110】乾燥部145の乾燥室145A内で、フィ
ルムFを巻掛けて加熱するヒートローラ150は、加熱
用ハロゲンランプ156によって加熱されており、ヒー
トローラ150に巻掛けられたフィルムFは、ヒートロ
ーラ150から熱伝導により熱を受けて加熱されて乾燥
される。フィルムFは熱伝導によって加熱されるため、
フィルムFへ効率よく熱が伝わり、実質的に硬膜剤を含
まない定着液で処理したフィルムFでも、乾燥むらを生
じさせることなく迅速な乾燥処理をすることができる。
【0111】また、上流側のヒートローラ150に巻掛
けられるフィルムFは、水分が付着した状態となってお
り、ヒートローラ150からの熱によってこの水分が蒸
発する。しかし、ヒートローラ150と接触している側
のフィルムFの表面からは、水分の蒸発が妨げられた状
態となっており、この水分の一部が、フィルムFがヒー
トローラ150から剥離される際、ヒートローラ150
の外周面に付着することがある。
【0112】ヒートローラ150の外周面にフィルムF
から転移して付着した水分を、補助ローラ190が、ヒ
ートローラ150の外周面に接触して吸水することによ
って、ヒートローラ150の外周面の状態を速やかに復
元し、熱的に安定させる。このため、新たに搬送された
フィルムFと接触するヒートローラ150の外周面には
水分が付着していることがないために、フィルムFの乾
燥を均一に行うことが可能となり、乾燥むらを防止する
ことができる。
【0113】補助ローラ190に付着した水分は、補助
ローラ190がヒートローラ150と接触することによ
って受ける熱によって蒸発して取り除かれる。
【0114】一方、この自動現像処理装置110の乾燥
部145では、温度センサ176によってヒートローラ
150の表面温度、即ち、ヒートローラ150の外周面
と接触するフィルムFの乾燥温度を制御装置180が検
出している。制御装置180は、予め記憶された作業環
境下の温湿度又は湿度に応じて各々のヒートローラ15
0の表面温度を制御している。
【0115】2本のヒートローラ150によるフィルム
Fの乾燥温度を個別に作業環境下の温湿度又は湿度に応
じて制御して、仕上がったフィルムFの含水量を露光時
の含水量と同様にする。これによって、乾燥後のフィル
ムFの寸法を露光時の寸法と略同等とすることができ
る。このような寸度変化を生じない乾燥方法は、特にグ
ラフィックアーツ用感材等に有効である。
【0116】ここで、ヒートローラ150の外周面にフ
ィルムFから転移して付着した水分を補助ローラ190
がヒートローラ150の外周面に接触して拭い取ってし
まうため、ヒートローラ150の外周面に水滴が残って
新たに接触するフィルムFの表面を濡らすことがなく、
フィルムFの含水量の制御も最適な状態で行うことがで
きる。
【0117】また、上流側及び下流側の2本のヒートロ
ーラ150は、同じ大きさ、即ち同じ半径としたが、半
径の異なるローラであってもよい。これらのヒートロー
ラ150は、各々異なる条件で制御ができるため半径が
異なるものであっても適用が可能である。さらに、本実
施例では、ヒートローラ150を2本としたが、これに
限定されず、1本又は3本以上とすることも可能であ
る。
【0118】尚、本実施例では、2本のヒートローラ1
50の各々に1本づつ補助ローラ190を配設したが、
2本のヒートローラ150に配設する補助ローラ190
の数はこれに限定されるものではなく、複数本であって
もよい。また、特に水分を多く含んだ状態のフィルムF
と接触する上流側のヒートローラ150にのみ補助ロー
ラ190を設けたものであってもよい。さらに、補助ロ
ーラ190の材質としては、布(例えば東レ(株)エク
セーヌ)ローラ等の吸水性のあるものの適用が可能であ
るが、耐熱性、吸水性のあるものが好ましく、また、シ
リコンローラ等の吸水性がないものであってもよい。こ
の場合、ヒートローラ150と補助ローラ190とによ
ってヒートローラ150の外周面に付着した水分をスク
イズして、ヒートローラ150の外周面に付着して水滴
を除去することになる。ヒートローラ150の外周面か
ら除去されたこの水分を乾燥部145内の熱によって蒸
発させて排出させるようにしてもよい。
【0119】なお、ヒートローラ150の外周面に付着
した水分を除去する手段としては、本実施例の回転する
補助ローラ190に限定されず、回転しない耐熱性、吸
水性をもつ水分除去手段を、本実施例と同様な位置にヒ
ートローラ150に接触させて設けてもよく、また、本
実施例と同様な位置にヒートローラ150に接触させず
に、ヒートローラ150の軸方向に沿ってファン及びダ
クト等に連通した空気吹き出しスリットを設け、このス
リットから常に温風又は加熱手段で加熱した温風をヒー
トローラ150の表面に吹き付けてヒートローラ150
の表面に付着している水分を除去するようにしてもよ
い。
【0120】次に、本発明の第3実施例について説明す
る。図8に示される如く、本実施例に係る自動現像処理
装置210は、機枠212内に処理液処理部211、ス
クイズ部227及び乾燥部220が設けられている。処
理液処理部211は感光材料(以下「フイルムF」と言
う)の搬送方向に沿って、隔壁213によって区画され
た現像槽214、定着槽216及び水洗槽218を備え
ている。
【0121】なお、本実施例において、Dry to
Dryは60秒以下、乾燥パス長(乾燥する部分の入口
側ローラの軸芯から出口側ローラの軸芯までの距離)7
00mm以上、フイルムFの搬送速度2,200mm/min以
上でフイルムFを処理することができる。
【0122】自動現像装置210のフイルムFの挿入口
215の近傍には、自動現像装置210内にフイルムF
を引き込む挿入ラック217が配置されている。
【0123】また、挿入口215の近傍には、挿入され
るフイルムFを検出する挿入検出センサ280が設けら
れている。さらに、自動現像装置210の挿入口215
の部分には、フイルムFを手により挿入する挿入台又は
フイルムFを搬送手段によって自動的に挿入するオート
フィーダ等が取付可能である。
【0124】現像槽214内には、現像液が収容されて
いると共に、図示しないモータにより駆動されてフイル
ムFを搬送する搬送ローラ222を有する搬送ラック2
24が現像液に浸漬されて配設されている。定着槽21
6内には、定着液が収容されていると共に、図示しない
モータによって駆動されてフイルムFを搬送する搬送ロ
ーラ226を有する搬送ラック228が定着液に浸漬さ
れて配設されている。この定着液は、実質的に硬膜剤を
含有しない定着液であってもよい。また水洗槽218内
には、水洗水が収容されていると共に、図示しないモー
タによって駆動されてフイルムFを搬送する搬送ローラ
230を有する搬送ラック232が水洗水に浸漬されて
配設されている。
【0125】また、現像槽214の下方及び定着槽21
6の下方には、各々熱交換器219が配置されており、
現像槽214内の現像液及び定着槽216内の定着液が
各々熱交換器219に送られて、そこで熱交換が行われ
た後、現像槽214及び定着槽216へ送り返される。
それにより、現像槽214内の現像液及び定着槽216
内の定着液の液温が所定の範囲内に維持される。
【0126】現像槽214と定着槽216との間及び定
着槽216と水洗槽218との間には、それらの上部に
クロスオーバーラック234が配設されている。これら
のクロスオーバーラック234は、フイルムFの搬送方
向上流側の槽から下流側の槽へフイルムFを搬送するた
めの挟持搬送ローラ236及びフイルムFを案内するガ
イド238を備えている。ここでは、挟持搬送ローラ2
36の少なくとも1本にルビセル吸水ローラが用いられ
ているので、フィルムFの搬送方向上流側の槽の液がフ
ィルムFに付着した状態でクロスオーバーラックを通過
しようとすると付着した水分が充分にルビセル吸水ロー
ラにより吸水されるので下流側の槽に上流側の槽の液が
持ち込まれることがない。
【0127】従って、挿入口215から自動現像装置2
10内に送り込まれたフイルムFは、挿入ラック217
で現像槽214に挿入され搬送ローラ222で現像液中
を搬送されて現像処理される。現像されたフイルムF
は、クロスオーバーラック234で定着槽216へ送ら
れ、そこで搬送ローラ226で定着液中を搬送されて定
着処理される。定着されたフイルムFは、クロスオーバ
ーラック234で水洗槽218へ送られ、そこで搬送ロ
ーラ230で水洗水中を搬送されて水洗される。このよ
うにして、フイルムFは処理液処理される。
【0128】尚、現像槽214、定着槽216及び水洗
槽218の各々の底部には、図示しない排液管が設けら
れ、これらの排液管には、各々排液バルブ221が取り
付けられている。従って、必要に応じてこれらの排液バ
ルブ221を開放することにより、現像槽214、定着
槽216及び水洗槽218の現像液、定着液及び水洗水
を排出することができる。
【0129】また、現像槽214、定着槽216及び水
洗槽218の各々の液面は略等しいレベルとされてお
り、各処理液の液面が浮蓋237の厚みの範囲内か浮蓋
237の下面に接触する位置になるように各処理液の補
充液が補充される。
【0130】これらの現像槽214、定着槽216及び
水洗槽218には、フイルムFを各槽へ搬入及び搬出す
るためのガイド機能を有する開口237Aが設けられた
浮蓋237が配置されている。これらの浮蓋237によ
り各処理液は不必要な空気との接触が妨げられる。
【0131】これらの浮蓋237の開口237Aによる
各処理液の開口率は、開口237Aの開口面積をA(cm
2 )、各処理槽に貯留された処理液の量Q(cm3 )とし
た場合、開口率(cm-1)=A/Qで表される。本実施例
では、各処理液の開口率が0.01(cm-1)以下となる
ように各々の浮蓋237の開口237Aの開口面積Aが
設定されている。
【0132】さらに、クロスオーバーラック234に
は、それぞれの下方にリンス液が収容されたリンス槽2
39が配置されている。これらのリンス槽239には、
図示しないオーバーフロー槽が接続されており、各々の
リンス液を排出可能とされている。
【0133】これらのリンス槽239のリンス液には、
挟持搬送ローラ236の一部が浸漬されており、挟持搬
送ローラ236が駆動されることにより、挟持搬送ロー
ラ236の乾燥を防ぎフイルムFに付着している各処理
液をフイルムFから洗い取り、前段の処理液が後段の処
理液に混じるのを防止されている。また、これらのリン
ス槽239のリンス液により、挟持搬送ローラ236に
付着する各処理液が乾燥してガム状の汚れとなって残留
するのが防止される。ここで挟持搬送ローラ236の少
なくとも1本にルビセル吸水ローラが使われる。
【0134】これらのリンス槽239に貯留されるリン
ス液としては、現像槽214と定着槽216との間に配
置されたリンス槽239に水または酢酸水溶液が適用さ
れ、定着槽216と水洗槽218との間にのリンス槽2
39に水が適用されるのが好ましく、各々のリンス槽2
39の後段の処理液に対しての影響を及ぼさないように
されている。
【0135】なお、リンス槽239に代えてクロスオー
バーラック234に第1実施例と同様の東洋ポリマー社
製のルビセル吸水ローラ39を設けても良い。この場
合、ルビセル吸水ローラ39のニップ圧は1g/cm2 〜3
5g/cm2 とする。
【0136】処理液処理部211の下方には排気ファン
277が設けられており、排気ファン277により各処
理槽内で発生したガス、水蒸気が自動現像装置210の
機枠212の外方へ排出される。
【0137】また、水洗槽218と乾燥部220との間
には、スクイズ部227が配設されている。このスクイ
ズ部227は、水洗槽218から送り出された水洗水が
付着したフイルムFをスクイズしながら乾燥部220へ
搬送するスクイズローラ242とフイルムFを案内する
ガイド243とを有しており、本実施例ではスクイズロ
ーラ242はルビセル吸水ローラで構成されており、フ
イルムFを挟持搬送しながら表面に付着した水分をスク
イズ及び吸い取り、さらに、これらのスクイズローラ2
42の下流側に設けられたガイド243に案内した後、
乾燥部220の乾燥室224へ案内する。なお、スクイ
ズローラ242のニップ圧は1g/cm2 〜35g/cm2 とす
る。
【0138】乾燥室244の内部には、乾燥室244の
上方から下方へ向けて順に、ガイドローラ対310、2
組のローラ対312及び千鳥状に配置された複数のロー
ラ314が設けられている。乾燥室244の下部には、
ローラ316、大径ローラ318及びガイド319が配
置されている。これらのローラによって、乾燥室244
内へ挿入されたフイルムFの搬送路が形成され、図示し
ない駆動手段による駆動力が伝達されることにより、フ
イルムFの搬送方向に各々回転しフイルムFを搬送する
構成とされている。
【0139】なお、これらのローラの一部、例えば、ロ
ーラ対310は、ポリウレタンミクロポーラススポンジ
を用いた吸水ローラであり、本実施例では、東洋ポリマ
ー社製のルビセル吸水ローラであって吸水性に優れてい
る。なお、ローラ対310のニップ圧は1g/cm2 〜35
g/cm2 とする。このため、湿ったフィルムFがこのロー
ラ対310に挟持搬送されることにより、フィルムFか
ら水分を吸収し、フィルムFの乾燥効率を向上すること
ができる。なお、このルビセル吸水ローラは乾燥室24
4内でフィルムFを搬送するローラの内の少なくとも1
本に使うことができる。
【0140】また、ガイドローラ対310と隣接するロ
ーラ対312の間及び2組のローラ対312の間には、
各々フイルムFの搬送路を挟んで両側に赤外線ヒータ3
22及び反射板324が各々配設されている。この赤外
線ヒータ322は波長が0.8μm〜1mmぐらいまでの
電磁波を放射するものであり、波長が30μm〜50μ
mぐらいまでの電磁波を放射する遠赤外線ヒータもこの
赤外線ヒータに含まれる。
【0141】ローラ対310、312及び314は、乾
燥室244の内部に配置された一対の側板に両端部が軸
支されており、一対の側板の間に搬送路を形成してい
る。尚、一対の側板は乾燥室244内の紙面手前側と紙
面奥側とに設けられている。
【0142】赤外線ヒータ322は、フイルムFの幅方
向を長手方向とされて設けられている。これらの赤外線
ヒータ322の長手方向の長さ寸法は、フイルムFの幅
方向の長さ寸法より十分長くされている。さらに、赤外
線ヒータ322は、この一対の側板から両端部が突出し
て配置されており、反射板324は赤外線ヒータ322
の搬送路と反対側に設けられ、赤外線ヒータ322から
放射される赤外線をフイルムFの搬送路方向へ向ける構
成とされている。
【0143】ローラ対312の下流側のローラ314の
近傍には、フイルムFの搬送路を挟んで両側には温風供
給部336が配置されている。これらの温風供給部33
6には、フイルムFの搬送路側へ向けて温風を吐出する
温風吐出口338が形成されている。
【0144】これらの温風供給部336には、乾燥風を
発生する乾燥ファン245と、この乾燥風を加温するヒ
ータを内蔵したチャンバー246が連通されている。こ
れによって、発生された温風が温風供給部336へ供給
され、温風吐出口338からフイルムFの表面へ向けて
温風が吐出される。フイルムFの表面に向けて吐出され
た温風の大部分は、一部の自動現像装置210の機外か
らの新鮮風と一緒にされ、図示しないダクトを介して乾
燥ファン245、チャンバー246によって再び温風供
給部336へ供給される。
【0145】また、チャンバー246は乾燥室244の
赤外線ヒータ322近傍へも連通されており、ガイドロ
ーラ対310及びローラ対312と赤外線ヒータ322
との間からフイルムFの表面へ向けて吹き出す構成とさ
れる。この温風は、フイルムF近傍の高湿度の空気を排
出すると共に乾燥された温風によりフイルムFから水分
が蒸発し易くなっている。
【0146】尚、赤外線ヒータ322近傍では、チャン
バー246を介して温風をフイルムFの表面へ吹き付け
るものでなく、軸流ファンまたはクロスフローファン等
を設け乾燥風をフイルムFの表面へ均一に吹き付けるも
のであってもよい。
【0147】スクイズされ乾燥室244内へ挿入される
フイルムFは、ガイドローラ対310及びローラ対31
2によって搬送されながら赤外線ヒータ322によって
輻射熱を受け、さらに、温風吐出口338から吐出され
る温風によって乾燥され、ローラ316、大径ローラ3
18及びガイド319によって斜め上方へ向けて反転さ
れ送り出される。
【0148】自動現像器210には、乾燥室244から
送り出されたフイルムFを収容する受け箱249が設け
られており、乾燥処理されたフイルムFが収容される。
【0149】次に本実施例の作用について説明する。挿
入口215から自動現像装置210に挿入されたフイル
ムFは、現像層214、定着槽216及び水洗槽218
で現像液、定着液及び水洗水による各液処理を受けてス
クイズ部227へ送られスクイズ乾燥される。スクイズ
乾燥されたフイルムFは、乾燥部220へ送られ乾燥処
理された後、受け箱249へ排出される。
【0150】この場合、本実施例のスクイズローラ24
2は、第1実施例と同様に、ルビセル吸水ローラを使用
しており、そのニップ圧を1g/cm2 〜35g/cm2 とする
ことでルビセル吸水ローラの吸水性を最大限に発揮させ
ることができる。このため、フィルムFが比較的高速、
即ち乾燥部220の通過時間が40秒以下3秒以上で連
続的に処理されるような場合でも吸水性能をほぼ一定に
保持することができる。従って、乾燥部220での乾燥
状態も連続処理の初期から終期にかけて均一とし、充分
に吸水した状態でフィルムFを乾燥部220へ送り出す
ことができる。
【0151】また、本実施例では、各処理槽の間にリン
ス槽239を設けており、フイルムFに付着した処理液
はリンス液により洗い落とされる。これによって、前段
の処理槽の処理液が後段の処理槽へ混入するのを防止
し、各処理液でのフイルムFの処理ムラを防止すること
ができる。また、リンス液は、クロスオーバーラック2
34の挟持搬送ローラ236へ前段の処理液が付着して
乾燥するのを防止しているため、クロスオーバーラック
234のメンテナンスが簡易となっている。
【0152】なお、リンス槽239に代えてルビセル吸
水ローラ39を設けた場合には、このルビセル吸水ロー
ラ39によってフイルムFに塗布された処理液が吸水さ
れフイルムFに塗布される乳剤の膨潤率が大となった場
合にも、次槽への処理液の持込みを少なくすることがで
きる。
【0153】また、各処理液は、各々浮蓋237によっ
て、不必要な空気との接触が防止されているため、各処
理液の酸化等による劣化を生じることがない。
【0154】乾燥部220へ送られるフイルムFは前段
のスクイズ部227でルビセル吸水ローラ242により
スクイズ及び吸水される。
【0155】乾燥部220の乾燥室244へ挿入された
フイルムFは、乾燥室244内でガイドローラ対310
及び、ローラ対312によって搬送される際、赤外線ヒ
ータ322からの輻射熱を受けて加熱され主に表面に付
着している水分が蒸発すると共に、ルビセル吸水ローラ
で構成されたローラ対310に水分が吸収され、フィル
ムFの乾燥効率を向上することができる。なお、ローラ
対310のニップ圧を1g/cm2 〜35g/cm2 としたので
ルビセル吸水ローラの吸水性を最大限に発揮させること
ができる。
【0156】赤外線ヒータ322の輻射熱で加熱された
フイルムFは、ローラ314によって搬送される際、温
風吐出部336の温風吐出口338から吐出される温風
によって主に乳剤に吸収されている水分が蒸発され乾燥
される。尚、乾燥室244内を搬送されるフイルムF近
傍には、常に乾燥ファン245またはチャンバー246
から供給される乾燥風のうち少なくとも一方が吹き付け
られているため、フイルムFから蒸発した水分を含んだ
高湿度の空気は除去され、フイルムFの近傍には、常に
低湿度の温風が供給されており、フイルムFの水分が蒸
発し易いようになっている。
【0157】乾燥室244内で乾燥処理されたフイルム
Fは、乾燥室244の下部で反転され自動現像装置21
0の受け箱249へ排出される。
【0158】また、赤外線ヒータ322によりフイルム
Fを乾燥する際、赤外線ヒータ322の赤外線を放射す
る放射部の長手方向の長さ寸法がフイルムFの幅方向の
寸法より十分長くされているため、フイルムFは赤外線
ヒータ322から輻射熱が幅方向に均等に供給されてい
る。即ち、赤外線ヒータ322の表面温度が略一定とな
っている部分に対応させてフイルムFの搬送路が形成す
ることができ、これによって、フイルムFへ向けて赤外
線ヒータ322から略均一に赤外線が放射され、フイル
ムFに乾燥ムラが生じることはない。
【0159】最後に本実施例で実験用に用いた現像液及
びフィルムFについて説明を加える。 (1)AgI微粒子の調製 水2リットル中にヨウ化カリウム0.5g、ゼラチン2
6gを添加し35°Cに保った溶液中へ攪拌しながら4
0gの硝酸銀を含む硝酸銀水溶液80ccと39gのヨウ
化カリウムを含み水溶液80ccを5分間で添加した。こ
の時硝酸銀水溶液とヨウ化カリウム水溶液の添加流速は
添加開始時には各々8cc/分とし、5分間で80cc添加
終了するように直線的に添加流速を加速した。
【0160】こうして粒子を形成しおわったのち35°
Cにて沈降法により可溶性塩類を除去した。
【0161】つぎに40°Cに昇温してゼラチン10.
5g、フェノキシエタノール2.56gを添加し可性ソ
ーダによりpHを6.8に調整した。得られた乳剤は完
成量が730gで平均直径0.015μmの単分散Ag
I微粒子であった。 (2)平板状粒子の調製 水1リットル中に臭化カリウム4.5g、ゼラチン2
0.6g、チオエーテルHO(CH2)2S(CH2)2S(CH2)2OHの5
%水溶液2.5ccを添加し60°Cに保った容器中へ攪
拌しながら硝酸銀水溶液37cc(硝酸銀3.43g)と
臭化カリウム2.97gと沃化カリウム0.363gを
含む水溶液33ccをダブルジェット法により37秒間で
添加した。つぎに臭化カリウム0.9gの水溶液を添加
した後70°Cに昇温して硝酸銀水溶液53cc(硝酸銀
4.90g)を13分間かけて添加した。ここで25%
のアンモニア水溶液15ccを添加、そのままの温度で2
0分間物理熟成したのち100%酢酸溶液を14cc添加
した。引き続いて硝酸銀133.3gの水溶液と臭化カ
リウムの水溶液をpAg8.5に保ちながらコントロー
ルダブルジェット法で35分間かけて添加した。次に2
Nのチオシアン酸カリウム溶液10ccと(1) のAgI微
粒子を全銀量にたいして0.05モル%添加した。5分
間そのままの温度で物理熟成したのち35°Cに温度を
下げた。こうしてトータルヨード含量0.31モル%、
平均投影面積直径1.10μm、厚み0.165μm、
直径の変動係数18.5%の単分散平板状微粒子を得
た。
【0162】この後、沈降法により可溶性塩類を除去し
た。再び40°Cに昇温してゼラチン35gとフェノキ
シエタノール2.35gおよび増粘剤としてポリスチレ
ンスルホン酸ナトリウム0.8gを添加し、可性ソーダ
と硝酸銀溶液でpH5.90、pAg8.25に調製し
た。
【0163】この乳剤を攪拌しながら56°Cに保った
状態で化学増感を施した。まず二酸化チオ尿素0.04
3mgを添加し22分間そのまま保持して還元増感を施し
た。つぎに4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3
a,7−テトラザインデン20mgと増感色素−A500
mgを添加した。さらに塩化カルシウム水溶液1.1gを
添加した。引き続きチオ硫酸ナトリウム3.3mgと塩化
金酸2.6mgおよびチオシアン酸カリウム90mgを添加
し40分間後に35°Cに冷却した。
【0164】こうして平板状粒子1を調製完了した。
【0165】
【化1】
【0166】塗布液の調製 乳剤のハロゲン化銀1モルあたり下記の薬品を添加して
塗布液とした。
【0167】 ・2,6−ビス(ヒドロキシアミノ)−4−ジエチルアミノ−1,3,5−ト リアジン 72mg ・ゼラチン ・トリメチロールプロパン 9g ・デキストラン(平均分子量3.9万) 18.5g ・ポリスチレンスルホン酸ナトリウム (平均分子量60万) 1.8g ・硬膜剤 1,2−ビス(ビニルスルホニルアセトアミド)エタン 膨潤率が225%になるように添加量を調整
【0168】
【化2】
【0169】(乳剤層の膜厚は1.5μである)表面保護層塗布液の調製 表面保護層は各成分が下記の塗布量となるように調製準
備した。
【0170】 表面保護層の内容 塗布量 ・ゼラチン 0.8g/m2 ・ポリアクリル酸ナトリウム (平均分子量40万) 0.023
【0171】
【化3】
【0172】 ・ポリメチルメタクリレート (平均粒径3.7μm) 0.087 ・プロキセル 0.0005 (NaOHでpH6.4に調整)支持体の調製 (1)下塗層用染料D−1の調製 下記の染料を特開昭63−197943号に記載の方法
でボールミル処理した。
【0173】
【化4】
【0174】水434ミリリットルおよびTriton X-200
R 界面活性剤(TX-200R ) の6.7%水溶液791ミ
リリットルとを2リットルのボールミルに入れた。染料
20gをこの溶液に添加した。酸化ジルコニウム(Zr
O)のビース400ミリリットル(2mm径)を添加し内
容物を4日間粉砕した。この後、12.5%ゼラチン1
60gを添加した。脱泡したのち、濾過によりZrOビ
ースを除去した。得られた染料分散物を観察したとこ
ろ、粉砕された染料の粒径は直径0.05〜1.15μ
mにかけての広い分布を有していて、平均粒径は0.3
7μmであった。
【0175】さらに遠心分離操作をおこなうことで0.
9μm以上の大きさの染料粒子を除去した。こうして染
料分散物D−1を得た。 (2)支持体の調製 二軸延伸された厚さ183μmのポリエチレンテレフタ
レートフィルム上にコロナ放電処理をおこない、下記の
組成より成る第1下塗液を塗布量が5.1cc/m2 とな
るようにワイヤーバーコーターにより塗布し、175°
Cにて1分間乾燥した。
【0176】次に反対面にも同様にして第1下塗層を設
けた。使用したポリエチレンテレフタレートには下記構
造の染料が0.04wt%含有されているものを用い
た。
【0177】
【化5】
【0178】 ・ブタジエン−スチレン共重合体ラテックス溶液 79cc (固形分40%、ブタジエン/スチレン重量比31/69) ・2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s− トリアジンナトリウム塩4%溶液 20.5cc ・蒸留水 900.5cc *ラテックス溶液中には乳化分散剤として
【0179】
【化6】
【0180】上記の両面の第1下塗層に下記の組成から
なる第2の下塗液を塗布量が下記に記載の量となるよう
に片面ずつ、両面にワイヤー・バーコーター方式により
150°Cで塗布・乾燥した。
【0181】 ・ゼラチン 160mg/m2 ・染料分散剤D−1 (染料固形分として26mg/m2
【0182】
【化7】
【0183】 ・マット剤 平均粒径2.5μmのポリメチルメタクリレート 2.5mg/m2 写真材料の調製 前記の透明支持体上に、乳剤層と表面保護層を同時押し
出し法により両面に塗布した。片面あたりの塗布銀量は
1.7g/m2 になった。
【0184】こうして写真材料1を得た。本写真材料を
25°C60%RH条件下で7日経時した時点で親水性
コロイド層の膨潤率を測定した。乾膜厚(a) は切片の走
査型電子顕微鏡により求めた。膨潤膜層(b) は、写真材
料を21°Cの蒸留水に3分間浸漬した状態を液体窒素
により凍結乾燥したのち走査型電子顕微鏡で観察するこ
とで求めた。
【0185】膨潤率を
【0186】
【数2】
【0187】で求めると本写真材料については225%
となった。得られた写真材料は露光後、自動現像機を用
いて以下の処理をおこなった。
【0188】 <現像液濃縮液> 水酸化カリウム 56.6g 亜硫酸ナトリウム 200g ジエチレントリアミン五酢酸 6.7g 炭酸カリ 16.7g ホウ酸 10g ヒドロキノン 83.3g ジエチレングリコール 40g 4−ヒドロキシメチル−4−メチル−1−フェニル−3−ピラゾリドン 22.0g 5−メチルベンゾトリアゾール 2g 水で1リットルとする(pH10.60に調製する)。
【0189】 <定着液濃縮液> チオ硫酸アンモニウム 560g 亜硫酸ナトリウム 60g エチレンジアミン四酢酸・二ナトリウム・二水塩 0.10g 水酸化ナトリウム 24g 水で1リットルとする(酢酸でpH5.10に調製す
る)。
【0190】現像処理をスタートするときには自動現像
液の各タンクに以下の如き処理液を満たした。
【0191】現像タンク:上記現像液濃縮液333ミリ
リットル、水667ミリリットル及び臭化カリウム2g
と酢酸1.8gとを含むスターター10ミリリットルを
加えてpHを10.25とした。
【0192】定着タンク:上記定着液濃縮液250ミリ
リットル及び水750ミリリットルDry to Dryの処理時
間を30秒とした。水洗水は1分間に3リットルの割合
でフィルムが通過している間だけ流し、それ以外の時間
は停止した。現像液および定着液の補充および処理温度
温度 補充量 現像 35°C 20ミリリットル/10×12インチ 定着 32°C 30ミリリットル/10×12インチ 水洗 20°C 3リットル/1分間 乾燥 55°C とした。
【0193】また、以下に示す構成のフィルムと処理液
を用いて本発明を実施したところ、前記と同じく迅速な
処理でむらなく乾燥することができた。 (1)乳剤の調製 乳剤A 1液 水 1リットル ゼラチン(新田社製 写真用イナートタイプ) 20g KBr 5g 1.3−ジメチルイミダゾリジン−2−チオン 20mg ベンゼンチオスルホン酸ナトリウム 8mg 2液 水 400cc 硝酸銀 100g 3液 水 400cc KBr 75g ヘキサクロロイリジウム(III) 酸カリウム 0.018mg 40°C、pH=4.5に保たれた1液に攪拌しながら
2液と3液を同時に12分間にわたって液中添加し、
0.15μmの核粒子を形成した。続いて下記4液、5
液を12分間にわたって同時混合した。
【0194】 4液 水 400cc 硝酸銀 100gr 5液 水 400cc KBr 70gr その後常法に従ってフロキュレーション法にて水洗し、
新田社製の写真用イナートゼラチンを加えた。pHは
5.2にpAgを7.5に調整し、チオ硫酸ナトリウム
8mgと塩化金酸12mgを加え65°Cにて最適な感度/
カブリ比が得られるよう化学増感を施し、安定化剤とし
て4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テ
トラザインデン200mg、防腐剤としてフェノキシエタ
ノールを加えた。
【0195】そして純臭化銀で平均粒子径0.25μm
の単分散立方体乳剤を得た。(変動係数12%) 乳剤B 1液 水 1.0リットル ゼラチン 20g 塩化ナトリウム 5g 1.3−ジメチルイミダゾリジン−2−チオン 20mg ベンゼンチオスルホン酸ナトリウム 8mg 2液 水 400ミリリットル 硝酸銀 100g 3液 水 400ミリリットル 塩化ナトリウム 36.6g 臭化カリウム 28g ヘキサクロロイリジウム(III) 酸カリウム 0.018mg 38°C、pH4.5に保たれた1液に2液と3液を攪
拌しながら同時に10分間にわたって加え、0.161
μmの核粒子を形成した。続いて下記4液、5液を10
分間にわたって加えた。
【0196】 4液 水 400ミリリットル 硝酸銀 100g 5液 水 400ミリリットル 塩化ナトリウム 36.6g 臭化カリウム 28g その後は乳剤Aと同様な方法で水洗及び化学増感を行な
い安定化剤とそして防腐剤を加えた。
【0197】最終的に塩化銀を60モル%含む平均粒子
径0.20μmの塩臭化銀単分散立方体乳剤(変動係数
9%)を得た。
【0198】乳剤C 5液にK4 Fe(CN)6 を3×10-5モル/Agモ
ル、そして(NH4 3RhCI6 を5×10-7モル/
Agモル添加した以外は乳剤Bと同様の方法で粒子形成
を行なった。その後は乳剤A、Bと同様に水洗、化学増
感、添加剤を加え最終的に塩化銀を60モル%を含む塩
臭化銀立方体乳剤(変動係数9%)を得た。 (2)写真材料の作成 このようにして調調製した乳剤A、B、CにD−5の赤
外増感色素を30mg/モルAg加えて赤外増感を施し
た。さらに強色増感および安定化のために4,4´−ビ
ス(4,6−ジナフトキシ−ピリミジン−2−イルアミ
ノ)−スチルベンジスルホン酸ジナトリウム塩と2,5
−ジメチル−3−アリル−ベンゾチアゾールヨード塩を
銀1モルに対しそれぞれ300mgと450mg加えた。
【0199】さらにハイドロキノン100mg/m2 、ポ
リエチルアルリレートラテックスをゼラチンバインダー
比25%、硬膜剤として2−ビス(ビニルスルホニルア
セトアミド)エタンを86mg/m2 添加し、
【0200】
【化8】
【0201】ポリエステル支持体上に(トータルゼラチ
ン量が2.0g/m2 )となるようにゼラチンを加えて
塗布した。このとき保護層として乳剤層の上側にゼラチ
ンを0.5g/m2 、下記構造式(2) の染料を20mg/
2 、そしてマット剤として粒径2.5μmのポリメチ
ルメタクリレートを60mg/m2 、粒径10μmのコロ
イダルシリカを70mg/m2 、また塗布助剤としてドデ
シルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩と下記構造式(1)
の含フッソ界面活性剤を乳剤層と同時に塗布した。
【0202】
【化9】
【0203】なお本実施例の支持体は下記組成のバック
層及びバック保護層を有する。 〔バック層〕 ゼラチン 2.0g/m2 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 80mg/m2 染料(3) 70mg/m2 染料(4) 70mg/m2 染料(5) 90mg/m2 1,3−ジビニルスルホン−2−プロパノール 60mg/m2 〔バック保護層〕 ゼラチン 0.5g/m2 ポリメチルメタクリレート(粒子サイズ4.7μm) 30mg/m2 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 20mg/m2 含フッソ界面活性剤(前記(1) ) 2mg/m2 シリコーンオイル 100mg/m2
【0204】
【化10】
【0205】本写真材料を25°C60%RH条件下で
7日経時した時点で親水性コロイド層の膨潤率を測定し
た。乾膜厚(a) は切片の走査型電子顕微鏡により求め
た。膨潤膜層(b) は、写真材料を21°Cの蒸留水に3
分間浸漬した状態を液体窒素により凍結乾燥したのち走
査型電子顕微鏡で観察することで求めた。
【0206】膨潤率を
【0207】
【数3】
【0208】で求めると本発明サンプルの乳剤層側は9
0%〜110%の範囲内であり、バック層は70〜90
%であった。
【0209】得られた写真材料は露光後富士写真フィル
ム(株)製自動現像機FG−710NHを用いて下記に
示した温度及び時間で処理した。
【0210】但し、現像液及び定着液はそれぞれ現像液
イ及び定着液イを用いた。 現像 38°C 14秒 定着 37°C 9.7秒 水洗 26°C 9秒 スクイズ 2.4秒 乾燥 55°C 8.3秒 合計 43.4秒 現像液−イ ハイドロキノン 25.0g 4−メチル−4−ヒドロキシメチル−1−フェニル−3−ピラゾリドン 0.5g 亜硫酸カリウム 90.0g エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 2.0g 臭化カリウム 5.0g 5−メチルベンゾトリアゾール 0.2g 2−メルカプトベンツイミダゾール−5−スルホン酸 0.3g 炭酸ナトリウム 20g 水を加えて 1リットル (水酸化ナトリウムを加えてpH=10.6に合せる) 定着液−イ チオ硫酸アンモニウム 210g 亜硫酸ナトリウム(無水) 20g エチレンジアミン四酢酸2ナトリウム 0.1g 氷酢酸 15g 水を加えて 1リットル (アンモニア水でpHを4.8とする) なお、実質的に水溶性アルミニウム塩等の硬膜剤を含有
しない定着液を用いたが、硬膜剤を含む定着液を本実施
例において使うこともできる。また、本発明は本実施例
に示した現像槽、定着槽、水洗槽を有する自動現像処理
装置に限定されず、他の処理槽を有する自動現像処理装
置にも適用することができる。
【0211】
【発明の効果】以上説明した如く本発明に係る自動現像
処理装置は、感光材料を連続的に処理する場合において
も、乾燥状態を均一に保持することができ処理液を次槽
へ持ち込むことがないという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る自動現像処理装置の
概略構成図である。
【図2】乾燥部上流側の拡大図である。
【図3】各種ローラを用いた場合の処理枚数に応じた感
光材料の含水量を示す特性図である。
【図4】各種ローラを用いた場合の処理枚数に応じた乾
燥処理後の評価を示す特性図である。
【図5】本発明の第2実施例に係る自動現像処理装置の
概略構成図である。
【図6】本発明の第2実施例に係る自動現像処理装置の
リンス槽を示す斜視図である。
【図7】本発明の第2実施例に係る自動現像処理装置の
乾燥部の概略構成図である。
【図8】本発明の第3実施例に係る自動現像処理装置の
概略構成図である。
【符号の説明】
10 自動現像処理装置 14 現像槽 16 定着槽 18 水洗槽 20 乾燥部 34 クロスオーバーラック 39 ルビセル吸水ローラ(ポリウレタンミクロポー
ラススポンジを用いた吸水ローラ) 44 搬送ローラ 60 絞りローラ 62 スクイズローラ 110 自動現像処理装置 124 現像槽 126 リンス槽 128 定着槽 130 リンス槽 132 水洗槽 145 乾燥部 148 スクイズローラ 150 ヒートローラ 190 補助ローラ 210 自動現像処理装置 214 現像槽 216 定着槽 218 水洗槽 220 乾燥部 242 スクイズローラ 312 ローラ対 322 赤外線ヒータ

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 感光材料を搬送しながら現像液、定着
    液、水洗水等によって順次処理を行った後、乾燥部にお
    いて乾燥処理する自動現像処理装置であって、前記各処
    理間のクロスオーバー部、前記水洗処理と乾燥部間のス
    クイズ部、または前記乾燥部内の前記感光材料搬送路に
    沿って設けられたローラのうち少なくとも1本をポリウ
    レタンミクロポーラススポンジを用いた吸水ローラとし
    たこと特徴とする自動現像処理装置。
  2. 【請求項2】 感光材料を搬送しながら現像槽、定着
    槽、水洗槽へ順次浸漬させて、それぞれ現像処理、定着
    処理、水洗処理を行った後、乾燥部において乾燥風によ
    って乾燥処理する自動現像処理装置であって、前記水洗
    槽と乾燥部の間のスクイズ部の前記感光材料搬送路に少
    なくとも1本のポリウレタンミクロポーラススポンジを
    用いた吸水ローラと、前記乾燥部の乾燥風の一部を前記
    吸水ローラへ当てる手段と、を備えたこと特徴とする自
    動現像処理装置。
  3. 【請求項3】 前記吸水ローラと前記水洗槽との間に前
    記感光材料に付着している液を絞り取る絞りローラを備
    えたことを特徴とする請求項2記載の自動現像処理装
    置。
  4. 【請求項4】 前記クロスオーバー部の少なくとも前記
    感光材料の膜面に接触する側に前記吸水ローラを設けた
    こと特徴とする請求項1記載の自動現像処理装置。
  5. 【請求項5】 前記吸水ローラのニップ圧を1g/cm2
    35g/cm2 に設定したこと特徴とする請求項1ないし請
    求項4の内の何れかに記載の自動現像処理装置。
  6. 【請求項6】 前記吸水ローラは、対向配列又は千鳥配
    列で少なくとも一対設けられ、前記感光材料の表裏面に
    接触して設けられていることを特徴とする請求項1ない
    し請求項5の内の何れかに記載の自動現像処理装置。
  7. 【請求項7】 前記水洗槽から前記乾燥部へ向かって上
    方へ搬送される感光材料の搬送路に前記絞りローラが配
    置されていることを特徴とする請求項3、5、6の内の
    何れかに記載の自動現像処理装置。
  8. 【請求項8】 前記乾燥部に乾燥風供給手段からの乾燥
    風を供給することを特徴とする請求項1ないし請求項7
    の内の何れかに記載の自動現像処理装置。
  9. 【請求項9】 前記乾燥部にヒートローラを設けたこと
    を特徴とする請求項1ないし請求項8の内の何れかに記
    載の自動現像処理装置。
  10. 【請求項10】 前記乾燥部に赤外線ヒータを設けたこ
    とを特徴とする請求項1ないし請求項9の内の何れかに
    記載の自動現像処理装置。
  11. 【請求項11】 前記感光材料が前記乾燥部を通過する
    時間が40秒以下3秒以上であることを特徴とする請求
    項1ないし請求項10の内の何れかに記載の自動現像処
    理装置。
  12. 【請求項12】 感光材料を搬送しながら現像槽、定着
    槽、水洗槽へ順次浸漬させて、それぞれ現像処理、定着
    処理、水洗処理を行った後、乾燥部において乾燥風によ
    って乾燥処理する自動現像処理装置であって、前記定着
    槽と水洗槽間のクロスオーバー部、前記水洗槽と乾燥部
    間のスクイズ部、または前記乾燥部内の前記感光材料搬
    送路に沿って設けられたローラのうち少なくとも1本を
    ポリウレタンミクロポーラススポンジを用いた吸水ロー
    ラとし、前記感光材料が前記定着処理工程で実質的に硬
    膜剤を含有しない定着液で処理されることを特徴とする
    自動現像処理装置。
JP4202495A 1992-04-17 1992-07-29 自動現像処理装置 Pending JPH05346657A (ja)

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