JPH0534114U

JPH0534114U - からくり函

Info

Publication number: JPH0534114U
Application number: JP8675291U
Authority: JP
Inventors: 有二杉山
Original assignee: Dai Nippon Printing Co Ltd
Current assignee: Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date: 1991-09-30
Filing date: 1991-09-30
Publication date: 1993-05-07

Abstract

(57)【要約】【目的】函体の屈曲パネルからのずれ落ちを簡便に防
止する。【構成】板状物に５以上の奇数条の縦折罫と２条の横
切込線とを設け、横切込線の上方部及び下方部と、中央
部とを逆方向につづら折りして四角筒条の空間部を並列
形成し、その空間部内に蓋板に係止片を突設した函体を
挿入する。前記係止片と対応する切欠部を前記蓋板に設
ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、からくり函の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】

隣り合う函体を逆向きにくるくると回すからくり函としては、出願人が先に実願平３−５４９１６号をもって出願したからくり函がある。該出願のからくり函は屈曲パネルと函体とから構成され、屈曲パネルは板状物に５以上の奇数条の縦折罫と２条の横切込線とを設け、横切込線の上方部及び下方部と、中央部とを逆方向につづら折りして四角筒状の空間部を並列形成したものからなり、函体は前記空間部内に挿入されるもので、その寸法及び個数を前記空間部に対応させて形成したものからなる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、前記のからくり函には、函体が屈曲パネルからずれ落ち易いという問題点がある。そして、このずれ落ちを防止するために屈曲パネルと函体との間に隙間が生じないで両者が緊密に密着するように作ると、函体が屈曲パネルに入り難くなり、からくり函の組立が難しくなってしまうという問題点がある。

【０００４】本考案は前記出願のからくり函の有する上記の問題点を解決すべく考案されたもので、屈曲パネルと函体との間に多少の隙間等があっても函体がずれ落ちることがなく、組立も容易なからくり函を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は前記の目的を達成するため、からくり函を、横長矩形状の板状物に５以上の奇数条の縦折罫と該縦折罫間を連結する２条の横切込線とを設け、該横切込線の上方部及び下方部と、横切込線間の中央部とを逆方向につづら折りして四角筒状の空間部を並列形成し、該空間部内に函体を挿入してなるからくり函であって、前記函体の蓋板が側方に突出する係止片を有するものとして構成した。

【０００６】

【作用】

係止片が屈曲パネルの上方部に係止されて函体の屈曲パネルからのずれ落ちが防止される。

【０００７】

【実施例】

図により本考案の一実施例を説明する。（実施例１）図２，図３は、それぞれ本考案の構成要素である屈曲パネルＡと函体Ｂの展開図である。屈曲パネルＡは、横長矩形状の板状物に５条の縦折罫ａ，ｂ，ｃ，ｄ，ｅと、一番外側の縦折罫ａ，ｅ間を結ぶ横切込線ｆ，ｇとを設けたものである。各縦折罫ａ，ｂ，ｃ，ｄ，ｅ間は同巾であり、縦折罫ａ，ｅは屈曲パネルＡの左右の端辺寄りに設けられている。また、横切込線ｆ，ｇは屈曲パネルＡの上下の端辺寄りに設けられている。函体Ｂは、折線を介して側板１，２，３，４及び貼着片５を順に連設し、側板２の上側に折線を介して蓋板６，差込片７を順に連設し、側板４の下側に折線を介して底板８，差込片７を順に連設し、側板１，３の上下両端にそれぞれ折線ｈを介して耳片９を連設したものである。各側板１，２，３，４の左右巾は屈曲パネルＡの縦折罫ａ，ｂ間と略同寸であり、各側板１，２，３，４の上下巾は屈曲パネルＡの上下巾と略同寸である。また、蓋板６の左側上半部及び右側下半部にはそれぞれ外方に突出する係止片１０，１１が延設されており、蓋板６の左側下半部及び右側上半部にはそれぞれ係止片１１、１０と対応する切欠部１２，１３が形成されている。なお、本実施例では函体Ｂとしてサック函を用いているが、函体Ｂの構造は如何なるものであってもよく、例えば別体の蓋を有するもの等であってもよい。

【０００８】組立に当たっては、先ず、折線に沿って側板２，３，４，貼着片５を順に直角に折り曲げて貼着片５を側板１の内面に貼着した後、各折線ｈに沿って耳片９を直角に折り曲げ、次いで、折線に沿って底板８，差込片７及び蓋板６，差込片７をそれぞれ直角に折り曲げつつ各差込片７を函体Ｂ内に差し込んで函体Ｂを組み立てる（図４）。組み立てられた函体Ｂでは、図４に示すように係止片１０，１１は折線ｈよりも外方に突出し、切欠部１２，１３の部分は蓋板６が欠落して耳片９が露出する。次に、図５に示すように、屈曲パネルＡの横切込線ｆより上の上方部１４と横切込線ｇより下の下方部１５とを縦折罫ａ，ｂ，ｄ，ｅに沿ってつづら折りするとともに、横切込線ｆとｇとの間の中央部１６を縦折罫ａ，ｂ，ｄ，ｅに沿って逆方向につづら折りして上方部１４及び下方部１５と、中央部１６とで四角筒状の空間部１７を２個形成する。次いで、同図の矢印Ｐに示すように各空間部１７の上方から各空間部１７内に、図４のように組み立てられた函体Ｂを２個挿入して組立を終わる（図１）。挿入された函体Ｂの係止片１０，１１は屈曲パネルＡの上方部１４よりも外方に突出し、上方部１４の上端面に係止されて下方への落下を抑止される。これにより、函体Ｂが空間部１７の下方へ脱落することは完全に防止される。なお、説明の便宜上、以下の説明では左側の空間部１７に挿入した函体Ｂを函体Ｂ１とし、右側の空間部に挿入した函体Ｂを函体Ｂ２とする。

【０００９】使用に当たっては、左右の函体Ｂ１，Ｂ２の頭部等を持って図１の矢印Ｒ，Ｓに示すように函体Ｂ１，Ｂ２を逆向きにくるくると回す。図１では函体Ｂ１を時計回り、函体Ｂ２を反時計回りとしているが、逆に函体Ｂ１を反時計回り、函体Ｂ２を時計回りとしてもよい。前述のように係止片１０，１１が上方部１４に係止されるため、屈曲パネルＡと函体Ｂ１，Ｂ２との間に多少の隙間等があっても函体Ｂ１，Ｂ２が屈曲パネルＡから外れて落下することはない。前記実願平３−５４９１６号のからくり函においては函体Ｂに係止片１０，１１に相等するものがなかったため、函体Ｂが屈曲パネルＡからずれ落ち易かった。そして、このずれ落ちを防止するために屈曲パネルＡと函体Ｂとの間に隙間が生じないで両者が緊密に密着するように作ると、函体Ｂが屈曲パネルＡに入り難くなり、からくり函の組立が難しくなってしまった。しかし、本考案のからくり函では係止片１０，１１を設けたため、函体Ｂのずれ落ちを完全に防止することが出来る。そのため、屈曲パネルと函体との寸法精度等をあまり気にすることなく容易かつ安価に製造することが出来る。また、前述のように切欠部１２，１３を係止片１１，１０と対応させて設けたため、例えば図６に示すように函体Ｂ１とＢ２とを密着させた場合には、函体Ｂ１の係止片１０が函体Ｂ２の切欠部１３内に入り込むと同時に、函体Ｂ２の係止片１１が函体Ｂ１の切欠部１２内に入り込み、係止片１０，１１同士及び切欠部１２，１３同士が入れ違いの噛み合わせ状態となる。そのため、函体Ｂ１の蓋板６と函体Ｂ２の蓋板６とが面一となり、外観上の見栄えが良い。また、函体Ｂ１，Ｂ２の回転にともない、例えば図１の状態において函体Ｂ１の胴部に巻き付いている中央部１６が函体Ｂ２の胴部に巻き移って行き、同時に函体Ｂ２の胴部に巻き付いている上方部１４及び下方部１５が函体Ｂ１に巻き移って行く。その際、中央部１６及び上方部１４，下方部１５はともに表裏が反転されつつ巻き移って行く。そのため、例えば、中央部１６，上方部１４，下方部１５の表面と裏面とに色彩等が著しく異なるパターンを印刷しておけば、中央部１６及び上方部１４，下方部１５が巻き移るにつれて函体Ｂ１，Ｂ２の胴部表面の外観が顕著に変わって行く。更に、函体Ｂ１とＢ２の外面のパターンを異ならしめておき、その外面のパターンの異なる函体Ｂ１とＢ２を左右の空間部１７，１７内に入れ替えたり、本からくり函の前後を逆にする等見る向きを変えたりすれば、外観がより顕著に変わる。そのため、展示する場所等に合わせて外観を選択し得るディスプレイとして使用したり、外観の変化を楽しむ玩具として使用したりすることが出来る。

【００１０】（実施例２）本実施例のからくり函は、図７に示すように実施例１のからくり函の縦折罫ａ，ｅの外側の部分１８，１９の左右巾を縦折罫ａ，ｂ間と同巾とし、図８及び図９に示すように部分１８を縦折罫ａに沿って折り曲げつつ中央部１６に貼着するとともに、部分１９を縦折罫ｅに沿って折り曲げつつ上方部１４と下方部１５とに貼着する。かくすることにより、部分１８，１９の外面全体を印刷面として使用することが出来、ディスプレイとしても、玩具としても外観上の美観を高めることが出来る。また、部分１８，１９の上端面が係止片１１，１０を係止するため、函体Ｂはより確実に落下防止される。

【００１１】本考案は上述の実施例に限定されるものではなく、縦折罫は５以上の奇数条であれば何条であってもよい。但し、縦折罫を２条増やすごとに函体を１個ずつ増やし、かつ函体の回転は隣り合う函体を相互に逆向きに回転させることが必要である。函体の数が増えるにつれて全体の形状，外観等の変形態様が増加し、ディスプレイとしても玩具としても面白味が倍加してくる。

【００１２】

【考案の効果】

本考案は前記のように構成され、蓋板に係止片を設けたことにより、屈曲パネルと函体との間に多少の隙間等があっても函体のずれ落ちを完全に防止することが出来る。そのため、屈曲パネルと函体との寸法精度等をあまり気にすることなく容易かつ安価に製造することが出来る。また、隣り合う函体を逆向きにくるくると回すことが出来、函体を回転させると屈曲パネルの中央部及び上方部，下方部がそれぞれ隣りの函体に巻き移り全体の外観が様々に変わって行く。そのため、ディスプレイとしても玩具としても大変面白味に富んでいる。また、屈曲パネルの一番外側の縦折罫の外側の部分の左右巾を他の縦折罫間と同巾として屈曲パネルの中央部及び上方部，下方部に貼着するようにすれば、前記外側の部分の外面全体にパターンを印刷して外観上の美観を増大させることが出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例の斜視図である。

【図２】同実施例の構成部材の一つである屈曲パネルの
展開図である。

【図３】同実施例の構成部材の一つである函体の展開図
である。

【図４】同実施例の函体の組立完了後の状態を示す斜視
図である。

【図５】同実施例の屈曲パネルの組み立て途中の状態を
示す斜視図である。

【図６】同実施例の使用状態を示す上面図である。

【図７】本考案の他の実施例の屈曲パネルの展開図であ
る。

【図８】同実施例の組み立て途中の状態を示す斜視図で
ある。

【図９】同実施例の斜視図である。

【符号の説明】

Ａ屈曲パネルＢ函体１側板２側板３側板４側板５貼着片６蓋板７差込片８底板９耳片１０係止片１１係止片１２切欠部１３切欠部１４上方部１５下方部１６中央部１７空間部１８縦折罫ａの外側の部分１９縦折罫ｅの外側の部分ａ縦折罫ｂ縦折罫ｃ縦折罫ｄ縦折罫ｅ縦折罫ｆ横切込線ｇ横切込線ｈ折線

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】横長矩形状の板状物に５以上の奇数条の
縦折罫と該縦折罫間を連結する２条の横切込線とを設
け、該横切込線の上方部及び下方部と、横切込線間の中
央部とを逆方向につづら折りして四角筒状の空間部を並
列形成し、該空間部内に函体を挿入してなるからくり函
であって、前記函体の蓋板が側方に突出する係止片を有
することを特徴とするからくり函。
【請求項２】前記係止片と対応する切欠部を前記蓋板
に設けたことを特徴とする請求項１のからくり函。