JPH05345813A - 水添ブロック共重合体 - Google Patents

水添ブロック共重合体

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JPH05345813A
JPH05345813A JP18042792A JP18042792A JPH05345813A JP H05345813 A JPH05345813 A JP H05345813A JP 18042792 A JP18042792 A JP 18042792A JP 18042792 A JP18042792 A JP 18042792A JP H05345813 A JPH05345813 A JP H05345813A
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博道 中田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 有機溶媒に対する耐溶剤性に優れ、柔軟で低
温特性・力学強度の良好な水添ブロック共重合体を提供
する。 【構成】 ブタジエンからなる重合体ブロックと、ビニ
ル芳香族化合物からなる重合体ブロックとイソプレンと
ブタジエンとの混合モノマーからなるランダム共重合体
ブロックからなるブロック共重合体を、水添することに
より得られるブロック共重合体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は有機溶媒に対する耐溶剤
性に優れ、柔軟で低温特性・力学強度の良好な水添ブロ
ック共重合体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】共役ジエンとビニル芳香族化合物とから
なるブロック共重合体の水添物は加熱することにより可
塑化するエラストマー、いわゆる熱可塑性エラストマー
であり、耐候・耐熱性が良く優れたゴム弾性を示し柔軟
性に優れ、加硫することなく加硫ゴムと同等の強度及び
弾性特性を示すことから、従来の加硫ゴムに代わり日用
雑貨品、自動車用部品、弱電部品、各種工業用品に広範
囲に使われている。
【0003】このようなブロック共重合体の水添物は、
共役ジエンとビニル芳香族化合物との共重合により得ら
れるブロック共重合体を水添することによって得られる
(特公昭42−4704号公報、特公昭42−8933
号公報、特公昭43−6636号公報、特公昭48−3
555号公報、特開昭46−7291号公報など参
照)。
【0004】しかしながらこれらのブロック共重合体の
水添物を上記の様な各種用途に用いるにあたり、鉱物
油、有機溶媒あるいはアスファルトのような精製石油生
成物の留分と接触し、またはそれらの蒸気と接触する部
位に使用される場合、それらの成分により溶解あるいは
膨潤してしまうという欠点を有しているため、これらの
用途が限定されている。
【0005】この有機溶媒に対する耐溶剤性を改良する
ためにブロック共重合体の分子の両末端に1,4−結合
が75%以上であるブタジエンブロックを導入したブロ
ック共重合体を80%以上水添することが有効であると
提案されている(米国特許第3670054号参照)。
しかしここで示されているブロック共重合体の水添物に
は、ゴム弾性を発現させるために分子中央のブロックと
してイソプレンまたはブタジエンの重合体が用いられて
いるが、イソプレンを用いた場合、有機溶媒に対する耐
溶剤性は十分示すが力学強度が低いという欠点がある。
また、ブタジエンを用いた場合、ブタジエンブロックの
ミクロ構造に柔軟性、低温特性が大きく影響され、例え
ば、ブタジエンブロックの1,2−結合量が少ない場合
ゴム弾性が発現されず、これを多くするとゴム弾性は示
すものの低温特性が劣るという欠点がある。したがっ
て、低温特性、ゴム弾性を満足させるためにブタジエン
ブロックの1,2−結合量を35〜55%にする必要が
あることが示されている。1,2−結合量を前記範囲に
制御するためにビニル芳香族化合物を重合し、ついでブ
タジエンを重合する際に重合系にテトラメチルエチレン
ジアミン、ジエチレングリコールジメチルエーテル等の
ルイス塩基を少量添加することが必要である。しかしな
がらこの方法を用いると末端に導入されるブタジエンブ
ロックの1,2−結合量が増加し、1,4−結合量が7
5%以上に達せず、ブロック共重合体の水添物は有機溶
媒に対する耐溶剤性が劣ってしまう。従って、分子中央
のブロックにブタジエンを用いた場合に目的のブロック
共重合体を得るためには、1,4−結合量が75%以上
のブタジエンブロック、ビニル芳香族化合物ブロック、
1,2−結合量を増加したブタジエンブロックを逐次重
合した後に、カップリング剤を用いてカップリングする
方法しかとり得ないが、カップリングの際、カップリン
グ反応の効率に限界があり、この場合十分な強度を有す
る水添ブロック共重合体が得られない。
【0006】その結果、有機溶媒に対する耐溶剤性、力
学強度、柔軟性を同時に満たすブロック共重合体が得ら
れていないのが現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、有機
溶媒に対する耐溶剤性に優れ、柔軟で低温特性・力学強
度の良好な水添ブロック共重合体を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば上記課題
は、下記式 Z−X−Y−X−Z (式中、Xはビニル芳香族化合物からなる平均分子量3
000〜7000の重合体ブロックを表わし、Yはイソ
プレンとブタジエンとからなるランダム共重合体ブロッ
クを表わし、Zはブタジエンからなる平均分子量が15
00〜30000の重合体ブロックを表わす。)で表わ
される構造を有するブロック共重合体であって、Yおよ
びZで表わされるブロック鎖中に含まれる1,4−結合
量が80%以上であり、かつYおよびZで表わされるブ
ロック鎖中の不飽和結合の80%以上が水添された平均
分子量が20000〜300000の水添ブロック共重
合体により達成される。
【0009】本発明において用いられる重合体ブロック
(X)のビニル芳香族化合物としては、例えばスチレ
ン、α−メチルスチレン、o−,m−またはp−メチル
スチレン、1,3−ジメチルスチレン、ビニルナフタレ
ン、ビニルアントラセン等が挙げられ、中でもスチレン
もしくはα−メチルスチレンが好ましく用いられる。こ
れらの化合物は単独であるいは二種類以上を併用するこ
とができる。
【0010】ビニル芳香族化合物からなる重合体ブロッ
ク(X)の分子量は3000〜7000の範囲にあるこ
とが必要である。分子量がこの範囲より小さい場合は、
得られる水添ブロック共重合体の力学物性が劣り好まし
くない。分子量がこの範囲よりも大きい場合は、得られ
る水添ブロック共重合体の溶融粘度が高くなり流動加工
性が劣るために好ましくない。
【0011】本発明において重合体ブロック(Y)はイ
ソプレンとブタジエンとのランダム共重合体からなり、
その組成はイソプレン/ブタジエン=99/1〜5/9
5(重量比)の範囲のものである。好ましい範囲は90
/10〜20/80(重量比)である。
【0012】重合体ブロック(Y)は不飽和結合部分が
水添されていることに由来する結晶性を示さないように
共重合体の形態を制御する必要がある。このため、イソ
プレンとブタジエンを完全にブロック共重合した場合、
あるいは、テーパードブロックで共重合した場合、得ら
れるブロック共重合体のブタジエン連鎖が長くなり、水
添した場合に、その結晶性により柔軟性、低温特性を損
なうことになる。
【0013】したがって、該重合体ブロック(Y)のイ
ソプレンとブタジエンの共重合体の形態はランダム共重
合体である必要がある。
【0014】本発明において重合体ブロック(Z)はブ
タジエン重合体からなるブロックであり、その分子量は
1500〜30000の範囲にあることが必要である。
分子量がこの範囲より低い場合は得られる水添ブロック
共重合体の耐溶剤性の効果が得られず、この範囲より高
い場合水添ブロック共重合体の耐溶剤性は改良される
が、加工性、ゴム弾性が低下し好ましくない。
【0015】重合体ブロック(Y)および(Z)はま
た、1,4−結合量が80%以上である必要がある。
1,4−結合量が80%未満では得られる水添ブロック
共重合体の耐溶剤性の改良効果に劣るという欠点があ
る。
【0016】重合体ブロック(Y)および(Z)はま
た、鎖中の不飽和結合の80%以上が水添されている必
要がある。水添率80%未満では、得られる水添ブロッ
ク共重合体の耐溶剤性の改良効果が発現されず、また耐
候性、耐熱性が得られず好ましくない。
【0017】本発明の水添ブロック共重合体の形態はZ
−X−Y−X−Zで示され、平均分子量が20000〜
300000の範囲にあることを要する。分子量がこの
範囲よりも低い場合は得られる水添ブロック共重合体の
ゴム弾性が乏しく、また力学強度が低いものであり、こ
の範囲よりも高い場合は溶融粘度が高く加工性が低下し
好ましくない。
【0018】本発明のブロック共重合体の未水添物は公
知のアニオン重合により容易に得られる。その合成例と
してアルキルリチウム化合物を開始剤としてブタジエ
ン、ビニル芳香族化合物、イソプレン−ブタジエンを逐
次重合させる方法、またはジリチウム系化合物を開始剤
としてイソプレン−ブタジエン、ビニル芳香族化合物、
ブタジエンを逐次重合する方法等があげられる。アルキ
ルリチウムの例としてはアルキル残基の炭素数が1〜1
0のアルキル化合物があげられるが、特にエチルリチウ
ム、n−プロピルリチウム、sec−ブチルリチウム、
tert−ブチルリチウムが好ましい。ジリチウム化合
物の例としてはヘキサメチレンジリウム、ナフタレンジ
リチウム、オリゴスチルジリチウム、ジリチオスチルベ
ンゼン等があげられる。使用量は重合に用いられる全モ
ノマー100部に対し、各開始剤0.01〜0.3重量
部が適当である。重合時に使用しうる有機溶媒として
は、ブタン、ペンタン、n−ヘキサン、イソペンタン、
ヘプタン、オクタン、等の脂肪族炭化水素、シクロペン
タン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチル
シクロヘキサン等の脂環式炭化水素、あるいはベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素が例示され
る。
【0019】重合はいずれの重合法による場合も−20
〜80℃の温度範囲、1〜50時間の範囲で行われる。
【0020】ブロック共重合体は重合液をメタノールな
どの貧溶媒中に添加し、凝固させた後、加熱あるいは減
圧乾燥させるか、重合液を沸騰水中に滴下し、溶剤を共
沸させた後、加熱あるいは減圧乾燥させて得られる。
【0021】得られたブロック共重合体は公知の方法に
したがって水添処理される。推奨される方法として、水
添反応及び水添触媒に対して不活性な溶媒に該ブロック
共重合体を溶解した状態で分子状水素を反応させる方法
があげられる。水添触媒としては、白金、パラジウム等
の貴金属系触媒、ラネーニッケル、有機ニッケル化合
物、有機コバルト化合物あるいはこれらの化合物と他の
有機金属化合物との複合系触媒が例示される。水添反応
は、水素圧力が常圧ないし200kg/cm2 、反応時
間0.1ないし100時間の範囲で行われる。水添反応
後のブロック共重合体は、メタノール等により凝固させ
た後、加熱あるいは減圧乾燥させるか、重合液を沸騰水
中に滴下し、溶剤を共沸させた後、加熱あるいは減圧乾
燥させて得られる。
【0022】こうして得られる本発明の水添ブロック共
重合体はそれ単独で使用されるほか、各種熱可塑性樹脂
あるいは各種熱可塑性エラストマーと混合して用いるこ
とが可能である。用いうる熱可塑性樹脂あるいは熱可塑
性エラストマーとしては、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、プロピレンとエチレンあるいは1−ブテンなどのα
−オレフィン等との共重合体からなるポリオレフィン樹
脂、ポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン、AB
S等のスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、
ナイロン−6、ナイロン−66、ナイロン−12などの
ポリアミド系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ス
チレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体および
その水添物、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック
共重合体およびその水添物等を例示することができる
が、ポリプロピレンおよびプロピレンとエチレンとのブ
ロック共重合体が特に好ましい。
【0023】本発明の水添ブロック共重合体は粘・接着
剤用ベースポリマー、各種成形品に使用することができ
る。これらの用途に用いる場合、必要に応じてパラフィ
ン系オイルあるいはナフテン系オイルと呼ばれる鉱物油
系軟化剤の添加が可能である。また、組成物の耐熱性、
耐候性を目的として、炭素カルシウム、タルク、カーボ
ンブラック、酸化チタン、シリカ、クレー、硫酸バリウ
ム、炭酸マグネシウム等の無機充填剤を混合することが
できる。さらには、ガラス繊維、カーボン繊維のような
無機あるいは有機繊維状物の混合も目的に応じて可能で
ある。この他熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、難燃
剤、粘着付与剤、帯電防止剤、発泡剤等の添加も可能で
ある。また、本発明の水添ブロック共重合体および上記
のように各種熱可塑性樹脂あるいは熱可塑性エラストマ
ーと混合して用いる場合の成形加工には、従来より公知
の方法、例えば押出成形、射出成形、中空成形、圧縮成
形、カレンダー成形などにより、実用上有用な成形品に
加工することができる。またその使用用途としてはシー
ト、フィルム状に成形し、あるいは他のシート、フィル
ムと複層成形し、日用雑貨包装、工業資材包装、食品包
装等のシート、フィルム用途、ホース、チューブ、ベル
ト等の用途、スポーツシューズ、ファッションサンダル
等の履物用途、テレビ、ステレオ、掃除機等の家電用品
用途、バンパー部品、ボディーパネル等の自動車用内外
装部品用途など、日用品、レジャー用品、文房具、玩
具、工業用品などの分野に及ぶ幅広い用途に用いられ
る。
【0024】本発明の水添ブロック共重合体は有機溶媒
に対する耐溶剤性に優れ有機溶媒に接触あるいはその成
分の蒸気に接触する部位に好適に使用される。さらには
また他の有機溶媒に対する耐溶剤性に劣る基材にシート
あるいはフィルムとして複層することにより有機溶媒に
対する耐溶剤性を付与するという方法も好適に使用され
る。
【0025】
【実施例】本発明をより具体的かつ詳細に説明するため
に以下に実施例を示すが、本発明はこれらの実施例によ
り限定されるものではない。
【0026】尚、本発明により得られるブロック共重合
体の性状および水添ブロック共重合体の性能評価は以下
に示す方法によった。
【0027】a)分子量 ブロック共重合体の数平均分子量は低角度レーザー光散
乱検出器つきゲルパーミエーションクロマトグラフィ
(LALLS−GPC)を用いて測定した。
【0028】b)ミクロ構造 水添前のブロック共重合体を重水素化したトルエンに溶
解し、500メガヘルツの核磁気共鳴装置(NMR)を
用い 1Hの化学シフトを測定することにより、共役ジエ
ンからなる重合体ブロック(Y)および(Z)の1,4
−結合量を算出した。
【0029】c)水添率 JIS K−0070に準拠し、ヨウ素価法により算出
した。
【0030】d)耐溶剤性 水添ブロック共重合体を230℃の熱プレスを用いて縦
2cm、横1cm、厚さ1mmのシートを作製し、シー
トの重量を精秤した。作製したシートをシート重量の1
0倍量のトルエンに浸漬し、振とう器を用いて室温にて
24時間振とうした後、未溶解分を濾過し、減圧乾燥後
の重量を精秤し、浸漬前後の重量減少率を下記式により
算出し、耐溶剤性の指標とした。
【0031】 e)低温特性 示差走査熱測定法(differential scanning calorimetr
y 、DSCと略す)により重合体ブロック(Y)のガラ
ス転移温度(Tg)を測定し、低温特性の指標とした。
【0032】f)耐熱性 水添ブロック共重合体を230℃の熱プレスを用いて厚
さ2mmのシートを作製し、このシートを150℃のエ
アーオーブン中に24時間置いた後取り出し、室温にま
で冷却した際のシート表面のべたつきを指触により判定
し、耐熱性評価の指標とした。結果の表示は◎:良好、
○:普通、△:やや劣る、×:劣るを示す。
【0033】g)力学強度および柔軟性 上記f)で作製したシートを用いJIS K−6301
に準拠し、破断強度、破断伸びおよび100%モジュラ
スを測定し、100%モジュラスを柔軟性の指標とし
た。
【0034】h)溶融流動性 水添ブロック共重合体をメルトインデクサーを用い、温
度200℃、荷重2160gの条件でメルトインデック
ス(以下MI)を測定した。
【0035】実施例1 撹拌装置付き耐圧容器中にシクロヘキサン2000g、
ブタジエン30gおよびn−ブチルリチウム0.9gを
加え、50℃で60分間重合し、次いでスチレンを65
g加えて60分間、次いでイソプレン175gとブタジ
エン115gの混合モノマーを加えて60分間、次いで
スチレンを65g加え60分間、次いでブタジエン30
gを加えて60分間、重合することにより、ポリブタジ
エン〜ポリスチレン〜ポリ共役ジエン〜ポリスチレン〜
ポリブタジエン型ブロック共重合体を得た。得られたブ
ロック共重合体の分析値を表2に示した。このポリマー
溶液のポリマー濃度が15重量%となるようにシクロヘ
キサンを加え、減圧脱気後水素置換し、さらに0.5重
量%/ポリマーのパラジウム触媒を加え10kg/cm
2 の水素雰囲気下で水添反応を行い、水添率98%の水
添ブロック共重合体を得た。この水添ブロック共重合体
を上記の方法により物性評価を行い、得られた結果を表
3に示した。
【0036】実施例2 実施例1で得られたブロック共重合体を用いて水添率の
みを変えている以外は、実施例1と同様にして得た水添
ブロック共重合体であり、分析結果を表2に、物性評価
結果を表3に示した。
【0037】実施例3〜6 実施例3〜6は、開始剤および各モノマーの仕込み量を
変えた以外は実施例1と同様にして得られた水添ブロッ
ク共重合体であり、開始剤および各モノマーの仕込み量
を表1に、得られたブロック共重合体の分析値は表2
に、得られた水添ブロック共重合体の物性評価結果を表
3に示した。
【0038】実施例7 撹拌装置付き耐圧容器にシクロヘキサン2000g、ブ
タジエン30gおよびn−ブチルリチウム0.9gを加
え、50℃で60分間重合し、次いでスチレンを65g
加えて60分間、次いでテトラヒドロフラン0.7gを
加えた後、イソプレン175gとブタジエン115gの
混合モノマーを加えて60分間、次いでスチレンを65
g加えて60分間、次いでブタジエン30gを加えて6
0分間重合することにより、ポリブタジエン〜ポリスチ
レン〜ポリ共役ジエン〜ポリスチレン〜ポリブタジエン
型ブロック共重合体を得た。得られたブロック共重合体
の分析値を表2に示した。上記重合以外は実施例1と同
様にして水添率95%の水添ブロック共重合体を得た。
得られた水添ブロック共重合体の物性評価結果を表3に
示した。
【0039】実施例1〜7は本発明の水添ブロック共重
合体であり、有機溶媒に対する耐溶剤性の改良効果、力
学強度、柔軟性、低温特性、溶融流動性及び耐熱性に優
れており、本発明の目的とする水添ブロック共重合体が
得られている。
【0040】比較例1 比較例1は、テトラヒドロフランの添加量を変えた以外
は実施例7と同様にして得た水添ブロック共重合体で、
ブロック共重合体の分析値を表2に、水添ブロック共重
合体の物性評価結果を表3に示した。
【0041】この重合体では、YおよびZ中の1,4−
結合量が本発明の範囲外であり有機溶媒に対する耐溶剤
性が劣り好ましくない。
【0042】比較例2 比較例2は、実施例1で得られたブロック共重合体を用
いて水添率のみを変えている以外は、実施例1と同様に
して得た水添ブロック共重合体であり、分析結果を表2
に、物性評価結果を表3に示した。
【0043】この重合体では、YおよびZの鎖中の不飽
和結合の水添率が本発明の範囲外であり有機溶媒への耐
溶剤性の改良結果が乏しく、かつ耐熱性が劣り好ましく
ない。
【0044】比較例3〜10 比較例3〜10は、開始剤および各モノマーの仕込み量
を変えた以外は実施例1と同様にして得られた水添ブロ
ック共重合体である。開始剤および各モノマーの仕込み
量を表1に、ブロック共重合体の分析値を表2に、水添
ブロック共重合体の物性評価結果を表3に示した。
【0045】比較例3および4の両例とも耐溶剤性の改
良効果は発現されているが、スチレンブロックの数平均
分子量が本発明の範囲より低い場合、実施例1で得られ
る共重合体に比して破断強度が低く、また本発明の範囲
より高い場合は柔軟性に乏しく、かつMI値が低く溶融
流動性に劣り好ましくない。
【0046】比較例5で得られる重合体では、Yの組成
がイソプレンのみであり実施例1に比べて破断強度が劣
り好ましくない。
【0047】比較例6で得られる重合体では、Yの組成
がブタジエンのみであり柔軟性、低温特性が劣り好まし
くない。
【0048】比較例7で得られる重合体では、Zの数平
均分子量が本発明の範囲より低く耐溶剤性の改良効果の
発現に乏しく好ましくはない。
【0049】比較例8で得られる重合体では、Zの数平
均分子量が本発明の範囲を越えているので、耐溶剤性の
改良効果は発現されているものの、流動性に劣り好まし
くない。
【0050】比較例9で得られる重合体では、ブロック
共重合体の数平均分子量が本発明の範囲未満であり柔軟
性に乏しく好ましくない。
【0051】比較例10で得られる重合体では、ブロッ
ク共重合体の数平均分子量が本発明の範囲を越えてお
り、破断強度および溶融流動性に劣り好ましくない。
【0052】比較例11 撹拌装置付き耐圧容器中にシクロヘキサン2000g、
ブタジエン60gおよびn−ブチルリチウム1.8gを
加え、50℃で60分間重合し、1,4−結合量を分析
するために少量の試料を採取したのちスチレン130g
を加えて60分間重合し、ついでテトラヒドロフラン
4.7gを添加した後、ブタジエン145g加えて60
分間重合した。その後ジブロモブタン2.6gを加えカ
ップリング反応を行った。ここで得られたブロック共重
合体の分析値を表2に示した。初期ポリブタジエンブロ
ックの1,4−結合量は93%であり、ブロック共重合
体の1,4−結合量は54%であった。また得られたブ
ロック共重合体のカップリング効率をLALLS−GP
C分析により算出した結果84%であった。得られたブ
ロック共重合体を実施例1と同様の方法で水添率96%
の水添ブロック共重合体を得、その物性評価結果を表3
に示した。
【0053】この重合体では、耐溶剤性の改良効果は認
められたものの実施例1に比して破断強度が低く好まし
くない。
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】
【表3】
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、ブタジエンからなる重
合体ブロックと、ビニル芳香族化合物からなる重合体ブ
ロックとイソプレンとブタジエンとの混合モノマーから
なるランダム共重合体ブロックからなるブロック共重合
体を水添して得られる水添ブロック共重合体が提供さ
れ、この重合体は有機溶媒に対する耐溶剤性に優れ、力
学強度、柔軟性、低温特性、溶融流動性に富みかつ耐熱
性に優れているため、その特性を活かして、日用品、工
業用品、食品容器、包装材料等種々の分野で使用するこ
とができ、特に有機溶媒に直接、あるいはその成分の蒸
気に接触するような部位に好適に使用することができ
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式 Z−X−Y−X−Z (式中、Xはビニル芳香族化合物からなる平均分子量3
    000〜7000の重合体ブロックを表わし、Yはイソ
    プレンとブタジエンとからなるランダム共重合体ブロッ
    クを表わし、Zはブタジエンからなる平均分子量が15
    00〜30000の重合体ブロックを表わす。)で表わ
    される構造を有するブロック共重合体であって、Yおよ
    びZで表わされるブロック鎖中に含まれる1,4−結合
    量が80%以上であり、かつYおよびZで表わされるブ
    ロック鎖中の不飽和結合の80%以上が水添された平均
    分子量が20000〜300000の水添ブロック共重
    合体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002201210A (ja) * 2000-10-30 2002-07-19 Sumitomo Chem Co Ltd 固体樹脂の製造方法
JP2008001914A (ja) * 2007-09-13 2008-01-10 Mitsubishi Rayon Co Ltd 化学増幅型レジスト用樹脂
WO2023167152A1 (ja) * 2022-03-04 2023-09-07 旭化成株式会社 ブロック共重合体、樹脂組成物、硬化物、樹脂フィルム、プリプレグ、積層体、及び電子回路基板用の材料

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