JPH05344978A

JPH05344978A - トラカール

Info

Publication number: JPH05344978A
Application number: JP4329419A
Authority: JP
Inventors: Yasuo Goto; 康雄後藤; Yasuhiko Omagari; 泰彦大曲; Shinichi Nishigaki; 晋一西垣; Nobuhiko Washitsuka; 信彦鷲塚; Tsuruo Hatori; 鶴夫羽鳥; Akio Nakada; 明雄中田; Takeshi Tsukagoshi; 壯塚越; Seiji Kuramoto; 聖治倉本; Shuichi Kimura; 修一木村; Minoru Tsuruta; 稔鶴田
Original assignee: Olympus Optical Co Ltd
Current assignee: Olympus Corp
Priority date: 1992-04-14
Filing date: 1992-12-09
Publication date: 1993-12-27
Anticipated expiration: 2016-01-22
Also published as: JP3126077B2

Abstract

(57)【要約】【目的】体壁に内針を突き刺した際に外套管の圧縮変形
を防止することのできる刺入時の外套管の座屈を防止す
ることのできるトラカールを提供することを目的とす
る。【構成】線状部材７をコイル状に密に巻いて外套管４を
形成したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、たとえば腹腔鏡下の胆
のう摘出手術等に用いられるトラカールに関する。

【０００２】

【従来の技術】この種のトラカールは、一般に、腹壁等
の体壁に刺針される内針の外側に外套管を備えており、
この外套管で腹腔鏡や処置具等の医療器具を体腔内へ挿
通する挿通路を体壁に形成するように構成されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
従来のトラカールは、外套管が金属材料で形成されてい
ることから、内針を外套管から抜去した後、外套管内に
軟性の内視鏡を挿入し、内視鏡の挿入部を外套管の先端
から突出させて挿入部の湾曲部を湾曲させた場合には、
湾曲部が外套管の先端開口に当たり、挿入部の外皮を損
傷させてしまうという問題がある。

【０００４】そこで、このような不具合を解消するため
に、外套管を軟性材料で形成したものが提案されてい
る。しかしながら、このようなトラカールは、外套管が
軟性材料で形成されていることから、腹壁等の体壁に内
針を突き刺した際に外套管が圧縮変形してしまうという
問題があった。

【０００５】本発明は、上述した問題点に鑑みてなされ
たもので、その目的は体壁に内針を突き刺した際に外套
管の圧縮変形を防止することのできるトラカールを提供
することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、体壁に刺針される内針の外側に外套管を有
するトラカールにおいて、前記外套管に可撓性を持たせ
るとともに、軸方向の耐圧縮性を持たせたものである。

【０００７】

【作用】本発明に係るトラカールは、外套管に軸方向の
耐圧縮性を持たせてあるので、体壁に内針を突き刺した
際に外套管の圧縮変形を防止することができる。

【０００８】

【実施例】図１は本発明の第１実施例に係るトラカール
の概略構成を示す図であり、このトラカール１は、同図
に示すように、棒状の内針２を備えている。この内針２
はステンレス鋼等の金属材料で形成されており、その先
端部には腹壁等の体壁に刺針される針部３が設けられて
いる。なお、内針２の後端部に針部３を体壁に押し当て
るための押し当て部６が設けられている。

【０００９】また、トラカール１は、内針２の外側に外
套管４を備えている。この外套管４は、腹壁等の体壁に
腹腔鏡や処置具の挿通路を形成するためのものであり、
ワイヤ等の線状部材７をコイル状に密に巻いて形成され
ている。なお、外套管４の後端部には体腔内の気密性を
確保するための気密弁５が設けられている。また、前記
外套管４は体壁との接触抵抗を減少させるために先端部
が先細り部８となっている。

【００１０】このように構成されるトラカール１を腹壁
等の体壁に突き刺す場合は、まず外套管４の先端から突
出した内針２の針部３を体壁に押し当てる。そして、内
針２の後端部に設けられた押し当て部６を手で押して針
部３を外套管４と共に体壁に突き刺す。このとき、外套
管４は軸方向の圧縮力を受けることになるが、前述した
ように外套管４はワイヤ等の線状部材７をコイル状に密
に巻いて形成されているので、外套管４に軸方向の耐圧
縮性を持たせることができる。したがって、内針２を体
壁に突き刺した際に外套管４の圧縮変形を防止すること
ができる。

【００１１】なお、上述した第１実施例では、体壁との
接触抵抗を減少させるために外套管４の先端部を先細り
状に形成したが、図２に示すように、密巻コイルからな
る外套管４の先端に金属等からなるリング部材９を取り
付け、このリング部材９の外周面に先細状のテーパ部１
０を形成しても良い。

【００１２】また、上述した第１実施例では、１本の線
状部材５をコイル状に密に巻いて外套管４を形成した
が、図３に示すように、円形断面の線状部材１１と矩形
断面の線状部材１２とをコイル状に密に巻いて外套管４
を形成してもよい。そして、たとえば線状部材１２の両
側面に円弧状の係止溝１３を線状部材１２の長手方向に
沿って設け、線状部材１１が外套管４の半径方向にずれ
るのを防止するようにしてもよい。

【００１３】さらに、上述した第１実施例では、円形断
面の線状部材７をコイル状に密に巻回して外套管４を形
成したが、図４に示すように、矩形断面の線状部材１４
をコイル状に密に巻回して外套管４を形成してもよい。
そして、この線状部材１４の両側面に互いに嵌合し合う
凸条部１５と溝部１６を設けて外套管４の座屈強度を向
上させても良い。

【００１４】また、上述した第１実施例では、線状部材
７をコイル状に密に巻回して外套管４を形成したが、図
５に示すように密巻コイルからなる外套管４の内外表面
に樹脂等からなるコーティング層１７，１８を形成し、
コイル間に組織や血液等が入り込むのを防止するように
しても良い。

【００１５】また、図６に示すように密巻コイル又は密
巻螺旋管からなる外套管１９の外表面に網状管２０を被
せ、この網状管２０の表面に軟性チューブ２１を被せて
も良い。

【００１６】図７は本発明の第７実施例に係るトラカー
ルの概略構成図である。同図において、３１は内針であ
り、この内針３１の外側には外套管３２が設けられてい
る。この外套管３２は軟性チューブで形成されており、
内針３１の形状に合わせて先細状となっている。なお、
図中３３は押し当て部である。

【００１７】このように構成される本実施例では、軟性
チューブからなる外套管３２が先細状に形成されて、内
針３１の先細り部の形状に合わせてあるので、外套管３
２が縮もうとしても内針３１が変形をさせない。したが
って、内針３１を体壁に突き刺した際に外套管３２が圧
縮変形してしまうようなことがなく、外套管３２を内針
３１と共に体壁から体腔内に容易に刺し通すことができ
る。

【００１８】なお、上述した第７実施例では、軟性チュ
ーブからなる外套管３２の全体を先細状に形成して体壁
との接触抵抗を低減するようにしたが、図８及び図９に
示すように外套管３２の先端部分のみを先細状に形成し
ても同様の効果が得られる。そして、図８に示した第８
実施例では外套管３２の先端部分の内径を細くしてある
ので、図１０に示すように外套管３２内に鉗子４６等の
処置具を挿入した際に鉗子３４が外套管３２の内面に密
着するので、体腔内の気密性を保つことができると共に
鉗子３４が自重で落ち込んで体腔内を傷付ける心配もな
い。

【００１９】また、図８に示した第８実施例では、外套
管３２の先端傾斜角度が内針３１の先端傾斜角度よりも
小さくなっているので、体壁との接触抵抗が小さく、過
度の力がかからないので、急な突き出しとならず、安全
である。

【００２０】次に本発明の第９実施例を図１１乃至図１
３を参照して説明する。図１１及び図１２において、４
１は内針であり、この内針４１の外側には外套管４３が
設けられている。この外套管４３は軟性チューブで形成
されており、その外側には硬性スリーブ４４が外套管４
３の軸方向に摺動自在に設けられている。そして、外套
管４３の後端部にはフランジ部４５が設けられ、このフ
ランジ部４５と硬性スリーブ４４との間には、半円状の
ストッパ部材４６が外套管４３に対して着脱可能に設け
られている。

【００２１】このように構成されるトラカールを腹壁等
の体壁に突き刺す場合は、まず図１３の（ａ）に示すよ
うに、内針４１を体壁４７に突き刺した後、図１３の
（ｂ）に示すように内針４１を外套管４３から引き抜く
とともに、ストッパ部材４６を外套管４３から取り外
す。次に、図１３の（ｃ）に示すようにフランジ部４５
が硬性スリーブ４４に当たるまで外套管４３を体腔内に
押し込む。なお、図１３において、４８は軟性内視鏡の
挿入部である。

【００２２】上記のように本実施例では、軟性チューブ
からなる外套管４３の外側に硬性スリーブ４４が外套管
４３の軸方向に摺動自在に設けられているので、内針４
１を体壁４７に突き刺した際に外套管４３が圧縮変形す
るのを硬性スリーブ４４及びストッパ部材４６によって
防止することができる。

【００２３】次に本発明の第１０実施例を図１４および
図１５に示す。図１４において、５１は外套管５２と内
針５３とからなるトラカールであり、このトラカール５
１の外套管５２は、チューブ体５４と、このチューブ体
５４の基端部に接着固定された口金５５とで形成されて
いる。

【００２４】前記チューブ体５４はシリコンゴム、樹脂
等の軟質材で形成されており、その先端部には生体壁と
の摩擦抵抗を軽減するためにテーパ部５６が設けられて
いる。

【００２５】前記内針５３は金属等の硬質材料からなる
内針本体５７と、この内針本体５７の基端部に接着固定
された把持部５８とからなり、内針本体５７の先端周面
部には鋸歯状の縮み防止爪５９…が内針５３の軸方向に
沿って複数設けられている。これらの縮み防止爪５９…
は内針５３を患者の腹腔内に突き刺した際に外套管５２
のチューブ体５４が腹壁との摩擦抵抗によって圧縮変形
するのを防止するためのものであり、先端部がチューブ
体５４の内面に接触している。なお、縮み防止爪５９…
は基端部から先端部までの高さが内針本体５７の基端部
に近づくに従って漸次的に低くなっている。

【００２６】このように構成される本発明の第１０実施
例では、外套管５２の先端から突出した内針５３の先端
部を患者の腹壁に突き刺し、外套管５２を患者の腹腔内
に挿入しようとすると、腹壁との摩擦抵抗により外套管
５２のチューブ体５４が軸方向の圧縮力を受け、軸方向
に圧縮変形しようとする。このとき、本実施例に係るト
ラカール５１では、内針本体５７の先端側周面部に設け
られた複数の縮み防止爪５９…がチューブ体５４の内面
に係合しているので、これらの縮み防止爪５９…でチュ
ーブ体５４に作用する軸方向の圧縮力を受けることがで
き、外套管５２のチューブ体５４が腹壁との摩擦抵抗に
よって圧縮変形するのを防止することができる。

【００２７】また、本発明の第１０実施例では、内針５
３を外套管５２から抜去した後、再び内針５３を外套管
５２内に挿入しようとすると、内針本体５７の先端周面
部に設けられた縮み防止爪５９…がチューブ体５４の内
面に接触して摩擦抵抗が生じ、内針５３を外套管５２内
に挿入することが困難となるので、再利用されるような
ことがなく、再利用による患者間の感染を未然に防止す
ることができる。

【００２８】なお、把持部５８を内針本体５７の基端部
に接着固定する場合には、図１５に示すように内針５３
の内針本体５７を外套管５２の先端側から挿入すれば、
外套管５２のチューブ体５４を縮み防止爪５９…で傷付
けることなく把持部５８を内針本体５７の基端部に接着
固定することができる。

【００２９】次に本発明の第１１実施例を図１６ないし
図１８に示す。図１６において、６１は本発明の第１１
実施例に係るトラカールであり、このトラカール６１
は、外套管としての軟性チューブ６２と、この軟性チュ
ーブ６２の基端部に接着固定された口金６３と、この口
金６３の後端から軟性チューブ６２内に挿入された内針
６４とで構成されている。

【００３０】前記軟性チューブ６２は例えばシリコンゴ
ムあるいは樹脂等の軟質材で形成されており、その先端
側周面部にはスリット６５ａ，６５ｂが互いに対向して
形成されている。

【００３１】前記内針６４は患者の腹壁を切開する角錐
状の内針本体６６と、この内針本体６６の後端に一体に
設けられた筒体６７とを有し、筒体６７の基端部にはフ
ランジ６８が設けられている。このフランジ６８は筒体
６７の先端側周面部に形成されたスリット６９ａ，６９
ｂを軟性チューブ６２に形成されたスリット６５ａ，６
５ｂに重ね合わせるためのもので、口金６３の後端面に
当接するようになっている。

【００３２】また、前記内針６３は内針本体６６の先端
を患者の腹壁に押し当てるための押し当て部材７０を筒
体６７の基端側に有し、この押し当て部材７０の前端に
は樹脂製の係止部材７１ａ，７１ｂが一体に設けられて
いる。これらの係止部材７１ａ，７１ｂは軟性チューブ
６２の先端から突出した内針６３の先端部を患者の腹壁
に突き刺した際に軟性チューブ６２が腹壁との摩擦抵抗
によって圧縮変形するのを防止するためのものであり、
先端側には内針本体６６の内側から軟性チューブ６４に
形成されたスリット６６ａ，６６ｂに係合する先端爪部
７２ａ，７２ｂ（図１７参照）が設けられている。

【００３３】このような構成の本発明の第１１実施例で
は、内針本体６６の先端部を患者の腹壁に押し当て、患
者の腹壁を内針本体６６の先端部に設けられた切開部６
７で切り開いて外套管としての軟性チューブ６２を腹腔
内に挿入しようとすると、腹壁との摩擦抵抗により軟性
チューブ６２が軸方向の圧縮力を受け、軸方向に圧縮変
形しようとする。このとき、本発明の第１１実施例に係
るトラカールでは、押し当て部材７０と一体に成形され
た樹脂製の係止部材７１ａ，７１ｂが内針本体６６の内
側から軟性チューブ６４に形成されたスリット６６ａ，
６６ｂに係合しているので、軟性チューブに作用する軸
方向の圧縮力を係止部材７１ａ，７１ｂで受けることが
でき、軟性チューブ５４が腹壁との摩擦抵抗によって圧
縮変形するのを防止することができる。

【００３４】なお、内針６３を軟性チューブ６２内から
抜去する場合は、図１８に示すように押し当て部材７０
を内針本体６６の基端部から取り外すと、係止部材７１
ａ，７１ｂとスリット６６ａ，６６ｂとの係合が解除さ
れるので、内針本体６６を軟性チューブ６２から容易に
引き抜くことができる。

【００３５】

【発明の効果】以上説明したように本発明は、外套管に
可撓性と軸方向の耐圧縮性を持たせたので、体壁に内針
を突き刺した際に外套管の圧縮変形を防止することので
きるトラカールを提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例に係るトラカールの概略構
成図。

【図２】本発明の第２実施例に係るトラカールの外套管
の構成図。

【図３】本発明の第３実施例に係るトラカールの外套管
の構成図。

【図４】本発明の第４実施例に係るトラカールの外套管
の構成図。

【図５】本発明の第５実施例に係るトラカールの外套管
の構成図。

【図６】本発明の第６実施例に係るトラカールの外套管
の構成図。

【図７】本発明の第７実施例に係るトラカールの概略構
成図。

【図８】本発明の第８実施例に係るトラカールの概略構
成図。

【図９】同実施例に係るトラカールの外套管を示す図。

【図１０】同実施例に係るトラカールの外套管に生検鉗
子を挿入した状態を示す図。

【図１１】本発明の第９実施例に係るトラカールの概略
構成図。

【図１２】同実施例に係るトラカールの外観図。

【図１３】同実施例に係るトラカールの使用方法を示す
説明図。

【図１４】本発明の第１０実施例に係るトラカールの概
略構成を示す断面図。

【図１５】同実施例に係るトラカールの内針に把持部を
取り付ける際の説明図。

【図１６】本発明の第１０実施例に係るトラカールの概
略構成を示す断面図。

【図１７】図１６に示す押し当て部材の外観図。

【図１８】同実施例に係るトラカールの内針を外套管か
ら引き抜く際の説明図。

【符号の説明】

２，３１，４１，５３，６４…内針、４，３２，４３，
５２…外套管、５，３４…気密弁部、６，３３…押し当
て部、７，１１，１２，１４…線状部材、４４…硬性ス
リーブ、４６…ストッパ部材。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者鷲塚信彦東京都渋谷区幡ヶ谷２丁目43番２号オリンパス光学工業株式会社内 (72)発明者羽鳥鶴夫東京都渋谷区幡ヶ谷２丁目43番２号オリンパス光学工業株式会社内 (72)発明者中田明雄東京都渋谷区幡ヶ谷２丁目43番２号オリンパス光学工業株式会社内 (72)発明者塚越壯東京都渋谷区幡ヶ谷２丁目43番２号オリンパス光学工業株式会社内 (72)発明者倉本聖治東京都渋谷区幡ヶ谷２丁目43番２号オリンパス光学工業株式会社内 (72)発明者木村修一東京都渋谷区幡ヶ谷２丁目43番２号オリンパス光学工業株式会社内 (72)発明者鶴田稔東京都渋谷区幡ヶ谷２丁目43番２号オリンパス光学工業株式会社内 (72)発明者備藤士郎東京都渋谷区幡ヶ谷２丁目43番２号オリンパス光学工業株式会社内 (72)発明者吉野謙二東京都渋谷区幡ヶ谷２丁目43番２号オリンパス光学工業株式会社内 (72)発明者斎藤圭介東京都渋谷区幡ヶ谷２丁目43番２号オリンパス光学工業株式会社内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】体壁に刺針される内針の外側に外套管を
有するトラカールにおいて、前記外套管に可撓性を持た
せるとともに、軸方向の耐圧縮性を持たせたことを特徴
とするトラカール。