JPH0534599Y2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0534599Y2
JPH0534599Y2 JP1987011696U JP1169687U JPH0534599Y2 JP H0534599 Y2 JPH0534599 Y2 JP H0534599Y2 JP 1987011696 U JP1987011696 U JP 1987011696U JP 1169687 U JP1169687 U JP 1169687U JP H0534599 Y2 JPH0534599 Y2 JP H0534599Y2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pot
lid
heat
cooking
energy
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1987011696U
Other languages
English (en)
Other versions
JPS63121016U (ja
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed filed Critical
Priority to JP1987011696U priority Critical patent/JPH0534599Y2/ja
Publication of JPS63121016U publication Critical patent/JPS63121016U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JPH0534599Y2 publication Critical patent/JPH0534599Y2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、電気加熱用の少人数に適した省エ
ネルギー型調理用鍋であつて、加えた熱を有効に
調理に利用することのできる電気加熱用省エネル
ギー型調理鍋に関するものである。
〔従来の技術〕
従来、調理の煮炊き方法としては、初期の昇温
の過程だけでなく、鍋の内部で沸騰が生じてから
も加熱を続け、鍋内部の食物が柔らかくなるなど
充分に食物に火が通つた時点に至つて、はじめて
加熱を止めるようにしているのが一般である。
しかしながら、本考案者らの研究したところに
よると、ほとんどの食物の調理には100℃の温度
は必要ではなく、例えば、芋類は80〜90℃で充分
に煮え、肉類も80℃以上において蛋白質の変性が
完全に生じる。従つて、食物の煮炊きにおいて
は、内部が100℃に達して沸騰が始まつてから後、
さらに外部から加熱しつづけることは、ほとんど
の場合必要がないことが明らかとなつた。基本的
には、食物の煮炊きには、その食物に見合つた温
度(ほとんどの場合、80〜90℃)に一定時間(ほ
とんどの場合、20〜1時間)保持すればよいので
あつて、食物の煮炊きにおいては、初めの昇温に
要するエネルギーは必要であるが、昇温後の沸騰
の持続は、水分を蒸発させて煮詰める等の目的を
除けば不必要である。
本考案者らは、上記事情に対し、本願考案に先
だつて、調理において大きなエネルギー損失をな
くすとともに、加熱が過ぎて食物を焦がしてしま
う等のミスを防止でき、煮炊きを簡易化すること
のできる省エネルギー型調理用鍋として、第8図
に示すものを提案した。
第8図に示した省エネルギー型調理用鍋は、特
願昭60−243270号に開示したもので、図中、符号
1は鍋本体、2はその蓋体である。
前記鍋本体1は、有底な容器状の内鍋部3とこ
の内鍋部3の上端の外壁部に所定間隔を空けて一
体に形成されている外壁部4とから構成されてい
る。前記内鍋部3と外壁部4とは、各々の上端で
のみ連結され、外壁部4の下端開口縁4aが内鍋
部3の底部3aより下方に位置しており、同下端
開口縁4aは同一水平面上に位置するように形成
されている。従つて、内鍋部3と外壁部4との間
には、下端が開口した円筒状の空隙部5が形成さ
れており、この鍋本体1を水平面上に載せれば、
前記空隙部5は外気から隔離されることになる。
また、外壁部4の上部には、前記空隙部5と外気
とを連通する小孔4bが多数、水平方向に等間隔
に穿設されている。
一方、前記蓋体2は、二重壁構造に形成されて
おり、中空の内部は空気層2aとなつている。
なお、図中、符号6は鍋本体1の取手、7は蓋
体2の取手を示すものである。
しかして、上記構成の調理用鍋を、例えばガス
コンロの上へ置いて加熱すると、ガスコンロの炎
が少々強くても、炎は外壁部4の下端部分にさえ
ぎられて外方にもれでてしまわずに、空隙部5内
に向かうこととなる。ここで、炎および高温の空
気は、小孔4aにより煙突効果を発揮する空隙部
5の形状により吸い込まれるように流れるので、
さらに外部にもれでることがない。そして、空隙
部5内に入つた高温の空気は、円筒状をなす空隙
部5の形状により内鍋部3の全外周面上に満遍な
く分布され、熱エネルギーは効率良く内鍋部の内
部の調理品(食物)に伝えられることになる。
さらに、鍋本体1の中が沸騰した後、加熱を止
め、この鍋本体1を図に示すように平板P上にお
けば、この平板Pによつて外壁部4の下端開口縁
4aがふさがれ、空隙部5内の高温空気は通り抜
け経路を失い、小孔4bの存在にもかかわらず、
空隙部5に蓄積されている熱エネルギーは外方に
逃げることなく保存される。そして、この熱エネ
ルギーによつて、鍋本体1中の熱は外部に放散せ
ず、蓋体2で蓋をしておけば、鍋本体1内は長時
間に亘つて高い温度に保たれる。その結果、この
鍋によれば、初期の沸騰までに必要なエネルギー
だけで充分に煮炊きを行なうことができる。
〔考案が解決しようとする問題点〕
上記に説明した省エネルギー型調理用鍋は、加
熱源にガスコンロ等の燃料燃焼型熱源を使用する
ことを目的として提供されたものである。
ところで、家族数が1〜2人の家庭では、調理
する量が少ないので、煮炊きをするのにわざわざ
ガスコンロを用いるのは不経済だけでなく、面倒
でもある。また、家族数が多い家庭でも昼間は主
婦が1人きりで食事をすることが多いので、同様
のことが言える。そのため、このような少人数の
時に、電磁調理器や電気コンロ等を用いて簡便に
調理を行なうことができれば便利である。
また、ガスコンロでは、食物を焦げつかせる心
配があり、さらに、吹きこぼれによつて、ガスの
火が消えてしまう危険性があるため、これらの事
が起きないように注意を払う必要があり、煩わし
い。これに対して、前記の電磁調理器や電気コン
ロを用いれば、以上の様な煩わしさがなくなる。
ところが、上記の電磁調理器や電気コンロで
は、ガスコンロに較べて、単位面積当りの発熱量
が非常に少ない。そのため、少量の煮炊きであつ
ても、煮炊きが完了するまで非常に時間がかかつ
てしまうという問題がある。また、少量の煮炊き
には、その量に見合つた小型の鍋が用いられる
が、小型の鍋は大型の鍋に較べて単位表面積当り
の内容量が少ない。そのため、加熱を止めると、
大型の鍋に較べて、短時間で内部の温度が冷えて
しまうという問題がある。したがつて、上記2つ
の問題点から、2〜3品料理を作ると、最初の品
がかなり冷めてしまうことになる。
このことを定量的に確認するために、通常使用
されている1〜2人用の市販の小型の鍋(内容量
500c.c.)について、その保温特性を調べた。その
結果、第7図のA線に見るように、内容物を100
℃にした小型の鍋を熱源から下し、ステンレス台
に乗せた場合、内容物の温度が約7分位で85℃以
下に下がつてしまつた。また、同図のB線に見る
ように、上記同様に内容物を100℃にした鍋をシ
リコンゴム等の断熱材上に乗せた場合、約8分位
で85℃以下に下がつてしまつた。
ところで、前記したように、本考案者らの研究
によると、大根や人参等の野菜類や肉類を完全に
煮るには、85℃以上に約20分間保持する必要があ
ることがわかつている。このことから、通常の小
型の鍋では、完全に煮ることができないことがわ
かつた。したがつて、このような通常の小型の鍋
では、保温調理法を適用できず、短時間に多種の
煮炊きを行なうことができない。
そこで、上記の電磁調理器や電気コンロに保温
効率の高い前記の省エネルギー型調理用鍋を用い
て、これに保温調理法を適用することが考えられ
る。
前記の省エネルギー型調理用鍋は、加熱時に
は、ガスコンロから鍋側方に逃げる熱を側方の空
隙部5に導いて、側方から鍋内部を加熱するよう
にしている。また、鍋内部が沸騰した後には、上
記空隙部5に残留する熱を利用して、内容物を保
温調理するようにしている。さらに、調理完了後
は、側方の残留熱を利用して、内容物の温度低下
を防ぐようにしている。
ところで、電磁調理器及び電気コンロは、前記
したように、ガスコンロに較べて発熱量が非常に
少ない。特に、電磁調理器は鍋の底部しか加熱し
ない。したがつて、この場合には、鍋底部をでき
るだけ加熱源(電磁コイルまたはヒーター)に近
づけ、熱を効率良く鍋底部から内部に伝える必要
がある。しかるに、前記省エネルギー型調理用鍋
を電気加熱用に用いたとしても、鍋の外壁部4の
下端開口縁4aが内鍋部3の底部3aより下方に
位置しているので、この下端開口縁4aが邪魔に
なり底部3aを加熱源に近づけることができず、
熱を効率良く鍋内部に伝えることができない。さ
らに、電気加熱の場合には燃焼ガスがないので、
燃焼ガスの通路となる円筒状の空隙部5を広くす
る必要がなく、この空隙部5は単に断熱構造とす
るためにのみ必要なので、幅が狭いもので十分で
ある。
したがつて、前記の省エネルギー型調理用鍋を
電気加熱用に用いるのは余り適当ではない。しか
も、前記の省エネルギー型調理用鍋の場合、内容
物の煮炊き具合いを確認するにはその都度蓋体2
を開ける必要があるが、特に、保温調理中におい
ては、蓋体2を開けることにより鍋内部の熱が外
部に逸散して内容物の温度が低下し、その結果保
温調理を十分行うことができなくなるという問題
がある。
更に、調理中の吹きこぼれ等に伴い蓋体2と鍋
本体1との接触面に食物等が挟まると、その部分
に形成された隙間から鍋内部の熱が外部に逸散し
て内容物の温度が低下するという問題もあつた。
本考案は、上記事情に鑑みてなされたものであ
り、その目的は電気加熱を利用して、1〜2人分
の少量の調理を簡便かつ短時間に行なうことがで
き、その調理に必要な熱エネルギーをより少なく
することができ、保温特性をより一層向上させる
とともに、蓋体2を開けずとも内容物の目視確認
が可能な電気加熱用省エネルギー型調理鍋を提供
することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
この考案の電気加熱用省エネルギー型調理鍋
は、電気加熱方式によつて加熱される金属製の底
部を有する鍋本体と、互いに所定間隔をもつて設
けられている外蓋と内蓋とからなる蓋体とからな
り、前記鍋本体の側壁が中空の二重壁構造とさ
れ、かつ前記内蓋の少なくとも一部に透明な材料
が用いられていることを特徴とするものである。
〔作用〕
通常市販されている小型の鍋は、側壁が1枚の
みの構造となつているため、断熱板上に乗せて
も、側方から熱が外部へ逸散してしまい、保温効
果を期待できない。
しかし、本考案の電気加熱用省エネルギー型調
理鍋によると、鍋本体の側壁が中空の二重壁構造
とされ、かつ外蓋および内蓋により二重に閉鎖さ
れるため、これらの側壁及び蓋体が断熱効果を発
揮できる。そのため、側方及び上方から熱が外部
へ逸散しにくく、保温効果が高い。さらに、調理
中の吹きこぼれ等に伴い前記内蓋と前記鍋本体と
の間に隙間が生じた場合でも、鍋内部と外部とが
依然として外蓋により遮断されるため、外部に熱
が逸散することはない。また、鍋を断熱板上に乗
せれば、熱は下方からも外部へ逸散しにくくな
る。したがつて、上記の電気加熱用省エネルギー
型調理鍋は、電気加熱で内容物を沸騰させた後、
加熱を止め、この鍋を断熱材に乗せれば、鍋内部
の熱が外部に逸散しにくく、鍋内部は長時間に亘
つて、高温に保たれる。その結果、初期の沸騰ま
でに必要なエネルギーだけで、十分に保温調理が
行なえる。また、調理完了後も、長時間に亘つて
保温できる。しかも、内蓋の少なくとも一部に透
明の材料が用いられているため、内蓋を開けずと
も内容物の目視確認が可能である。
〔実施例〕
第1図及び第2図は本考案の第1実施例を示す
図であり、図中、符号7は鍋本体を、8は蓋体
を、9は鍋本体7の下に置かれた断熱板をそれぞ
れ示すものである。
鍋本体7は、金属製の底部10を有し、この底
部10に一体に形成されている側壁11が空隙部
12をもつ中空二重壁構造に成形されているもの
である。この空隙部12は大気圧または10-6気圧
以下の真空状態に気密保持されている。
また、蓋体8は外蓋8aと内蓋8bとから構成
されている。このうち、外壁8aは側壁11の上
端に係止され、内蓋8bは側壁11の上部内側に
形成された凸部11a上に係止されている。した
がつて、鍋は外蓋8aおよび内蓋8bにより二重
に閉鎖される。ここで、内蓋8bにはガラスやプ
ラスチツクのような透明な材料が用いられてい
る。
また、外蓋8aを、第2図に示すような構成と
してもよい。この場合、外蓋8aは、外蓋部13
と内蓋部14とから構成され、外蓋部13と内蓋
部14とが内部に空隙部15をもつて中空二重壁
構造をなすように一体成形されている。この空隙
部15も大気圧または10-6気圧以下の真空状態に
気密保持されている。
なお、図中、符号16は鍋本体7の取手を示す
もので、17,17aはそれぞれ外蓋8aおよび
内蓋8bの取手を示すものである。
なお、上記空隙部12,15を真空状態にする
場合、真空引きの後、空隙部12,15を封止す
る必要があり、封止の結果、鍋本体7には真空封
止用の凸部18が生じる。鍋本体7の側壁11の
外側に設けた上記凸部18は第3図のA,Bに示
すように、外部から見えないように取手16の内
部に位置させる。同様に、外蓋8aにも真空封止
用の凸部19が生じるので、この凸部19も取手
17の内部に位置させる。
上記のようにして、真空封止用の凸部18,1
9をそれぞれ取手16,17内部に隠すことがで
きる。また、鍋本体7と外蓋8aとは金属製であ
り、それぞれの空隙部12,15の幅を狭くでき
る結果、鍋本体7の側壁11及び外蓋8aの厚み
をそれぞれ2〜3mm程度に薄くすることができ
る。このことから、鍋本体7の側壁11、外蓋8
aそれぞれの厚みを市販品の場合の厚みに近づけ
ることができる。
以上のことから、本考案の鍋と通常の鍋との外
観上の差及び鍋内部の内容量の差はほとんどな
い。
上記構成の電気加熱用省エネルギー型調理鍋に
よると、まず、鍋本体7の側壁11を中空の二重
壁構造としたので、側方から外部への熱の逸散が
抑えられる。特に、鍋が外蓋8および内蓋8aに
より二重に閉鎖されるため、上方から下部への熱
の散逸が抑えられ、かつ、調理中の吹きこぼれ等
に伴い内蓋8aと鍋本体7との間に隙間が生じた
場合でも、鍋内部と外部とが依然として外蓋によ
り遮断され、その結果、外部への熱の逸散が防止
される。また、鍋が外蓋8および内蓋8aにより
二重に閉鎖されるため、上方から下部への熱の散
逸が抑えられる。外蓋8aも中空の二重壁構造と
した場合には、上方から外部への熱の逸散がさら
に抑えられる。したがつて、電気加熱で鍋本体7
の底部10を加熱することによつて得られる熱を
外部に逸散させることなく、有効に利用できる。
しかも、内蓋8aに透明の材料が用いられている
ため、外蓋8を開けて内蓋8aを閉じたままで、
鍋内部の熱を散逸させることなく、内容物の煮炊
き具合いを見ることができる。さらに、鍋本体7
の内容物が100℃で沸騰した後、鍋を火から下し
て断熱板9上に乗せれば、下方からの熱の逸散が
抑えられる。したがつて、保温効果が大変高く、
前記保温調理が可能となる。
第4図ないし第6図は上記断熱板9の構造を示
すものである。第4図において、断熱板9は上板
20と下板21と側板22とから構成され、内容
は空隙部23をもつ中空構造となつている。この
空隙部23を真空にすると最も断熱効果が高い。
なお、断熱板9の材料を機械的強度の弱いプラス
チツク材にする場合には、空隙部23に空気を残
した方がよいので、第5図に示すように、下板2
1を省いて構造を簡易化してもよい。また、断熱
板9の材料に、第6図に示すように、発泡ウレタ
ン等の断熱性プラスチツク板や天然のコルク板を
用いてもよい。
なお、本考案の電気加熱用省エネルギー型調理
鍋の構成材料には、アルミニウムやステンレス材
等の熱伝導性のよい金属材が考えられるが、電磁
調理器を利用する場合は、強磁性材であるステン
レス材が適しており、真空二重壁構造とする場合
も、強度上、ステンレス材が好ましい。
なお、本実施例の場合、内蓋8aにはガラスや
プラスチツクのような透明な材料を用いたが、内
容物の煮炊き具合いを見ることが可能であれば、
この透明な材料は必ずしも内蓋の全面に用いる必
要はない。
前記に説明したように、本考案の電気加熱用省
エネルギー型調理鍋は、保温効果が非常に優れて
いる。
このことを、定量的に確認するために、本考案
の鍋(内容量500c.c.)について、前記空隙部12,
15が大気圧または真空の場合のそれぞれの保温
特性を調べた。その結果、内容物を100℃に沸騰
させた鍋を熱源から下ろし、断熱板9上に乗せる
と、空隙部12,15が大気圧の場合、第7図の
C線に見るように、約20分間に亘り85℃以上に保
持できた。さらに、真空の場合は、同図のD線に
見るように、約29分間にも亘つて85℃以上に保持
できた。
ここで、前記したように、本考案者らの研究に
よると、大根や人参等の野菜類や肉類は85℃以上
に約20分間保持すれば完全に煮えることがわかつ
ている。このことから、本考案の鍋を用いれば、
野菜類や肉類を100℃に沸騰させた後、加熱を止
めても容易に煮ることができることがわかつた。
したがつて、本考案の鍋に保温調理法を適用して
煮炊きを行うことができる。
上記に説明したように、本考案の鍋に保温調理
法を適用できるので、下記のような優れた作用効
果が得られる。
本考案の鍋に保温調理法を適用すると、 (1) 沸騰持続時間がほとんどないので、食物の持
つ香りが外部へ蒸気と共に逸散することがな
く、風味が良くなる。
(2) 不必要な沸騰を避けているために、食物の熱
分解が少なくなる。
(3) 保温効果により、鍋内部の温度勾配が極めて
少なくなるので、食物の調理が均一に進行す
る。
(4) 内蓋に透明の材料が使用されているため、蓋
を閉じたままで鍋の内容物およびその煮炊き具
合いを確認することができる。
これらのことから、ほとんど全ての食物をほど
よく美味に調理できる。特に、沸騰を最小限に抑
えることができるので、煮くずれを起こさずに済
み、また、肉や骨がらのあくが生じないので澄ん
だスープを作ることができる。
また、御飯を炊く場合、本考案の鍋は外部への
熱の逸散が少ないので、内部の温度が均一とな
り、少量であつても、よく蒸れた美味の御飯を炊
くことができる。
これらの作用効果を得るのに、ガスコンロを用
いた場合、ガスの火を微妙に調節する面倒がある
のに対し、本考案の鍋を用いれば、上記の作用効
果がひとりでに得られる。
さらに、本考案の鍋は、上記に述べたように、
調理がうまくできるだけでなく、以下に述べるよ
うに、便利で経済的でもある。
冬季の場合、例えば、本考案の鍋を用いて、
500c.c.の食物を沸騰させて断熱板上に乗せ、室温
16℃で約2時間半放置したとする。この鍋の空隙
部12,15を大気圧とした場合でも、鍋内部の
食物の温度は約47℃と十分な温かさを有してい
る。空隙部12,15を真空にすれば、さらに保
温効果が高まる。そのため、家族の帰宅時間がか
なりずれたとしても、温め直す必要がない。ま
た、2〜3品の料理を作つても、最初の品が冷め
てしまうことがないので、同様に温め直す必要が
ない。
さらに、また、本考案の鍋は電気加熱によつて
得られた熱を有効に利用できるので、加熱電力を
通常市販品の1/2〜1/3に減らすことができる。ま
た、弱火で煮続ける必要がないので、1台の電磁
調理器または電気コンロを用いて、鍋を次々に沸
騰させ、保温調理をすることによつて、3〜4個
の鍋による調理を短時間で簡単に行なうことがで
きる。特に、内蓋を介して鍋の内容物が見えるの
で、同形の鍋を複数個使用した場合でも、鍋の内
容物およびその煮炊き具合いを確認する際に蓋を
開ける必要がない。
以上述べたように、本考案の電気加熱用省エネ
ルギー型調理鍋を用いれば、1〜2人用の小容量
の調理を極めて簡便に行なうことができる。
〔考案の効果〕
以上説明したように、本考案に係る電気加熱用
省エネルギー型調理鍋は、電気加熱方式によつて
加熱される金属製の底部を有する鍋本体と、互い
に所定間隔をもつて設けられている外蓋と内蓋と
からなる蓋体とからなり、前記鍋本体の側壁が中
空の二重壁構造とされ、かつ前記内蓋の少なくと
も一部に透明な材料が用いられていることを特徴
とするものである。
したがつて、本考案によれば、鍋の側方及び上
方から外部への熱の逸散を減少させることがで
き、熱エネルギー利用効率を高めることができ
る。特に、内蓋と鍋本体との間に隙間が生じた場
合でも、鍋内部と外部とが依然として外蓋により
遮断されるため、鍋内部が高温に保たれるという
効果もある。さらに、電気加熱によつて、鍋内部
の内容物が沸騰した後、加熱を止め、この鍋を断
熱性の高い平板上に置けば、鍋の下方から外部へ
の熱の逸散を減少でき、鍋内部を長時間に亘つて
高い温度に保つことができる。その結果、初期の
沸騰までに必要なエネルギーだけで、多くの場
合、十分に煮炊きを行なうことができる。
しかも、内蓋の少なくとも一部に透明の部材が
用いられているため、この透明部分を介して、前
記内蓋を開けずとも内容物の煮炊き具合いを確認
することが可能である。したがつて、調理および
保温中における前記蓋体の開放に伴う鍋内部の熱
の散逸が防止される。
また、本考案の鍋に、電気加熱を熱源として、
保温調理法を適用できるので、1〜2人用の小容
量の調理を簡便かつ短時間で行なうことができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の第1実施例を示すもので、鍋
本体と蓋体の一部を断面視した側面図、第2図は
本考案の第二実施例を示すもので、鍋本体と蓋の
一部を断面視した側面図、第3図Aは第1図に示
す鍋本体と蓋体のそれぞれの空隙部を真空にした
場合の一部断面視した側面図、第3図Bは同上面
図、第4図ないし第6図はそれぞれ断熱板を断面
視した側面図、第7図は通常市販の鍋と本考案の
鍋とのそれぞれの保温特性を示すグラフ、第8図
は従来の省エネルギー型調理用鍋を示すもので、
鍋本体と蓋体の一部を断面視した側面図である。 7……鍋本体、8……蓋体、8a……外蓋、8
b……内蓋、10……底部、11……側壁、1
2,15……空隙部、13……外蓋部、14……
内蓋部、16,17,17a……取手、11a…
…凸部。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 電気加熱方式によつて加熱される金属製の底
    部を有する鍋本体と、互いに所定間隔をもつて
    設けられている外蓋と内蓋とからなる蓋体とか
    らなり、前記鍋本体の側壁が中空の二重壁構造
    とされ、かつ前記内蓋の少なくとも一部に透明
    な材料が用いられていることを特徴とする電気
    加熱用省エネルギー型調理鍋。 (2) 外蓋が中空の二重壁構造とされ、この空隙部
    と鍋本体の側壁の空隙部とが真空構造にされて
    いることを特徴とする実用新案登録請求の範囲
    第1項記載の電気加熱用省エネルギー型調理
    鍋。 (3) 鍋本体と外蓋とに形成された真空封止用の凸
    部をそれぞれ鍋本体、外蓋に取り付けられた取
    手の内部に位置させたことを特徴とする実用新
    案登録請求の範囲第2項記載の電気加熱用省エ
    ネルギー型調理鍋。
JP1987011696U 1987-01-29 1987-01-29 Expired - Lifetime JPH0534599Y2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1987011696U JPH0534599Y2 (ja) 1987-01-29 1987-01-29

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1987011696U JPH0534599Y2 (ja) 1987-01-29 1987-01-29

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS63121016U JPS63121016U (ja) 1988-08-05
JPH0534599Y2 true JPH0534599Y2 (ja) 1993-09-01

Family

ID=30799144

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1987011696U Expired - Lifetime JPH0534599Y2 (ja) 1987-01-29 1987-01-29

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0534599Y2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012130549A (ja) * 2010-12-22 2012-07-12 Nippon Chemical Kogyo Kk 調理器具

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0975203A (ja) * 1995-09-19 1997-03-25 Matsushita Electric Ind Co Ltd 調理容器およびこの調理容器を使用した加熱調理装置
JP5138388B2 (ja) * 2007-10-10 2013-02-06 長谷製陶株式会社 電磁調理器用器物の保温壁部材
JP5776943B2 (ja) * 2012-06-13 2015-09-09 天野 和俊 加熱調理容器

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5814809B2 (ja) * 1979-03-06 1983-03-22 東洋紡績株式会社 水素ガスの分離回収方法
JPS6123920B2 (ja) * 1977-06-09 1986-06-07 Sonii Kk
JPS6135624B2 (ja) * 1975-04-02 1986-08-14 Intaanashonaru Bijinesu Mashiinzu Corp

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5814809U (ja) * 1981-07-18 1983-01-29 佐内 淑香 断熱層で覆つた料理器具
JPS6123920U (ja) * 1984-07-17 1986-02-13 大宝技研株式会社 真空ジヤケツト鍋
JPS6135624U (ja) * 1984-08-07 1986-03-05 日本酸素株式会社 断熱調理器具

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6135624B2 (ja) * 1975-04-02 1986-08-14 Intaanashonaru Bijinesu Mashiinzu Corp
JPS6123920B2 (ja) * 1977-06-09 1986-06-07 Sonii Kk
JPS5814809B2 (ja) * 1979-03-06 1983-03-22 東洋紡績株式会社 水素ガスの分離回収方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012130549A (ja) * 2010-12-22 2012-07-12 Nippon Chemical Kogyo Kk 調理器具

Also Published As

Publication number Publication date
JPS63121016U (ja) 1988-08-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5767487A (en) Subatmospheric pressure cooking device
US6262394B1 (en) Holding or cooking oven
US4880951A (en) Food preparation kit for use in cooking food in microwave oven or in thermal oven
US5380986A (en) Multi-purpose electric fast cooking apparatus
CA1082277A (en) Electric oven with conventional or slow cook operation
NZ250272A (en) Double cooking pot; outer pot insulates heated food in inner pot and inner pot is suspended from shoulder of outer pot
JPS5844368B2 (ja) 料理器具
JP3662582B2 (ja) 低圧調理方法
US5809871A (en) Cooking apparatus
JPH11192167A (ja) 均一温度調理装置
JPH0534599Y2 (ja)
ES2953061T3 (es) Dispositivo y procedimiento de calentamiento por microondas con inversión
JP2003275097A (ja) 断熱調理鍋
US4316447A (en) Steam cooking apparatus
JP2002300966A (ja) 容器兼用蒸し器
JP2010183933A (ja) 電磁誘導加熱式の食品加熱保温容器
JPH072137B2 (ja) 加熱調理装置
JP2002177059A (ja) 調理保温カート及びカート用調理トレイ
KR101651078B1 (ko) 조리 및 보온기능을 겸비한 이중 냄비
KR101361269B1 (ko) 컵밥 포장용기
KR200323655Y1 (ko) 전자렌지용 증숙조리기
KR101651079B1 (ko) 조리 및 보온기능을 겸비한 이중 냄비
JPH04117919A (ja) 加熱調理器
JP5285869B2 (ja) マイクロ波加熱調理容器
JPH10179404A (ja) 保温調理用器具および保温調理方法