JPH0534331U - クラツチ付き駆動装置 - Google Patents

クラツチ付き駆動装置

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JPH0534331U
JPH0534331U JP7278491U JP7278491U JPH0534331U JP H0534331 U JPH0534331 U JP H0534331U JP 7278491 U JP7278491 U JP 7278491U JP 7278491 U JP7278491 U JP 7278491U JP H0534331 U JPH0534331 U JP H0534331U
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橋本  幹夫
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株式会社東富士製作所
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 クラッチ付き駆動装置において、クラッチを
切った直後における出力軸の急激な空転を防止する。 【構成】 回転子3の回転を一対のクラッチ体21,2
2を介して出力軸9に伝達するクラッチ付き駆動装置に
おいて、下クラッチ体21にその軸心と同心な円周壁部
25を形成するとともに、円周壁部25の内側に、円周
壁部25に沿って環状をなす可撓性素材製のブレーキ部
材26を拡径可能に配置し、更にブレーキ部材26と上
クラッチ体22とを一体に回転可能とし、各クラッチ体
21,22を離間させてクラッチ20を切った際に上ク
ラッチ体22が負荷荷重により空転すると、その回転に
よりブレーキ部材26が遠心力で径方向に拡径し、円周
壁部25に圧接する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、例えば空気調整機のダンパ開閉等に使用されるクラッチ付き駆動装 置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のクラッチ付き駆動装置として、従来より例えば図5に示すようなもの がある。図5中、符号1は本体1Aおよび上蓋1Bからなるケーシングで、この ケーシング1の底部にはモータ2が配置されている。このモータ2の回転子3は 逆回転ストッパ4を備えたギヤ5と噛合し、その回転は更にソレノイド6によっ て断接されるクラッチ7および一連の減速ギヤ8を介して出力軸9に伝達される ようになっている。
【0003】 この出力軸9には、ケーシング1内にてモータ2への通電を断接するスイッチ 機構10が付設されている。このスイッチ機構10は、出力軸9に固定されたカ ム板11と、このカム板11の回転で離接される二つの接点12から構成され、 出力軸9が所定の回転角度に達すると接点12間が離間してOFFになる。そし て、以上の各部は図6のように配線されている。
【0004】 また、出力軸9にはケーシング1外においてプーリ13が固定され、その外周 にはワイヤ14の一端が固定されるとともに、プーリ13を引き戻すスプリング 15が連結されている。
【0005】 この装置を例えば空調装置のダンパ開閉に使用する場合には、ワイヤ14の先 端を前記ダンパの操作端に連結する。そして電源をONにすると、ソレノイド6 が通電されてクラッチ7を接続するとともに、モータ回転子3の回転がクラッチ 7および減速用ギヤ8を経て出力軸9に伝達される。このため、プーリ13がス プリング15の力に抗ってワイヤ14を巻き上げ、前記ダンパを徐々に開放する 。やがて前記ダンパが全開すると、カム板11が両接点12を離間させてモータ 2への通電を停止する一方、ソレノイド6への通電は継続されるため、出力軸9 はクラッチ7を介して逆回転ストッパ4の作用で固定され、前記ダンパは全開状 態のまま保持される。
【0006】 次に、電源をOFFにすると、ソレノイド6への通電が停止され、クラッチ7 内のスプリングの働きでクラッチ7が切れるため、出力軸9が空転してプーリ1 3は元の位置に戻り、前記ダンパが閉じる。このように、この装置では、電源の ON/OFFにより、前記ダンパ等の負荷の位置切換を行うことができる。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、上記装置においては、電源をOFFにしてクラッチ7を切った 瞬間に、出力軸9が前記負荷およびスプリング15の力で急に空転し、前記負荷 が勢いよく復帰して大きな騒音や振動を発生する欠点があった。
【0008】 同時に、出力軸9の空転に伴い減速ギヤ8も急激に高速回転するので、各ギヤ 歯にかかる瞬間荷重が大きく、減速ギヤ8の材質として樹脂を用いた場合等にお いてはその摩耗が無視できず、減速ギヤ8の耐久性を低下させる恐れがあった。
【0009】 上記課題を解決するために、実公平2−71136号公報に開示されているよ うなクラッチ付き駆動装置がある。図7は、この装置のクラッチ部分の構造を示 す平面図である。
【0010】 図7において、前記回転子の回転は、互いに同軸に配置され軸30方向に離接 操作される下クラッチ体31Aおよび上クラッチ体31Bを介して前記出力軸に 伝達される。ここで、前記回転子側に位置する下クラッチ体31Aにはその軸心 と同心な円周壁部32が形成され、この円周壁部32の内側には、円周壁部32 に沿って円弧状をなす一対のブレーキ部材33がその周方向に摺動可能に配置さ れているとともに、このブレーキ部材33は出力軸側に位置する上クラッチ体3 1Bの外周面に突出する一対の突起34により支持され、上クラッチ体31Bと 一体に回転可能とされている。
【0011】 そして、各クラッチ体31A,31Bを離間させてクラッチを切った際に、上 クラッチ体31Bが負荷荷重により空転すると、その回転によりブレーキ部材3 3が遠心力で径方向外方に移動し、下クラッチ体31Aの円周壁部32に圧接す る。その結果、ブレーキ部材33に摩擦力が働き、これにより空転速度が低減さ れるため、前記クラッチを切った直後における前記出力軸の急激な空転が防止さ れる。
【0012】 しかしながら、上記構成を有するクラッチ付き駆動装置においては、突起34 の外周側に前記ブレーキ部材33をそれぞれ一個ずつ、しかもその内周面に形成 された溝35と突起34とを嵌合させつつ配設する必要があるので、部品点数が 増加するばかりではなく、組立作業が煩雑となるという問題があった。
【0013】 しかも、各ブレーキ部材33の外周面の円周壁部32の内周面に対する位置に ばらつきが生じるため、ブレーキ効果が不安定となることがあった。
【0014】
【課題を解決しようとする手段】
本考案は上記課題を解決するためになされたもので、モータ回転子の回転を、 互いに同軸に配置され軸方向に離接操作される一対のクラッチ体を介して出力軸 に伝達するクラッチ付き駆動装置において、前記モータ回転子側のクラッチ体に その軸心と同心な円周壁部を形成するとともに、この円周壁部の内側に、円周壁 部に沿って環状をなす可撓性素材製のブレーキ部材を拡径可能に配置し、更にこ のブレーキ部材と前記出力軸側のクラッチ体とを一体に回転可能としたことを特 徴とする。
【0015】
【作用】
本考案のクラッチ付き駆動装置では、各クラッチ体を離間させてクラッチを切 った際に、出力軸側のクラッチ体が負荷荷重により空転すると、その回転により ブレーキ部材が遠心力で拡径し、他方のクラッチ体の円周壁部に圧接する。この ため、前記ブレーキ部材には前記空転速度に応じた摩擦力が働き、これにより空 転速度が低減され、前記クラッチを切った直後における前記出力軸の急激な空転 が防止される。また、前記ブレーキ部材が環状をなしているため、前記ブレーキ 部材の外周面の円周壁部の内周面に対する位置が一定に保たれ、常に安定したブ レーキ効果が得られる他、部品点数が少なくて済み、組立作業も簡略化される。
【0016】
【実施例】
以下、図面に基づき本考案の実施例について更に詳しく説明する。 図1は、本考案のクラッチ付き駆動装置の実施例を示す縦断面図である。なお 、前述の図5と同様の部分には同一符号を付してその説明を省略し、また、以下 の図面で用いる上下関係は、いずれも図1に基づくものとする。
【0017】 この装置の特徴は、図中符号20に示すクラッチにある。このクラッチ20は 、図2に示すようにモータ回転子3と噛合する大径のギヤ部21Aを備えた下ク ラッチ体21と、この下クラッチ体21の上に同軸に対抗配置され、初段の減速 ギヤ8と噛合するギヤ部22Aを備えた小径の上クラッチ体22とから構成され 、両者の向抗面には、互いに噛合しうるクラッチ歯21B,22Bがそれぞれ形 成されている。
【0018】 下クラッチ体21はケーシング1Aに直立した軸23に回転自在に挿通される 一方、上クラッチ体22は同じ軸23に回転自在かつ軸方向に移動可能に支持さ れ、これらの間にはスプリング24が介装されて互いに離間する方向に付勢され ている。また、上クラッチ体22の上端はクラッチ離接用のソレノイド6の可動 体6Aに当接しており、この可動体6Aがソレノイド6の磁力で下方に吸い付け られると、それに押されて各クラッチ歯21B,22Bが噛み合うようになって いる。
【0019】 また、下クラッチ体21のギヤ部21Aの上面には、減速ギヤ8と干渉しない 位置に、軸23と同心な円筒形の円周壁部25が一体形成されている。この円周 壁部25の内側には、図3に示すようにその内面に沿う環状のブレーキ部材26 が配置されている。このブレーキ部材26は、円弧状をなす一対の円弧状部材2 6Aと、これらをつなぐ可撓性のリブ26Bとからなり、リブ26Bの有する弾 性のため、遠心力により容易に拡径可能となっている。また、リブ26Bは、円 弧状部材26Aの外周面と同一面上に形成されており、その結果リブ26Bの内 周面側には端面27が形成される。そして、このブレーキ部材26は、可撓性を 有する樹脂または各種ゴム等で一体に成形されている。
【0020】 ここで、ブレーキ部材26は、円周壁部25と上クラッチ体22の間隙内で若 干遊びがあるか、あるいは隙間なく両者に接するようにその材質および所要の摩 擦抵抗を考慮して内径および外径が設定されている。具体的には、電源を切って 前記ダンパ等の負荷が復帰する際に、この復帰速度が電源ON時における前記負 荷の作動速度と略同等になるように設定することが望ましい。そうすれば、減速 ギヤ8への負担が作動時と動作時で略同等になり、しかも前記負荷の作動速度お よび復帰速度が適度に緩慢で優雅に見える。
【0021】 更に、上クラッチ体22の外周部下端には、半径方向外方に突出する一対の突 起28が180°隔てて形成されており、この突起28は前記の端面27の間に はめ込まれている。その結果、ブレーキ部材26は上クラッチ体22に対して上 下に摺動可能かつ周方向には離脱不可能となっている。
【0022】 また、本体1Aには、ブレーキ部材26と対向する位置に凸部16が形成され 、ブレーキ部材26の抜け落ちを防止している。
【0023】 なお、リブ26Bの長さおよび幅は所定のブレーキ効果が得られるよう決定さ れるが、図4に示すようにあらかじめ屈曲したリブ26Bを設置し、この屈曲部 を伸長させてブレーキ部材26を拡径させてもよい。また、本考案においてリブ 26Bは2箇所配設されているが、ブレーキ効果の大小によってはこれ以上あっ てもよく、この場合、上クラッチ体22に設けられる突起28の数をリブ26B の配設箇所の数に応じて増加することも勿論可能である。
【0024】 上記構成を有するクラッチ付き駆動装置によれば、電源をOFFにしてクラッ チ20を切り、負荷荷重により上クラッチ体22が空転し始めると、その回転に 伴う遠心力によってブレーキ部材26が拡径され、下クラッチ体21の円周壁部 25に圧接する。その結果、ブレーキ部材26は上クラッチ体22の回転速度に 応じた摩擦力を受け、上クラッチ体22の回転速度が抑制されるため、減速ギヤ 8を介して出力軸9の急激な空転を防止することができ、前記負荷の復帰で生じ る騒音や振動が格段に低減されるとともに、減速ギヤ8にかかる瞬間的な高荷重 を軽減してこれらの損耗を防止し、寿命の延長を図ることが可能である。また、 前記負荷が緩慢に復帰するため前記負荷の動作が優雅で、高級感が高められる。
【0025】 更に、負前記荷を巻き上げる際にクラッチ体21,22が一体的に回転し、ブ レーキ部材26は全く回転に作用しないので、例えば出力軸9に常時一定の回転 抵抗を与えて制動を行う構成に較べ、動力の損失がない。
【0026】 また、特にこの装置においては、ブレーキ部材26が環状をなしているため、 ブレーキ部材26の外周面の円周壁部25の内周面に対する位置が一定に保たれ 、円周壁部25に対するブレーキ部材26の位置のずれがなく、その結果常に安 定したブレーキ効果が得られる。しかも、部品点数が少なくて済む他、組立作業 も簡略化される。なお、ブレーキ機構が従来からあるクラッチ機構の内部に収納 された構造であるため、余分なスペースを必要とせず、従来のクラッチ機構の部 品を交換するだけで容易に取り付け可能であるという利点も有する。
【0027】
【考案の効果】
以上説明したように、本考案のクラッチ付き駆動装置では、クラッチを切って 負荷を復帰させる際に、出力軸側のクラッチ体が負荷荷重によって空転すると、 その回転によりブレーキ部材が遠心力で拡径し、他方のクラッチ体に形成された 円周壁部に圧接して出力軸を制動する。
【0028】 よって、前記クラッチを切った直後における前記出力軸の急激な空転が防止さ れ、前記負荷の復帰により生じる騒音や振動が低減されるとともに、減速ギヤに かかる負担を軽減してその損耗を防止し、耐久性を高めることが可能である。ま た、前記負荷が緩慢に復帰するため動作が優雅で、高級感が高まるという利点も 有する。
【0029】 更にこの装置では、前記負荷を動作させる際に前記各クラッチ体が一体的に回 転するため、前記ブレーキ部材は全く回転抵抗がなく、従って、例えば出力軸に 常に一定の回転抵抗を与える構成に較べ、動力の損失がない。しかも、ブレーキ 部材が環状をなしているため、常に安定したブレーキ効果が得られる他、部品点 数が少なくて済み、組立作業も簡略化されるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第一実施例におけるクラッチ付き制動
装置を示す縦断面図である。
【図2】本考案の第一実施例におけるクラッチ付き制動
装置のクラッチを示す縦断面図である。
【図3】本考案の第一実施例におけるクラッチ付き制動
装置のクラッチを示す平面図である。
【図4】本考案の第一実施例におけるブレーキ部材の構
造を示すC−C´方向からの矢視図である。
【図5】従来のクラッチ付き制動装置を示す縦断面図で
ある。
【図6】従来のクラッチ付き制動装置の配線図である。
【図7】従来のクラッチ付き制動装置のクラッチ部分を
示す平面図である。
【符号の説明】
1 ケーシング 1A 本体 1B 上蓋 2 モータ 3 回転子 4 逆回転ストッパ 5 ギヤ 6 ソレノイド 6A 可動体 7,20 クラッチ 8 減速ギヤ 9 出力軸 10 スイッチ機構 11 カム板 12 接点 13 プーリ 14 ワイヤ 15,24 スプリング 16 凸部 18,26 ブレーキ部材 19,27 溝 21A,22A ギヤ部 21B,22B クラッチ歯 21,31A 下クラッチ体 22,31B 上クラッチ体 23,30 軸 25,32 円周壁部 26A 円弧状部材 26B リブ 27 端面 28,34 突起 35 溝

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モータ回転子の回転を、互いに同軸に配
    置され軸方向に離接操作される一対のクラッチ体を介し
    て出力軸に伝達するクラッチ付き駆動装置において、 前記モータ回転子側のクラッチ体にその軸心と同心な円
    周壁部を形成するとともに、この円周壁部の内側に円周
    壁部に沿って環状をなすブレーキ部材を拡径可能に配置
    し、更にこのブレーキ部材と前記出力軸側のクラッチ体
    とを一体に回転可能としたことを特徴とするクラッチ付
    き駆動装置。
  2. 【請求項2】 前記ブレーキ部材が可撓性素材からなる
    ことを特徴とする請求項1記載のクラッチ付き駆動装
    置。
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JPS445795Y1 (ja) * 1965-12-20 1969-03-03
JPS639612U (ja) * 1986-07-04 1988-01-22
JPH0271136U (ja) * 1988-11-18 1990-05-30

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