JPH05343296A - 位置検出装置及びそれを用いた半導体素子の製造方法 - Google Patents

位置検出装置及びそれを用いた半導体素子の製造方法

Info

Publication number
JPH05343296A
JPH05343296A JP4176280A JP17628092A JPH05343296A JP H05343296 A JPH05343296 A JP H05343296A JP 4176280 A JP4176280 A JP 4176280A JP 17628092 A JP17628092 A JP 17628092A JP H05343296 A JPH05343296 A JP H05343296A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mark
alignment
wafer
detected
alignment mark
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4176280A
Other languages
English (en)
Inventor
Makoto Sato
眞 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP4176280A priority Critical patent/JPH05343296A/ja
Publication of JPH05343296A publication Critical patent/JPH05343296A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 半導体素子製造用の投影露光装置においてレ
チクルとウエハとの相対的な位置合わせを高精度に行う
ことができる位置検出装置及びそれを用いた半導体素子
の製造方法を得ること。 【構成】 レチクルR面上のパターンをウエハW面上に
投影する投影レンズ1を介して所定面とウエハ面上のウ
エハマークWMとの位置合わせを行う際、ウエハマーク
は空間周波数領域において少なくとも2つの基本周波数
ピークを有しており、該所定面上に形成したウエハマー
クWMの像を検出した検出手段からの信号を周波数解析
手段により直交変換を行い空間周波数領域における周波
数分布を求め、該周波数解析手段からの信号を用いてウ
エハマークの有する少なくとも2つの基本周波数ピーク
における各々の位相を求めた位相検出手段8b,8cか
らの位相を用いて該所定面と該位置合わせマークとの相
対的な位置検出を行ったこと。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は位置検出装置及びそれを
用いた半導体素子の製造方法に関し、例えば半導体素子
製造用の投影露光装置(ステッパー)においてレチクル
等の第1物体面上に形成されている電子回路パターンを
ウエハ等の第2物体面上に投影レンズにより投影し露光
転写する際のレチクル、ウエハ間の相対的な位置合わせ
(位置検出)を行う場合に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】半導体素子製造用の投影露光装置におい
て、レチクルとウエハの相対的な位置合わせは高精度化
を図る為の重要な1要素となっている。特に最近では半
導体素子の高集積化に伴ってサブミクロン以下の位置合
わせ精度が要求されている。位置合わせ方法としては従
来より幾つもの方法が考案されている。
【0003】図13は従来の半導体素子製造用の投影露
光装置における位置検出装置の要部概略図である。
【0004】同図において露光照明系(不図示)からの
光束で照射されたレチクルR上に形成された電子回路パ
ターンを、投影光学系1を介して2次元に移動可能なス
テージ310上に載置されたウエハWに投影している。
この露光に先立ち、レチクルRとウエハWの相対的な位
置合わせは次のような手段により行なっている。非露光
光を照射する位置合わせ用照明手段302より照射され
た光束は順にビームスプリッタ303、レチクルR、及
び投影光学系1を介して、ステージ310に載置された
ウエハWに形成された位置合わせ用マークWM(以降ウ
エハマークと称する)を照明している。
【0005】図14(A)はウエハマークWMを示した
ものであり、同一形状の矩形パターンを一定ピッチλP
で複数配置したものである。ウエハマークWMから反射
した光束は再度、投影光学系1、レチクルRを介してビ
ームスプリッタ303に到達し、ここで反射して結像光
学系304を介して撮像装置305の撮像面上にウエハ
マークWMの像を形成する。撮像装置305においてウ
エハマークWMの像は光電変換され、A/D変換装置3
06において、2次元のデジタル信号列に変換される。
積算装置307は図14(A)に示す用に、A/D変換
装置306によりデジタル信号化されたウエハマーク像
WMに対して処理ウインドウWpを設定し、該ウインド
ウWp内において図14(A)に示すY方向に移動平均
処理を行ない、2次元画像信号を1次元のデジタル信号
列S(x)に変換する。
【0006】図14(B)にデジタル信号S(x)の例
を示す。
【0007】位相検出装置308は、積算装置307か
ら出力された1次元デジタル信号列S(x)を高速フー
リエ変換等の直交変換を用いて空間周波数領域に変換
し、ウエハマークのピッチλP に相当する周波数におけ
る位相oを演算することにより、デジタル信号S(x)
の画面領域内の基準位置に対する位置を求めている。こ
こで、レチクルRと、撮像装置305の相対的な位置は
不図示の手段により予め求められている。位相検出装置
308の出力から、レチクルRとウエハマークWMの相
対的な位置を検出している。
【0008】レチクルRの位置と撮像装置305の相対
位置は非露光光で位置合わせを行なう場合、レチクルR
上のアライメントマークとウエハ上のウエハマークを同
時に観察することができない為、必須である。この補正
を行なう為には図13に図示されているのとは別途に光
学系を設けてレチクルR上にある別のアライメントマー
クを露光光で観察する。この時ウエハW上又はウエハス
テージ上に設置する基準マークFAがこのアライメント
マークと同時に観察できるようにしておく。
【0009】このようにして別途設けた光学系でレチク
ルと基準マークFAの関係が検知される。同時にウエハ
側に基準マークFAと所定の関係に設けられている別の
基準マークFAAが撮像装置305で観察される。基準
マークFAとFAAとの関係と2つの光学系の計測値か
らレチクルRの位置と撮像装置305の相対関係を計算
している。位相検出装置308からの出力はステージ駆
動装置309に送られ、これによってステージ310を
駆動してレチクルRとウエハWの位置合わせを行なって
いる。
【0010】この他、レチクルとウエハとの相対的な位
置検出を半導体基板上に形成された回折格子状マーク
を、その格子の形状寸法により決まる特有の角度からコ
ヒーレント光で照射し、その反射回折光の特定の次数の
光束同士を干渉させる方法が提案されている。
【0011】図15はこの方法を用いた従来の位置検出
装置の要部概略図である。
【0012】同図では僅かに周波数の異なる2つのコヒ
ーレント光束を回折格子に対して所定の交差角をもって
照明し、該2光束による回折光を互いに干渉させてその
強度を検出する、所謂ヘテロダイン法による位置検出装
置をステッパーに適用したときを示している。
【0013】図15において露光照明系(不図示)から
の露光光束で照明したレチクルR上に形成された電子回
路パターンを投影光学系1を介して2次元に移動可能な
ステージ421に載置されたウエハWに投影している。
ウエハWには位置合わせ用の回折格子(以下ウエハマー
クと呼ぶ)WMが形成されており、位置合わせ用光学系
からの照明光束は以下に述べる方法でウエハマークWM
を照明している。
【0014】露光光とは異なる発振波長を持つレーザ発
振器403から照射された光束は、レンズ404を介
し、偏光ビームスプリッタ405によりP偏光とS偏光
の2つに分割している。407a,407bは音響光学
素子(以下AO素子と呼ぶ)であり、分割された各光束
の周波数をf1 ,f2 に変調する。AO素子407aに
より周波数f1 に変調された光束Lf1 は、平行平面板
408a、ミラー409を介して偏光ビームスプリッタ
410に到達している。又AO素子407bにより周波
数f2 に変調された光束Lf2 は、平行平面板408b
を介して偏光ビームスプリッタ410に到達する。
【0015】ここで偏光ビームスプリッタ410は位置
合わせ光学系ATの瞳面近傍に位置しており、平行平面
板408a,408bの姿勢を変化させることにより、
各光束が集光されたスポットの瞳面での位置が変化す
る。偏光ビームスプリッタ410を通過した光束はリレ
ー光学系411、ビームスプリッタ412、レンズ41
3を介し、レチクルRに対して入射する。更にレチクル
R、投影光学系1を介した光束は、ステージ421に載
置されたウエハW上のウエハマークWMを、所定の交差
角で照明する。
【0016】図7は、ウエハマークWMに対する2光束
の入射角度の説明図である。
【0017】同図において、f1 ,f2 の周波数を持つ
各々の光束Lf1 Lf2 は、ウエハマークWMに対し、
位置合わせ光学系ATの光軸OSを挟んでθの角度で入
射し、±1次回折光が光軸OSに沿って進行する。ここ
でウエハマークWMはピッチLW を持った回折格子であ
り、θは
【0018】
【数1】 なる関係を持っている。ただし、λは照明光の波長であ
る。
【0019】光軸OSに沿って進行する回折光は再び投
影光学系1、レチクルR、レンズ413を介し、ビーム
スプリッタ412に到達し、ここで反射して対物レンズ
414、空間フィルタ422を介して投影光学系1の瞳
と共役な位置に設けられた光電検出器415により光電
検出される。
【0020】416は位相検出装置であり、AOM駆動
信号(不図示)の位相と、光電検出器415により検出
されたビート信号の位相差を検出してウエハマークWM
の位置を求めている。ここでレチクルRの位置は予め不
図示の方法で求められている。
【0021】制御装置417は、位相検出装置416に
より求められたウエハマークWMの位置から、ステージ
ドライバ418によりステージ421を駆動してウエハ
WとレチクルRの相対的な位置合わせを行っている。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】図13に示す位置検出
装置では、位置合わせ用のウエハマークWMの位相を検
出することで、ウエハWの位置を求めている。これによ
ると、ウエハマークのピッチに注目した処理を行うた
め、ウエハマークに対する照明の変動等による照度分布
の変動に影響を受けにくく、しかも位置検出の分解能
は、実空間での処理と比較して向上することが知られて
いる。
【0023】しかし一方では、ウエハWの位置は予めウ
エハマークλP の1/4以下の精度で求められている必
要がある。これは検出すべきデジタル信号S(x)に周
期性があることにより明らかである。この条件を満たす
ためには、ウエハがステージ310に載置された後に、
別の方法によってウエハWの位置合わせを行なっておく
か、ピッチλP より更にピッチの大きい別のマークを用
意し、まずピッチの大きいマークへステージを移動し、
マークの像を撮像して上記の処理によりウエハWの粗位
置検出を行った後、小ピッチマークへ移動するようにし
た、2段階の位置合わせを行なう必要がある。
【0024】しかしながらこれらの方法によれば、別系
統の位置合わせ装置を装備することによる装置の複雑
さ、コストの増大、位置合わせに要する時間の増大等の
問題点があった。
【0025】本発明の第1の目的は、検出された信号の
位相検出を用いた位置合わせ方法において、新たに粗検
出用の装置を設ける必要がなく、1回の位置合わせ用信
号入力により位置合わせを行なうことにより装置の複雑
化を抑え、位置合わせ用マークに要する時間をできるだ
け小さく抑えると共にレチクルとウエハとの位置合わせ
を高精度に行うことのできる位置検出装置及びそれを用
いた半導体素子の製造方法の提供にある。
【0026】一方、図15に示す位置検出装置において
は、周波数差を持った2つの光束Lf1 ,Lf2 がウエ
ハマークWMに入射する際の交差角度の調整を行ってい
る。このため、図15においては次に述べる方法により
交差角度の調整を行っている。
【0027】光電検出器415により検出されたビート
信号は、コントラスト検出装置419により、そのコン
トラストが検出される。図7において、光軸OSに沿っ
て進行する回折光の強度は、入射する2光束Lf1,L
f2の交差角度が適切に調整されている時に最も大きく
なり、したがってコントラスト検出装置419で検出さ
れるコントラストも最大となる。コントラスト検出装置
419は、検出したコントラストが最大となるように駆
動装置420により2つの平行平面板408a,408
bの姿勢を変化させ、2つの光束の交差角度が適切な角
度になるように自動的に調整している。
【0028】しかしこの方法によると、ステージ412
に載置されたウエハからの信号を基にして光学系の調整
を行っているため、調整精度がウエハマークWMの作成
上の誤差に影響を受ける可能性がある。例えば半導体プ
ロセスにおけるメタル工程では、しばしば回折格子上の
マークはその形状が非対称的になることが知られてい
る。
【0029】図16は、このような非対称的な形状を持
ったウエハマークの模式図である。同図において、ウエ
ハマークWMは非対称的な形状を持っているため、これ
に入射する2つの光束の内周波数f1 に相当する光束L
f1の回折光f(−1)の強度分布の中心は光軸OSに
対してある角度βを持つ。したがってこのようなウエハ
を用いて前述した方法により角度調整を行なうと、その
調整角度は誤差を含んでしまう。そのため、ウエハとし
ては対称性のよい、例えば図7に示すようなものを選択
する必要がある。
【0030】一方、位置合わせ光学系を構成する光学部
品は、その周囲環境の影響等を受けて取り付け姿勢が経
時的に変化することがある。このような場合は適当な期
間をおいて前述したように調整に適したウエハを用いて
調整を行なう必要があるが、このような方式では稼働中
に光路中の光学部品の姿勢が何らかの原因で変化したと
してもそれを検出することができず、その結果として位
置合わせ精度が低下してくるという問題点があった。
【0031】本発明の第2の目的は、光路調整に厳密さ
が要求されるような位置合わせ装置において、調整用の
サンプル(例えばウエハ)を必要とせず、また光路変化
を随時監視可能な調整機構を設けることによりウエハと
所定面との位置合わせを容易にしかも高精度に行なうこ
とのできる位置検出装置及びそれを用いた半導体素子の
製造方法の提供にある。
【0032】
【課題を解決するための手段】本発明の位置検出装置
は、 (1−イ)第1物体面上のパターンを第2物体面上に投
影する投影レンズを介して所定面と該第2物体面上に設
けた位置合わせマークとの相対的な位置検出を行う際、
該位置合わせマークは空間周波数領域において少なくと
も2つの基本周波数ピークを持つ複数のマーク要素を配
列しており、該所定面上に形成した該位置合わせマーク
の像を検出手段で光電変換し、該検出手段からの信号を
周波数解折手段により直交変換を行い空間周波数領域に
おける周波数分布を求め、該周波数解折手段からの信号
を用いて位相検出手段により該位置合わせマークの有す
る少なくとも2つの基本周波数ピークにおける各々の位
相を求め、該位相検出手段からの2つの基本周波数ピー
クにおける位相を用いて該所定面と該位置合わせマーク
との相対的な位置検出を行ったことを特徴としている。
【0033】特に、前記位相検出手段で得られた2つの
基本周波数ピークにおける位相のうち低い空間周波数に
相当する位相より該位置合わせマークのうちの第1マー
クの位置検出を行い、該第1マークの位置と高い空間周
波数に相当する位相とから該位置合わせマークの第2マ
ークの位置検出を行っていることや、前記位置合わせマ
ークの2つの基本周波数をf1,f2、nとmを任意の
正の整数としたとき n×f1≠m×f2 なる条件を満足することを特徴としている。
【0034】(1−ロ)第1物体面上のパターンを可動
ステージに載置した第2物体面上に投影するようにした
投影レンズを介して所定面と該第2物体面に設けた回折
格子より成る位置合わせマークとの相対的な位置検出を
行う位置検出装置において位置合わせ系からの光束で該
位置合わせマークを所定の方向から照明し、該位置合わ
せマークから生じる特定次数の反射回折光の瞳面におけ
る分布を該位置合わせ系の瞳面又は該瞳面と略共役関係
な位置に設けた検出手段で検出し、該検出手段からの信
号を用いて入射角検出手段により該位置合わせ系からの
光束の該位置合わせマークへの入射角情報を検出し、該
入射角検出手段からの信号を用いて調整手段により該位
置合わせ系からの光束の該位置合わせマークへの入射角
の調整を行う際、該可動ステージに設けた回折格子より
成る基準マークに該位置合わせ系からの光束を入射した
時に該基準マークから生じる特定次数の反射回折光を該
検出手段で検出し、該検出手段からの信号を用いて該入
射角検出手段と該調整手段とにより該位置合わせ系から
の該位置合わせマークへの入射角を調整していることを
特徴としている。
【0035】特に、前記検出手段は1次元又は2次元の
撮像素子を有しており、前記瞳面での光強度及び光強度
分布を求める機能を有していることや、前記入射角検出
手段は予め設定した瞳面における照明強度分布を記憶す
る記憶手段と該記憶手段に記憶した照明強度分布と前記
検出手段からの信号より求めた照明強度分布との比較を
する比較手段とを有していること、そして前記調整手段
は前記比較手段からの信号に基づいて前記位置合わせ系
を構成する一部の光学部材の位置又は姿勢を変化させて
前記位置合わせマークへの光束の入射角を調整している
こと等を特徴としている。
【0036】本発明の半導体素子の製造方法は (1−ハ)レチクル面上のパターンをウエハ面上に投影
する投影レンズを介して所定面と該ウエハ面上に設けた
位置合わせマークとの相対的な位置検出を行った後、レ
チクル面上のパターンを投影レンズによりウエハ面上に
投影露光し、該ウエハを現像処理工程を介して半導体素
子を製造する際、該位置合わせマークは空間周波数領域
において少なくとも2つの基本周波数ピークを持つ複数
のマーク要素を配列しており、該所定面上に形成した該
位置合わせマークの像を検出手段で光電変換し、該検出
手段からの信号を周波数解折手段により直交変換を行い
空間周波数領域における周波数分布を求め、該周波数解
折手段からの信号を用いて位相検出手段により該位置合
わせマークの有する少なくとも2つの基本周波数ピーク
における各々の位相を求め、該位相検出手段からの2つ
の基本周波数ピークにおける位相を用いて該所定面と該
位置合わせマークとの相対的な位置検出を行う位置検出
工程を利用していることを特徴としている。
【0037】(1−ニ)レチクル面上のパターンをウエ
ハ面上に投影する投影レンズを介して所定面と該ウエハ
面上に設けた位置合わせマークとの相対的な位置検出を
行った後、レチクル面上のパターンを投影レンズにより
ウエハ面上に投影露光し、該ウエハを現像処理工程を介
して半導体素子を製造する半導体素子の製造方法におい
て、位置合わせ系からの光束で該位置合わせマークを所
定の方向から照明し、該位置合わせマークから生じる特
定次数の反射回折光の瞳面における分布を該位置合わせ
系の瞳面又は該瞳面と略共役な位置に設けた検出手段で
検出し、該検出手段からの信号を用いて入射角検出手段
により該位置合わせ系からの光束の該位置合わせマーク
への入射角情報を検出し、該入射角検出手段からの信号
を用いて調整手段により該位置合わせ系からの光束の該
位置合わせマークへの入射角の調整を行う際、該可動ス
テージに設けた回折格子より成る基準マークに該位置合
わせ系からの光束を入射したときに該基準マークから生
じる特定次数の反射回折光を該検出手段で検出し、該検
出手段からの信号を用いて該入射角検出手段と該調整手
段とにより該位置合わせ系からの該位置合わせマークへ
の入射角を調整する調整工程を利用していることを特徴
としている。
【0038】
【実施例】図1は本発明の位置検出装置を半導体素子製
造用の投影露光装置に適用したときの実施例1の要部概
略図である。
【0039】図中ILは露光照明系であり、該露光照明
系ILから照射された露光光は、電子回路パターンが形
成された第1物体としてのレチクルRを証明している。
【0040】投影光学系(投影レンズ)1はレチクルR
面上の電子回路パターンをステージ10に載置した第2
物体としてのウエハW面上に投影露光している。そして
ウエハWを公知の現象処理工程を介して、これより半導
体素子を製造している。
【0041】本実施例ではこのときの露光動作に先立
ち、レチクルRとウエハWの相対的な位置合わせを次の
ようにして行なっている。HeNeレーザやLED等の
位置合わせ用の照明光源2から照射される光束はレンズ
2a、ビームスプリッタ3、レチクルR、投影光学系1
を介してステージ10に載置されたウエハW面上に形成
されている位置合わせ用のウエハマーク(位置合わせマ
ーク)WMを照明する。
【0042】ウエハマークWMは図2(A)に示すよう
に線状のマーク要素WMaを複数個、ピッチλa で一次
元方向に配列した格子マークWMbを複数個、ピッチλ
b で一次元方向に配列している。
【0043】図2(A)ではマーク要素WMaを4個、
格子マークWMbを4個配列した場合を示している。こ
こでピッチλa とピッチλb との関係は λb =Mλa +ρ0 ・・・・・(1a) となるようにしている。
【0044】ここで、Mは正の整数でマーク形成上適当
な値で選択されている。又、0<ρ0 <λa である。こ
こでウエハマークWMで反射した光束は再び投影光学系
1、レチクルRを介してビームスプリッタ3に到達し、
今度はビームスプリッタ3で反射して結像光学系4を介
して撮像装置(検出手段)に入射し、その撮像面(所定
面)5a上にウエハマークWMの像(ウエハマーク像)
を形成する。
【0045】6はA/D変換装置であり、撮像装置5に
より光電変換されたウエハマークWMの像を2次元ディ
ジタル信号列に変換する。7は積算装置であり、図2
(A)において示したような処理ウインドウWPに含ま
れるディジタル信号化されたウエハマーク像を同図中Y
方向に積算し、図2(B)に示すような1次元ディジタ
ル信号列S(x)を出力する。
【0046】8は信号処理装置である。8aはFFT演
算装置(周波数解析手段)であり、積算装置7より入力
したデジタル信号列S(x)を高速フーリエ変換の手法
を用いて空間周波数領域の信号に変換している。
【0047】FFT演算装置8aは入力したデジタル信
号S(x)に対し、空間周波数fkの複素フーリエ係数
k
【0048】
【数2】 で演算する。ここで、jは虚数単位、NはFFTの点数
である。
【0049】FFT演算装置8aは更に空間周波数fk
の強度Ek
【0050】
【数3】 として演算している。ここでRe(Xk )、Im(X
k )は各々Xk の実部、虚部を表す。
【0051】図2(c)は入力したデジタル信号S
(x)に対してFFT演算を施した結果得られた空間周
波数分布の例である。図2(c)においてウエハマーク
WMの持つ周期性により、ピッチλa に相当する空間周
波数fa およびピッチλb に相当する空間周波数fb
おいて周波数分布の強度Pはピークを取る。式(1a)
より明らかなように空間周波数fa ,fb は異なった値
となり、周波数空間においては分離することが可能とな
る。
【0052】即ち、本実施例ではn,mを正の整数とし
たとき n・fa ≠m・fb となるようにしている。
【0053】8b,8cはいずれも位相検出装置(位相
検出手段)であり、FFT演算装置8aにより演算され
たウエハマークの空間周波数分布Ek に対し空間周波数
a,fb まわりの強度ピークPa ,Pb を次式により
計算する。
【0054】 Pa ={K1 |max(Ek ),fa ・N−α<K1 <fa ・N+α} Pb ={K2 |max(Ek ),fb ・N−β<K2 <fb ・N+β} ここでα,βは任意の正の整数で、ウエハマークのピッ
チが変動したとしても、検出すべき強度ピークPa ,P
b が有意となるよう定められている。
【0055】次に位相検出装置8b,8cは強度ピーク
a ,Pb とその近傍の周波数成分が持つ位相をφa,
φbを次式に従って計算する。
【0056】
【数4】 ただしxa、およびxbは各々強度ピークPa ,Pb
相当する複素フーリエ係数である。
【0057】ここで得られた位相φaは、図2(A)に
おいてピッチλbで配置された格子マークWMbの群の
各々において、ピッチλaに対応する周波数成分の位相
の平均である。したがってn番目の格子マークWMbの
位相φnとすると、
【0058】
【数5】 である。
【0059】ここでSは格子マークWMbの数である。
したがってピッチλaを持つ最初の格子マークWMbの
位相φ1は、
【0060】
【数6】 となり、これをピッチλaを持つ周波数成分の持つ位相
を代表させることができる。
【0061】このようにして得られた位相φ1,φbか
ら、実空間でのずれ量ΔaおよびΔbは、
【0062】
【数7】 となる。
【0063】ここでΔa,Δbは撮像装置5の撮像面5
a上の基準点xs に対する位相として求められている。
位相検出装置8b,8cにより求められた各周波数成分
の位相Δa,Δbはマーク位置検出装置8dに出力され
る。マーク位置検出装置8dは検出値が±λa/4を越
える分については位相Δbよりその値を求め、それに対
して位相Δaを加えてウエハマークWMの撮像面5aを
基準としたずれ量xwmを求めている。
【0064】これにより、ウエハマークWMの位置ずれ
量がピッチλaの±1/4以上あったとしても、それが
±λb/4より小さければ検出範囲を広げることが可能
で、これより正確にウエハマークの位置を検出してい
る。
【0065】ここで、撮像面5aとレチクルRの相対的
な位置は予め別の方法により求められている。この為、
ウエハWと撮像装置5の撮像面5aとの相対的な位置検
出を行い、これによりウエハWとレチクルRとの位置合
わせを行っている。
【0066】本実施例ではこの時のずれ量xwmからウエ
ハマークWMとレチクルRの相対的な位置ずれ量を算出
している。
【0067】9はステージドライバーであり、マーク位
置検出装置8dにより求められたウエハマークWMの位
置を基にウエハステージ10を駆動し、これによりウエ
ハWとレチクルRとの位置合わせを行っている。
【0068】図3は本発明の位置検出装置を半導体素子
製造用の投影露光装置に適用したときの実施例2の要部
概略図である。同図において図1で示した要素と同一要
素には同符番を付している。
【0069】本実施例ではレチクルRとウエハWとの相
対的な位置合わせを次のようにして行っている。
【0070】直線偏光の光束を放射するHeNeレーザ
11から放射された光束は、2軸方向に回転可能なミラ
ー12で反射し、Fθレンズ13を介して偏光ビームス
プリッタ14に到達する。光束は偏光ビームスプリッタ
14で反射し、λ/4板15、レンズ16、ミラー1
7、投影光学系1を介してウエハW上に形成された位置
合わせ用のウエハマークWMを照明する。
【0071】ここでウエハマークは図4に示すような実
施例1と同様な形状であり、線状のマーク要素WMaを
複数個、ピッチλaで配置した格子マークWMbを複数
個、ピッチλbで等間隔で配置している。ここで、ピッ
チλaとピッチλbの関係は、 λb=Mλa+ρ0 である。
【0072】このとき、ミラー12は、投影光学系1、
レンズ16、Fθレンズ13で構成される光学系の瞳面
の照度が、図5に示すように W=W0 ・L なるピッチで離散的に分布するよう駆動制御している。
【0073】ただし、
【0074】
【数8】 で、λはHeNeレーザ11からの光束の波長であり、
Lは位置合わせの対象となるウエハWによって予め適当
な値に設定されている。
【0075】ウエハマークWM で反射した光束は投影光
学系1、ミラー17、レンズ16、λ/4板15を介し
てビームスプリッタ14に到達している。そしてビーム
スプリッタ14を通過して位置AにウエハマークWM
空中像(ウエハマーク像)を形成する。この空中像はフ
ーリエ変換レンズ19aを介し、ストッパー20により
ウエハW面上での角度が±sin-1 (W0 )に相当する光
束のみ通過させられてフーリエ逆変換レンズ19bによ
り撮像装置5の撮像面5aにウエハマーク像を形成して
いる。撮像装置5により光電変換されたウエハマーク像
はA/D変換装置6により2次元ディジタル信号列に変
換する。
【0076】7は積算装置であり、図4(A)において
示したような処理ウインドウWp に含まれるディジタル
信号化されたウエハマーク像を同図中Y方向に積算し、
図4(B)に示すような1次元のディジタル信号列S
(x)を出力する。ここでデジタル信号列S(x)は周
期λ/2の正弦波が振幅変調された波形が、ピッチλb
で現れた形になる。
【0077】8a,8b,8c,8dの各要素の構成は
実施例1で説明したのと同様である。すなわち、FFT
演算装置8aにより計算された複素フーリエ係数EK
り、周波数空間におけるピークPa,Pbおよび、その
空間周波数における位相φa,φbを算出する。そして
ウエハマークWM の撮像面5aを基準としたずれ量xwm
を位相Δa,Δbより求めている。
【0078】これにより、ウエハマークWM の位置ずれ
量xwmがピッチλaの±1/4以上あったとしても、そ
れが±λb/4より小さければ検出範囲を広げることが
可能で、これより正確にウエハマークの位置を検出して
いる。
【0079】ここで、撮像面5aとレチクルRの相対的
な位置は予め別の方法により求められている。これより
位置ずれ量xwmからウエハマークWM とレチクルRの相
対的な位置ずれ量を算出している。ステージドライバ9
は、マーク位置検出装置8dにより求められたウエハマ
ークWM の位置を元にウエハステージ10を駆動し、レ
チクルRとウエハWとの位置合わせを行っている。
【0080】以上のように実施例1,2によれば、位置
合わせマークとして周期性を持ち、複数の基本周波数ピ
ークを持つような波形を得ることのできるパターンを用
い、位置合わせマークの位相成分を周波数空間において
個別に検出することによって検出範囲の拡大化を計るこ
とができ、また位置合わせマークの信号検出において、
その信号を周波数空間で扱うことにより実空間処理に比
較して分解能の向上を図った位置検出装置を達成してい
る。
【0081】図6は本発明の位置検出装置を半導体素子
製造用の投影露光装置に適用したときの実施例3の要部
概略図である。
【0082】露光照明系(不図示)からの露光光束で照
明したレチクルR上に形成された電子回路パターンを投
影光学系1を介して2次元に移動可能なステージ121
に載置されたウエハWに投影している。ウエハWには位
置合わせ用の回折格子(以下ウエハマークと呼ぶ)WM
が形成されており、位置合わせ用光学系ATからの照明
光束は以下に述べる方法で該ウエハマークWMを照明し
ている。
【0083】露光光とは異なる発振波長を持つレーザ発
振器103から照射された光束は、レンズ104を介
し、偏光ビームスプリッタ105によりP偏光とS偏光
の2つに分割している。107a,107bは音響光学
素子(以下AO素子と呼ぶ)であり、分割された各光束
の周波数をf1,f2に変調する。AO素子107aに
より周波数f1に変調された光束Lf1は、平行平面板
108a、ミラー109を介して偏光ビームスプリッタ
110に到達している。又AO素子107bにより周波
数f2に変調された光束Lf2は、平行平面板108b
を介して偏光ビームスプリッタ110に到達する。
【0084】ここで偏光ビームスプリッタ110は位置
合わせ光学系のATおよび投影光学系1から成る光学系
の瞳面近傍に位置しており、平行平面板108aおよび
108bの姿勢を変化させることにより、各光束が集光
されたスポットの瞳面での位置が変化する。
【0085】偏光ビームスプリッタ110を通過した光
束はリレー光学系111、ビームスプリッタ112、レ
ンズ113を介し、レチクルRに対して入射する。さら
にレチクルR、投影光学系1を介した光束は、ステージ
121に載置されたウエハW上のウエハマークWMを、
所定の交差角で照明する。
【0086】図7は、ウエハマークWMに対する2光束
Lf1,Lf2の入射角度の説明図である。同図におい
て、f1,f2の周波数を持つ各々の光束Lf1,Lf
2は、ウエハマークWMに対し、位置合わせ光学系AT
の光軸OSを挟んでθの角度で入射し、±1次回折光が
光軸OSに沿って進行する。
【0087】ここでウエハマークWMはピッチLwを持
った回折格子であり、θは
【0088】
【数9】 なる関係を持っている。ただし、λは照明光の波長であ
る。
【0089】光軸OSに沿って進行する回折光は再び投
影光学系1、レチクルR、レンズ113を介し、ビーム
スプリッタ112に到達し、ここで反射してビームスプ
リッタ123、対物レンズ114、空間フィルタ122
を介して投影光学系1の瞳と共役な位置に設けられた光
電検出器115により光電検出される。
【0090】116は位相検出装置であり、AOM駆動
信号(不図示)の位相と、光電検出器115により検出
されたビート信号の位相差を検出してウエハマークWM
の位置を求めている。ここでレチクルRの位置は予め不
図示の方法で求められている。
【0091】制御装置117は、位相検出装置116に
より求められたウエハマークWMの位置から、ステージ
ドライバ118によりステージ121を駆動してウエハ
WとレチクルRの相対的な位置合わせを行っている。
【0092】本実施例ではこのときの2つの周波数の光
束Lf1,Lf2がウエハマークWMに入射する際の交
差角度の調整を次のようにして行い、これによりレチク
ルRとウエハWとの相対的な位置検出を高精度に行って
いる。
【0093】次に2つの光束Lf1,Lf2のウエハマ
ークWMへの入射角度の調整方法について説明する。
【0094】図6においてFMは、ウエハWが載置され
るステージ121上に設けられた基準マークであり、図
8に示すようにガラス基板GP上にウエハW上に形成さ
れるウエハマークWMと同じピッチで反射部分が形成さ
れている。
【0095】制御装置117は基準マークFMが位置合
わせ光学系ATの光軸OSの位置に位置するようステー
ジ121を駆動する。次に制御装置117は位置合わせ
光学系ATに設けられたシャッタ128bを駆動して周
波数f2に相当する光束Lf2を遮断し、シャッタ12
8aを解放する。周波数f1に変調された光束Lf1は
前述したようにミラー109、偏光ビームスプリッタ1
10、リレー光学系111、ビームスプリッタ112、
レンズ113、レチクルR、投影光学系1を介して図8
(B)に示すようにステージ121上の基準マークFM
に対して入射角θ1で入射する。
【0096】ここで反射回折した光束は再び投影光学系
1、レチクルR、レンズ113を介してビームスプリッ
タ112に到達し、ここで反射してビームスプリッタ1
23に入射する。ここで光束は2つに分割され、その一
方の光束は対物レンズ114、空間フィルタ122を介
して光電変換器115に入射する。他方の光束はビーム
スプリッタ123で反射し、対物レンズ124を介して
検出手段としての撮像素子125に入射する。ここで撮
像素子125は1次元の固体撮像素子であり、位置合わ
せ光学系ATの瞳面と共役の位置に設けられている。
【0097】図9(A)は、このとき撮像素子125に
より得られる瞳面での光束分布の例である。ここで撮像
素子125の中心が予め位置合わせされているものとす
る。もしこのとき、平行平面板108aの位置が適切な
位置からずれていたとすると、撮像素子125により観
察される入射光束のスポットは本来あるべき位置W0
りΔaだけ移動していることになる。撮像素子125に
より検出された像はA/D変換装置126により1次元
のディジタル信号I(w)に変換され、強度分布検出装
置127に出力される。A/D変換装置126と強度分
布検出装置127は入射角検出手段の一要素を構成して
いる。
【0098】図9(C)は強度分布検出装置127に出
力される信号の例である。強度分布検出装置127は入
力したデジタル信号I(w)から次式により瞳面におけ
る入射光束の位置W1を次式により算出する。
【0099】
【数10】 ここでδは位置合わせ光学系ATの組み立て誤差、平行
平面板の誤差等から適切な値に定められている。この例
では位置W1を位置W0まわりの重心計算により求めて
いるが、他の方法、例えば最小2乗近似等によっても求
めてもよい。
【0100】強度分布検出装置127は、このようにし
て求めた位置W1より瞳面での光束のズレΔaを算出し
ている。そしてこのときのズレΔaを打ち消すよう調整
手段としての駆動装置120により平行平面板108a
を駆動している。
【0101】次に制御装置117はシャッタ128aを
閉じ、シャッタ128bを解放する。これにより、周波
数f2を持つ光束Lf2が、先に述べた光束Lf2と同
様に図8(B)に示すように基準マークFMにて反射
し、図9(B)に示すようにその瞳面での光束分布が撮
像素子125により検出される。撮像素子125により
検出された信号A/D変換装置126により1次元のデ
ィジタル信号I(w)に変換され、強度分布検出装置1
27に出力される。
【0102】このときのデジタル信号I(w)の例を図
9(D)に示す。強度分布検出装置127は入力したデ
ジタル信号I(w)から瞳面における入射光束の位置W
2を次式により算出する。
【0103】
【数11】 強度分布検出装置127は、このようにして求めた位置
W2より瞳面での光束のズレΔbを算出し、これを打ち
消すよう駆動装置120により平行平面板108bを駆
動している。
【0104】本実施例においては強度分布検出装置12
7を有する入射角検出手段は予め設定した瞳面における
照明強度分布を記憶する記憶手段と、記憶手段に記憶し
た照明強度分布と検出手段からの信号より求めた照明強
度分布との比較をする比較手段とを有している。
【0105】又、駆動装置120より成る調整手段は比
較手段からの信号に基づいて位置合わせ系を構成する一
部の光学部材(平行平面板108a,108b)の位置
又は姿勢を変化させてウエハマークへの光束の入射角を
調整している。
【0106】以上述べたように、本実施例ではステージ
121上に設けられた基準マークFMを用い、各光束を
個別に照明してその瞳面分布を検出することで、位置合
わせ用のウエハマークWMにたいする照明光束の入射角
度を自動的に、かつ随時実行調整可能としている。これ
によりレチクルRとウエハWとの位置合わせを高精度に
行うことができるようにしている。
【0107】尚、本実施例において基準マークを設ける
と共に光電変換器115で検出されるビート信号のコン
トラストを利用して平行平面板108a,108bの姿
勢を制御してもよい。
【0108】図10は本発明の位置検出装置を半導体素
子製造用の投影露光装置に適用したときの実施例4の要
部概略図である。
【0109】本実施例では露光照明系ILからの露光光
で照明したレチクルR上に形成された電子回路パターン
は、投影光学系1を介して2次元移動可能なステージ2
29に載置されたウエハWに投影、露光転写している。
このときのレチクルRとウエハWの相対的な位置合わせ
は次のようにして行っている。
【0110】直線偏光の光束を放射するHeNeレーザ
202から放射された光束は順にレンズ203、姿勢制
御可能なミラー204、シャッタ205、レンズ20
6、偏光ビームスプリッタ207、λ/4板208、レ
ンズ209、ミラー210、投影光学系1を介してステ
ージ229に載置されたウエハW上に形成されているウ
エハマークWMを照明している。
【0111】ここでウエハマークWMは、図11(A)
に示すようにピッチLwを持つ回折格子より成ってい
る。
【0112】さらに、投影光学系1、レンズ206、レ
ンズ209で構成される光学系の瞳面での照明光束の分
布は図11(B)のI0 に示すように、該瞳面の中心に
スポット状に集光するようになっている。
【0113】このとき、ウエハマークWMからの反射回
折光は、図11(B)のI-1およびI+1に示す位置にあ
り、その位置W0は、
【0114】
【数12】 となっている。ただし、ここではλはHeNeレーザ2
02からの光束の波長である。
【0115】ウエハマークWMからの光束は、再び順に
投影光学系1、ミラー210、レンズ209、λ/4板
208を介し、偏光ビームスプリッタ207を通過して
さらにレンズ211を介してFで示す位置にウエハマー
クWMの空中像(ウエハマーク像)を形成する。
【0116】この空中像はさらにフーリエ変換レンズ2
13を介しストッパー214によってウエハW上での角
度が±sin-1(λ/Lw)に相当する光束のみを通過
させ、フーリエ逆変換レンズ215により固体撮像素子
216の撮像面上にウエハマークWMの像を結像してい
る。
【0117】固体撮像素子216により光電変換された
ウエハマークWMの像は、A/D変換装置221により
2次元ディジタル信号列に変換され、さらに積算装置2
22により図11(A)のY方向に積算されて1次元の
ディジタル信号S(x)としてFFT演算装置223に
出力される。
【0118】FFT演算装置223はディジタル信号S
(x)の空間周波数領域を光束フーリエ変換の手法によ
り演算し、周波数強度検出装置224に出力する。周波
数強度検出装置224は、ウエハマークWMのピッチに
相当する周波数近傍でのピーク強度を検出しており、検
出されたピーク強度に対応する周波数成分が位相検出装
置225に出力される。位相検出装置225は与えられ
た周波数からその周波数成分が持つ位相を演算し、ずれ
量検出装置226に出力する。ずれ量検出装置226
は、位相検出装置225により演算された位相を実空間
でのずれ量に換算し、位置合わせ制御装置227に出力
する。
【0119】ここで、あらかじめ固体撮像素子216と
レチクルRとの相対的な位置関係が計測されている。こ
のときのずれ量検出装置226によって検出されたずれ
量から、レチクルRとウエハWの相対的な位置関係を検
出している。これによりステージ229を駆動してもレ
チクルRとウエハWの位置合わせを行っている。この位
置合わせ装置においても、実施例3と同様に、位置合わ
せ光学系ATの瞳面での照明光束の位置を正確に調整し
ている。
【0120】次に本実施例における照明光束の入射角度
の調整の手順について述べる。
【0121】まず位置合わせ制御装置227は、ステー
ジ229を駆動して、ステージ229上の基準マークF
Mが位置合わせ光学系ATの光軸OS上に位置するよう
にする。ここで基準マークFMは図8(A),(B)に
示したようにガラス基板GP上にウエハW上に形成され
る位置合わせ用のウエハマークWMと同じピッチで反射
部分が形成されている。
【0122】HeNeレーザ202から放射された照明
光束は、先に述べたのと同様の光路を通って、図11
(C)に示すようにステージ229上の基準マークFM
に照射される。ここで反射回折した光束は、投影光学系
1、ミラー210、レンズ209、λ/4板208、偏
光ビームスプリッタ207を介し、ビームスプリッタ2
12で反射する。反射した光束は、光学系217を介し
て固体撮像素子218に到達する。
【0123】ここで固体撮像素子218は、位置合わせ
光学系ATの瞳面と共役な面にあり、その出力はA/D
偏光装置219に入力される。A/D変換装置219
は、該瞳面での光束分布を1次元のディジタル信号I
(w)として強度分布検出装置220に出力する。
【0124】図12はディジタル信号I(w)の例であ
る。強度分布検出装置220は、予め決められた瞳面中
心位置まわりのディジタル信号I(w)に対して次式に
より重心計算を行い、検出された入射光束I0 の瞳面で
の位置W3を求める。
【0125】
【数13】 ここでδは位置合わせ光学系ATの組み立て誤差等から
予め適切な値に定められている。強度分布検出装置22
0は位置W3から、これを打ち消すようにミラー駆動装
置228によりミラー204を駆動し、照明光束が瞳面
の中心を通るように調整している。
【0126】これにより位置合わせ用の照明光束のウエ
ハマークWMへの入射角度の調整を行い、レチクルRと
ウエハWとの位置合わせを高精度に行っている。
【0127】以上のように実施例3,4では基準マーク
FMに対する照明光束を、位置合わせ光学系ATの瞳面
での光束分布状態を撮像素子により検出して調整するこ
とにより、随時光路調整を行うことを可能としている。
これにより、投影露光装置が稼働中であっても光路のズ
レを検出し、調整することで必要な位置合わせ精度を確
保している。
【0128】
【発明の効果】本発明によれば以上のように各要素を設
定することにより、ウエハマークと所定面(検出手段)
との相対的な位置合わせ、即ちレチクルとウエハとの相
対的な位置合わせを高精度に行うことのできる位置検出
手段及びそれを用いた半導体素子の製造方法を達成する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1の要部概略図
【図2】 図1のウエハマークに関する説明図
【図3】 本発明の実施例2の要部概略図
【図4】 図3のウエハマークに関する説明図
【図5】 図3の瞳面の照度分布の説明図
【図6】 本発明の実施例3の要部概略図
【図7】 図6のウエハマークへの入射光束の説明図
【図8】 図6の基準マークの説明図
【図9】 図6の瞳面に関する説明図
【図10】 本発明の実施例4の要部概略図
【図11】 図10のウエハマークに関する説明図
【図12】 図10の瞳面での光束分布の説明図
【図13】 従来の位置検出装置の要部概略図
【図14】 図13のウエハマークに関する説明図
【図15】 従来の位置検出装置の要部概略図
【図16】 図15のウエハマークの説明図
【符号の説明】 R レチクル 8a FFT演算装置 W ウエハ (周波数解析手段) WM ウエハマーク 8b,8c 位相検出装置 FM 基準マーク 8d マーク位置検出装置 1 投影レンズ WMa マーク要素 2 光源 WMb 格子マーク 3 ビームスプリッタ IL 露光照明系 4 結像光学系 5 撮像装置(検出手段) 6 A/D変換装置 7 積算装置 8 信号処理手段 9 ステージドライバー 10 ステージ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1物体面上のパターンを第2物体面上
    に投影する投影レンズを介して所定面と該第2物体面上
    に設けた位置合わせマークとの相対的な位置検出を行う
    際、該位置合わせマークは空間周波数領域において少な
    くとも2つの基本周波数ピークを持つ複数のマーク要素
    を配列しており、該所定面上に形成した該位置合わせマ
    ークの像を検出手段で光電変換し、該検出手段からの信
    号を周波数解折手段により直交変換を行い空間周波数領
    域における周波数分布を求め、該周波数解折手段からの
    信号を用いて位相検出手段により該位置合わせマークの
    有する少なくとも2つの基本周波数ピークにおける各々
    の位相を求め、該位相検出手段からの2つの基本周波数
    ピークにおける位相を用いて該所定面と該位置合わせマ
    ークとの相対的な位置検出を行ったことを特徴とする位
    置検出装置。
  2. 【請求項2】 前記位相検出手段で得られた2つの基本
    周波数ピークにおける位相のうち低い空間周波数に相当
    する位相より該位置合わせマークのうちの第1マークの
    位置検出を行い、該第1マークの位置と高い空間周波数
    に相当する位相とから該位置合わせマークの第2マーク
    の位置検出を行っていることを特徴とする請求項1の位
    置検出装置。
  3. 【請求項3】 前記位置合わせマークの2つの基本周波
    数をf1,f2、nとmを任意の正の整数としたとき n×f1≠m×f2 なる条件を満足することを特徴とする請求項1又は2の
    位置検出装置。
  4. 【請求項4】 レチクル面上のパターンをウエハ面上に
    投影する投影レンズを介して所定面と該ウエハ面上に設
    けた位置合わせマークとの相対的な位置検出を行った
    後、レチクル面上のパターンを投影レンズによりウエハ
    面上に投影露光し、該ウエハを現像処理工程を介して半
    導体素子を製造する際、該位置合わせマークは空間周波
    数領域において少なくとも2つの基本周波数ピークを持
    つ複数のマーク要素を配列しており、該所定面上に形成
    した該位置合わせマークの像を検出手段で光電変換し、
    該検出手段からの信号を周波数解折手段により直交変換
    を行い空間周波数領域における周波数分布を求め、該周
    波数解折手段からの信号を用いて位相検出手段により該
    位置合わせマークの有する少なくとも2つの基本周波数
    ピークにおける各々の位相を求め、該位相検出手段から
    の2つの基本周波数ピークにおける位相を用いて該所定
    面と該位置合わせマークとの相対的な位置検出を行う位
    置検出工程を利用していることを特徴とする半導体素子
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 第1物体面上のパターンを可動ステージ
    に載置した第2物体面上に投影するようにした投影レン
    ズを介して所定面と該第2物体面に設けた回折格子より
    成る位置合わせマークとの相対的な位置検出を行う位置
    検出装置において、位置合わせ系からの光束で該位置合
    わせマークを所定の方向から照明し、該位置合わせマー
    クから生じる特定次数の反射回折光の瞳面における分布
    を該位置合わせ系の瞳面又は該瞳面と略共役関係な位置
    に設けた検出手段で検出し、該検出手段からの信号を用
    いて入射角検出手段により該位置合わせ系からの光束の
    該位置合わせマークへの入射角情報を検出し、該入射角
    検出手段からの信号を用いて調整手段により該位置合わ
    せ系からの光束の該位置合わせマークへの入射角の調整
    を行う際、該可動ステージに設けた回折格子より成る基
    準マークに該位置合わせ系からの光束を入射したときに
    該基準マークから生じる特定次数の反射回折光を該検出
    手段で検出し、該検出手段からの信号を用いて該入射角
    検出手段と該調整手段とにより該位置合わせ系からの該
    位置合わせマークへの入射角を調整していることを特徴
    とする位置検出装置。
  6. 【請求項6】 前記検出手段は1次元又は2次元の撮像
    素子を有しており、前記瞳面での光強度及び光強度分布
    を求める機能を有していることを特徴とする請求項5の
    位置検出装置。
  7. 【請求項7】 前記入射角検出手段は予め設定した瞳面
    における照明強度分布を記憶する記憶手段と該記憶手段
    に記憶した照明強度分布と前記検出手段からの信号より
    求めた照明強度分布との比較をする比較手段とを有して
    いることを特徴とする請求項5の位置検出装置。
  8. 【請求項8】 前記調整手段は前記比較手段からの信号
    に基づいて前記位置合わせ系を構成する一部の光学部材
    の位置又は姿勢を変化させて前記位置合わせマークへの
    光束の入射角を調整していることを特徴とする請求項7
    の位置検出装置。
  9. 【請求項9】 レチクル面上のパターンをウエハ面上に
    投影する投影レンズを介して所定面と該ウエハ面上に設
    けた位置合わせマークとの相対的な位置検出を行った
    後、レチクル面上のパターンを投影レンズによりウエハ
    面上に投影露光し、該ウエハを現像処理工程を介して半
    導体素子を製造する半導体素子の製造方法において、位
    置合わせ系からの光束で該位置合わせマークを所定の方
    向から照明し、該位置合わせマークから生じる特定次数
    の反射回折光の瞳面における分布を該位置合わせ系の瞳
    面又は該瞳面と略共役な位置に設けた検出手段で検出
    し、該検出手段からの信号を用いて入射角検出手段によ
    り該位置合わせ系からの光束の該位置合わせマークへの
    入射角情報を検出し、該入射角検出手段からの信号を用
    いて調整手段により該位置合わせ系からの光束の該位置
    合わせマークへの入射角の調整を行う際、該可動ステー
    ジに設けた回折格子より成る基準マークに該位置合わせ
    系からの光束を入射したときに該基準マークから生じる
    特定次数の反射回折光を該検出手段で検出し、該検出手
    段からの信号を用いて該入射角検出手段と該調整手段と
    により該位置合わせ系からの該位置合わせマークへの入
    射角を調整する調整工程を利用していることを特徴とす
    る半導体素子の製造方法。
JP4176280A 1992-06-09 1992-06-09 位置検出装置及びそれを用いた半導体素子の製造方法 Pending JPH05343296A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4176280A JPH05343296A (ja) 1992-06-09 1992-06-09 位置検出装置及びそれを用いた半導体素子の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4176280A JPH05343296A (ja) 1992-06-09 1992-06-09 位置検出装置及びそれを用いた半導体素子の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05343296A true JPH05343296A (ja) 1993-12-24

Family

ID=16010826

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4176280A Pending JPH05343296A (ja) 1992-06-09 1992-06-09 位置検出装置及びそれを用いた半導体素子の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05343296A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2783971A1 (fr) * 1998-09-30 2000-03-31 St Microelectronics Sa Circuit semi-conducteur comprenant des motifs en surface et procede de reglage d'un outil par rapport a cette surface
WO2006095605A1 (ja) * 2005-03-11 2006-09-14 Fujifilm Corporation アライメント用光源ユニット、アライメント装置、露光装置、デジタル露光装置、アライメント方法、露光方法及び照明装置の条件を設定する方法
US7672000B2 (en) 2003-02-06 2010-03-02 Canon Kabushiki Kaisha Position detecting method and apparatus

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2783971A1 (fr) * 1998-09-30 2000-03-31 St Microelectronics Sa Circuit semi-conducteur comprenant des motifs en surface et procede de reglage d'un outil par rapport a cette surface
US7672000B2 (en) 2003-02-06 2010-03-02 Canon Kabushiki Kaisha Position detecting method and apparatus
WO2006095605A1 (ja) * 2005-03-11 2006-09-14 Fujifilm Corporation アライメント用光源ユニット、アライメント装置、露光装置、デジタル露光装置、アライメント方法、露光方法及び照明装置の条件を設定する方法
JP2006251571A (ja) * 2005-03-11 2006-09-21 Fuji Photo Film Co Ltd アライメント用光源ユニット、アライメント装置、露光装置、デジタル露光装置、アライメント方法、露光方法及び照明装置の条件を設定する方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2658051B2 (ja) 位置合わせ装置,該装置を用いた投影露光装置及び投影露光方法
KR900003250B1 (ko) 제 1 물체와 제 2 물체와의 상대위치 맞춤방법 및 이 방법을 실시하기 위한 장치
KR100547437B1 (ko) 리소그래피장치, 디바이스제조방법 및 이에 따라 제조된디바이스
JP3128827B2 (ja) 投影露光装置、並びに投影露光方法、及びその投影露光方法を用いたデバイス製造方法、及びそのデバイス製造方法により製造されたデバイス
JP3033135B2 (ja) 投影露光装置及び方法
JP3187093B2 (ja) 位置ずれ測定装置
TW200931208A (en) Alignment method and apparatus, lithographic apparatus, metrology apparatus and device manufacturing method
US5795687A (en) Projection exposure method and alignment
JP3428829B2 (ja) 位置合わせ方法及びそれを用いた投影露光装置
JP2001267211A (ja) 位置検出方法及び装置、並びに前記位置検出方法を用いた露光方法及び装置
JP3029133B2 (ja) 測定方法及び装置
JPH05343296A (ja) 位置検出装置及びそれを用いた半導体素子の製造方法
JP3600882B2 (ja) 位置合わせ方法、露光方法、及び素子製造方法、並びに位置合わせ装置及び露光装置
JPH02133913A (ja) 位置合わせ装置,露光装置及び素子製造方法
JP3115389B2 (ja) 位相差露光法
JP3368266B2 (ja) 投影露光装置
JP3273409B2 (ja) 投影露光装置
JP3189367B2 (ja) アライメント装置および方法
JP3339591B2 (ja) 位置検出装置
JPH1012530A (ja) アライメント装置
JPH10270347A (ja) 位置ずれ検出方法及びその装置
JP2683409B2 (ja) 位置合わせ装置
JP2883385B2 (ja) 位置合せ方法およびそれらの装置
JPH07122565B2 (ja) 露光装置
JPH11233438A (ja) 半導体装置の製造方法及び露光方法