JP2012130549A - 調理器具 - Google Patents

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Kazumi Tachi
和美 舘
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Abstract

【課題】外部への熱の流出を抑えて調理鍋の温度低下をさらに緩やかにすることにより、あたかも加熱状態が継続されているかのように調理を行うことのできる調理器具を提供する。
【解決手段】調理器具10を、セラミックス製の調理鍋12と、天面に設けた開口から調理鍋12を収容する調理用凹所26が形成された本体容器22、および調理用凹所26の開口を覆って調理空間30を形成する蓋体24で構成された保温調理容器14とで構成し、蓋体24の天面部24bにおける厚さ方向中央部に空気室32を設けるとともに、調理鍋12における周側面の全周から鍔部44を突設し、当該鍔部44を、その先端が調理空間30を形成する内側壁30aに近接するように形成することで、上記課題を解決することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、煮込み料理等を収容調理する調理鍋と、当該調理鍋を収容する保温調理容器とで構成された調理器具に関する。
以前から、煮込み途中の材料を入れた加熱済みの調理鍋を保温箱に収容し、当該材料を長時間保温することによって煮込み料理を完成させる調理器具が開発されており、調理鍋を火にかけっぱなしにすることなく煮込み料理ができるので重宝されている。
例えば、特許文献1に開示された保温調理器具1は、図4に示すように、ステンレス等の金属で形成された調理鍋2と、内部に当該調理鍋2を収容する保温空間3を有する有底筒状の本体容器4、および当該本体容器4の天面開口を覆う蓋体5で構成された保温容器6とで構成されている。
保温容器6を構成する本体容器4は、真空断熱層7を挟んだ二重構造となっており、また、蓋体5の内部には、発泡材等が充填された断熱層8が形成されているので、加熱済みの調理鍋2を本体容器4の保温空間3に収容し、然る後、蓋体5で当該保温空間3を覆うことにより、調理鍋2および食材の熱を外部に逃がし難くして、保温空間3の温度低下を緩やかにすることにより、煮込み料理を完成させることができる。
実公平4−28491号公報
しかしながら、従来の保温調理器具1の保温能力は、蓋体5内に断熱層8を設けているものの、蓋体5からの放熱が多いため、その煮込み効果が市場の要求を真に満たすようなものではなく、保温能力が高く、より煮込み効果の高い調理器具が求められている。
それゆえに本発明の主たる課題は、外部への熱の流出を抑えて調理鍋の温度低下をさらに緩やかにすることにより、あたかも加熱状態が継続されているかのように調理を行うことのできる調理器具を提供することにある。
請求項1に記載した発明は、
「セラミックス製の調理鍋12と、
天面に設けた開口から前記調理鍋12を収容する調理用凹所26が形成された本体容器22、および前記調理用凹所26の開口を覆って調理空間30を形成する蓋体24で構成された保温調理容器14とで構成されており、
前記蓋体24の天面部24bにおける厚さ方向中央部には、空気室32が設けられており、
前記調理鍋12は、その周側面の全周から突設された鍔部44を有しており、
前記鍔部44は、前記調理鍋12を前記調理空間30に収容したときに、その先端が前記調理空間30を形成する内側壁30aに近接する位置にあることを特徴とする調理器具10」である。
従来の保温調理器具1の場合(図4)、金属製の調理鍋2が有する熱(内部の食材が有する熱も含む、以下同じ。)は、主に「対流伝熱」および「伝導伝熱」によって保温空間3を囲繞する内壁に伝わった後、保温容器6の外表面から外部へ放散される。
すなわち、調理鍋2の表面から伝導伝熱によって当該表面近傍の空気が暖められ(a)、暖められた空気が保温空間3内を上昇していく(対流伝熱)ことにより(b)、保温空間3内は、その上部温度が下部温度に比べて高い状態となる。そして、温度の高い保温空間3上部の熱が、蓋体5の内表面5aに伝導された後、蓋体5内を通ってその外表面から放散(c)されることにより保温空間3上部の温度が低下すると、より温度の高い空気が保温空間3上部に流入(対流伝熱)して(d)、当該保温空間3上部が再び高い温度になる。このようなサイクルが繰り返し行われることによって、調理鍋2が有する熱が主に保温空間3上部から外部へ放散されている。
もちろん、上記放熱よりも放散熱量は少ないが、調理鍋2の側面から空気を介して保温空間3の側壁に伝導伝熱によって伝わった熱が本体容器4の壁面を通ってその外側表面から放散される(e)。
これに対し、本発明の調理器具10は、図1に示すように、蓋体24の天面部24bにおける厚さ方向中央部に空気室32が設けられており、かつ、セラミックス製の調理鍋12における周側面の全周から鍔部44が突設されている点に特徴を有しており、このような特徴を有していることにより、調理鍋12の熱が外部へ放散される速度(放熱速度)を著しく低下させて、調理空間30ひいては調理鍋12の温度低下を極めて緩やかにすることができる。
すなわち、上述のように、伝導伝熱によって調理鍋12の側面近傍の空気が暖められ(A)、暖められた空気が、調理鍋12と調理空間30の内側壁30aとの間を上昇していく(対流伝熱)ことにより(B)、調理空間30内は、その上部温度が下部温度に比べて高い状態となる。
このとき、温度の高い調理空間30上部の熱は、蓋体24の天面部24bにおける内表面24aに伝導された後、蓋体24内を通っていくのであるが(C)、本発明の蓋体24の天面部24bには、その厚さ方向中央部に空気室32が設けられていることから、熱伝導率が極めて小さい空気が蓋体24の内表面24aから外表面に至る伝導伝熱を著しく阻害する(C’)。
調理空間30上部の熱が蓋体24の外表面から放散される速度が著しく小さくなると、調理空間30上部は高い温度を維持し続けることになる。すると、当該調理空間30上部に新たな空気が流入し難くなることから、調理空間30内の空気の対流が生じ難くなり、当該調理空間30内における熱の移動は極めて小さくなる。
したがって、蓋体24の天面部24bに空気室32を設けることにより、蓋体24を通過して行われる放熱の速度を低下させることができるとともに、対流伝熱による調理空間30内の熱移動をも阻害することができるので、調理鍋12の熱が外部へ放散するのを抑えることができる。
加えて、調理鍋12における周側面の全周から突設された鍔部44の先端が調理空間30の内側壁30aに近接しているので、上述のように、調理鍋12の側面から伝導伝熱によって当該表面近傍の空気が暖められたとき(A)、暖められた空気が対流によって調理鍋12と調理空間30を構成する内側壁30aとの間を上昇するのを当該鍔部44によってある程度阻害することができるようになり(F)、調理空間30上部の昇温を遅らせ、調理鍋12の熱が調理空間30上部から放散するのをさらに抑えることができる。
また、土鍋等に代表されるセラミックス製の調理鍋12は、同温度の金属製調理鍋に比べて大量の遠赤外線を放射(D)することができる。この遠赤外線によれば、単に調理鍋12の中の食材を効率よく熱することができるだけでなく、調理鍋12の熱の主たる伝熱ルートである、「空気を介した内側壁30aへの伝導伝熱(E)」速度を小さくして、調理鍋12の熱が本体容器22の側面から外部へ放散するのを抑えることができる。
すなわち、遠赤外線は、電磁波の一種であり、物体に吸収されることによって熱を発生させることから、遠赤外線による伝熱は放射伝熱(D)となる。放射伝熱による伝熱速度は、「高温側の温度と、低温側の温度との差」に比例する伝導伝熱(E)とは異なり、「高温側の温度と、低温側の温度とをそれぞれ4乗した値の差」に比例する。したがって、高温の調理鍋12の側面から放射された遠赤外線は、調理空間30内の空気を介して伝導伝熱するよりも早く、当該側面に対向する内側壁30aを昇温させることになり、当該内側壁30aが昇温すると、高温側(調理鍋12の側面)の温度と低温側(内側壁30a)の温度との差が小さくなるので、主たる伝熱ルートである「伝導伝熱」速度が小さくなり、調理鍋12の熱が本体容器22の側面から外部へ放散するのを抑えることができる。
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載の調理器具10の改良に関し、
「前記蓋体24の天面部24bにおける内表面24aの中央部には、前記空気室32に連通する連通孔42が形成されており、
前記連通孔42の内表面側周縁42aは、前記蓋体24で前記調理用凹所26を閉じたとき、収容された前記調理鍋12の天面12aに近接する位置に形成されている」ことを特徴とする。
本発明の調理器具10では、調理空間30に調理鍋12を収容し、蓋体24を被せた状態において、図2に示すように、調理鍋12の天面12a中央部(連通孔42に対応する部分)と空気室32とが連通孔42を介して繋がっており、また、連通孔42の内表面側周縁42aが調理鍋12の天面12aに近接する位置にあることから、調理空間30と連通孔42とは、空気の通流という点でほぼ縁切りされている。
調理空間30に加熱済みの調理鍋12を収容したとき、上述のように、調理鍋12の側面から伝導伝熱によって当該側面近傍の空気が暖められ(A)、暖められた空気が調理空間30内を上昇していく(対流伝熱)ことにより(B)、調理空間30内は、その上部温度が下部温度に比べて高い状態となる。このとき、調理空間30と連通孔42とは縁切りされているので、調理空間30内を上昇してきた暖かい空気が連通孔42(およびこれに繋がる空気室32)に流入するおそれはほとんどない(C)。
一方、これと同時に、調理鍋12の天面12a中央部から伝導伝熱によって連通孔42の空気が暖められ、暖められた空気が空気室32内を上昇していく(対流伝熱)ことにより(D)、調理空間30上部の熱が蓋体24の天面部24bにおける内表面24aから伝導伝熱によって空気室32に伝えられる(E)よりもはるかに早く、空気室32が昇温される。
このように、調理空間30上部の温度と空気室32の温度との差がより早く小さくなることにより、調理空間30上部の熱が伝導伝熱によって空気室32に伝わる速度がさらに低くなることから、調理鍋12の熱が上部へ放散するのをさらに抑えて、当該熱が保温調理容器14から外部へ放散するのをさらに抑えることができる。
請求項3に記載した発明は、請求項1または2に記載の調理器具10の改良に関し、
「前記調理空間30の内側壁30aには、周方向に延びる畝状部48が突設されている」ことを特徴とする。
本発明では、調理空間30の内側壁30aから突設された、周方向に延びる畝状部48の存在により、暖められた空気が対流によって調理鍋12と調理空間30を構成する内側壁30aとの間を上昇するのをある程度阻害することができるようになる(図3中(G))ので、調理空間30上部の昇温を遅らせることができ、調理鍋12の熱が調理空間30上部から放散するのをさらに抑えることができる。
本発明によれば、外部への熱の流出を抑えて調理鍋の温度低下をさらに緩やかにすることにより、あたかも加熱状態が継続されているかのように調理を行うことのできる調理器具を提供することができた。
第1実施例の調理器具を示す断面図である。 第2実施例の調理器具を示す断面図である。 第2実施例に係るその他の調理器具を示す断面図である。 従来技術を示す図である。
以下、本発明の実施態様について図面を用いて説明する。最初に、蓋体24の内表面24aと空気室32との間に連通孔42が設けられていない第1実施例について説明し、然る後、連通孔42が設けられた第2実施例について説明する。
なお、第2実施例の説明における第1実施例との共通部分については、第1実施例の説明を援用してその説明を省略し、相違部分を中心に説明する。
(第1実施例)
本実施例の調理器具10は、図1に示すように、大略、調理鍋12と、保温調理容器14とで構成されている。
調理鍋12は、セラミックス(例えば、土鍋)製の鍋本体16および鍋蓋18で構成されており、必要に応じて、鍋蓋18の頂部に摘み20が取り付けられている。
また、調理鍋12には、当該調理鍋12における周側面の全周から突き出すようにして鍔部44が形成されており、当該鍔部44の先端44aは、調理空間30の内側壁30aに近接するようになっている。
この、「調理空間30の内側壁30aに近接する」とは、調理鍋12の側面からの熱によって暖められた空気が、対流によって調理鍋12と内側壁30aとの間を上昇するのをある程度阻害することができるような位置に鍔部44の先端44aが有ることを意味している。
したがって、鍔部44は、対流を阻害する点で、調理鍋12の全周から突設されているのが好適であるが、これに限定されるものではなく、全周の内の一部から突設されていればよい(鍔部44に手を掛けて調理鍋12を持ち上げることになるから、少なくとも調理鍋12の周側面における互いに対向する位置に一対の鍔部44を設けることが考えられる。)。
なお、鍔部44は、保温調理容器14を構成する本体容器22(後述)と蓋体24(後述)との合わせ面の位置よりも上方に設けるのが好適である。蓋体24を取り外した状態で本体容器22の調理用凹所26に調理鍋12を出し入れする際、本体容器22の上端よりも上方に設けられた鍔部44が露出するので、当該鍔部44に手を掛けやすいからである。
保温調理容器14は、本体容器22と、蓋体24とで構成されている。
本体容器22は、調理鍋12を収容する、天面が開口した調理用凹所26が形成された、平断面が略円形の発泡スチロール製の部材である。また、調理用凹所26の外周上端部には、蓋体24の嵌合凸部62(後述)が嵌合される、当該凹所26よりも浅い嵌合段部60が形成されている。
蓋体24は、本体容器22に形成された調理用凹所26の開口を覆ってその内部に調理空間30を構成する、本体容器22と同じく平断面が略円形の発泡スチロール製部材である。また、蓋体24の中央部には、本体容器22の調理用凹所26と組み合わされて調理空間30となる上部調理用凹所27が形成されているとともに、当該上部調理用凹所27の外周下端部には、本体容器22の嵌合段部60に嵌合される嵌合凸部62が形成されている。
本体容器22と蓋体24とを組み合わせることにより、図示するような、内部に調理空間30を有する樽状の保温調理容器14となる。なお、本体容器22と蓋体24とは、上述のような嵌め込みタイプでもよいし、嵌合凸部62および嵌合段部60の両対向面に雌雄ねじを形成して螺合させてもよい。
また、蓋体24の天面部24bにおける厚さ方向中央部には、空気が閉じこめられた空気室32が設けられている。本実施例では、蓋体24は、本体容器22に被せられる蓋本体34と、当該蓋本体34の天面に組み合わされる天蓋36とに分けられており、蓋本体34の天面に蓋本体凹所38を形成するとともに、当該蓋本体凹所38の外周に同凹所38よりも浅い嵌合段部39を形成し、かつ、天蓋36の内面(下面)に天蓋凹所40を形成するとともに、当該天蓋凹所40の外周に蓋本体34の嵌合段部39に嵌り込む嵌合凸部41を形成することにより、天蓋36の嵌合凸部41を蓋本体34の嵌合段部39に嵌め込んで天蓋36と蓋本体34とを組み合わせたときに、蓋本体凹所38および天蓋凹所40によって空気室32が形成されるようになっている。
もちろん、蓋体24を一体形成してもよいが、本実施例のように分割することにより、空気室32の形成が容易になる点で好適である。なお、当該空気室32に保冷材や氷等を入れて保温調理容器14をクーラーボックスとして使用することもできる。また、天蓋36と蓋本体34とは、上述のような嵌め込みタイプでもよいし、嵌合凸部41および嵌合段部39の両対向面に雌雄ねじを形成して螺合させてもよい。
なお、本体容器22および蓋体24は、低熱伝導率材料であれば発泡スチロール製に限られることはなく、例えば、樹脂板や金属板の間に断熱材を挟んだものであってもよい。
また、本実施例では、調理用凹所26の底面にコルク板28が鍋敷きとして配設されている。当該コルク板28は、調理鍋12の底面からの熱を断熱する役割だけでなく、加熱済みの調理鍋12が載置された調理用凹所26の底面が発泡スチロールの三次発泡によって溶融変形するのを防止する役割も有している。もちろん、金属板のように変形のおそれがない表面材料を使用する場合には、必ずしもコルク板28を用いる必要はない。
本実施例の調理器具10は、調理鍋12がセラミックス製であり、かつ、保温調理容器14の蓋体24における厚さ方向中央部に空気室32が設けられていることから、図示しないガスコンロ等で食材を入れた調理鍋12を加熱し、然る後、本体容器22の調理用凹所26に収容して、蓋体24を被せることにより、調理鍋12が有する熱が外部へ放散される速さ(放熱速度)を著しく低下させて、あたかも加熱状態が継続されているかのように調理鍋12の温度低下を緩やかにして調理を行うことができる。
すなわち、調理鍋12の表面から伝導伝熱によって当該表面近傍の空気が暖められ(A)、暖められた空気が、調理鍋12と調理空間30を構成する内壁面との間を上昇していく(対流伝熱)ことにより(B)、調理空間30内は、その上部温度が下部温度に比べて高い状態となる。
このとき、温度の高い調理空間30上部の熱は、蓋体24の天面部24bにおける内表面24aに伝導された後、蓋体24内を通っていくのであるが(C)、本実施例の蓋体24の天面部24bには、その厚さ方向中央部に空気室32が設けられていることから、熱伝導率が極めて小さい空気が蓋体24の内表面24aから外表面に至る伝導伝熱を著しく阻害する(C’)。
調理空間30上部の熱が蓋体24の外表面から放散される放熱速度が著しく小さくなると、調理空間30上部は高い温度を維持し続けることになる。すると、当該調理空間30上部に新たな空気が流入し難くなることから、調理鍋12と調理空間30の内側壁30aとの間における空気の対流が生じ難くなり、当該調理空間30内における熱の移動は極めて小さくなる。
したがって、蓋体24の天面部24bに空気室32を設けることにより、蓋体24を通過して行われる放熱速度を低下させることができるだけでなく、対流伝熱による調理空間30内の熱移動をも阻害することができるので、調理鍋12の熱が外部へ放散するのを抑えることができる。
加えて、調理鍋12における周側面の全周から突設された鍔部44の先端が調理空間30の内側壁30aに近接しているので、上述のように、調理鍋12の側面からの熱で暖められた空気が対流によって調理鍋12と内側壁30aとの間を上昇するのを当該鍔部44によってある程度阻害することができるようになり(F)、調理空間30上部の昇温を遅らせることによって調理鍋12の熱が調理空間30上部から放散するのをさらに抑えることができる。
また、土鍋等に代表されるセラミックス製の調理鍋12は、同温度の金属製調理鍋に比べて大量の遠赤外線を放射(D)することができる。この遠赤外線によれば、単に調理鍋12の中の食材を効率よく熱することができるだけでなく、調理鍋12の熱の主たる伝熱ルートである、「空気を介した内側壁30aへの伝導伝熱(E)」速度を小さくして、調理鍋12の熱が本体容器22の側面から外部へ放散するのを抑えることができる。
すなわち、遠赤外線は、電磁波の一種であり、物体に吸収されることによって熱を発生させることから、遠赤外線による伝熱は放射伝熱(D)となる。放射伝熱による伝熱速度は、「高温側の温度と、低温側の温度との差」に比例する伝導伝熱(E)とは異なり、「高温側の温度と、低温側の温度とをそれぞれ4乗した値の差」に比例する。したがって、高温の調理鍋12の側面から放射された遠赤外線は、調理空間30内の空気を介して伝導伝熱するよりも早く、当該側面に対向する内側壁30aを昇温させることになり、当該内側壁30aが昇温すると、高温側(調理鍋12の側面)の温度と低温側(内側壁30a)の温度との差が小さくなるので、主たる伝熱ルートである「伝導伝熱」速度が小さくなり、調理鍋12の熱が本体容器22の側面から外部へ放散するのを抑えることができる。
(第2実施例)
第2実施例について図2を用いて説明する。なお、上述した第1実施例と、この第2実施例とは、基本的に、蓋体24に連通孔42が設けられている点において相違しているだけであるから第2実施例の説明における第1実施例との共通部分については、第1実施例の説明を援用してその説明を省略し、相違部分を中心に説明する。
蓋体24の内表面24a(本実施例のように、蓋体24の中央部に上部調理用凹所27が形成されている場合には、当該凹所27の底面がこれに相当する。)の中央部には、空気室32と外部とを互いに連通する連通孔42が形成されており、当該連通孔42の内表面側周縁42aは、調理鍋12を収容した状態で蓋体24を本体容器22に嵌め合わせたとき、当該調理鍋12の天面に近接するような位置に形成されている(換言すれば、空気室32と調理空間30との間には、平板リング状の庇部46が蓋体24から内壁から突設されている。)。なお、「調理鍋12の天面に近接する位置」とは、調理鍋12の側面から伝導伝熱によって暖められた空気が調理鍋12と調理空間30の内側壁30aとの間を対流によって上昇していったとき(B)、当該暖められた空気が連通孔42(および空気室32)に流入するのを阻害できる(C)程度に、調理空間30と連通孔42とを縁切りする位置を意味しており、連通孔42の内表面側周縁42aと調理鍋12の天面12aとが互いに接触している状態に限られるものではない。
本実施例の調理器具10によれば、第1実施例で述べた作用効果に加えて、以下の作用効果を奏することができる。
すなわち、調理空間30に調理鍋12を収容し、蓋体24を被せた状態において、図2に示すように、調理鍋12の天面12a中央部(連通孔42に対応する部分)と空気室32とが連通孔42を介して繋がっており、また、連通孔42の内表面側周縁が、上述のように、調理空間30と連通孔42とを、空気の通流という点でほぼ縁切りしている。
このため、調理空間30に加熱済みの調理鍋12を収容したとき、上述のように、調理鍋12の側面から伝導伝熱によって当該表面近傍の空気が暖められ(A)、暖められた空気が、調理鍋12と調理空間30の内側壁30aとの間を上昇していく(対流伝熱)ことにより(B)、調理空間30内は、その上部温度が下部温度に比べて高い状態となるが、調理空間30と連通孔42とは縁切りされているので、調理空間30内を上昇してきた暖かい空気が連通孔42(および空気室32)に流入するおそれはほとんどない(C)。
一方、これと同時に、調理鍋12の天面12a中央部から伝導伝熱によって連通孔42に有る空気が暖められ、暖められた空気が空気室32内を上昇していく(対流伝熱)ことにより(D)、調理空間30上部の熱が蓋体24の内表面24aから伝導伝熱によって庇部46を通過して空気室32に伝えられる(E)よりもはるかに早く、空気室32が昇温される。
このように、調理空間30上部の温度と空気室32の温度との差がより早く小さくなることにより、調理空間30上部の熱が伝導伝熱によって空気室32に伝わる速度がさらに低くなることから、調理鍋12の熱が上部へ放散するのをさらに抑えて、当該熱が保温調理容器14から外部へ放散するのをさらに抑えることができる。
なお、図3に示すように、調理空間30の内側壁30aとなる本体容器22や蓋体24の内側面に、周方向に延びる畝状部48を突設してもよい。当該畝状部48の存在により、暖められた空気が対流によって調理鍋12と調理空間30の内側壁30aとの間を上昇するのをある程度阻害することができるようになる(G)ので、調理空間30上部の昇温を遅らせることができ、調理鍋12の熱が調理空間30上部から放散するのをさらに抑えることができる。したがって、当該畝状部48も、鍔部44と同様、対流を阻害する点で、内側壁30aの全周から突設されているのが好適であるが、これに限られるものではない。
10…調理器具
12…調理鍋
14…保温調理容器
16…鍋本体
18…鍋蓋
20…摘み
22…本体容器
24…蓋体
26…調理用凹所
27…上部調理用凹所
28…コルク板
30…調理空間
32…空気室
34…蓋本体
36…天蓋
38…蓋本体凹所
39…嵌合段部
40…天蓋凹所
41…嵌合凸部
42…連通孔
44…鍔部
46…庇部
48…畝状部
60…嵌合段部
62…嵌合凸部

Claims (3)

  1. セラミックス製の調理鍋と、
    天面に設けた開口から前記調理鍋を収容する調理用凹所が形成された本体容器、および前記調理用凹所の開口を覆って調理空間を形成する蓋体で構成された保温調理容器とで構成されており、
    前記蓋体の天面部における厚さ方向中央部には、空気室が設けられており、
    前記調理鍋は、その周側面の全周から突設された鍔部を有しており、
    前記鍔部は、前記調理鍋を前記調理空間に収容したときに、その先端が前記調理空間を形成する内側壁に近接する位置にあることを特徴とする調理器具。
  2. 前記蓋体の天面部における内表面の中央部には、前記空気室に連通する連通孔が形成されており、
    前記連通孔の内表面側周縁は、前記蓋体で前記調理用凹所を閉じたとき、収容された前記調理鍋の天面に近接する位置に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の調理器具。
  3. 前記調理空間の内側壁には、周方向に延びる畝状部が突設されていることを特徴とする請求項1または2に記載の調理器具。
JP2010285986A 2010-12-22 2010-12-22 調理器具 Pending JP2012130549A (ja)

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